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【発明の名称】 放射線画像情報読取装置
【発明者】 【氏名】荒川 哲

【要約】 【課題】蓄積性蛍光体シートに励起光を線状に照射し、ラインセンサにより放射線画像情報を読み取る装置において、励起光照射部分から発光される輝尽発光光が所定の広がりを持ち、この広がり光の幅よりも受光する光電変換素子の幅が狭い場合においても、集光効率を向上させ、S/Nの高い画像を得る。

【解決手段】セルフォックレンズ素子6と光電変換素子21の間に、セルフォックレンズ素子6側の端面の面積が光電変換素子側の端面の面積より大きい多数のテーパーファイバ束から成るファイバ光学素子18を配置し、蛍光体シート50上における放射線画像に基づく輝尽発光光Mの発光部分の像をファイバ光学素子18により縮小して、光電変換素子21の受光面に結像する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射線画像情報が蓄積された蓄積性蛍光体シートの表面の一部に励起光を線状に照射する照射手段と、該照射手段により前記蛍光体シートに前記励起光が線状に照射された部分またはこの照射された部分に対応する蛍光体シートの裏面部分から発光された輝尽発光光を集光する前記線状に照射された部分に対向して線状に配列された多数の集光レンズおよび各該集光レンズにより集光された前記輝尽発光光を受光して光電変換する多数の光電変換素子が直線状に配列されてなるラインセンサを有する検出手段と、前記照射手段および前記検出手段と前記蛍光体シートの一方を他方に対して相対的に前記照射された部分の長さ方向と異なる方向に移動させる走査手段と、前記検出手段の出力を前記移動に応じて順次読み取り、最終画像を構成するデータを得る読取手段とを備えた放射線画像情報読取装置において、前記検出手段が、各前記集光レンズと各前記光電変換素子の間に配置された、前記集光レンズ側の端面の面積が前記光電変換素子側の端面の面積より大きい多数のテーパーファイバ束から成るファイバ光学素子を有するファイバ光学系を備えたことを特徴とする放射線画像情報読取装置。
【請求項2】 前記検出手段が、複数列の前記集光レンズ、前記ファイバ光学系および前記ラインセンサを備え、前記線状に照射された部分から発光された前記輝尽発光光を前記複数列の集光レンズ、ファイバ光学系およびラインセンサにより検出するものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像情報読取装置。
【請求項3】 前記光電変換素子が、CCDであることを特徴とする請求項1または2いずれか1項記載の放射線画像情報読取装置。
【請求項4】 前記蓄積性蛍光体シートが、紫外乃至可視領域の光を吸収して、そのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光により励起されて、前記エネルギーを輝尽発光光として放出する輝尽性蛍光体を含有するものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の放射線画像情報読取装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像情報読取装置に関し、特に、蓄積性蛍光体シートに蓄積された放射線画像情報を線状の励起光により励起し、その輝尽発光光をラインセンサにより読み取る放射線画像情報読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蓄積性蛍光体に放射線を照射すると、この放射線エネルギーの一部が蓄積され、その後、可視光やレーザ光などの励起光を照射すると、蓄積された放射線エネルギーに応じて輝尽発光光が発光される。この蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)を利用して、支持体上にこの蓄積性蛍光体を積層し、シート状とした蓄積性蛍光体シートに人体などの被写体を透過した放射線を照射することにより、放射線画像情報を一旦蓄積記録し、この蓄積性蛍光体シートにレーザ光などの励起光を照射して、輝尽発光光を生じさせ、この輝尽発光光を光電変換素子からなる読取手段により読み取って画像信号を得、また、この画像信号を読み取った後の蓄積性蛍光体シートに消去光を照射して、このシートに残留する放射線エネルギーを放出させ、そのシートを再使用に供する放射線画像記録再生システムがCR(ComputedRadiography)として、広く実用に供されている。
【0003】上記システムにより得られた画像信号には観察読影に適した階調処理や周波数処理などの画像処理が施され、これらの処理が施された後の画像信号は診断用可視像(最終画像)としてフィルムに記録され、または高精細なCRTに表示されて医師などによる診断に提供される。一方、上記蓄積性蛍光体シートに消去光を照射し、残留エネルギーを放出させると、そのシートは再度放射線画像情報の蓄積記録が可能となり、繰り返し使用可能である。
【0004】また、放射線画像記録再生システムに用いられる放射線画像情報読取装置においては、輝尽発光光の読取時間の短縮や、装置のコンパクト化およびコストの低減の視点から、励起光源として、シートに対して線状に励起光を照射するライン光源を使用し、光電読取手段としては、ライン光源により励起光が照射されたシートの線状の部分の長さ方向(以下、主走査方向とする)に沿って多数の光電変換素子が配列されたラインセンサを使用するとともに、上記ライン光源および上記ラインセンサと上記蛍光体シートの一方を他方に対して相対的に、上記線状の部分の長さ方向に略直交する方向(以下、副走査方向とする)に移動する走査手段を備えた構成が提案されている(特開昭60-111568号、特開昭60-236354、特開平1-101540号など)。また、ラインセンサの光電変換素子としては、比較的量子効率が高く、装置の小型化が可能となるCCDが利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技術による放射線画像情報読取装置において、蛍光体シートに線状の励起光を照射した場合、この照射部分から発光される輝尽発光光は、励起光の蛍光体シート内での散乱と発光される輝尽発光光の拡散により、所定の広がりをもった広がり光となる。一方、この輝尽発光光を受光する光電変換素子としてCCDを使用した場合、このCCDの幅は、通常20μm程度以下であり、上記広がり光の幅よりも狭いため、照射部分から発光される輝尽発光光のすべてを受光することができず、十分な集光効率を得ることができない。また、十分な放射線吸収を持たせるために蛍光体シートの蛍光体層はある程度の厚さが必要であるので、線状の励起光の照射部分を狭くしても、励起光の散乱や輝尽発光光の拡散は避けられず、上記広がり光の幅をCCDの幅より狭くすることは困難である。また、上記広がり光をレンズからなる縮小光学系により、光電変換素子に結像させた場合においても、集光効率の著しい低下を招くため好ましくない。
【0006】本発明による放射線画像情報読取装置は、上記ような問題点に鑑みて、励起光照射部分から発光される輝尽発光光が所定の広がりを持ち、この広がり光の幅よりも受光する光電変換素子の幅が狭い場合においても、集光効率を向上させて、S/Nがより高い画像を得る放射線画像情報読取装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による放射線画像情報読取装置は、放射線画像情報が蓄積された蓄積性蛍光体シートの表面の一部に励起光を線状に照射する照射手段と、照射手段により蛍光体シートに励起光が線状に照射された部分またはこの照射された部分に対応する蛍光体シートの裏面部分から発光された輝尽発光光を集光する線状に照射された部分に対向して線状に配列された多数の集光レンズおよび各集光レンズにより集光された輝尽発光光を受光して光電変換する多数の光電変換素子が直線状に配列されてなるラインセンサを有する検出手段と、照射手段および検出手段と蛍光体シートの一方を他方に対して相対的に照射された部分の長さ方向と異なる方向に移動させる走査手段と、検出手段の出力を移動に応じて順次読み取り、最終画像を構成するデータを得る読取手段とを備えた放射線画像情報読取装置において、検出手段が、各集光レンズと各光電変換素子の間に配置された、集光レンズ側の端面の面積が光電変換素子側の端面の面積より大きい多数のテーパーファイバ束から成るファイバ光学素子を有するファイバ光学系を備えたことを特徴とするものである。
【0008】ここで、「テーパファイバ束から成るファイバ光学素子」とは、例えば、図5に示すようなテーパ状に形成された数μmのシングルファイバ22を多数束ねたファイバ光学素子19を意味する。このテーパファイバ束からなるファイバ光学素子に入射した像は、縦横同じ比率で縮小されて伝達される。また、ファイバ光学系は、図5に示したファイバ光学素子19を多数直線状に配列したもので構成してもよいし、ラインセンサと同じ長さと幅をもつような1つのファイバ光学素子により構成してもよい。
【0009】また、照射手段から照射される線状の励起光は、光源自体がライン光源であり、線状の励起光を出射するものでもよいし、光学系により線状にされたものでもよい。また、出射される励起光は、連続的に出射されるものであってもよいし、出射と停止を繰り返すパルス状に出射されるパルス光であってもよいが、ノイズ低減の観点から、高出力のパルス光であることが望ましい。ライン光源としては、蛍光灯や冷陰極蛍光灯等をスリットを介して結像させたもの、あるいは、LEDアレイ、LDアレイ、ブロードエリアレーザ等をシリンドリカルレンズ等で集光したものを適用することができる。
【0010】さらに、照射手段と検出手段とは、シートの同一面側に配置される構成であってもよいし、互いに反対の面側に別個に配置される構成であってもよい。但し、別個に配置される構成を採用する場合は、蛍光体シートの支持体などは輝尽発光光透過性のものにする必要がある。
【0011】また、集光レンズは、蛍光体シート上における放射線画像に基づく輝尽発光光の発光部分の像をファイバ光学素子の受光面に1対1の大きさで結像するものである。
【0012】また、本発明による放射線画像情報読取装置は、検出手段が、複数列の集光レンズ、ファイバ光学系およびラインセンサを備え、線状に照射された部分から発光された輝尽発光光を複数列の集光レンズ、ファイバ光学系およびラインセンサにより検出するようにすることもできる。また、上記のような構成とし、ファイバ光学系として多数のファイバ光学素子を直線状に配列したものを使用する場合は、図10(上記構成による放射線画像情報読取装置の上部断面図)に示すように少なくとも1つのファイバ光学系のファイバ光学素子19の隣接部分と、他のファイバ光学系のファイバ光学素子19'の隣接部分とが線状の励起光照射部分1に対して、主走査方向に所定の距離ずれるようファイバ光学素子19、19'を配列することが望ましい。図10についての詳細な説明は、後述する。
【0013】ここで、上記複数列の集光レンズ、ファイバ光学系およびラインセンサは、上記直線状に励起光が照射された部分に対して、平行に並んでいるものとする。
【0014】また、光電変換素子として、CCDを利用することができる。
【0015】また、蓄積性蛍光体シートとしては、紫外乃至可視領域の光を吸収して、そのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光により励起されて、エネルギーを輝尽発光光として放出する輝尽性蛍光体を含有するものを利用することもできる。
【0016】この場合、従来の輝尽性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能を分離して、放射線吸収の優れた蛍光体と輝尽発光の応答性の優れた蛍光体をそれぞれ使い分け、放射線吸収の優れた蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を用いて放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光させ、この発光光を前述の輝尽発光の応答性の優れた蛍光体(蓄積専用蛍光体)を用いて吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起して該エネルギーを輝尽発光光として放出させるものとすればよい。
【0017】
【発明の効果】本発明による放射線画像情報読取装置によれば、各集光レンズと各光電変換素子の間に、集光レンズ側の端面の面積が光電変換素子側の端面の面積より大きい多数のテーパーファイバ束から成るファイバ光学素子を有するファイバ光学系を配置することにより、蛍光体シート上における放射線画像に基づく輝尽発光光の発光部分の像が、輝尽発光光の拡散等により広がりをもち、その幅が、光電変換素子の幅より大きい場合においても、ファイバ光学素子によりその像を縮小して、光電変換素子の受光面に結像するので、集光効率を向上させることができ、最終画像のS/Nをより高くすることができる。
【0018】また、検出手段を、複数列の集光レンズ、ファイバ光学系およびラインセンサを備えたものとし、励起光が線状に照射された部分から発光された輝尽発光光を複数列の集光レンズ、ファイバ光学系およびラインセンサにより検出するようにすることもできるので、さらに集光効率を向上させることができる。この場合、線状の励起光が蛍光体シートに対して略垂直に入射するようにし、複数列の集光レンズ、ファイバ光学系およびラインセンサが線状に照射された分に対して両側に配置すれば、蛍光体シートに対してより垂直な方向から輝尽発光光を集光することができるので、より集光効率を向上させることができる。また、上記のような構成とし、ファイバ光学系として多数のファイバ光学素子が直線状に配列されたものを使用する場合には、少なくとも1つのファイバ光学系のファイバ光学素子の隣接部分と、他のファイバ光学系のファイバ光学素子の隣接部分とが線状に照射された部分に対して、主走査方向に所定の距離ずれるよう各ファイバ光学素子を配列することにより、少なくとも1つのファイバ光学系の隣接部分に対応する励起光照射部分から発光される輝尽発光光を他のファイバ光学系により受光することができるので、ファイバ光学素子の繋ぎ目によるアーチファクト(偽画像)が抑制された画像を得ることができる。
【0019】また、光電変換素子として、CCDを利用することができるので、装置を小型化することができる。
【0020】また、蓄積性蛍光体シートとしては、紫外乃至可視領域の光を吸収して、そのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光により励起されて、エネルギーを輝尽発光光として放出する輝尽性蛍光体を含有するものを利用することもできる。
【0021】この場合、従来の輝尽性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能を分離して、放射線吸収の優れた蛍光体と輝尽発光の応答性の優れた蛍光体をそれぞれ使い分け、放射線吸収の優れた蛍光体(放射線吸収用蛍光体)を用いて放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光させ、この発光光を前述の輝尽発光の応答性の優れた蛍光体(蓄積専用蛍光体)を用いて吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起して該エネルギーを輝尽発光光として放出させるものとすればよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明による放射線画像情報読取装置の実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示した放射線画像情報読取装置のI−I線断面を示す断面図である。
【0023】本発明による放射線画像情報読取装置は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート(以下、蛍光体シートという)50を載置して矢印Y方向に搬送する走査ベルト40、線状の2次励起光(以下、単に励起光という)Lを蛍光体シート50表面に略平行に出射するブロードエリアレーザ(以下、BLDという)11、BLD11から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げるトーリックレンズの組合せからなる光学系12、蛍光体シート50表面に対して45度の角度を傾けて配置され、励起光Lを蛍光体シート50に向かって略垂直方向に反射し後述する輝尽発光光Mを透過するように設置されたダイクロイックミラー14、ダイクロイックミラー14により反射された線状の励起光Lを、蛍光体シート50上にX方向に沿って延びる線状に集光するとともに、励起光の照射により蛍光体シート50から発せられる蓄積記録された放射線画像情報に応じた輝尽発光光Mを平行光束とする屈折率分布形レンズアレイ15(以下、第1のセルフォックレンズアレイという)、この第1のセルフォックレンズアレイ15により平行光束とされ、ダイクロイックミラー14を透過した輝尽発光光Mを後述するファイバ光学素子18の受光面に放射線画像の像として結像する第2のセルフォックレンズアレイ16、第2のセルフォックレンズアレイ16を透過した輝尽発光光Mに僅かに混在する、蛍光体シート50表面で反射した励起光Lをカットする励起光カットフィルタ17、第2のセルフォックレンズアレイ16により結像された像を縮小して後述するラインセンサ20の光電変換素子21の受光面に結像するファイバ光学素子19をX方向に直線状に配列したファイバ光学系18、ファイバ光学系18のファイバ光学素子19により結像された像を光電変換素子21により光電変換するラインセンサ20、ラインセンサ20から出力された信号を読み取る画像情報読取手段30を備えている。
【0024】ここで、ラインセンサ20は詳しくは、図3に示すように、光電変換素子21がX方向に沿って多数(例えば1000個以上)配列した構成となっている。図3に示されるラインセンサは、配列された光電変換素子を所定の間隔をおいて配置するようにしたが、ファイバ光学系18から集光される輝尽発光光Mをすべて受光できる配置であれば如何なる配置でもよい。また、光電変換素子21としては具体的には、アモルファスシリコンセンサ、CCDセンサまたはMOSイメージセンサなどを利用することができる。
【0025】また、ファイバ光学系18は詳細には図4(本実施の形態における放射線画像情報読取装置の一部上方断面図)に示すようにファイバ光学素子19をX方向に直線状に配列したものであり、ファイバ光学素子19は、詳細には、図5に示すように、数μmのシングルファイバ22を束ねたマルチファイバ構造をしており、また、個々のシングルファイバ22は、テーパ状に成形されているため、入射像はX方向およびY方向ともに同じ比率で縮小して伝達される。また、ファイバ光学素子19の第2のセルフォックレンズ側の端面の面積は、第2のセルフォックレンズを透過した輝尽発光光Mを十分集光できるような大きさである。
【0026】また、ラインセンサ20とファイバ光学系18の間の距離は、できるだけ短い方がよく、密接するよう配置することが望ましい。従って、励起光カットフィルタは、図4に示すように第2のセルフォックレンズアレイ16とファイバ光学系18との間に配置することが望ましいが、励起光カットフィルタとして薄膜の干渉フィルタなどを使用した場合には、ラインセンサ20とファイバ光学系18の間に配置してもよい。
【0027】また、第1、第2のセルフォックレンズアレイ15、16は、詳細には、図6に示されるように多数のセルフォックレンズ素子5、6を直線状に配列したものであり、蛍光体シート50上における放射線画像に基づく輝尽発光光Mの発光部分の像を1対1の大きさでファイバ光学素子19の受光面に結像する。なお、図6に示されるように1列に配列する必要は必ずしもなく、複数列配列した構成にしてもよいし、要は、上記のように作用するものであれば如何なる構成でもよい。
【0028】また、コリメータレンズとトーリックレンズからなる光学系12は、BLD11からの励起光Lを蛍光体シート50上に所望の照射域に拡大する。
【0029】次に、本実施の形態による放射線画像情報装置の作用について説明する。
【0030】まず、走査ベルト40が矢印Y方向に移動することにより、この走査ベルト40上に載置された、放射線画像情報が蓄積記録された蛍光体シート50を矢印Y方向に搬送する。このときの蛍光体シートの搬送速度はベルト40の移動速度に等しく、ベルト40の移動速度は画像読取手段30に入力される。
【0031】一方、BLD11が、線状の励起光Lを、蛍光体シート50表面に対して略平行に出射し、この励起光Lは、その光路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレンズからなる光学系12により平行ビームとされ、ダイクロイックミラー14により蛍光体シート50に垂直に入射する方向に反射され、その反射光は第1のセルフォックレンズ15により、蛍光体シート50上にX方向に沿って延びる線状に照射される。励起光Lが照射された部分は、励起光が、その集光域の蓄積性蛍光体を励起するとともに集光域から蛍光体シート50内部に入射して集光域の近傍部分に拡散し、集光域の近傍部分の蓄積性蛍光体も励起する。その結果、蛍光体シート50の集光域およびその近傍から、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた強度の輝尽発光光Mが発光される。この輝尽発光光Mは、第1のセルフォックレンズ15により平行光束とされ、ダイクロイックミラー14を透過し、第2のセルフォックレンズアレイ16により、ファイバ光学系18のファイバ光学素子19の受光面に放射線画像の像として結像される。この際、第2のセルフォックレンズアレイ16を透過した輝尽発光光Mに蛍光体シート50表面で反射した励起光Lが僅かに存在していたとしても、励起光カットフィルタ17によりカットされるので、ファイバ光学素子19の受光面には入射しない。ファイバ光学素子19の受光面に結像された像は、ファイバ光学素子19により縮小されてラインセンサ20の光電変換素子21の受光面に結像される。ラインセンサ20に結像された像は、光電変換素子21により光電変換され、その画像信号は、画像読取手段30に出力され、画像読取手段は、この画像信号をデジタル信号に変換した後、画像処理装置に出力する。
【0032】本発明による放射線画像情報読取装置によれば、セルフォックレンズ素子6と光電変換素子21の間に、セルフォックレンズ素子6側の端面の面積が光電変換素子側の端面の面積より大きい多数のテーパーファイバ束から成るファイバ光学素子18を配置することにより、蛍光体シート上における放射線画像に基づく輝尽発光光の発光部分の像が、輝尽発光光の拡散等により広がりをもち、その幅が、光電変換素子21の幅より大きい場合においても、ファイバ光学素子18により像を縮小して、光電変換素子21の受光面に結像するので、集光効率を向上させることができ、最終画像のS/Nをより高くすることができる。
【0033】また、上記実施の形態における放射線画像情報読取装置は、励起光Lの光路と輝尽発光光Mの光路とが一部において重複するような構成を採用して、装置の一層のコンパクト化を図るものとしたが、このような構成に限るものではなく、例えば図7、図8に示すように、励起光Lの光路と輝尽発光光Mの光路とが全く重複しない構成を適用することもできる。
【0034】図7に示す放射線画像情報読取装置は、走査ベルト40、線状の励起光Lを蛍光体シート50表面に対して略45度の角度で発するBLD11、BLD11から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げるトーリックレンズの組合せからなり、蛍光体シート50表面に線状の励起光Lを照射する光学系12、蛍光体シート50の表面に対して略45度だけ傾斜し、かつ励起光Lの進光方向に略直交する光軸を有し、励起光Lの照射により蛍光体シート50から発せられた輝尽発光光Mをファイバ光学素子19の受光面に放射線画像の像として結像するセルフォックレンズアレイ16、ファイバ光学素子19に入射する輝尽発光光Mに混在する励起光Lをカットする励起光カットフィルタ17、セルフォックレンズアレイ16により結像された像を縮小してラインセンサ20の光電変換素子21に結像するファイバ光学素子を直線状に配列したファイバ光学系18、ファイバ光学素子19により結像された像を光電変換素子21により光電変換するラインセンサ20、およびラインセンサ20を構成する各光電変換素子21から出力された信号を読み取って、画像処理装置に出力する画像情報読取手段30とを備えた構成である。
【0035】BLD11は、線状の励起光Lを、蛍光体シート50表面に対して略45度の角度だけ傾けた方向に出射し、この励起光Lは、その光路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレンズからなる光学系12により平行ビームとされ、蛍光体シート50表面に対して略45度の角度で入射する。そして、蛍光体シート50の照射された領域およびその近傍から、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた強度の輝尽発光光Mが発光される。その輝尽発光光Mは、セルフォックレンズ16により集光され、励起光カットフィルタ17により混在する励起光がカットされた上で、ファイバ光学素子19の受光面に結像される。ファイバ光学素子19は、この像を縮小してラインセンサ20の光電変換素子21に結像する。その他の作用については、上記実施の形態と同様である。
【0036】図8における放射線画像読取装置は、支持体が輝尽発光光透過性の材料により形成された蓄積性蛍光体シートを用たものであり、励起光の光源とラインセンサとを互いに蛍光体シート50の異なる面側に配し、励起光が入射する側と反対側の面から出射する輝尽発光光を受光するようにした透過光集光型の構成を採用したものである。
【0037】図8に示す放射線画像情報読取装置は、蓄積性蛍光体蛍光体シート50の前端部および後端部(当該前端部および後端部には放射線画像が記録されていないか、または記録されていても関心領域ではないものである)を支持してY方向にシートを搬送する搬送ベルト40'、線状の励起光Lを蛍光体シート50表面に対して略直交する方向に発するBLD11、BLD11から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げるトーリックレンズの組合せからなり、蛍光体シート50表面に線状の励起光Lを照射する光学系12、蛍光体シート50の表面に略直交する光軸を有し、励起光Lの照射により蛍光体シート50の裏面(励起光Lの入射面に対して反対側の面)から発せられ蛍光体シート50を透過した輝尽発光光M'をファイバ光学素子19の受光面に放射線画像の像として結像するセルフォックレンズアレイ16、ファイバ光学素子19に入射する輝尽発光光M'に混在する励起光Lをカットする励起光カットフィルタ17、セルフォックレンズアレイ16により結像された像を縮小してラインセンサ20の光電変換素子21に結像するファイバ光学素子19、ファイバ光学素子19により結像された像を光電変換素子21により光電変換するラインセンサ20、およびラインセンサ20を構成する各光電変換素子21から出力された信号を読み取って、画像処理装置に出力する画像情報読取手段30を備えた構成である。
【0038】まず、搬送ベルト40'がY方向に移動することにより、この搬送ベルト40'に支持された、放射線画像情報が蓄積記録された蛍光体シート50をY方向に搬送する。このときの蛍光体シート50の搬送速度はベルト40'の移動速度に等しく、ベルト40'の移動速度は画像情報読取手段30に入力される。
【0039】一方、BLD11が、線状の励起光Lを、蛍光体シート50表面に対して略直交する方向に出射し、この励起光Lは、その光路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレンズからなる光学系12により平行ビームとされ、蛍光体シート50に略垂直に入射する。このとき励起光Lは、蛍光体シート50表面上を、X方向に沿って延びる線状の領域を照射する。励起光Lの照射により、蛍光体シート50の照射域およびその近傍から、蓄積記録されている放射線画像情報に応じた強度の輝尽発光光Mが発光される。また、これと同時に、蛍光体シート50の裏面側の部分からも、蛍光体シート50の透明支持体を透過した輝尽発光光M'が出射する。この蛍光体シート50の裏面側の部分から出射した輝尽発光光M'は、セルフォックレンズアレイ16により集光され、ファイバ光学素子19の受光面に放射線画像の像として結像される。その他の作用については、上記各実施の形態と同様である。
【0040】また、本発明による放射線画像情報読取装置は、図9に示されるように、上記各実施の形態にさらに、ラインセンサ20'、ファイバ光学系18'、セルフォックレンズ16'、および励起光カットフィルタ17'を備えるようにし、線状の励起光照射部分から発光される輝尽発光光を2列のラインセンサ20、20'、ファイバ光学系18、18'、セルフォックレンズ16、16'、および励起光カットフィルタ17、17'により検出するようにすることができる。
【0041】図9に示される放射線画像情報読取装置は、蛍光体シート50を載置してY方向に搬送する走査ベルト40、線状の2次励起光(以下、単に励起光という)Lを蛍光体シート50表面に向かって略直交する方向に発するブロードエリアレーザ(以下、BLDという)11、BLD11から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレンズおよび一方向にのみビームを拡げるトーリックレンズの組合せからなり、蛍光体シート50上に線状の励起光Lを照射する光学系12、励起光の照射により蛍光体シート50から発せられる蓄積記録された放射線画像情報に応じた輝尽発光光Mに僅かに混在する蛍光体シート50を反射した励起光Lをカットする励起光カットフィルタ17、17'、励起光カットフィルタ17、17'を透過した輝尽発光光Mを平行光束とし、ファイバ光学系18、18'のファイバ光学素子19、19'の受光面に結像するセルフォックレンズアレイ16、16'、セルフォックレンズアレイ16、16'により受光面に結像された像を縮小してラインセンサ20、20'の光電変換素子21、21'の受光面に結像するファイバ光学素子19、19'からなるファイバ光学系18、18'、ファイバ光学系18、18'により結像された像を光電変換するラインセンサ20、20' 、およびラインセンサ20、20' から出力された信号を読み取る画像情報読取手段30を備えている。また、画像情報読取手段30は、ラインセンサ20、20’から出力される信号を加算する画像データ加算手段(図示省略)を備えるようにしてもよい。
【0042】上記構成では、線状に照射された励起光による輝尽発光光Mが、ラインセンサ20とラインセンサ20' とで受光されるよう、セルフォックレンズアレイ16、16' 、励起光フィルタ17、17'、ファイバ光学系18、18' は配置されている。
【0043】また、図10に示されるように、ファイバ光学系18のファイバ光学素子19の隣接部分と、もう一つのファイバ光学系18'のファイバ光学素子19'の隣接部分とが線状に照射された部分に対して、X方向にずらされてファイバ光学素子19、19'とを配列することが望ましい。
【0044】上記のように構成された放射線画像情報読取装置では、BLD11が、線状の励起光Lを、蛍光体シート50表面に対して略垂直に出射し、この励起光Lは、その光路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレンズからなる光学系12により平行ビームとされ、蛍光体シート50上に矢印X方向に沿って延びる線状に略垂直に入射される。蛍光体シート50に入射した線状の励起光Lにより蓄積記録されている放射線画像情報に応じた強度の輝尽発光光Mが発光される。この輝尽発光光Mは、セルフォックレンズ16、16' により平行光束とされ、ファイバ光学素子19、19'からなるファイバ光学系18、18'の受光面に結像される。この際、ファイバ光学素子19、19' に入射した輝尽発光光Mに僅かに混在する、蛍光体シート50表面で反射した励起光Lは、励起光カットフィルタ17、17' によりカットされる。ファイバ光学素子19、19'の受光面に結像された像は、縮小されてラインセンサ20、20' の光電変換素子21、21'の受光面に結像される。ラインセンサ20、20' は、光電変換素子21、21' に結像された輝尽発光光Mの像を光電変換して、画像読取手段30に出力する。
【0045】上記のように構成された放射線画像情報読取装置によれば、2列のセルフォックレンズアレイ16、16'、テーパファイバ光学素子18、18'およびラインセンサ20、20'を備えたものとし、線状に照射された部分から発光された輝尽発光光を2列のセルフォックレンズアレイ16、16'、テーパファイバ光学素子18、18'およびラインセンサ20、20'により検出するようにするように構成したので、さらに集光効率を向上させることができる。
【0046】なお、本発明の放射線画像情報読取装置は、上述した実施形態に限るものではなく、光源、光源とシートとの間の集光光学系、シートとラインセンサとの間の光学系、ラインセンサ、公知の種々の構成を採用することができる。また、画像情報読取手段から出力された信号に対して種々の信号処理を施す画像処理装置をさらに備えた構成や、励起が完了したシートになお残存する放射線エネルギーを適切に放出せしめる消去手段をさらに備えた構成を採用することもできる。
【0047】また、本発明による放射線画像読取装置は、蓄積性蛍光体シートとして、紫外乃至可視領域の光を吸収して、そのエネルギーを蓄積することができ、可視乃至赤外領域の光により励起されて、エネルギーを輝尽発光光として放出することを可能とする輝尽性蛍光体を含有するものを利用することもできる。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成12年7月26日(2000.7.26)
【代理人】 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
【公開番号】 特開2002−40197(P2002−40197A)
【公開日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願番号】 特願2000−225604(P2000−225604)