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【発明の名称】 電磁波発生装置、これを用いた半導体製造装置並びに半導体デバイスの製造方法
【発明者】 【氏名】神高 典明

【氏名】小松田 秀基

【要約】 【課題】EUV光源としてプラズマフォーカス光源を利用する際に、電極に遮られ利用できないEUV光ができるだけ生じることなく、取り出して形成する光束が回転対称な強度分布を有する、光束の形成方法が望まれていた。

【解決手段】減圧可能な容器内に配置された2つの電極と、該電極間に高電圧パルスを印加させる電源部とを有し、該電極間に高電圧パルスを印加することによって生成されたプラズマから発生する電磁波を反射光学系によって平行光束とする光束形成装置とを備え、前記プラズマから発生した電磁波が光束形成装置を構成する反射光学素子で反射した後に前記電極近傍を通過する電磁波発生装置において、2つの電極のうち一方は円柱あるいは円筒状の形状を有し、他方は前記電極を同軸に取り囲むような円筒状の形状を有しており、該2つの電極同士は絶縁性の部材で固定されており、かつ、該電極の回転対称軸が電極近傍を通過する電磁波光束と略平行であることを特徴とする電磁波発生装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】減圧可能な容器内に配置された2つの電極と、該電極間に高電圧パルスを印加させる電源部とを有し、該電極間に高電圧パルスを印加することによって生成されたプラズマから発生する電磁波を反射光学系によって平行光束とする光束形成装置とを備え、前記プラズマから発生した電磁波が光束形成装置を構成する反射光学素子で反射した後に前記電極近傍を通過する電磁波発生装置において、2つの電極のうち一方は円柱あるいは円筒状の形状を有し、他方は前記電極を同軸に取り囲むような円筒状の形状を有しており、該2つの電極同士は絶縁性の部材で固定されており、かつ、該電極の回転対称軸が電極近傍を通過する電磁波光束と略平行であることを特徴とする電磁波発生装置。
【請求項2】請求項1に記載の電磁波発生装置であって、前記他方の電極は複数の電極からなる事を特徴とする電磁波発生装置。
【請求項3】請求項1または2に記載の電磁波発生装置であって、前記2つの電極間を固定している絶縁性の部材の形状が、メッシュ状あるいはスポーク状の形状を有していることを特徴とする電磁波発生装置。
【請求項4】減圧可能な容器内に配置された2つの電極と、該電極間に高電圧パルスを印加させる電源部とを有し、該電極間に高電圧パルスを印加することによって生成されたプラズマから発生する電磁波を反射光学系によって発散光束、収束光束、あるいは平行光束とする光束形成装置とを備え、前記プラズマから発生した電磁波が光束形成装置を構成する反射光学素子で反射した後に前記電極近傍を通過する電磁波発生装置において、前記2つの電極のうち一方は円柱あるいは円筒状の形状を有し、他方の電極はその内壁面がもう一方の電極と同軸の回転対称な形状を有し、該内壁面に多層膜構造を有することを特徴とする電磁波発生装置。
【請求項5】請求項4に記載の電磁波発生装置であって、前記他方の電極は複数の電極からなる事を特徴とする電磁波発生装置。
【請求項6】請求項4または5に記載の電磁波発生装置であって、前記他方の電極はその一部が前記一方の電極の先端近傍を1つの焦点に持ち、前記一方の電極と同じ回転対称軸を有する回転放物面、回転楕円面あるいは、回転双曲面形状を有することを特徴とする電磁波発生装置。
【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電磁波発生装置を有し、当該電磁波発生装置から射出した電磁波を用いてマスクを照明する照明光学系と、当該マスク上に設けられたパターンを感応基板上に転写する投影光学系と、を有する事を特徴とする半導体製造装置【請求項8】請求項7に記載の半導体製造装置を用いてマスク上に形成されているパターンをレジストが塗布されている感応基板上に転写する行程を有してなることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波発生装置及びこれを用いた半導体製造装置並びに半導体デバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体集積回路の製造においては、マスク上に形成された非常に微細なパターンを、レジストを塗布したシリコンウエハ上に可視光あるいは紫外光によって縮小投影して転写する方法が広くおこなわれている。しかし、パターンサイズの微細化に伴い、紫外光を用いた縮小投影露光でも転写するパターンサイズは回折限界に近づいており、さらに微細なパターンの転写は原理的に困難となりつつある。そのため、紫外光よりさらに波長の短い、波長13nmあるいは11nmの極端紫外(Extreme Ultra Violet)光(以下、EUV光と記す)を用いた縮小投影露光(EUVリソグラフィ)が提案されている。
【0003】EUV光領域の光は全ての物質に強く吸収されるため、結像系を構成する際にはレンズなど透過型の光学素子は利用することができず、反射光学素子で構成する必要がある。また、通常の反射鏡では反射率は非常に低いため、反射面には結像に用いる波長のEUV光の反射率を高める多層膜構造を有する反射鏡である必要がある。現在、EUV領域においては、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)、あるいはモリブデン(Mo)とベリリウム(Be)によって形成した多層膜で70%近い反射率が報告されており、EUVリソグラフィにはこれらの多層膜を用いた反射鏡が用いられると考えられている。これらの多層膜は、それぞれ波長13nm付近(Mo/Si)、11nm付近(Mo/Be)で70%近い高い反射率を有する。よって、EUVリソグラフィに用いる光源としては、これらの波長の電磁波を輻射する光源であることが求められる。
【0004】このEUVリソグラフィの光源の候補としてレーザープラズマ光源や、プラズマピンチを利用した光源が提案されている。レーザープラズマ光源は励起用のパルスレーザー光をターゲット材に集光照射して高温のプラズマを生成し、このプラズマから輻射されるEUV光を利用するものである。一方、プラズマピンチを利用した放電プラズマ光源の一例として特開平10−319195号公報で提案されたプラズマフォーカス光源を図5に示す。この光源では、電極1,2を配置した真空容器8の内部に、所望の遷移を放電によって起こす動作ガスと、バッファガスを混合した動作ガスをガス配管10を通じて導入する。2つの電極は中央のアノード電極1と、それを取り囲む形状を有する円筒状のカソード電極2とからなっているが、パルス高電圧発生装置7からのパルス高電圧を印加することによって電極間に放電を起こさせ、これにより初期のプラズマを生成する。初期の放電は図中下側の両電極をつなぐ部材3の表面に沿う縁面放電であり、この放電によってガスはイオン化し、プラズマが生成される。一度プラズマが生成されると、プラズマ中の電子とイオンは電極間の電位差によって生ずる電場勾配によって移動し、プラズマ中には電流が形成される。プラズマ中を移動するイオンと電子は、この電流によって生じる磁場との相互作用によって、上方に移動しながら中央の電極1の先端部へ集中していく。その結果、電極の先端部分ではより高温で高密度なプラズマが生成され、このプラズマからはEUV光を含む電磁波が輻射される。プラズマを形成する物質は、雰囲気ガスや集中したプラズマによって励起された電極部分である。よって、このプラズマからは雰囲気ガスや電極部材のイオンの遷移に対応した波長の電磁波が輻射される。EUV光が輻射される領域は直径1mmの体積の中にほぼ含まれて、このプラズマからの輻射は0.1〜1μs程度の間持続する。リチウム蒸気を含む動作ガスを利用した場合、リチウムイオンの遷移に由来する波長13.5nmのEUV光のラインスペクトルが得られると言われている。このプラズマフォーカス光源が一度の放電で輻射するEUV光の光量としては、同じくEUV光の光源として研究が進められているレーザプラズマ光源のそれを上回る光量が報告されており、数kHzという高繰り返し動作も可能である。周波数を高くすることによって、照射量の増加、及び精度の高い照射量制御が可能となる。
【0005】このようなEUV光源をEUV露光装置に利用する際の照明光学系が、特開平11-312638号公報において提案されている。ここで示されている光学系は図6に示したような構成であり、図中の光学素子11−a、11−bは図7に示したような形状を有している。この照明光学系によれば、EUV露光装置に必要となる照明領域を均一の強度で照明することができ、かつ、この光学系の下流に存在する投影光学系によって、位置やパターンの方向に依らない結像性能を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】EUV多層膜鏡においては、照明系及び投影系に用いられる多層膜鏡の反射率が70%程度に制限されているため、系全体として縮小投影露光に利用できる光量は数%程度になる。そのため、処理速度を高めるためには光源から発生したEUV光を少しでも多く利用する必要がある。
【0007】図6において照明光学系に入射する光束6は、装置解像力のパターン方向依存性を無くするために光軸に対して回転対称な強度分布を持つことが望ましい。だが、図5に示したようなプラズマフォーカス光源では、光軸に対して回転対称な強度分布を持つ光束を形成できる光学的な配置は限定されたものとなる。プラズマからはEUV光が放射状に輻射されるため、それから平行光束を形成するためにはプラズマを焦点位置に持つ回転放物面鏡を配置してEUV光を反射させる方法が考えられるが、このとき、電極がEUV光の光路を遮ることによって、EUV光を取り出せる立体角は制限を受ける。
【0008】よって、EUV光源としてプラズマフォーカス光源を利用する際に、電極に遮られ利用できないEUV光ができるだけ生じることなく、取り出して形成する光束が回転対称な強度分布を有する、光束の形成方法が望まれていた。また、そのような方法を有する光源を利用することによって長期間安定に半導体の製造が可能な半導体製造装置が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための第1の手段は、減圧可能な容器内に配置された2つの電極と、該電極間に高電圧パルスを印加させる電源部とを有し、該電極間に高電圧パルスを印加することによって生成されたプラズマから発生する電磁波を反射光学系によって平行光束とする光束形成装置とを備え、前記プラズマから発生した電磁波が光束形成装置を構成する反射光学素子で反射した後に前記電極近傍を通過する電磁波発生装置において、2つの電極のうち一方は円柱あるいは円筒状の形状を有し、他方は前記電極を同軸に取り囲むような円筒状の形状を有しており、該2つの電極同士は絶縁性の部材で固定されており、かつ、該電極の回転対称軸が電極近傍を通過する電磁波光束と略平行であることを特徴とする電磁波発生装置(請求項1)である。
【0010】本手段においては、電極がEUV光を遮る断面が回転対称であり、しかもできるだけ小さくすることができるため、多くのEUV光をEUVLにおけるマスクの照明に利用することができる。前記課題を解決するための第二の手段は、前記他方の電極は複数の電極からなる事を特徴とする電磁波発生装置(請求項2)である。
【0011】前記他方の電極を複数の電極とする事が可能である。通常は複数の電極とした場合、これらの電極の電位は同一電位とする。中心の電極も複数の電極とすることは可能ではあるが、プラズマを集中させるので通常は単一の電極となる。前記課題を解決するための第三の手段は、前記2つの電極間を固定している絶縁性の部材の形状が、メッシュ状あるいはスポーク状の形状を有していることを特徴とする電磁波発生装置(請求項3)である。
【0012】本手段においては、電極の一部がEUV光を極力遮らないようにメッシュ状、あるいはスポーク状の形状を有しているために、より多くのEUV光を利用することが可能となる。前記課題を解決するための第四の手段は、減圧可能な容器内に配置された2つの電極と、該電極間に高電圧パルスを印加させる電源部とを有し、該電極間に高電圧パルスを印加することによって生成されたプラズマから発生する電磁波を反射光学系によって発散光束、収束光束、あるいは平行光束とする光束形成装置とを備え、前記プラズマから発生した電磁波が光束形成装置を構成する反射光学素子で反射した後に前記電極近傍を通過する電磁波発生装置において、前記2つの電極のうち一方は円柱あるいは円筒状の形状を有し、他方の電極はその内壁面がもう一方の電極と同軸の回転対称な形状を有し、該内壁面に多層膜構造を有することを特徴とする電磁波発生装置(請求項4)である。
【0013】本手段においては、中央の電極を取り囲む電極の表面に多層膜構造を形成してあるので、従来、後者の電極によって遮られていた電磁波を利用可能な方向へ導くことができる。前記課題を解決するための第五の手段は、前記他方の電極は複数の電極からなる事を特徴とする電磁波発生装置(請求項5)である。
【0014】前記他方の電極を複数の電極とする事が可能である。通常は複数の電極とした場合、これらの電極の電位は同一電位とする。中心の電極も複数の電極とすることは可能ではあるが、プラズマを集中させるので通常は単一の電極となる。前記課題を解決するための第六の手段は、前記他方の電極はその一部が前記一方の電極の先端近傍を1つの焦点に持ち、前記一方の電極と同じ回転対称軸を有する回転放物面、回転楕円面あるいは、回転双曲面形状を有することを特徴とする電磁波発生装置(請求項6)である。
【0015】本手段においては、中央の電極を取り囲む電極の内面の形状を、中央の電極の先端近傍を焦点に持つ回転放物面、回転楕円面(球面を含む)あるいは、回転双曲面形状とすることによって、より多くの電磁波によって利用する電磁波光束を形成することができる。
【0016】前記課題を解決するための第七の手段は、前記電磁波発生装置を有し、当該電磁波発生装置から射出した電磁波を用いてマスクを照明する照明光学系と、当該マスク上に設けられたパターンを感応基板上に転写する投影光学系と、を有する事を特徴とする半導体製造装置(請求項7)である。
【0017】本手段においては、処理速度の高い半導体製造装置を実現することができる。前記課題を解決するための第八の手段は、前記半導体製造装置を用いてマスク上に形成されているパターンをレジストが塗布されている感応基板上に転写する行程を有してなることを特徴とする半導体デバイスの製造方法(請求項8)である。
【0018】本手段においては、より多くの電磁波を露光に利用できるため、効率的に半導体素子を製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1に本発明における電磁波発生装置の第一の実施形態の構成図を示す。本実施形態はEUV露光装置における照明光学系のEUV光発生部分である。圧力10Pa以下に排気された真空槽8の中に、タングステン製の電極1が配置されており、円筒状の電極2が電極1と同じ軸を有するように配置されている。尚、電極2は1つの電極として図示してあるが、分割して複数の電極としても良い。また、本実施の形態では電極1がアノード、電極2がカソードとなる。プラズマ発生時には真空槽8の内部に動作ガスとなるヘリウムとリチウム蒸気の混合気体が、ガス供給管(不図示)を通じて導入される。電極1,2にはパルス高電圧印加装置7が接続されており、電極間に1kVのパルス電圧を印加することによって電極1の先端部に高温・高密度のプラズマ4を生成し、そのプラズマから電磁波が輻射される。プラズマ生成の繰り返し周波数は1kHzである。動作ガスはリチウム蒸気を含んでおり、リチウムはプラズマ化によってEUVリソグラフィに適した波長のEUV光を発生させる。発生した電磁波のうち、波長13.5nm付近のEUV光はこの波長のEUV光が反射するように表面に多層膜を形成した回転放物面多層膜鏡5によって反射される。プラズマ4の位置は回転放物面の焦点になるように配置されているため、反射した波長13.5nmのEUV光6は平行光束となり、この平行光束は電極の近傍を通過する。このとき、電極1と電極2の間を固定している絶縁部材3は、図2−bに示したようなスポーク状の形状であるため、図2−aのような絶縁部材によって固定した場合に比べて遮られるEUV光量を大きく低減することができる。
【0020】本実施形態においては電極1と電極2の間を固定している絶縁部材3の形状はスポーク状であるが、その形状はこれに限るものではなく、電極1、2間を通過するEUV光束をできるだけ遮らない形状であれば良く、メッシュ状等の形状でも良い。肝要な事はできうるだけ面積を減らせる構造であるということである。
【0021】図3に本発明における電磁波発生装置の第二の実施形態の構成図を示す。本実施形態はEUVリソグラフィ装置における照明光学系のEUV光発生部分である。電極の大まかな構造とプラズマ発生のメカニズムは既に示した第一の実施形態と同様であるが、電極2の形状が異なっている。電極2の先端部の内壁面は電極1の先端部を焦点に持つ回転放物面形状であり、表面には多層膜構造を有している。このため、プラズマから輻射されたEUV光は電極2の内壁面で反射し、EUV平行光束6を形成する。電極1、電極2の間を固定する絶縁部材は図2−bに示したような形状であり、EUV平行光束6を大きく遮ることはない。
【0022】図4に本発明における電磁波発生装置の第三の実施形態の構成図を示す。本実施形態はEUVリソグラフィ装置における照明光学系のEUV光発生部分である。この実施形態においても、電極の大まかな構造とプラズマ発生のメカニズムは既に示した第一の実施形態と同様であるが、電極2の先端の一部が電極1の先端を中心とする球面形状を有しており、表面に多層膜構造が形成されている。図中斜め下方向に輻射されたEUV光は多層膜により反射され、プラズマ4の位置を通過して回転放物面鏡5に入射する。プラズマ4から直接放物面鏡5に入射したEUV光と、電極の球面部で反射した後に入射したEUV光はどちらも回転放物面の焦点位置から回転放物面鏡5に入射するため、反射後は同じ平行光束6を形成する。これによって、回転放物面鏡だけでは平行光束形成に利用することができなかった立体角領域へ輻射されたEUV光を利用することができる。
【0023】本実施形態ではEUV光源装置を挙げたが、利用する電磁波の波長はこの波長域に限るものではい。ただし、その際には動作ガスの種類や電極部材の材料を利用する波長の電磁波の発生に適したものにする必要がある。図8は、本発明の第4の実施形態を示す概略図である。本実施形態は第1の実施形態に示したプラズマフォーカス光源を用いてX線縮小露光装置(半導体露光装置)を構成したものである。プラズマフォーカス光源に高電圧パルスを印加する電源部及びプラズマフォーカス光源の詳細は省略してある。
【0024】DPF光源501のアノード電極はタングステン、標的物質はリチウム結晶を用いており、波長13nm近傍のX線を効率よく発生することができる。DPF光源501は支柱502により真空容器500に固定されている。X線反射鏡503はMo/Si多層膜をコートした回転放物面ミラーである。このMo/Si多層膜は反射波長が13nmになるように多層膜の周期長が決定されている。DPF光源から輻射されたX線はこのX線反射鏡503に入射し波長13nmのX線のみが反射され、厚さ0.15nmのジルコニウム(Zr)からなる可視光カットX線透過フィルター506を透過後、照明光学系507に入射する。照明光学系507により照明領域を円弧状に整形し、IC回路パターンが形成されている反射マスク508を照明する。反射マスク508で反射したX線は投影光学系510により1/4に縮小され、レジストが塗布されたシリコンウェハー511上に結像される。このとき、ウェハー511と反射マスク508はそれぞれ反射マスク移動ステージ513、ウェハー移動ステージ514上に取り付けられ、これらステージは同期してスキャンすることで、25×25mm角のICチップ全面を露光できるようになっている。この露光装置により、レジスト上で0.07μm L/SのICパターンが露光できるようになっている。尚、他の実施形態の装置も同様にして図8の如き露光装置に適用可能である。
【0025】以下、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施の形態の例を説明する。図9は、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の一例を示すフローチャートである。この例の製造工程は以下の各主行程を含む。
(1)ウエハを製造するウエハ製造工程(又はウエハを準備するウエハ準備工程)
(2)露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程(又はマスクを準備するマスク準備工程)
(3)ウエハに必要な加工処理を行うウエハプロセッシング行程(4)ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立行程(5)できたチップを検査するチップ検査工程なお、それぞぞれの行程はさらに幾つかのサブ行程からなっている。
【0026】これらの主行程の中で、半導体のデバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主行程がウエハプロセッシング行程である。この行程では、設計された回路パターンをウエハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウエハプロセッシング行程は以下の各工程を含む。
(1)絶縁層となる誘電体薄膜や配線部、或いは電極部を形成する金属薄膜などを形成する薄膜形成行程(CVDやスパッタリング等を用いる)
(2)この薄膜層やウエハ基板を酸化する酸化行程(3)薄膜層やウエハ基板などを選択的に加工するためにマスク(レチクル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィー行程(4)レジストのパターンに従って薄膜層や基板を加工するエッチング行程(例えばドライエッチング技術を用いる)
(5)イオン・不純物注入拡散行程(6)レジスト剥離行程(7)さらに加工されたウエハを検査する検査工程なお、ウエハプロセッシング行程は必要な層数だけ繰り返し行ない、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
【0027】図10は、図9のウエハプロセッシング行程の中核をなすリソグラフィー行程を示すフローチャートである。このリソグラフィー行程は以下の各工程を含む。
(1)全段の行程で回路パターンが形成されたウエハ上にレジストをコートするレジスト塗布行程(2)レジストを露光する露光行程(3)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像行程(4)現像されたレジストパターンを安定化させるためのアニール行程以上の半導体デバイス製造工程、ウエハプロセッシング行程、リソグラフィー行程については、周知のものであり、これ以上の説明を要しないであろう。
【0028】上記リソグラフィー行程の中の(2)の露光行程に、本発明に係るX線露光装置を用いると、線幅の小さなパターンの露光転写を行うことができる。そして、これらX線露光装置は、長時間の連続運転が可能であるので、本発明の半導体デバイスの製造方法によれば、歩留まりよく半導体デバイスを製造することができる。
【0029】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、EUVリソグラフィにおいてプラズマフォーカス光源を光源とした場合に、マスクの照明に利用する光束を、プラズマから輻射されたEUV光をより多く利用して形成することができる。
【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−6096(P2002−6096A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−188994(P2000−188994)