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【発明の名称】 電子線照射方法及びその装置
【発明者】 【氏名】山川 隆

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 立体被照射物を所定方向に片寄せした状態で搬送しながら電子線を照射し、殺菌等の所期の目的を達成する電子線照射方法において、予め前記被照射物の種類及び搬送順序を記憶しておき、搬送系上を流れる該被照射物の種類又は/及び位置を検知し、前記記憶された被照射物の種類に応じて電子線照射領域通過時における電子線照射量を適宜調整したことを特徴とする電子線照射方法。
【請求項2】 前記記憶手段に被照射物の種類毎にその通過幅等を記憶させておき、前記被照射物が電子線照射領域下を通過時に、該被照射物幅に応じて電子線照射幅を調整するとともに、電子線照射量が必要線量になるように該被照射物の搬送速度を制御することを特徴とする請求項1記載の電子線照射方法。
【請求項3】 搬送されてくる前記被照射物群が大幅の被照射物から小幅の被照射物に変化する場合、該大幅の被照射物の終端が前記電子線照射領域を通過した直後から電子線照射幅を徐々に狭幅に調整するとともに、前記電子線照射量が必要線量になるように搬送速度を照射幅と連動させて制御することを特徴とする請求項1記載の電子線照射方法。
【請求項4】 搬送されてくる前記被照射物群が小幅の被照射物から大幅の被照射物に変化する場合、該小幅の被照射物の終端が前記電子線照射領域を通過する少し前から該変化後の被照射物が電子線照射領域下に至るまでに電子線照射幅を幅拡に調整するとともに、前記電子線照射量が必要線量になるように搬送速度を照射幅と連動させて制御することを特徴とする請求項1記載の電子線照射方法。
【請求項5】 前記被照射物を電子線照射領域の上流側で密着させるとともに、異なる種類の被照射物においても実質的に連続密着して電子線照射を行なうことを特徴とする請求項1記載の電子線照射方法。
【請求項6】 立体被照射物を所定方向に片寄せした状態で搬送しながら電子線を照射し、殺菌等の所期の目的を達成する電子線照射方法において、前記被照射物に電子線を照射する電子線照射手段と、前記電子線照射手段を具備し該被照射物を搬送する照射コンベアと、予め該被照射物の種類及び搬送順序を記憶する記憶手段と、前記照射コンベアの上流側に設けられ該被照射物の種類又は/及び位置を検知する検知センサと、前記検知センサと記憶手段よりの信号に基づき電子線照射手段の電子線照射量を適宜調整する制御手段と、を備えたことを特徴とする電子線照射装置。
【請求項7】 前記検知センサと記憶手段との信号に基づき、前記電子線照射量が必要線量となるように前記電子線照射手段の照射幅及び照射コンベア速度を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項6記載の電子線照射装置。
【請求項8】 前記記憶手段に、予め大幅の被照射物から小幅の被照射物、若しくは小幅の被照射物から大幅の被照射物への被照射物データを記憶させておき、該データに基づいて電子線照射幅を可変させる構成とすることを特徴とする請求項6記載の電子線照射装置。
【請求項9】 前記電子線照射手段の照射幅及び照射コンベア速度の制御範囲を超える場合には、該電子線照射手段に電子線の出力を制御する出力制御手段を設けることを特徴とする請求項6記載の電子線照射装置。
【請求項10】 前記照射コンベア上流側に被照射物を密着する密着手段を設けるとともに、該被照射物が異なる場合においても該照射コンベア上を実質的に連続して密着搬送されることを特徴とする請求項6記載の電子線照射装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば医療機器や飲料用容器等の立体被照射物に、電子線を照射しながら殺菌等の所期の目的を達成する電子線照射方法及びその装置に係り、特に搬送系統に供給される被照射物の種類に応じた電子線照射を行なう電子線照射方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、十分な滅菌が必要とされる医療機器や飲料用容器等には、健康衛生面等を考慮して、外面だけでなく内面をも滅菌処理することが要求されている。従来より、かかる滅菌処理には高圧蒸気滅菌、エチレンオキシドガス滅菌、γ線滅菌等の処理が施されている。しかし、上記滅菌処理のうち、高圧蒸気滅菌処理は被処理物の耐熱性の問題を有し、かつ1回の滅菌量が少なく非能率的で、またエチレンオキシドガス滅菌等の化学処理は残留毒性の惧れがあり、更にγ線滅菌においては放射性物質の管理が困難でかつ環境上悪影響であるなど、夫々深刻な問題を抱えている。
【0003】そこで、近年電子線照射が、その加速電圧を大きくすることで医療機器等を滅菌可能とする方法が注目されている。かかる電子線照射滅菌法は、上記滅菌処理に比べて、照射時間が極めて短時間で処理可能で、また被照射物の内部/内面までも滅菌可能で、特にγ線との大きな差違として材料劣化が小さく材料選択の範囲が広がる可能性がある。しかしながら、かかる電子線照射滅菌法では、搬送系の影響から以下に示すような電子線及び電力の無駄な照射の問題があった。従来の電子線照射では、図5(c)、図6(b)のように、被照射物のない空間に電子線を無駄打ちしていたため、効率の良い照射ができないという問題だけでなく、照射条件の変化があったとき、不要な電子線を照射しているという問題をも有していた。
【0004】そこで、かかる問題を解決するために、本出願人は同時出願に電子線及び電力の損失を低減する発明を提案している。これは、図4に示すように、ローラコンベア22上を搬送されてくる製品25をスキューコンベア21で所定方向に片寄せするとともに、コンベアの搬送速度及び図示しないストッパ手段を制御することで製品25を密着させて電子線の照射無駄を排除することを目的としている。
【0005】さらに詳細に説明すると、図5(c)に示すように、従来では製品25は、電子線照射領域において、照射コンベア20の幅方向に定まった位置を通過しないため製品幅Lに比べて電子線15の振り幅Eを必要以上に大きくせざるを得ず、電子線の無駄が大きかったが、製品幅Lの製品25を図5(a)のように所定方向に片寄せすることで振り幅Eを最小にすることができ、電子線及び電力の無駄な照射を大幅に排除できる。また、図6(b)に示すような従来の搬送方法では、製品25とその後続の製品25との間の空間に電子線15を無駄打ちしていたが、図6(a)に示すように、製品25同士を密着させることにより連続して製品が搬送されてくるため電子線のロスを防止することができる。
【0006】しかし、かかる発明のように同一種類の製品においては電子線の照射ロスや電力の無駄を排除することが可能となったが、かかる電子線照射装置は大型のものが多く、設置コスト、運転コストが嵩むため、製品の滅菌処理を請け負う業者による多種製品に対応可能な電子線照射装置が必要とされている。また、このように多種製品を扱う業者では、従来、製品の種類がかわった時点で、同一種類の製品群の滅菌処理が終了するまで、次の製品群を滅菌室の入り口若しくは電子線照射装置の手前で停止させ、電子線照射装置を次に滅菌処理する製品に適した設定に変更した後に該製品群を再び搬送して電子線照射を行うという方法を採っていた。しかし、かかる技術では、照射状況がかわる度に間隔が大きくあいてしまい、生産性が悪く、電子線の照射ロスが大きいという問題を抱えていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる欠点を解消するために、特開平11−169438号において、被滅菌物の種類に適した電子線照射を行うことのできる従来技術が開示されている。かかる技術を図7を参照して説明するに、電子銃本体04及び収束コイル05からなる電子銃03から出射され加速管06に入射される電子の量を、信号発生器019及びヒータ電源020からなる電流量制御手段018により被滅菌物01の種類に応じて制御することにより、被滅菌物01に適した電子線が照射される。また、速度制御手段017をコンベア02に設けることにより、被滅菌物01の大きさや重さが電流量制御手段018で制御できる範囲を超える場合にはコンベア02の搬送速度を調整し、電子線のエネルギー値及び照射量を適度な大きさとし、より適した電子線で滅菌処理することができる。
【0008】しかしながら、かかる特開平11−169438号においては、異なる種類の被滅菌物に適した電子線照射については考慮されているが、上記したような、幅方向もしくは搬送方向に生じる空隙への照射による電子線や電力の無駄によるコスト的な問題への対処がなされていない。さらに、照射条件の変更に必要とされる時間が考慮されていないため、照射状況にずれが生じ、滅菌処理が不十分である部分が発生する惧れがある。そこで、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、異なる種類の製品においても連続して最適な電子線照射が可能であるとともに、電子線や電力の無駄の少ない電子線照射方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解決するために、請求項1記載の発明として、立体被照射物を所定方向に片寄せした状態で搬送しながら電子線を照射し、殺菌等の所期の目的を達成する電子線照射方法において、予め前記被照射物の種類及び搬送順序を記憶しておき、搬送系上を流れる該被照射物の種類又は/及び位置を検知し、前記記憶された被照射物の種類に応じて電子線照射領域通過時における電子線照射量を適宜調整したことを特徴とする。
【0010】かかる発明によれば、滅菌処理する製品につきその形状、重さ等、さらに夫々の製品群につき個数、搬送順序等を予め記憶し、搬送系上に備えられた検知手段により該製品の種類又は/及び位置を検知することで、電子線照射条件を最適な条件に設定することができ、異なる種類の製品が搬送されてきても、搬送系を停止せず連続して電子線の照射ができ、生産性の高い滅菌処理が可能となるとともに、電子線や電力の無駄の少ない効率の良い電子線照射ができる。
【0011】また、前記電子線照射量を調整する方法として、請求項2記載の発明に、前記記憶手段に被照射物の種類毎に通過幅等を記憶させておき、前記被照射物が電子線照射領域下を通過時に、該被照射物幅に応じて電子線照射幅を調整するとともに、電子線照射量が必要線量になるように該被照射物の搬送速度を制御することを特徴とする電子線照射方法を提案する。かかる電子線照射方法では、被照射物は所定方向に片寄して搬送されてくるため、予め記憶された電子線走査方向の被照射物の長さである通過幅に電子線照射幅を設定することで電子線の照射ムダのない確実な照射が可能となる。また、電子線照射幅を変更することにより電子線の密度が変わるため、電子線照射幅の変更に連動させ搬送速度をかえて、被照射物への電子線線量を一定に保つようにする。これにより、記憶された被照射物の種類に適した滅菌処理が容易に実現できる。
【0012】このように、電子線照射幅を変更する際には、請求項3乃至4記載のように、搬送されてくる前記被照射物群が大幅の被照射物から小幅の被照射物に変化する場合、該大幅の被照射物の終端が前記電子線照射領域を通過した直後から電子線照射幅を徐々に狭幅に調整するとともに、前記電子線照射量が必要線量になるように搬送速度を照射幅と連動させて制御し、一方、搬送されてくる前記被照射物群が小幅の被照射物から大幅の被照射物に変化する場合、該小幅の被照射物の終端が前記電子線照射領域を通過する少し前から該変化後の被照射物が電子線照射領域下に至るまでに電子線照射幅を幅拡に調整するとともに、前記電子線照射量が必要線量になるように搬送速度を照射幅と連動させて制御するとよい。
【0013】かかる発明によれば、電子線照射条件の変更に起因する時間的ずれによる照射もれをなくし、確実な滅菌処理が可能となる。
【0014】また、請求項5記載の発明は、前記被照射物を電子線照射領域の上流側で密着させるとともに、異なる種類の被照射物においても実質的に連続密着して電子線照射を行なうことを特徴とする。これにより、電子線照射の処理効率が向上し、生産性が高く、かつ電子線の照射ロス及び電力損失の少ない滅菌処理が可能となる。
【0015】請求項6記載の発明は、かかる発明を好適に実施するための装置に関する発明で、立体被照射物を所定方向に片寄せした状態で搬送しながら電子線を照射し、殺菌等の所期の目的を達成する電子線照射方法において、前記被照射物に電子線を照射する電子線照射手段と、前記電子線照射手段を具備し該被照射物を搬送する照射コンベアと、予め該被照射物の種類及び搬送順序を記憶する記憶手段と、前記照射コンベアの上流側に設けられ該被照射物の種類又は/及び位置を検知する検知センサと、前記検知センサと記憶手段よりの信号に基づき電子線照射手段の電子線照射量を適宜調整する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】また、請求項7記載の発明は、前記検知センサと記憶手段との信号に基づき、前記電子線照射量が必要線量となるように前記電子線照射手段の照射幅及び照射コンベア速度を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。さらに、請求項8記載の発明は、前記記憶手段に、予め大幅の被照射物から小幅の被照射物、若しくは小幅の被照射物から大幅の被照射物への被照射物データを記憶させておき、該データに基づいて電子線照射幅を可変させる構成とすることを特徴とする。かかる発明により、請求項3乃至4と同様の効果が得られる。
【0017】また、請求項9記載のように、低線量の電子線照射において、前記電子線照射手段の照射幅及び照射コンベア速度の制御範囲を超える場合には、該電子線照射手段に電子線の出力を制御する出力制御手段を設けるとよい。照射コンベア速度には限度があり、被照射物に必要以上に電子線が照射されてしまう惧れがある。そこで、出力を小さくして被照射物の吸収線量を低減させることにより、適切な線量を照射することができる。勿論、滅菌処理に必用な線量が大きい場合においても同様に、出力により制御可能な構成とする。
【0018】さらにまた、請求項10記載の発明は、前記照射コンベア上流側に被照射物を密着する密着手段を設けるとともに、該被照射物が異なる場合においても該照射コンベア上を実質的に連続して密着搬送されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。図1は本発明の実施形態に係る電子線照射装置の概略構成図、図2は本発明の実施形態に係る電子線照射装置で、コンベア上方から見た平面概略図、図3は製品A、製品B、製品Cが電子線照射領域を通過する時間Tと、照射コンベア速度V及び照射幅Wとの関係を示した図である。図1において、10は電子線を発生させ製品に照射する電子線照射部で、該電子線照射部10は、電子線15を発生する電子線発生/加速器12、ビームガイド筒13、偏平角錐台状の照射ホーン14、電子線の偏光走査を行なう走査電磁石制御装置11からなる。
【0020】前記電子線発生/加速器12は、電子線を出射する電子銃と、該電子銃から出射された電子線を所定のエネルギを有するように加速する加速管と、該加速管に前記電子線を加速するためのマイクロ波エネルギを供給するクライストロンとを備えている。そして、前記加速された電子線は筒状のビームガイド筒13を介して図示しない集束電磁石により収束され高密度化された状態で、電子線走査方向に拡開された偏平角錐台状の照射ホーン14内に導入される。該照射ホーン14は入り口側に走査電磁石16が、前面に図示しないスリット状の照射窓を具え、該照射窓をチタン膜等の電子線透過膜で封止し、内部を真空空間下に維持させている。
【0021】前記照射ホーン14内に導入された電子線は、走査電磁石16により所定の振れ角と振れ周波数(往復偏向周波数)で偏向走査される訳であるが、この偏向走査を行なう際に、前記走査電磁石16への印加電圧を制御する制御信号を走査電磁石制御装置11から取り込み、角速度を制御しながら偏向走査された電子線は前記照射ホーン14内及び前記照射窓を介して被照射物の搬送幅方向に走査しながら所定の殺菌処理を行なう。
【0022】尚、かかる装置における前記電子線の走査角度により形成される走査波形は、走査電磁石16に印加される電流変化に依存する。そこで、電子線の出力を所定値に保持したとき、図5に示すように、被照射物幅の異なる製品A、Bに電子線照射する場合、(a)のように小幅の製品Aでは走査角が減少して電子線照射幅Eは狭くなり、該製品Aの吸収線量は高くなり、(b)のように大幅の製品Bでは走査角が増加して電子線照射幅Eは大きくなり、製品Bの吸収線量が低くなる。このように、電子線の出力が一定であるとき、照射される電子線の密度は、該電子線の走査幅により決定する。
【0023】また、図1において、20、21、22は製品を搬送するためのコンベアで、前記照射ホーン14の直下に位置し、該コンベア上を搬送される製品が滅菌処理可能な程度電子線照射を施される速度で運転している照射コンベア20の上流側には、製品を載置し連続的に移送するローラコンベア22が設けられ、該照射コンベア20とローラコンベア22との間には、搬送されてくる製品を所定方向に片寄せする機能を備えたスキューコンベア21が位置している。
【0024】前記照射コンベア20はその両端に具えられたモータ24により駆動され、該モータ24は後記する制御手段1により制御されている。かかる制御手段1は、外部からの情報を予め記憶させておく記憶装置3と、該記憶装置3からの情報と、ローラコンベア上に複数設けられて製品の種類又は及び位置を判別するセンサ5とから電子線照射幅、及び照射コンベア20搬送速度とを制御する制御手段1とからなる。前記センサ5は特に限定されないが、フォトセンサのように、製品の位置を判別するものでもよいし、バーコードリーダのように、製品の種類を判別可能なセンサでもよい。しかし、該バーコードリーダは高価であるため、前記したようなフォトセンサを用い、予め記憶装置で記憶した個数を読み込む形にしたほうがよい。
【0025】尚、前記センサ5は図2に示すように、電子線照射領域から発生するX線が直接当たらない位置、即ちコンクリート等で形成された中央遮蔽壁の裏側付近に設置するとよい。これにより、前記X線による該センサ5の材料の劣化が防げ、寿命が向上する。また、搬送される製品を密着させるために具えられたストッパ23についても同様である。
【0026】次にかかる実施形態の作用を説明する。被照射物である製品が搬送される前若しくは搬送途中に、予め記憶装置3にて、製品の形状、幅、密度、又は製品のロット(製品群)毎の個数等の情報を記憶させておき、ローラコンベア22上に設置された複数のセンサ5から製品の位置又は/及び種類を検知し、前記記憶装置3及び該センサ5に基づき、電子線照射領域下に搬送されてくる製品の種類に応じた線量の電子線15を照射する。
【0027】これは、前記記憶装置3及びセンサ5からの製品の種類及び位置についての情報を制御手段1にて処理し、電子線照射幅と照射コンベア20の搬送速度とを割り出し、かかる結果に基づき走査電磁石制御装置11により走査電磁石16を調整して前記電子線照射幅を決定するとともに、前記制御手段1と接続されているモータ24により搬送速度を決定する。また、前記電子線照射幅及び搬送速度だけでは制御不可能な場合には、前記制御手段1に基づき電子線発生/加速器12を制御して出力を調整するとよい。これにより、異なる種類の製品でも連続して電子線照射できるとともに、該製品に最適な照射が可能となり、生産性が高く、効率の良い滅菌処理を施すことができる。
【0028】尚、前記製品の搬送には、図2に示すようにストッパ23を用いて密着させて搬送するとよい。かかる製品の搬送系は、コンクリート壁で遮蔽された滅菌室の側壁に沿うように配置されており、上流側からローラコンベア22、スキューコンベア21、照射コンベア20、ローラコンベアの順で一体的に連結され、入り口側ローラコンベア22とスキューコンベアの間にはストッパ23が設けられている。前記入り口側ローラコンベア22の側壁には、複数のセンサ5が備えられており、製品の種類又は/及び位置を検知することができる。また、前記照射コンベア20の途中には電子線照射部10が設置され、該照射コンベア20上を搬送される製品に滅菌処理を施すように構成される。かかる電子線照射部10は照射コンベア20の上方に配置されており、製品の照射方向幅が大である場合には、下方にさらに電子線照射部を設けて両面照射可能に構成するとよい。
【0029】かかる滅菌室入り口からローラコンベア22により搬送される製品は、前記ストッパ23により一時停止され、電子線照射を行なう照射コンベア20上で製品が密着するように、適度な間隔で該ストッパ23が解除される。夫々の間隔が密になった製品群はスキューコンベア21で所定方向に片寄せされ、前記照射コンベア20で滅菌処理を施された後、再び、搬送速度の大きいローラコンベア22により滅菌室出口へ搬送される。
【0030】図3に示すグラフは、夫々幅方向距離の異なる製品群である、ロットA、ロットB、ロットC(夫々の幅方向距離L、L、L)が電子線照射領域を通過する時間Tと、照射コンベア速度V及び照射幅Wとの関係を表わしたものである。かかるグラフ密着搬送されてくるロットAとロットBとに移行したとき、つまり大幅の製品Aから小幅の製品Bに移行したとき、ロットAが通過した直後から照射幅の調整を行なうようにする。一方、ロットBからロットCに移行したときには(小幅から大幅への変化)、前記ロットCが照射領域に搬送されてくる直前までに該照射幅をロットC幅方向距離Lに合わせておく必要がある。このように、電子線の照射幅を制御することで、照射洩れのない確実な滅菌処理が可能となる。
【0031】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、製品の形状、重さ等、さらにその製品群につき個数、搬送順序等を予め記憶し、搬送系上に備えられた複数の検知手段により該製品の種類もしくは位置を検知することで、電子線照射条件を最適な条件に設定することができ、異なる種類の製品が搬送されてきても、連続密着して電子線の照射ができ、生産性の高い滅菌処理が可能となるとともに、電子線や電力の無駄の少ない電子線照射ができる。また、電子線照射幅と電子線照射領域での搬送速度とを連動制御することで、電子線線量を一定に保持することが容易に可能となる。さらに、電子線照射幅を変更する際に、被照射物幅のより大きい方に合わせて設定することにより照射もれのない滅菌処理を確実に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成12年6月26日(2000.6.26)
【代理人】 【識別番号】100083024
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌久 (外1名)
【公開番号】 特開2002−6099(P2002−6099A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−191801(P2000−191801)