| 【発明の名称】 |
X線検査装置における実効焦点寸法の決定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 幸一
【氏名】谷垣 武重
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| 【要約】 |
【課題】マイクロフォーカスX線管などを用いたX線検査装置において、その実効焦点寸法を、簡便かつ客観的に測定することができる実効焦点寸法の決定方法を提供すること。
【解決手段】まず、第1方向Xに沿って配置された第1線幅(S1 )の第1パターン20と、前記第1方向Xと直交する第2方向Yに沿って配置された第1線幅と異なる第2線幅(S2 )の第2パターン22とを少なくとも有する試料2bをX線検査装置にセットする。次に、X線像センサにおけるX線検査面での試料の拡大画像を検出し、拡大された第1パターンの第1線幅を拡大後第1線幅(L1 )とし、拡大された前記第2パターンの第2線幅を拡大後第2線幅(L2 )とする。次に、下記の式(8)から、X線源での実効焦点寸法(F)を求める。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線発生面の実質的に点状のX線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器と、被検査対象物に照射されたX線の画像を検出するX線検出面を持ち、所定の幾何学的拡大倍率で、前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、を有するX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法において、前記被検査対象物として、第1方向に沿って配置された第1線幅(S1 )の第1パターンと、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記第1線幅と異なる第2線幅(S2 )の第2パターンとを少なくとも有する試料を配置する工程と、前記X線像センサにおける前記X線検出面での前記試料の拡大画像を検出し、拡大された前記第1パターンの第1線幅を拡大後第1線幅(L1 )とし、拡大された前記第2パターンの第2線幅を拡大後第2線幅(L2 )とする工程と、下記の式から、前記X線源における実効焦点寸法(F)を求める工程とを有するX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法。 F=(L1 ・S2 −L2 ・S1 )/(L2 −L1 ) 【請求項2】 X線発生面の実質的に点状のX線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器と、被検査対象物に照射されたX線の画像を検出するX線検出面を持ち、所定の幾何学的拡大倍率で、前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、を有するX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法において、前記被検査対象物として、第1方向に沿って配置された第1線幅(S1 )の第1パターンと、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記第1線幅と異なる第2線幅(S2 )の第2パターンとを少なくとも有する試料を配置する工程と、前記X線像センサにより、前記試料の拡大画像を検出し、拡大された前記第1パターンの第1線幅を拡大後第1線幅(L1 )とし、拡大された前記第2パターンの第2線幅を拡大後第2線幅(L2 )とし、r=L1 /L2 を求める工程と、下記の式から、前記X線源における実効焦点寸法(F)を求める工程とを有するX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法。 F=(r・S2 −S1 )/(1−r)
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、X線検査装置における実効焦点寸法の決定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】エレクトロニクス工業界における実装技術は日進月歩の勢いで、その高性能化と高密度化が進展している。これに呼応してエックス線透視法による非破壊検査技術も、ミクロン・レベルの実効焦点寸法を有するX線管の登場により、とりわけX線画像が格段に改善されてきている。 【0003】しかしながら従来より工業用X線装置の分野では、「マイクロフォーカスX線管」に対しては、単に「100μm以下の焦点寸法をもつX線管」とのみ定義されているのが実情である(JIS Z 2300)。ましてや微小焦点ターゲットの実効焦点寸法に対する統一的測定方法、すなわち標準化はまったくなされていない。たとえばJIS Z 4615における標準化は、焦点の呼び寸法が300μm以上のX線管を対象としたものである。 【0004】そのため、真に微小な実効焦点寸法をもつX線管を、他のより大きい実効焦点寸法をもつX線管と差別化しうる呼称がない。その上、はなはだしい場合には、真に1−2μm級の微小な焦点を有していないX線管であるにも拘わらず、製品仕様の実効焦点寸法の項目に「1μm」、又は「2μm」と記載されたり、あるいは営業活動にてデタラメが語られることもしばしばである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑み、その問題点を明快に解決するために、業界の技術標準ともなりうる発明を、ここに提唱する。これによって、X線検査機器メーカのみならず、それらのユーザ各社で本技術を自由に活用し、その基準に沿い標記したり、あるいは評価することにより、今後、無駄な技術的混乱を回避でき、かつ、またX線製造機器工業界全体の健全な発展を図ることが大いに可能となり得る。 【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなされ、マイクロフォーカスX線管などを用いたX線検査装置において、その実効焦点寸法を、簡便かつ客観的に測定することができる実効焦点寸法の決定方法を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法は、X線発生面の実質的に点状のX線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器と、被検査対象物に照射されたX線の画像を検出するX線検出面を持ち、所定の幾何学的拡大倍率で、前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、を有するX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法において、前記被検査対象物として、第1方向に沿って配置された第1線幅(S1 )の第1パターンと、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記第1線幅と異なる第2線幅(S2 )の第2パターンとを少なくとも有する試料を配置する工程と、前記X線像センサにおける前記X線検出面での前記試料の拡大画像を検出し、拡大された前記第1パターンの第1線幅を拡大後第1線幅(L1 )とし、拡大された前記第2パターンの第2線幅を拡大後第2線幅(L2 )とする工程と、下記の式から、前記X線源における実効焦点寸法(F)を求める工程とを有する。 【0008】F=(L1 ・S2 −L2 ・S1 )/(L2 −L1 ) 本発明の第2の観点に係るX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法は、X線発生面の実質的に点状のX線源から所定の広がり角度を持ってX線を発生するX線発生器と、被検査対象物に照射されたX線の画像を検出するX線検出面を持ち、所定の幾何学的拡大倍率で、前記被検査対象物の要部を拡大して画像を検出するX線像センサと、を有するX線検査装置における実効焦点寸法の決定方法において、前記被検査対象物として、第1方向に沿って配置された第1線幅(S1 )の第1パターンと、前記第1方向と直交する第2方向に沿って配置された前記第1線幅と異なる第2線幅(S2 )の第2パターンとを少なくとも有する試料を配置する工程と、前記X線像センサにより、前記試料の拡大画像を検出し、拡大された前記第1パターンの第1線幅を拡大後第1線幅(L1 )とし、拡大された前記第2パターンの第2線幅を拡大後第2線幅(L2 )とし、r=L1 /L2 を求める工程と、下記の式から、前記X線源における実効焦点寸法(F)を求める工程とを有する。 【0009】F=(r・S2 −S1 )/(1−r) 【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。図1は本発明の1実施形態に係るX線検査装置の概略図、図2は実効焦点寸法の測定原理を説明するための概略図、図3(A)は検査装置で用いられる試料の平面図、図3(B)は試料のX線画像を示す平面図である。 【0010】[第1実施形態] X線検査装置の全体構成まず、図1に示す本発明の1実施形態に係るX線検査装置10について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るX線検査装置10は、X線発生器3を有する。X線発生器3は、電子線を発生するカソード6と、電子線を加速するアノード8と、電子線を集束させるコンデンサレンズ12と、電子線をターゲット4上に焦点を結ばせる対物レンズ13と、集束された電子線が照射されてX線を発生するターゲット4とを有する。 【0011】ターゲット4は、たとえばタングステン膜と、タングステン膜を保持するベリリウム膜とで構成してあり、タングステン膜に対して、集束された電子線が照射されることにより、その焦点位置に対応するX線発生面4bの実質的に点状のX線源4aから所定の広がり角度θ1を持ってX線を発生する。X線発生器3における電子線の通路は密閉され、図示省略してある真空ポンプなどで真空に保たれている。所定の広がり角度θ1は、特に限定されないが、本実施形態に係る装置10では、通常の装置よりも広いことが好ましく、たとえば45度〜150度、好ましくは100度〜140度程度が好ましい。 【0012】ターゲット4のX線源4aから所定の広がり角度θ1を持って出射されたX線は、被検査対象物2を照射し、その拡大透視画像がX線像センサ15の画像増幅器14のX線検出面14aへと入射する。画像増幅器14は、X線を可視光に変換すると共に、被検査対象物2を透過して拡大されたX線透視画像の輝度を増幅し、より高輝度の画像を再生するための装置である。画像増幅器14により増幅された高輝度の透視画像は、CCDカメラや撮像管などの撮像装置16で撮像し、モニタ18に表示される。撮像装置16で撮像された透視画像データは、モニタ18に表示されるのみでなく、プリンタなどに出力することも可能であり、さらに、半導体メモリ、ハードディスク、光磁気記憶装置などの記憶手段に記憶される。さらにまた、専用回線または公衆回線を通して、透視画像データを他の装置へ送信することもできる。 【0013】なお、画像増幅器14のX線検出面14aにて検出される被検査対象物2の透視画像の幾何学的拡大率mは、X線源4aからX線検出面14aの中心までのFDD距離と、X線源4aから被検査対象物2までのFOD距離との比により規定される。すなわち、幾何学的拡大率m=FDD/FODである。なお、X線画像の総合拡大倍率は、この幾何学的拡大倍率mに、X線像センサ15およびモニタ18などの画像出力装置における信号拡大倍率kを掛け算したものである。たとえばX線画像が最終的にビデオプリンターにより出力されるとすると、X線画像の総合拡大倍率=幾何学的拡大倍率m×信号拡大倍率kである。信号拡大倍率kは、X線検査装置に依存する既知の係数(たとえば1.5)である。 【0014】一般に、FDD値は、装置定数として固有の値をとる。したがって、X線発生器3の焦点位置であるX線源4aからX線検出面14aの中心までの距離であるFDD値は、予め精度良く実測しておくことが可能である。たとえばFDD値として、500mmまたは600mmの値と成るように設定することができる。 【0015】ところが、FOD値は、装置機構上、可変の値をとる。なぜなら、このFODを変化させることにより、X線画像の拡大および縮小を調節するからである。したがって、X線画像は、常にある特定の拡大倍率で撮影されるが、その都度FOD値をリアルタイムで測定しているわけではないため、正確な拡大倍率を求めることができず、必ず測定誤差を多分に有している。なお、FOD値をリアルタイムで高精度に検出する技術は現在のところ確立されていない。 【0016】したがって、現在の技術では拡大倍率を正確に測定することは困難であり、その正確でない拡大倍率値を根拠にして、X線源4aにおける実効焦点寸法を評価することは好ましくない。本発明の実施形態では、以下の手法を用いることにより、拡大倍率を実測することなく、X線源4aにおける実効焦点寸法を容易に求めることができる。 【0017】原理の説明マイクロフォーカスX線管ターゲットの実効焦点寸法の測定原理を以下に述べる。図2に示すように、図1に示す被検査対象物2の代わりに、X線源4aと検出面14aとの間に、標準試験片2aを配置する。標準試験片2aの直径寸法をSとし、検出面14a上の寸法をKとすると、Kは、次式(1)で示される。 【0018】 K=S・(FDD/FOD) … (1) ただし、上記(A)式は、X線発生源4aにおける実効焦点寸法Fを点光源とみなした場合の理想的な理論式である。しかし、実際には、実効焦点寸法は、ある有限の大きさ、Fを有しているため、現実に映し出される実X線画像Lは、理想値Kの外側に必ずボケ量を含んでいる。すなわち、理想値Kの両端外側で合わせて2Mのボケ総量となる。ここでは、理想寸法Kの両外側に結像される2Mの成分量をボケ量と定義する。この実X線画像寸法Lを数式で表すと、下記の式(2)となる。 【0019】L=K+2M … (2) なお、この実X線画像寸法Lは、検出面14aにおける幾何学的拡大寸法である。一方、このボケ量Mも、X線像の理想値Kと同様な拡大倍率で、比例して大きくなる。すなわち、ボケ量Mは、下記の(3−1)式で表される。 【0020】 M=F・(FDD−FOD)/2・FOD …(3−1) ここで、FDDがFODに比較して可成り大きい場合(FDD>>FOD)、上記式(3−1)は、近似的に下記式(3−2)のように変形ができる。 【0021】 M=F・(FDD/2・FOD) … (3−2) したがって、X線画像の寸法Lを実測することにより、上記の3式(1)、(2)および(3−2)を連立させ、実効焦点寸法Fを次式(4)により求めることができる。 【0022】 F=(FOD/FDD)・L−S … (4) なお、上記式(4)は、次の式(5)のように変形することもできる。 【0023】L=m・(S+F) … (5) ただし、FOD、FDD、mを、それぞれ次の量とする。 FOD:焦点と試料との距離FDD:焦点とX線画像との距離m:幾何学的拡大倍率(FDD/FOD) 原理の応用上記の原理の欄では、直径Sの試料に対する「一般的原理」を述べたが、本発明の実施形態の方法は、巧みにこれらの原理を応用するものである。すなわち、図2に示す試験片2aとして、図3(A)に示す試料2bを用いる。試料2bは、第1方向Xに沿って配置された第1線幅S1 の第1パターン20と、前記第1方向Xと直交する第2方向Yに沿って配置された第1線幅20と異なる第2線幅S2の第2パターン22とを少なくとも有する試料である。具体的には、試料2bは、十文字形に置かれた異なる線径の細線で構成してある。細線の材質は、特に限定されず、タングステン、金、白金などが例示される。 【0024】なお、本実施形態では、パターン20および22を構成する細線として、断面円形のタングステン細線を用いている。断面円形のタングステン細線は、市販製品で容易に入手できるメリットはあるが、より高精度な線幅測定を行うには、線幅S1 およびS2 を持つ長方形断面形状の細線が好ましい。最終的に出力されるX線画像の輪郭がよりシャープであることが肝要であるが、円形断面形状の場合には、厳密にいえば、図説するまでもなく既知の直径寸法よりも短い寸法の物体として、X線像が形成されてしまう。この影響は高倍率ほど大きくなる。 【0025】一方、長方形断面形状の場合には、このような「エッジ効果」は発生しない。この現象は、X線画像の周辺に伴うボケ領域の広がり、およびコントラストの不規則性(イレギュラリティ)に直接関与する。従って、標準試料2bの断面形状としては、長方形断面形状の細線の方が優れている。 【0026】十文字型に置かれた2本の細線の直径寸法を、それぞれS1 ,S2 (S1<S2 )とすると、前述した式(4)により、次の2式が誘導される。 【0027】 F=L1 /m−S1 … (6−1) F=L2 /m−S2 … (6−2) ただし、L1 、L2 を、2本の細線の(検出面14a上に投影される)X線画像の線幅とする(当然、L1 <L2 となる)。 【0028】上記の式(6−1)および(6−2)を連立させ、幾何学的拡大倍率mが決定される。すなわち、幾何学的拡大倍率mは、下記の式で表せる。 【0029】 m=(L2−L1)/(S2−S1) … (7) 上記式(7)を式(6−1)(または、式(6−2))へ代入して、次式(8)を得る。 【0030】 F=(L1 ・S2 −L2 ・S1 )/(L2 −L1 ) … (8) 上記式(8)に、検出面14a以降の画像出力装置における信号拡大倍率を考慮して、図3(B)に示す最終出力されたX線画像より評価された2つの値L1,L2 および、図3(A)に示す2つの既知の直径寸法値(S1 ,S2)を代入することにより、実効焦点寸法Fを決定することができる。 【0031】[第2実施形態]前記第1実施形態において、「原理の応用」の欄では、簡略のため、式(8)までの誘導に止めたが、線幅比率rの概念を用いて、より単純化することができる。すなわち、L1 /L2 =rとおくことにより、実効焦点寸法[F]は、下記の式(9)の通り、S1 ,S2 を2つの助変数として、rの関数として表わされる。 【0032】 F=(r・S2−S1)/(1−r) …(9) 上式(9)において、たとえば、既に計測済の試料における線幅S2 =5μm、S1 =3μmに適用すると、下記の式となる。 【0033】 F=(5・r−3)/(1−r) …(10) ここで、F=F(r)とおき、式(10)を変形すれば、下記の式(11)を得る。 【0034】 F(r)=−2/(r−1)−5 …(11) よって、F、rの両者は、r=1,F(r)=−5を2本の漸近線とする双曲線関数を保つことが明らかである。ただし、この例の場合、S1 ,S2 (したがってL1 ,L2 )の大小関係を考慮し、また焦点寸法の物理的意味より、r値は、0.6より大、1.0より小の範囲をとり得る。 【0035】以上述べた「線幅比率(r)」を用いれば、1検出面14a上に幾何学的拡大倍率で結像された像−線幅(L)と、2さらにその像がX線像センサ15およびモニタ18などの画像出力装置を経て総合倍率で結像された像−線幅(L’)の両者の像に対して、統一的な解釈を行い、取り扱うことができる。言い換えれば、最終出力されたX線画像のクロスライン同士の「線幅比率」を直接、この一般式(9)に代入し、実効焦点寸法[F]を簡単に決定することができる。当然ながら、F値の単位も自動的に標準試験片のそれとなる。 【0036】なお、上記一般式(9)の定性的解釈を次に要約する。上記一般式(9)は、以下のように定性的に解釈することができる。 1.線幅比率(r)は、常にS1 /S2 比率よりも大きい値となること。 2.線幅比率(r)が、S1 /S2 比率に漸近する程、実効焦点寸法(F)は小さくなり、理想的な点状焦点となること。 3.線幅比率(r)が、S1/S2比率より大きくなればなる程、実効焦点寸法(F)は大きくなること。 【0037】なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。 【0038】たとえば、上述した実施形態では、2本のタングステン細線を直交せしめ、ベースに固定したものを用いているが、リソグラフィー技術、タングステン成膜技術等を応用して、一個のテスト・ピース中に、縦幅(S1 =W1 )、横幅(S2 =W2 )の絶対寸法のペアを変えた複数種のクロス・パターンを作製しておくと、さらに便利に応用できる。その一つ一つの線幅に対しては、測長SEM等により計測された認証データ付き標準パターン(公的認証機関等によるもの)を応用することが望ましい。このような標準試験片は矩形の断面形状を有する上、縦・横のライン・パターンが同一平面内に置かれているので、細線の十字状重ね合わせによる方法に比べ、厳密には測定精度が向上する。これはクロス・ポイント近傍の縦・横ライン表面とX線管焦点中心との距離(FOD値)が一定になるためである。 【0039】また、上記実施形態では、図1に示す透過型X線発生器(透過型X線管)3を用いているが、本発明の方法は、透過型X線管/反射型X線管を問わず、それらの実効焦点寸法の評価に適用することができる。 【0040】 【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。 【0041】実施例12本の既知の直径寸法をもつ細線を準備した。細線の材質は、使用するX線管(図1に示すX線発生器3)の管電圧等により適正に選択しなければならない。以下に述べる実施例では、2本のタングステン線を用いた。また、その直径を、それぞれS1 =3μmとS2 =5μm(寸法公差:±0.05μm)のペアとした。ただし、実効焦点寸法Fの絶対値の予測レンジ、例えば、1〜2μm、5〜10μm、10〜20μm・・・に応じて、標準試験片の寸法ペアを選択することが肝要である。 【0042】上記の材質・寸法の標準試験片を、図1に示すX線検査装置10に取り付け、撮影されたX線画像(最終出力データ)を、図3(B)に示す。2本のタングステン細線(それぞれ直径3μm、5μm)のX線画像のクロス・ポイント付近(半径15mm内)の線幅を3回実測した。管電圧、管電流の条件組合せを変えて得られた測定結果(X線画像(1)とX線画像(2))の一例と、それらのデータより求めた実質的な幾何学的拡大倍率mと、実効焦点寸法Fとを、表1に一覧表示する。 【0043】 【表1】
【0044】表1の内容を要約すると次の通りである。 1]2つの既知寸法の試験片に対するX線画像が「同時撮影」されること。このことは、全ての撮影条件が同一となること、とくに幾何学的拡大倍率(m)が同一であることを意味する。 2]2つの試験片のX線画像は、実効焦点寸法(F)が−仕様値や公称値ではない−真に等しい条件下で撮像されること。 3]これらの状態下で、S1 ,S2 値および、実験値L1 ,L2 を介して、2個の未知数(m、F)に関する2元連立1次方程式を解くこと。 【0045】なお、2本の線幅の実測方法に関しては、さまざまな方法が考えられる。例えば、従来から行われているが、フォト・デンシトメータにより白黒コントラストの黒化度曲線より、1−3σ法の所定の手続きを経て実効線幅を評価する方法、あるいは、ノギス等を用いて読み取る方法等々である。いずれにせよ、個人差や系統的な測定誤差を平滑化するため、あるn数の測定値を算術平均すればよい。 【0046】表2は、本実施例の場合(S1=3μm、S2=5μm)につき、前述した一般式(9)に基づき、F=F(r):0.6≦r≦0.8の特性状態をまとめたものである。 【0047】 【表2】
【0048】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれば、X線検査装置において、微小焦点寸法を有するX線発生器(X線管)の実効焦点寸法を、能率よく測定・評価することができ、極めて実用性が高い。X線検査機器製造業界の仕様決めの標準として、さらにX線発生装置の性能評価の基準として広範に活用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598083016 【氏名又は名称】メディエックステック株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月28日(2000.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097180 【弁理士】 【氏名又は名称】前田 均 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−40199(P2002−40199A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月6日(2002.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−228429(P2000−228429) |
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