| 【発明の名称】 |
細線用電子線照射装置及びそれを用いた光ファイバの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】川田 敦雄
【氏名】大庭 敏夫
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】細線が通る複数の開口部を有する電子線照射部と、電子発生手段と電子加速手段と電子収束手段を備えた電子線発生部と、電子線発生部と電子線照射部とを連通する連通部を有すると共に、電子線発生部の圧力を電子線照射部より低く保持するための少なくとも1段の差動排気手段とを具備し、開口部を通り電子線照射部内を連続的に通過する細線に対して、電子発生手段により発生した電子を、電子加速手段により加速及び電子収束手段により収束した後、電子線発生部と電子線照射部との連通部を通して照射することを特徴とする細線用電子線照射装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 細線が通る複数の開口部を有する電子線照射部と、電子発生手段と電子加速手段と電子収束手段を備えた電子線発生部と、電子線発生部と電子線照射部とを連通する連通部を有すると共に、電子線発生部の圧力を電子線照射部より低く保持するための少なくとも1段の差動排気手段とを具備し、開口部を通り電子線照射部内を連続的に通過する細線に対して、電子発生手段により発生した電子を、電子加速手段により加速及び電子収束手段により収束した後、電子線発生部と電子線照射部との連通部を通して照射することを特徴とする細線用電子線照射装置。 【請求項2】 上記電子線発生部の複数台が電子線照射部の周囲に概ね等間隔で配置された請求項1記載の細線用電子線照射装置。 【請求項3】 上記連通部の電子線照射部と近接した位置にパージ用ガスを供給する手段を有し、この手段配設位置近傍における連通部内の圧力が電子線照射部内の圧力より高くなるようにパージ用ガスを供給することを特徴とする請求項1又は2記載の細線用電子線照射装置。 【請求項4】 電子線照射部内の圧力が細線通過用の開口部に取り付けた別の差動排気手段により大気圧より低く保持されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の細線用電子線照射装置。 【請求項5】 電子線照射部の圧力が概ね大気圧であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の細線用電子線照射装置。 【請求項6】 電子線照射部を不活性ガス雰囲気にする手段を有することを特徴とする請求項5記載の細線用電子線照射装置。 【請求項7】 不活性ガスがヘリウムであることを特徴とする請求項6記載の細線用電子線照射装置。 【請求項8】 電子線照射部の電子線入口から細線までの距離が約60mm以内であることを特徴とする請求項6又は7記載の細線用電子線照射装置。 【請求項9】 電子線照射部の電子線入口から細線までの距離が約20mm以内であることを特徴とする請求項8記載の細線用電子線照射装置。 【請求項10】 細線をはさんで電子線発生部に対向する位置に電子線を反射もしくは吸収する手段を電子線照射部に配置することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の細線用電子線照射装置。 【請求項11】 細線が電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工した光ファイバであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の細線用電子線照射装置。 【請求項12】 加速電子の最大エネルギが約120keV以下かつ平均エネルギが約60keV以上であることを特徴とする請求項11記載の細線用電子線照射装置。 【請求項13】 光ファイバに電子線硬化性樹脂被覆材の液状組成物を塗工した後、請求項11又は12記載の細線用電子線照射装置により加速電子の最大エネルギが約120keV以下かつ平均エネルギが約60keV以上である電子線を照射し、被覆材を硬化させることを特徴とする光ファイバの製造方法。 【請求項14】 窒素雰囲気中で、電子線照射部の電子線入口から光ファイバまでの距離を約20mm以内にして電子線を照射することを特徴とする請求項13記載の光ファイバの製造方法。 【請求項15】 ヘリウム雰囲気中で、電子線照射部の電子線入口から光ファイバまでの距離を約60mm以内にして電子線を照射することを特徴とする請求項13記載の光ファイバの製造方法。 【請求項16】 電子線硬化性樹脂がウレタンアクリレートを主成分とするものであり、酸素濃度が約1000ppm以下の雰囲気中で、吸収線量が約10〜約100kGyとなるように電子線を照射することを特徴とする請求項14又は15記載の光ファイバの製造方法。 【請求項17】 細線が電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工した光ファイバの束であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の細線用電子線照射装置。 【請求項18】 加速電子の最大エネルギが約160keV以下かつ平均エネルギが約120keV以上であることを特徴とする請求項17記載の細線用電子線照射装置。 【請求項19】 光ファイバの束に電子線硬化性樹脂被覆材の液状組成物を塗工した後、請求項17又は18記載の細線用電子線照射装置により加速電子の最大エネルギが約160keV以下かつ平均エネルギが約120keV以上である電子線を照射し、被覆材を硬化させることを特徴とする光ファイバテープの製造方法。 【請求項20】 窒素雰囲気中で、電子線照射部の電子線入口から光ファイバの束までの距離を約20mm以内にして電子線を照射することを特徴とする請求項19記載の光ファイバテープの製造方法。 【請求項21】 ヘリウム雰囲気中で、電子線照射部の電子線入口から光ファイバの束までの距離を約60mm以内にして電子線を照射することを特徴とする請求項19記載の光ファイバテープの製造方法。 【請求項22】 電子線硬化性樹脂がウレタンアクリレートを主成分とするものであり、酸素濃度が約1000ppm以下の雰囲気中で、吸収線量が約10〜約100kGyとなるように電子線を照射することを特徴とする請求項20又は21記載の光ファイバテープの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、細線に対し連続的に電子線を照射する装置、特に光ファイバに塗布された被覆材の電子線硬化装置、及びそれを用いた光ファイバの製造方法に関するものである。 【0002】なお、本発明において、細線とは、直径5mm以下、特に1mm以下の断面円形状のもののほか、長径もしくは横寸法10mm以下、特に4mm以下で、短径もしくは縦寸法3mm以下、特に1mm以下の断面楕円形状又は長方形状などを包含する。 【0003】 【従来の技術】電子線は物質中を進む際に、物質中の軌道電子を励起し化学反応を起こしたり、二次電子やX線を発生させたりすることにより、徐々にエネルギを物質に分け与え失速するとともに、散乱を受け進行方向がばらばらになり拡散する。この傾向は特に固体のような密度の高い物質中では顕著である。このような性質をもつ電子線は、従来から産業上のさまざまな分野で利用されてきたが、特に製造業に限れば、その利用方法によって、電子線によって引き起こされる化学反応を利用する分野と、電子が運動エネルギを失った時に得られる熱を利用する分野に大別される。前者の例としては、タイヤのゴムや電線のポリエチレン被覆などの樹脂架橋反応、コート紙や印刷インキなどの樹脂硬化反応などが挙げられ、後者の例としては、金属精錬での電子線溶融、金属加工での電子線溶接が挙げられる。前者では照射電子のもつエネルギのうち化学反応に消費されるのは一部で、残りの大部分は素通りし一部は熱となる。この熱は樹脂を劣化させる原因にもなるのでなるべく低く抑えられる。後者では電子線の運動エネルギは被照射物中で電子が失速する際にほとんどが熱となり、この熱を利用して金属を溶融温度まで加熱することができる。このようにそれぞれの分野において電子線の果たす役割は全く異なっている。 【0004】一方、その電子線を照射する装置については、どちらの場合にも、何らかの電子発生手段と電子加速手段が備わっている点は共通である。しかし一般的に、前者に使われる電子線と照射装置は、生産性を上げるために広い面積を照射するように設計され、後者に使われる電子線照射装置は、エネルギ密度を上げるためスポット状に照射するように設計されている。従って前者では、比較的低加速電圧の装置では幅広い電子線の帯を作り出す電子発生手段・電子加速手段からなるいわゆるカーテン方式が、比較的高加速電圧の装置では細い線状のビームを作り出す電子発生手段・電子加速手段とそのビームを幅広く振り分ける電子走査手段からなるいわゆる走査方式が採用され、後者では線状のビームを作り出す電子発生手段・電子加速手段に加え、そのビームを焦点に向けて絞る電子収束手段が備わっているのが普通である。 【0005】また、前者では、電子の発生と加速は真空中で行うが、照射は生産性を考えて連続処理が容易な大気圧雰囲気中で行うのが一般的である。この方式では大気圧と真空の境界は薄い金属箔で仕切り、電子線はその金属箔を透過させて真空から大気圧に取り出すのが一般的である。電子線は金属箔を透過する時に著しく散乱されるため透過後は拡散してしまうが、そもそも広い面積に照射するものであるから問題はなかった。一方、後者では電子線を一点に収束する必要があるので散乱のない真空中で照射するのが一般的であり、大部分の装置は照射室内に被照射物を入れ、高真空まで排気後に照射を行うバッチ処理方式の高真空型を採用している。しかし、高真空型は排気時間が長く生産性が低いため、照射室を差動排気により高真空の電子線発生部と連通することで、照射室の真空度が低真空、即ち排気時間が短くても照射が可能な低真空方式が開発・実用化されている。 【0006】また、細線に対する電子線照射の例としては、特公平5−50454号公報に、どのような装置でどのようなエネルギの電子線をどの程度照射するかについての具体的な記述はないものの、光ファイバ被覆材の電子線硬化について記載されている。しかしながら、収束した電子線を大気圧下で細線に連続して照射する技術は確立されていない。 【0007】ところで、光ファイバには、石英ガラス系、多成分ガラス系、プラスチック系等の種々のものがあるが、実際には石英ガラス系光ファイバが、軽量、低損失、高耐久、大伝送容量という特長から広範囲の分野で大量に使用されている。しかし、この石英ガラス系光ファイバは、最も一般的なもので直径が125μmと極めて細いので、わずかな傷がついていても切れやすく、また曲げなどの外的応力により伝送損失が増大することから、柔らかい一次被覆層とそれを囲む硬い二次被覆層の二層からなる樹脂被覆が施される。通常は光ファイバが溶融線引きされた直後に裸光ファイバ上に液状樹脂をダイコート法などで塗工後、熱や放射線(一般的には紫外線)照射により硬化し、被覆が施される。二次被覆は一次被覆の塗工・硬化後に塗工・硬化する場合と、一次被覆と同時に塗工・硬化する場合がある。更に被覆された光ファイバは識別用にインクで着色されるのが一般的である。被覆された光ファイバを数本(通常は4本又は8本)束ねて、液状樹脂を塗工後、熱や紫外線等の放射線照射により硬化することにより、光ファイバテープが製造されている。 【0008】これらの被覆材としては、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化性樹脂組成物が提案されており、特公平1−19694号、特許第2522663号、第2547021号公報に記載されているように、ウレタンアクリレートオリゴマと、反応性希釈剤、光重合開始剤からなる紫外線硬化性樹脂の液状組成物が知られている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】近年、光ファイバの生産において、生産性向上のため光ファイバの線引き速度が高速化しており、樹脂被覆材を硬化させるのに必要な単位時間あたりのエネルギも増大している。しかし、一般的に行われている紫外線硬化では、紫外線ランプの出力の増加がその進歩に追いつかないのが現状である。従って、紫外線照射装置を何台も直列に設置する必要があり、設置可能な空間の大きさによって生産速度が頭打ちになってしまう問題があった。 【0010】一方、電子線硬化は紫外線硬化に比べ、一般的にエネルギ効率が高いといわれるが、それはコート紙や印刷インキなどの樹脂硬化のように被照射物が幅広く、電子線が拡散しても被照射物のどこかに当たる場合に限られる。細線に電子線を照射するために従来のカーテン方式の電子線照射装置を使用すると、たとえ電子線の帯の方向を細線の方向に合わせても、金属箔透過時の電子線の散乱が著しいため、細線に命中する電子の割合が極めて小さく、エネルギ効率が低いという問題があった。また、走査方式の電子線照射装置を使用した場合、たとえ、走査せずに細線上に静止することができたとしても、同様に金属箔透過時の電子線の散乱が著しいため効率が低いという問題があった。このためポリエチレン被覆電線の電子線架橋では、電線を折り返しながら走行させ、照射装置中を多数回通過させることでこの問題を克服しているが、光ファイバのように液状組成物を塗工したものを電子線硬化させる場合は、硬化が完全ではないうちに折り返すと被覆が損なわれるので、この方法は採用できないという問題があった。 【0011】この電子線の散乱は真空中で照射することで回避できるが、従来から溶接で使われている真空型照射装置はバッチ処理方式であり、連続処理ができないので、光ファイバ被覆の硬化には使えないという問題があった。 【0012】更に、従来の電子線溶接装置では走行中の細線の周囲を均一に照射することはできないという問題があった。 【0013】また、光ファイバ被覆材の電子線硬化には、電子線が光ファイバのコアにドープされたゲルマニウムを変化させ伝送損失の増大を招くという問題があった。 【0014】本発明は、上記事情を改善したもので、走行する細線に均一かつ効率よく連続的に電子線照射する装置、特に線引き速度の高速化に対応するとともに、光ファイバの伝送特性を損なわない細線用電子線照射装置と、それを用いた光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、下記の細線用電子線照射装置、及び光ファイバの製造方法を提供する。 請求項1:細線が通る複数の開口部を有する電子線照射部と、電子発生手段と電子加速手段と電子収束手段を備えた電子線発生部と、電子線発生部と電子線照射部とを連通する連通部を有すると共に、電子線発生部の圧力を電子線照射部より低く保持するための少なくとも1段の差動排気手段とを具備し、開口部を通り電子線照射部内を連続的に通過する細線に対して、電子発生手段により発生した電子を、電子加速手段により加速及び電子収束手段により収束した後、電子線発生部と電子線照射部との連通部を通して照射することを特徴とする細線用電子線照射装置。 請求項2:上記電子線発生部の複数台が電子線照射部の周囲に概ね等間隔で配置された請求項1記載の細線用電子線照射装置。 請求項3:上記連通部の電子線照射部と近接した位置にパージ用ガスを供給する手段を有し、この手段配設位置近傍における連通部内の圧力が電子線照射部内の圧力より高くなるようにパージ用ガスを供給することを特徴とする請求項1又は2記載の細線用電子線照射装置。 請求項4:電子線照射部内の圧力が細線通過用の開口部に取り付けた別の差動排気手段により大気圧より低く保持されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の細線用電子線照射装置。 請求項5:電子線照射部の圧力が概ね大気圧であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の細線用電子線照射装置。 請求項6:電子線照射部を不活性ガス雰囲気にする手段を有することを特徴とする請求項5記載の細線用電子線照射装置。 請求項7:不活性ガスがヘリウムであることを特徴とする請求項6記載の細線用電子線照射装置。 請求項8:電子線照射部の電子線入口から細線までの距離が約60mm以内であることを特徴とする請求項6又は7記載の細線用電子線照射装置。 請求項9:電子線照射部の電子線入口から細線までの距離が約20mm以内であることを特徴とする請求項8記載の細線用電子線照射装置。 請求項10:細線をはさんで電子線発生部に対向する位置に電子線を反射もしくは吸収する手段を電子線照射部に配置することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の細線用電子線照射装置。 請求項11:細線が電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工した光ファイバであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の細線用電子線照射装置。 請求項12:加速電子の最大エネルギが約120keV以下かつ平均エネルギが約60keV以上であることを特徴とする請求項11記載の細線用電子線照射装置。 請求項13:光ファイバに電子線硬化性樹脂被覆材の液状組成物を塗工した後、請求項11又は12記載の細線用電子線照射装置により加速電子の最大エネルギが約120keV以下かつ平均エネルギが約60keV以上である電子線を照射し、被覆材を硬化させることを特徴とする光ファイバの製造方法。 請求項14:窒素雰囲気中で、電子線照射部の電子線入口から光ファイバまでの距離を約20mm以内にして電子線を照射することを特徴とする請求項13記載の光ファイバの製造方法。 請求項15:ヘリウム雰囲気中で、電子線照射部の電子線入口から光ファイバまでの距離を約60mm以内にして電子線を照射することを特徴とする請求項13記載の光ファイバの製造方法。 請求項16:電子線硬化性樹脂がウレタンアクリレートを主成分とするものであり、酸素濃度が約1000ppm以下の雰囲気中で、吸収線量が約10〜約100kGyとなるように電子線を照射することを特徴とする請求項14又は15記載の光ファイバの製造方法。 請求項17:細線が電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工した光ファイバの束であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の細線用電子線照射装置。 請求項18:加速電子の最大エネルギが約160keV以下かつ平均エネルギが約120keV以上であることを特徴とする請求項17記載の細線用電子線照射装置。 請求項19:光ファイバの束に電子線硬化性樹脂被覆材の液状組成物を塗工した後、請求項17又は18記載の細線用電子線照射装置により加速電子の最大エネルギが約160keV以下かつ平均エネルギが約120keV以上である電子線を照射し、被覆材を硬化させることを特徴とする光ファイバテープの製造方法。 請求項20:窒素雰囲気中で、電子線照射部の電子線入口から光ファイバの束までの距離を約20mm以内にして電子線を照射することを特徴とする請求項19記載の光ファイバテープの製造方法。 請求項21:ヘリウム雰囲気中で、電子線照射部の電子線入口から光ファイバの束までの距離を約60mm以内にして電子線を照射することを特徴とする請求項19記載の光ファイバテープの製造方法。 請求項22:電子線硬化性樹脂がウレタンアクリレートを主成分とするものであり、酸素濃度が約1000ppm以下の雰囲気中で、吸収線量が約10〜約100kGyとなるように電子線を照射することを特徴とする請求項20又は21記載の光ファイバテープの製造方法。 【0016】 【発明の実施の形態及び実施例】本発明の細線用電子線照射装置は、■細線が通る複数の開口部を有する電子線照射部と、■電子発生手段と電子加速手段と電子収束手段を備えた電子線発生部と、■電子線発生部と電子線照射部を連通する連通部を有すると共に、電子線発生部の圧力を電子線照射部より低く保持するための少なくとも1段の差動排気手段とを具備し、開口部を通り電子線照射部内を連続的に通過する細線に対して、電子発生手段により発生した電子を、電子加速手段により加速及び電子収束手段により収束した後、電子線発生部と電子線照射部の連通部を通して照射するもので、これにより、均一かつ効率の良い細線の電子線照射を連続的に行うことができる。 【0017】図1,2は本発明の一実施例に係る細線用電子線照射装置を示し、図中10は、両端面が閉塞された筒状の電子線照射部であり、その両端面には、それぞれ細線1の入口部及び出口部となる開口部11,12が設けられ、細線1は一方の開口部(入口部)11から電子線照射部10内に入り、この照射部10内中心を通り、この際電子線2が照射された後、他方の開口部(出口部)12から出るようになっている。なお、13は、電子線照射部内を不活性ガス雰囲気にする手段として、他方の端面に配された不活性ガス用配管で、この配管13よりヘリウム、窒素等の不活性ガスが照射部10内に供給され、照射部10内における細線1の電子線照射を不活性ガス雰囲気で行うことができるようになっている。 【0018】20は、密閉箱状の電子線発生部であり、内部に電子を発生する電子発生手段21と、発生した電子を加速する電子加速手段22と、加速された電子を収束する電子収束手段23とがそれぞれ配設され、これによって電子線2が電子線照射部10に向けて照射されるようになっている。 【0019】この電子線発生部20は、1台又は複数台配設される。複数台を配設する場合、複数台の電子線発生部20は、上記電子線照射部10を取り囲んで互いに概ね等間隔づつ離間して配設することが好適である。図においては、3台の電子線発生部20が電子線照射部10を中心として互いに120°離間した位置に配置されている。 【0020】30は、上記電子線照射部10と電子線発生部20とを連通させる細管又はオリフィス等の連通部31と真空ポンプ32とを備えた差動排気手段で、上記連通部31の一端部が電子線照射部10の側部に気密に連結されていると共に、連通部31の他端部が電子線発生部20の側部に気密に連結され、電子線発生部20で発生した電子線2が連通部31内を通って電子線照射部10内を走行する細線1を照射すると共に、上記真空ポンプ32の排気動作により、電子線発生部20内の圧力が電子線照射部10内の圧力より低く保持されるようになっている。 【0021】図示の装置において、差動排気手段30は3段で構成されているもので、電子線照射部10側から、一段目は細管33a、メカニカルブースタポンプ34、油回転ポンプ35aにて構成され、2段目は細管33b、油回転ポンプ35bにて構成され、3段目は細管33c、ターボ分子ポンプ36、油回転ポンプ35cにて構成されており、これにより電子線照射部10内が大気圧に、電子線発生部20内が約10-4Paの圧力に保持されるようになっている。なお、上記ターボ分子ポンプ36及び油回転ポンプ35cは、電子線発生部20に取り付けられている。 【0022】また、上記連通部31の電子線照射部10に近接した位置(第1段の細管33aの電子線照射部10寄りの位置)には、パージ用ガス供給手段として、例えばヘリウム、窒素等の不活性ガスの供給配管37が介装され、この管からのパージ用ガスの供給により、上記位置近傍(細管33a内の電子線照射部10付近)の圧力が電子線照射部10内の圧力より僅かに高くなるように構成されている。 【0023】更に、上記電子線照射部10内には、細線1を挟んで上記電子線発生部20に対向して(即ち、電子線発生部20からの電子線2進行方向に対面して)水冷金属板等の電子線吸収手段又は電子線反射手段14が配設され、また電子線照射部10はX線遮蔽手段15によって覆われている。 【0024】なお、図示していないが、電子線2が連通部31内の中心を通過するように調節するコイル状の電子線偏向手段を設けることが好適である。 【0025】図示の装置は、本発明装置の一例であり、これに限定されるものではなく、種々変更可能である。 【0026】以下、この点につき更に詳述すると、電子線照射部は電子線が物質中に衝突する際に発生する人体に有害な制動X線が装置外に許容値以上漏れないように、X線を遮蔽するのに十分な厚さを持った鉛板や鉄板などのX線遮蔽手段により覆うことが望ましい。更に、電子線照射部には、上述したように細線が外部から入り又は外部に出ていくために十分な大きさの開口部を少なくとも2個持つ必要がある。この場合、開口部が大きいと多量のX線が外部に漏れるおそれがあるので、その大きさは細線走行時の振動なども考慮した上で細線に触れない最低限の大きさにするのが望ましい。例えば細線が光ファイバの場合、開口部は直径約1mm〜約10mmの円であることが望ましい。なお、作業性を良くするため、開口部が口径可変の絞りになっていても良い。 【0027】電子線発生部は、電子発生手段、電子加速手段、電子収束手段を備えている。電子発生手段としては熱電子放出、二次電子放出、電界電子放出、光電子放出などの現象を利用した従来公知の電子発生源、例えばタングステン、硼化ランタンなどの熱陰極やグロー放電冷陰極が使用できる。熱陰極は構造が簡単でコンパクトにできるが、消耗を防ぐため高真空で使用する必要があり、冷陰極は構造が複雑になるが、真空度は中程度で良く、寿命も長いので、目的に応じて選択するのが良い。電子加速手段としては、直流電界又は高周波電界による従来公知の電子加速手段、例えば平行平板電極間に直流高電圧をかけて作った直流電界や空洞共振器に高周波電圧をかけて作った高周波電界が使用できる。直流電界は電源装置を含め構造が簡単で安価にできるが、放電を防ぐため大きな空間が必要であり、高周波電界は放電が起こり難く、小型化できるが、普通は集群装置を付随させる必要があり、構造が複雑で高価になるので、目的に応じて選択するのが良い。電子収束手段としては、電界レンズ、磁界レンズなどの従来公知の電子収束手段、例えば3枚の電極板で作られた電界レンズや永久磁石又はソレノイドで作られた磁界レンズが使用できる。 【0028】電子線発生部は複数を配設する場合、電子線照射部の周囲に概ね等間隔で配置することが処理の均一性の点から好適である。ここで「周囲に概ね等間隔」とは、電子線発生部が作り出す電子線の細線に対して垂直な面に対する正射影が細線と交わり、かつ隣接する正射影とのなす角がどの正射影をとっても概ね同じであることを意味する。細線と電子線の交点から電子線発生部までの距離は全ての電子線発生部について概ね等しくするのが好ましい。例えばn個(n≧2)の電子線発生部を、細線に対して垂直な平面上の細線を中心にする円上に、電子線が細線と交わるように(360/n)度の間隔で配置することができる。また、電子線発生部を細線に対して垂直な平面に配置するかわりに細線を中心とする円錐面上に同様に配置することもできる。また交互に別の面上に配置することもできる。電子線発生部の数は電子線の直径と細線の直径を考慮して決めるが、2個以上とすることができ、細線が光ファイバの場合2〜6個が好ましい。更に上記のように配置された複数の電子線発生部を一段とし、これを数段重ねても良い。 【0029】電子線発生部と電子線照射部は、少なくとも1段の差動排気手段により連通されるとともに、前者の圧力は後者より低く保持される。差動排気手段は従来公知の一般的なものが使用できる。例えば細管又はオリフィスと真空ポンプを組み合せて使うことができる。このとき細管やオリフィスのコンダクタンスをC、真空ポンプの排気速度をSとし、細管やオリフィスの入口と出口の圧力をそれぞれPi、Poとすると、Pi≫Poのとき一般的に(Po/Pi)=(C/S)の関係が成り立ち、細管やオリフィスの入口と出口の間に圧力段差を発生することができる。装置の能力から一段で目的の圧力段差が得られない場合は、直列に複数段繋げることで大きな圧力段差を得ることができる。例えば低真空(102Pa)の電子線照射部に高真空(10-4Pa)の電子線発生部を連通する場合は、2段の差動排気手段にするのが好ましく、例えば電子線照射部と電子線発生部を2本の細管を繋いで連通し、繋ぎ部分を油回転真空ポンプ、電子線発生部をターボ分子ポンプで排気するのが好ましい。また、例えば大気圧(105Pa)の電子線照射部に高真空(10-4Pa)の電子線発生部を連通する場合は3〜4段の差動排気手段にするのが好ましく、例えば3段の場合は電子線照射部と電子線発生部を3本の細管を繋いで連通し、2つの繋ぎ部分を低真空側からメカニカルブースタポンプ、油回転真空ポンプ、電子線発生部をターボ分子ポンプで排気するのが好ましい。 【0030】装置外部には通常は細線を電子線照射装置に供給し、巻き取る細線走行手段が別途設けられていて、細線はそのような細線走行手段により電子線照射部の入口開口部から連続的に供給され、電子線照射部内を通過し、別の出口開口部から出て巻き取られる。電子発生手段により発生した電子は、電子加速手段により所定のエネルギまで加速され、電子収束手段により所定の大きさまで収束された後、電子線発生部と電子線照射部とを連通する細管やオリフィスなどの連通部の内部を通して、従って固体を透過することなく細線に照射される。1つの電子線発生部に複数の電子加速手段と電子収束手段があっても良く、その順序はいかなる順序であっても良い。 【0031】連通部の電子線照射部に近接した位置には、パージ用ガスを供給する手段を設け、その手段配設位置近傍における連通部内の圧力が電子線照射部内より僅かに高くなるように(通常、電子線照射部内の圧力より1.1〜1.5倍、特に1.1〜1.3倍程度高い圧力)パージ用ガスを供給することが望ましい。パージ用ガスを供給する手段としては、例えば連通部に開口するパージ用ガス配管と流量調節バルブで構成すれば良い。パージ用ガスは電子線照射部の雰囲気ガスと同じであることが好ましい。 【0032】電子線照射部の圧力は大気圧より低い圧力であっても、概ね大気圧であっても良い。大気圧より低い圧力では電子線の散乱が極めて少ないので高い照射効率が得られるが、例えば電子線硬化樹脂のように大気圧より低い圧力で揮発してしまう成分を含むものには適用しずらくなる。一方大気圧では、電子線が雰囲気ガスによって若干散乱されるため、照射効率は大気圧より低い場合に比べて劣るが、揮発成分を含む電子線硬化樹脂などにも適用できる。このように電子線照射部の圧力は目的に応じて適当なものを採用するのが好ましい。なお、大気圧より低い圧力とする場合、その圧力の程度は被処理物の種類等によって異なり、一概に決定されないが、0.1〜104Pa、特に1〜103Pa程度とすることができる。大気圧より低い圧力にする場合は、電子線照射部は細線通過用の開口部に、電子線照射部を大気圧より低く保持するための差動排気手段を設けることが必要である。差動排気手段は従来公知の一般的なものが使用できる。例えば、その中を細線が通過するのに十分な大きさの穴があいた細長管と真空ポンプで構成することができる。細線が光ファイバの場合、細長管の穴の直径が約1mmより小さいと細線が管に接触する恐れがあるので、直径は約1mm以上が好ましい。真空ポンプはメカニカルブースタポンプなど低真空で排気量が大きいものが使用できる。差動排気手段は必要に応じて複数段繋げても良い。なお細長管の大気側開口部付近にパージ用ガスを供給する手段を設け、大気側開口部付近の管内圧力が大気圧より僅かに高くなるようにパージ用ガスを供給するのが好ましい。パージ用ガスを供給する手段としては、例えば細長管内に開口するパージ用ガス配管と流量調節バルブで構成すれば良い。パージ用ガスは空気や窒素で良い。 【0033】電子線照射部が概ね大気圧の場合、電子線照射部の雰囲気は、低密度で、プラズマ状態で化学的に不活性な気体、例えば窒素やヘリウム雰囲気にするのが好ましく、特に電子線の散乱が少ないヘリウム雰囲気とするのが好ましい。また電子線照射部の電子線入口(図1,2において、符号16で示す)から細線までの距離は、雰囲気が窒素の場合は約20mm以内、ヘリウムの場合は約60mm以内とするのが望ましい。それぞれこの距離より大きくすると雰囲気ガスによる電子線の散乱の影響が大きくなり、効率が低下する場合がある。 【0034】細線をはさんで電子線発生部に対向する位置には、電子線発生部から出た電子線のうち細線に当たらなかった電子線を吸収し、そのエネルギを熱として回収する電子線吸収手段を設けることが望ましい。電子線吸収手段としては、例えば内部を水冷した金属板を用いることができる。この金属板に金などの原子番号が大きい金属を用いると、細線に当たらなかった電子線の一部を反射して再利用することができ、照射効率を向上させることができ、都合が良い。電子線発生部同士が対向する場合には、電子線が通る小穴を開けた電子線吸収手段を電子線照射部の電子線入口部側に設置すると良い。電子線の照射強度は、電子線の電流を変えることによって調節でき、細線の走行速度に連動して調節するのが望ましい。 【0035】本発明の電子線照射装置には、電子線の方向を自在に変える電子線偏向手段、電子線の照射位置を検出する電子線強度分布測定手段、細線の位置を測定する細線位置測定手段などを備えていても良い。電子線偏向手段としては、従来公知の偏向コイルの磁界や平行平板電極の電界が使用できる。これらを組み合わせて電子線の中心を細線上に自動的に合わせる制御装置を構成しても良い。 【0036】本発明は、細線が電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工した光ファイバである場合に特に好ましく適用できる。この場合には加速電子の最大エネルギが約120keV以下で平均エネルギが約60keV以上であることが望ましい。加速電子の最大エネルギが約120keVより大きいと光ファイバの伝送損失を増大させてしまう場合があり、平均エネルギが約60keVより小さいと樹脂の深部が未硬化になってしまうおそれがある。 【0037】本発明の光ファイバの製造方法は、光ファイバに電子線硬化性樹脂被覆材の液状組成物を塗工した後、本発明の細線用電子線照射装置により加速電子の最大エネルギが約120keV以下でかつ平均エネルギが約60keV以上である電子線を照射し、被覆材を硬化させるものである。電子線硬化性樹脂被覆材としては従来公知のもの、例えばウレタンアクリレートを主成分とするものが使用でき、光ファイバに電子線硬化性樹脂被覆材の液状組成物を塗工する方法としては従来公知の方法、例えばダイコート法が採用できる。電子線硬化性樹脂被覆材にウレタンアクリレートを主成分とするものを採用する場合、吸収線量が約10〜約100kGyになるように照射するのが好ましい。吸収線量が約10kGyより小さいと樹脂が硬化不充分であり、約100kGyより大きいと電子線による樹脂の劣化が起こる可能性がある。雰囲気中の酸素濃度は約1000ppm以下、より望ましくは10〜500ppmにすることが望ましい。酸素濃度が約1000ppmよりも高いと表面が硬化不良になるおそれがある。 【0038】また、本発明の細線用電子線照射装置を用いて同様に光ファイバテープの製造も可能である。この場合には加速電子の最大エネルギが約160keV以下でかつ平均エネルギが約120keV以上の電子線を照射するのが好ましい。 【0039】なお、本発明の効果を損なわない範囲で、複数の電子線発生部を1つにまとめたり、1つの電子線発生部から発生した電子線を複数の電子線に分岐させたりしても良い。 【0040】本発明によれば、外部に開口するため低真空又は大気圧である電子線照射部と電子加速のため高真空である電子線発生部とを差動排気手段で連通し、電子線を電子線発生部と電子線照射部の連通部を通して細線に照射するので、従来装置のように電子線がウィンドゥ(金属箔)を透過する際に散乱されることがなく、効率の良い照射が可能である。また、電子線発生部を電子線照射部の周囲に概ね等間隔に配置した場合、細線に対して円周方向に均一に電子線を照射することができる。更に、細線はX線遮蔽手段を備えた電子線照射部の開口部を通り、電子線照射部内を連続的に通過することができるので、人体に有害な制動X線を遮蔽するとともに、細線への電子線照射を連続的に行うことができる。 【0041】また、本発明によれば、連通部の電子線照射部に近接した箇所に、その連通部内の圧力が電子線照射部内より僅かに高くなるようにパージ用ガスを供給することで、外部の異物を吸引して連通部が詰まることがなく、安定して差動排気と電子線照射を行うことができる。大気圧中で照射する場合にも、ヘリウム中で照射することによりガスによる電子線の散乱を最低限に抑えることができる。 【0042】電子線の物質中の浸透深さは加速電子のエネルギに依存するが、細線が電子線硬化性樹脂の液状組成物を塗工した光ファイバである場合には、加速電子の最大エネルギを約120keV以下で平均エネルギを約60keV以上とすることにより、加速電子が樹脂の深部まで浸透するが、光ファイバのコアには到達しないので、光ファイバの伝送損失を損なうことなく樹脂を十分に硬化させることができる。 【0043】[実施例]図1,2に示す装置を用いて電子線硬化性樹脂を被覆した光ファイバの処理を行った。この場合、電子線照射部10は鉛板からなるX線遮蔽手段15によって覆われている。電子線照射部10の内部は雰囲気用ヘリウム配管13によって大気圧のヘリウムで満たされている。細線1は電子線照射部10の開口部11を通り、電子線照射部10内の中心を走行する。電子線照射部10の周囲には3つの電子線発生部20,20,20が約120゜の角度で配置され、差動排気手段30の連通部31によって電子線照射部10と連通されている。差動排気手段30は3段で構成され、即ち大気圧側から、1段目は細管33aとメカニカルブースタポンプ34と油回転ポンプ35a、2段目は細管33bと油回転ポンプ35b、3段目は細管33cとターボ分子ポンプ36と油回転ポンプ35cで構成され、電子線発生部20の圧力は約10-4Paに保持されている。電子線照射部10に開口している細管33aの電子線照射部近くにはパージ用ヘリウム配管37が接続され、細管33aの電子線照射部付近の圧力が電子線照射部内より僅かに高くなるようにヘリウムガスが供給されている。電子線発生部20は、電子発生手段としてのタングステンフィラメント21、電子加速手段としての平行平板電極22、電子収束手段としてのソレノイド23を含んでいる。タングステンフィラメント21の通電加熱により得られた熱電子は、平行平板電極22に約60〜約120kVの直流高電圧をかけることで得られた電界によって加速され、ソレノイド23に直流電流を流して得られた磁界によって収束され、電子線2となる。電子線2は差動排気手段30の細管33c,33b,33a(連通部31)を通過し、細線1に照射される。細線1に当たらなかった余剰の電子線は水冷金属板からなる電子線吸収手段14によって吸収される。なお、図には示していないが、電子線が細管の中心を通過するように調節するコイル状の電子線偏向手段が備わっている。毎分1000mで走行する波長1.55μmの伝送損失が0.188dB/kmである外径125μmのシングルモードの裸光ファイバに、ウレタンアクリレートを主成分とする低ヤング率の電子線硬化性被覆材の液状組成物をコーティングダイスにより被覆光ファイバの外径が200μmになるように塗布し、更にこの未硬化被覆光ファイバに、ウレタンアクリレートを主成分とする高ヤング率の電子線硬化性被覆材の液状組成物をコーティングダイスにより被覆光ファイバの外径が250μmになるように塗布し、上記の電子線照射装置を用いて加速電圧80kVで加速した電子線を、電子線照射部の電子線入口から光ファイバまでの距離が20mmになるようにして、酸素濃度が100ppmのヘリウム雰囲気中で、光ファイバに3方向から、それぞれ吸収線量が50kGyになるように照射し硬化させた。この光ファイバの波長1.55μmの伝送損失は0.189dB/kmであった。電子線照射後と電子線照射前の伝送損失の割合は1.005であり、電子線照射による伝送損失の増加はほとんど認められなかった。また、この樹脂被覆のゲル分率を測定したところ約95%であり、十分に硬化していることが確認された。 【0044】 【発明の効果】本発明の細線用電子線照射装置によれば、従来困難であった走行する細線に対して均一かつ効率よく連続的に電子線照射することができ、光ファイバの製造に使用した場合には、光ファイバの伝送特性を損なわずに線引き速度の高速化に対応できるという優れた効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002060 【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月21日(2000.7.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079304 【弁理士】 【氏名又は名称】小島 隆司 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−40200(P2002−40200A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月6日(2002.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−220503(P2000−220503) |
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