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【発明の名称】 放射線像記録再生方法および放射線像変換パネル
【発明者】 【氏名】幸田 勝博

【要約】 【課題】両面集光読取方式用の放射線像変換パネルにより得られる放射線画像の画質を改良する。

【解決手段】蛍光体層内で蛍光体粒子/バインダの重量比が層表面側で小さくなるように調整した放射線像変換パネルを、両面集光による放射線画像再生方法に用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 輝尽性蛍光体粒子と該蛍光体粒子を分散支持するバインダとから構成された輝尽性蛍光体層からなる放射線像変換パネルであって、該蛍光体層の一方の表面の側から見て、全厚の1/5に至るまでの領域での蛍光体粒子/バインダの重量比が、該蛍光体層全体の蛍光体粒子/バインダの重量比に比較して低くなるように蛍光体層内で厚さ方向に蛍光体粒子/バインダの重量比を変化させた放射線像変換パネルに、被写体を透過した放射線あるいは被検体から発せられた放射線を照射して、該放射線を輝尽性蛍光体粒子に吸収させ、次いで該放射線像変換パネルの前記表面側に励起光を照射することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光光として時系列的に放出させ、この輝尽発光光を放射線像変換パネルの両方の表面側からそれぞれ光電的に読み取って電気信号を得た後、この両方の表面側で得られた電気信号を組合せて演算処理して放射線画像を得ることからなる放射線像記録再生方法。
【請求項2】 さらに、蛍光体層のもう一方の表面の側から見て、全厚の1/5に至るまでの領域での蛍光体粒子/バインダの重量比が、該蛍光体層全体の蛍光体粒子/バインダの重量比に比較して低くされている放射線像変換パネルを用いる請求項1に記載の放射線像記録再生方法。
【請求項3】 蛍光体層中の蛍光体粒子/バインダの重量比の最大値が層厚の中央の領域にある放射線像変換パネルを用いる請求項1に記載の放射線像記録再生方法。
【請求項4】 該放射線像変換パネルを二組のニップローラ間を搬送移動させながら、そのニップローラ間に位置する放射線像変換パネル表面に励起光を照射する請求項1に記載の放射線像記録再生方法。
【請求項5】 輝尽性蛍光体粒子と該蛍光体粒子を分散支持するバインダとから構成された輝尽性蛍光体層からなる放射線像変換パネルであって、蛍光体層の一方の表面の側から見て、全厚の1/5に至るまでの領域での蛍光体粒子/バインダの重量比が、蛍光体層全体の蛍光体粒子/バインダの重量比に比較して低くなるように蛍光体層内で厚さ方向に蛍光体粒子/バインダの重量比とを変化させてなる両面集光による放射線画像再生用の放射線像変換パネル。
【請求項6】 さらに、蛍光体層のもう一方の表面の側から見て、全厚の1/5に至るまでの領域での蛍光体粒子/バインダの重量比が、該蛍光体層全体の蛍光体粒子/バインダの重量比に比較して低くされている請求項5に記載の放射線像変換パネル。
【請求項7】 蛍光体層中の蛍光体粒子/バインダの重量比の最大値が層厚の中央の領域にある請求項5に記載の放射線像変換パネル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体の輝尽特性を利用した放射線像記録再生方法およびその方法に有利に利用できる放射線像変換パネルに関するものである。本発明は特に、輝尽発光を両表面側から同時に検出する放射線像記録再生方法、およびその方法に用いるための放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線像を画像として得る方法として従来より利用されてきた銀塩乳剤層を有する放射線写真フィルムと増感紙との組合わせを用いる放射線写真法に代る方法として、たとえば特開昭55−12145号公報などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が利用されている。放射線像記録再生方法は、輝尽性蛍光体を有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートとも称する)を利用するもので、被写体を透過した放射線、あるいは被検体から発せられた放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得たのち、この電気信号を画像化するものである。
【0003】上記放射線像記録再生方法によれば、従来の放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。従って、この放射線像記録再生方法は、特に医療診断を目的とするX線撮影等の直接医療用放射線撮影において利用価値が非常に高い。
【0004】上記放射線像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルは、一般に支持体とその片面に設けられた輝尽性蛍光体層とからなる基本構造を持ち、通常長方形あるいは正方形のシート状の形状を有する。また、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反対側の表面(即ち、支持体に面していない側の表面)には一般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0005】輝尽性蛍光体層は、輝尽性蛍光体粒子とこれを分散状態で含有支持するバインダ(結合剤或は結着材ともいう)とからなるものであり、この輝尽性蛍光体は、X線などの放射線を吸収したのち、可視光線あるいは赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると発光(輝尽発光)を示す性質を有する。従って、被写体を透過した、あるいは被検体から発した放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、放射線像変換パネルには被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像(潜像)として形成される。この蓄積像は、上記電磁波でパネルを時系列的に励起することにより輝尽発光として放射させることができ、この輝尽発光を光電的に読み取って電気信号に変換し、放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0006】上記放射線像記録再生方法は、通常、放射線像変換パネルに画像情報を有する放射線を照射して、パネルに放射線像を記録する手段(記録手段)と、放射線像が記録されたパネルに励起光を照射しパネルを輝尽発光させて放射線像を光電的に読み取る手段(読取手段)と、この読取り後のパネルに消去光を照射してパネルに残存する放射線像を消去する手段(消去手段)と、これら処理手段の間を連結して各処理手段に向けてパネルを搬送する搬送系とが一つの装置に組込まれた一体型の放射線像記録読取装置を用いて、あるいは記録手段と読取手段および消去手段とが分離された装置、すなわち放射線像記録装置(撮影装置)と消去機能を有する放射線像読取装置を用いて実施される。いずれの場合も消去後のパネルは放射線像記録に使用可能なものであるので、パネルは繰り返し使用され、特に前者の放射線像記録読取装置においてはパネルは装置内で搬送移動を繰り返しながら循環再使用される。
【0007】放射線像記録再生方法における読み取り工程は一般に、放射線像変換パネルの一方の表面側から励起光を照射し、輝尽性蛍光体粒子から発せられる輝尽光を、その励起光照射側に備えた集光ガイドで取り出し、光電変換して読み取る方法が利用されている。しかし、輝尽性蛍光体粒子から発せられる輝尽光をできるだけ多く取り出したい場合、あるい輝尽性蛍光体層内に形成された放射線エネルギーの蓄積像が該層内でその深さ方向でエネルギー強度分布が変化している時にそのエネルギー強度分布の変化を放射線画像情報として得たい場合などには、放射線像変換パネルの両側から輝尽光を集光する方法(両面集光読取方法)を利用することがあり、この両面集光読取方法については特開昭55−87970号公報に記載がある。このような両面集光系を利用する放射線像記録再生方法の読み取り装置の概念図を図1に示す。図1において、放射線像変換パネルは11で示されており、放射線像変換パネル11を移動搬送させるための一対のニップローラが12a、12bで示されている。レーザビーム等の励起光13は一方の側より照射され、放射線像変換パネル11内から発せられる輝尽光は、その両表面側に進み、この内でパネル11の下方側に進んだ輝尽光14aは、下方側に設けられている集光ガイド15aにより集光され、その集光ガイド15aの基部に備えられた光電変換装置(フォトマルチプライヤ)16aで電気信号に変換され、増幅器17aで増幅され信号処理装置18に送られる。一方、放射線像変換パネル11の上方側に進んだ輝尽光14bは、直接あるいはミラー19で反射されて、上方に設けられた集光ガイド15bにより集光され、その集光ガイド15bの基部に備えられた光電変換装置(フォトマルチプライヤ)16bにて電気信号に変換され、増幅器17bで増幅され信号処理装置18に送られる。信号処理装置18では、増幅器17aと増幅機17bとから送られてきた電気信号について、目的とする放射線画像の種類に基づいて予め決められている加算あるいは減算などの演算処理を行ない、処理後の信号を画像信号として送り出す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】放射線像変換パネルを用いる放射線像記録再生方法においても、従来の銀塩系放射線フィルムを用いる放射線像形成法の場合と同様に、得られる放射線像の鮮鋭度や粒状性などの画質がより優れていることが望まれる。このため、従来より一般的に利用されている励起光入射側からのみ読み取る方式用の放射線像変換パネルについては、蛍光体層中の蛍光体粒子/バインダの重量比を一方の側に偏らせたり、蛍光体層を励起光吸収性の着色剤で着色したりすることによって、放射線像の鮮鋭度や粒状性を改良する方法が既に提案され、その一部は実用化されている。
【0009】しかし、前記のような両面集光読取方法を利用する放射線像記録再生方法が与える放射線像の鮮鋭度や粒状性などの画質の改良については、その読み取り方式の相違から、従来の一方の側からのみ読み取る方式に用いる放射線像変換パネルの場合とは異なった方法が必要であると考えられるが、これまでには、そのような両面集光読取方式用の放射線像変換パネルの粒状性などの画質の改良をどのような方法により実現するかの点については明らかにされていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、輝尽性蛍光体粒子と該蛍光体粒子を分散支持するバインダとから構成された輝尽性蛍光体層からなる放射線像変換パネルであって、蛍光体層の一方の表面の側から見て、全厚の1/5に至るまでの領域での蛍光体粒子/バインダの重量比が、蛍光体層全体の蛍光体粒子/バインダの重量比に比較して低くなるように蛍光体層内で厚さ方向に蛍光体粒子/バインダの重量比を変化させてなる両面集光方式による放射線画像再生のための放射線像変換パネルにある。
【0011】本発明はまた、放射線像変換パネルに、被写体を透過した放射線あるいは被検体から発せられた放射線を照射して、該放射線を輝尽性蛍光体粒子に吸収させ、次いで該放射線像変換パネルの蛍光体粒子/バインダ重量比が低い側の表面に励起光を照射することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光光として時系列的に放出させ、この輝尽発光光を放射線像変換パネルの両方の表面側からそれぞれ光電的に読み取って電気信号を得た後、この両方の表面側で得られた電気信号を組合せて演算処理して放射線画像を得ることからなる放射線像記録再生方法にもある。
【0012】本発明の両面集光方式の放射線像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルは、蛍光体層中の輝尽性蛍光体粒子とバインダとの重量比を、蛍光体層の励起光を受光する側の表面で、蛍光体層内部に比較して小さくなるように偏倚させたことを特徴とする。
【0013】次に本発明の放射線像変換パネルの好ましい態様を記す。
(1)さらに、蛍光体層のもう一方の表面の側から見て、全厚の1/5に至るまでの領域での蛍光体粒子/バインダの重量比が、該蛍光体層全体の蛍光体粒子/バインダの重量比に比較して低くされている上記の放射線像変換パネル。
(2)蛍光体層中の蛍光体粒子/バインダの重量比の最大値が層厚の中央の領域にある上記の放射線像変換パネル。
【0014】本発明の放射線像変換パネルは、たとえば、次に述べるような方法により製造することができる。輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体の例としては、下記のものが挙げられる。
【0015】米国特許第3,859,527号明細書記載のSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2 :Er、およびLa22 S:Eu,Sm、特開昭55−12142号公報記載のZnS:Cu,Pb、BaO・xAl23 :Eu(ただし、0.8≦x≦10)、及びMIIO・xSiO2 :A(ただし、MIIはMg、Ca、Sr、Zn、CdまたはBaであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、Bi、またはMnであり、xは、0.5≦x≦2.5である)、【0016】特開昭55−12143号公報に記載の(Ba1-x-y,Mgx ,Cay )FX:aEu2+(ただし、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つであり、xおよびyは、0<x+y≦0.6かつxy≠0であり、aは10-6≦a≦5×10-2である)、【0017】特開昭55−12144号公報記載のLnOX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一つ、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つ、AはCeおよびTbのうちの少なくとも一つ、そして、xは、0<x<0.1である)、【0018】特開昭55−12145号公報に記載の(Ba1-x ,M2+x )FX:yA(ただし、M2+はMg、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、BrおよびIのうちの少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしてxは、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)、【0019】特開昭55−160078号公報に記載のMIIFX・xA:yLn[ただし、MIIはBa、Ca、Sr、Mg、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al23 、Y23 、La23 、In23 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、GeO2 、SnO2、Nb25 、Ta25 、およびThO2 のうちの少なくとも一種、Lnは、Eu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、およびGdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ5×10-5≦x≦0.5および0<y≦0.2である]の組成式で表わされる蛍光体、【0020】特開昭56−116777号公報に記載の(Ba1-x ,MIIx )F2 ・aBaX2 :yEu,zA[ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である]の組成式で表わされる蛍光体、【0021】特開昭57−23673号公報記載の(Ba1-x ,MIIx )F2 ・aBaX2:yEu,zB[ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzは、それぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦2×10-1である]の組成式で表わされる蛍光体、【0022】特開昭57−23675号公報記載の(Ba1-x ,MIIx )F2 ・aBaX2:yEu,zA[ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、および沃素のうちの少なくとも一種、Aはヒ素およびケイ素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10-1である]の組成式で表わされる蛍光体、【0023】特開昭58−69281号公報に記載のMIII OX:xCe[ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1である]の組成式で表わされる蛍光体、【0024】特開昭58−206678号公報記載のBa1-xx/2x/2 FX:yEu2+[ただし、MはLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属を表わし;Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である]の組成式で表わされる蛍光体、【0025】特開昭59−27980号公報に記載のBaFX・xA:yEu2+[ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aはテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である]の組成式で表わされる蛍光体、【0026】特開昭59−47289号公報に記載のBaFX・xA:yEu2+[ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である]の組成式で表わされる蛍光体、【0027】特開昭59−56479号公報に記載のBaFX・xNaX':aEu2+[ただし、XおよびX’は、それぞれCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびaはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である]の組成式で表わされる蛍光体、【0028】特開昭59−56480号公報に記載のMIIFX・xNaX':yEu2+:zA[ただし、MIIは、Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX’は、それぞれCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiより選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり;そして、xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z≦10-2である]の組成式で表わされる蛍光体、【0029】特開昭59−75200号公報記載のMIIFX・aMI X’・bM’IIX”2・cMIII X"'3 ・xA:yEu2+[ただし、MIIはBa、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M’IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり;MIII はAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’、X”およびX"'は、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2、かつa+b+c≧10-6であり;xは0<x≦0.5、yは0<y≦0.2である]の組成式で表わされる蛍光体、【0030】特開昭60−84381号公報記載のMII2 ・aMIIX’2 :xEu2+[ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX’はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで、かつX≠X’であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である]の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、【0031】特開昭60−101173号公報記載のMIIFX・aMI X’:xEu2+[ただし、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aおよびxは、それぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2である]の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、【0032】特開昭62−25189号公報に記載のMI X:xBi[ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である]の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、そして【0033】特開平2−229882号公報に記載のLnOX:xCe(但し、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一つ、XはCl、BrおよびIのうちの少なくとも一つ、xは0<x≦0.2であり、LnとXとの比率が原子比で0.500<X/Ln≦0.998であり、かつ輝尽性励起スペクトルの極大波長λが550nm<λ<700nm)で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体。
【0034】なお、前記特開昭60−84381号公報に記載のMII2 ・aMIIX’2 :xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に示すような添加物がMII2 ・aMIIX’21モル当り以下の割合で含まれていてもよい。
【0035】特開昭60−166379号公報に記載のbMI X”(ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X”はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開昭60−221483号公報に記載のbKX”・cMgX"'2 ・dMIII X""3 (ただし、MIII はSc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X”、X"'およびX""はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c+dである);特開昭60−228592号公報に記載のyB(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1である);特開昭60−228593号公報に記載のbA(ただし、AはSiO2 およびP25 からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは10-4≦b≦2×10-1である);特開昭61−120883号公報に記載のbSiO(ただし、bは0<b≦3×10-2である);特開昭61−120885号公報に記載のbSnX”2 (ただし、X”はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10-3である);特開昭61−235486号公報に記載のbCsX”・cSnX"'2 (ただし、X”およびX"'はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcは、それぞれ、0<b≦10.0および10-6≦c≦2×10-2である);および特開昭61−235487号公報に記載されているbCsX”・yLn3+(ただし、X”はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦10.0および10-6≦y≦1.8×10-1である)。
【0036】また、特願平4−276540号明細書に記載の、下記組成式(I): BaFXaNaX'dCsX"eCaX'"2fSrX""2gCaOhSrO: bCe3+ …(I)
(ただし、XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’はBr及び/又はIであり;X”、X '”及びX””はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;a、d、e、f、g及びhは、10-4a+d+e+f+g+h≦10-1の条件を満足する数値であり;そしてbは10-5≦b≦10-2の範囲の数値である。)で表わされるセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体、特に、下記組成式(II): BaFX・aNaX':bCe3+ …(II)
(ただし、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X’はBrおよび/またはIであり;そしてaおよびbはそれぞれ0<a≦10-1および10-5≦b≦10-2の範囲の数値である)で表わされるセリウム賦活弗化ハロゲン化バリウム系蛍光体も有利に使用することもできる。
【0037】上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロピウム賦活またはセリウム賦活のアルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、およびセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体等の希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に、輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
【0038】輝尽性蛍光体層のバインダの例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライドのような天然高分子物質;およびポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステル、ポリスチレン、エポキシ樹脂などのような合成高分子物質などにより代表されるポリマーを挙げることができる。このような結合剤は、その分子構造、分子量の違い等によって柔軟性が変化するため、その中で比較的硬質ものを選ぶことが好ましい。特に好ましいものは、輝尽性蛍光体層の剛性を向上させ易いポリスチレン、エポキシ樹脂、あるいはこれらの樹脂と他のポリマーとの混合物である。なお、これらのバインダは架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
【0039】本発明の放射線像変換パネルは着色されていてもよい。この着色剤は、該パネルに用いられる輝尽性蛍光体の励起波長領域における平均反射率が該輝尽性蛍光体の輝尽発光波長における平均反射率よりも小さいような反射特性を有するものが用いられる。従って、いかなる着色剤を用いるかは放射線像変換パネルに用いる輝尽性蛍光体の種類によって決まる。放射線像変換パネル用の輝尽性蛍光体としては、通常、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が用いられる。このため、着色剤としては通常、青色〜緑色の有機系もしくは無機系の着色剤が用いられる。
【0040】青色〜緑色の有機系着色剤の例としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)製)、D&CブルーNo1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイルブルーNo603(オリエント(株)製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和産業(株)製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ(株)製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)製)が挙げられる。
【0041】青色〜緑色の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、そしてTiO2 −ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられる。
【0042】輝尽性蛍光体層は、たとえば、次の方法により形成することができる。まず上記の輝尽性蛍光体、着色剤およびバインダを適当な溶剤に添加し、これを充分に混合して、バインダ溶液中に蛍光体粒子と着色剤が均一に分散もしくは溶解塗布液を調製する。
【0043】塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル;そしてそれらの混合物を挙げることができる。
【0044】塗布液におけるバインダと輝尽性蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般にはバインダと蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれる。そして1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶことが好ましく、特に1:8乃至1:30(重量比)の範囲から選ぶことが好ましい。
【0045】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍光体粒子の分散性を向上させるための分散剤、および形成後の蛍光体層(蛍光体シート)中におけるバインダと蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤など種々の添加剤が混合されていてもよい。
【0046】上記のようにして調製された蛍光体粒子とバインダを含有する塗布液を、プラスチックシート、ガラス板、金属板などのような平面を有する仮支持体の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえばドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いることにより行なうことができる。ついで、形成された塗膜を徐々に加熱することにより乾燥し、蛍光体層の形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、バインダと蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃至500μmとするのが好ましく、特に100乃至400μmとするのが好ましい。
【0047】上記のようにして塗布液から形成された塗膜中では、比重の大きい蛍光体粒子がより多く下側に沈み、従って、蛍光体粒子/バインダ重量比は底面付近で最大となり、上表面付近で最小となる。そして、これらの蛍光体粒子そしてバインダの偏りは、塗膜から溶媒を除去する乾燥過程において更に助長される。従って、乾燥して得られた蛍光体層における蛍光体粒子/バインダ重量比は底面付近で最大となる。
【0048】本発明の放射線像変換パネルの特徴的な成分分布を有する蛍光体層は、たとえば、上記のように製造した蛍光体層(蛍光体シート)の下側面に、同様にして塗布乾燥により製造した蛍光体層(蛍光体シート:蛍光体粒子/バインダ重量比は同じく底面側で最大となる)を裏返して接合する方法を利用して得ることができる。両蛍光体層の層厚を同じにすれば、それらを接合して得られる本発明の蛍光体層は、蛍光体粒子/バインダ重量比は厚さ方向の中央で最大となる。
【0049】あるいは、上記の蛍光体層を二枚用いて、両方ともそのまま(すなわち、裏返しせずに)重ねあわせて接合する方法を利用してもよい。
【0050】本発明の放射線像変換パネルは、通常は循環使用されるため、蛍光体層の一方の側の表面(励起光が入射する側の表面)、好ましくは両側面に、厚さ30μm以下の薄い透明プラスチックフィルム層を備えていることが好ましい。透明プラスチックフィルム層は、例えば酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体、あるいはポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、フルオルオレフィン・ビニルエ−テルコポリマーなどの合成高分子物質のような透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体の表面に塗布する方法により形成することができる。あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、塩化ビニリデン、ポリアミドなどから別途形成した透明な薄膜を蛍光体シートの表面に適当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成することができる。なお、上記の薄い透明プラスチックフィルムを設けなかった面には、通常の放射線像変換パネル用の支持体で透明なものを付設してもよい。
【0051】
【実施例】[参考例1]輝尽性二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体(BaFBr:Eu2+)の粒子200g、ポリウレタン樹脂(パンデックスT5265M、大日本インキ化学工業(株)製)の20重量%メチルエチルケトン溶液40g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2g、そして群青16mgを、メチルエチルケトンに加え、プロペラミキサを用いて分散溶解させて、着色剤を含み、かつバインダと蛍光体粒子との混合比が1 :20(重量比)の蛍光体層形成用塗布液を得た。この塗布液を、ガラス板上に水平に置き、接着固定したポリエチレンテレフタレートシート(表面に離型剤処理がされている仮支持体、厚さ:250μm)の上にドクターブレードを用いて均一に塗布した。そして塗布後に、塗膜が形成された支持体を乾燥器内に入れ、この乾燥器の内部の温度を25℃から100℃に徐々に上昇させて塗膜の乾燥を行なった。このようにして、厚さ200μmの蓄積性蛍光体シート(蛍光体層)を形成した。この蓄積性蛍光体シートからポリエチレンテレフタレートをはがして、蓄積性蛍光体シートA(着色蛍光体層)を得た。
【0052】別に、群青を添加しなかった以外は、上記と同様の蛍光体層形成用塗布液を調製し、次いでこの塗布液を用いて、上記と同様の塗膜形成と乾燥を行ない、厚さ200μmの蓄積性蛍光体シート(蛍光体層)を形成した。そして、この蓄積性蛍光体シートからポリエチレンテレフタレートをはがして、蓄積性蛍光体シートB(非着色蛍光体層)を得た。
【0053】次に、蓄積性蛍光体シートBを裏返して、これを蓄積性蛍光体シートAの底面に重ねて積層体を形成し、これを加熱圧縮(60℃:バインダの軟化温度以上)して、蓄積性蛍光体シートAの底面に蓄積性蛍光体シートBの底面が接合された積層蛍光体シートを得た。
【0054】得られた積層蛍光体シートの一部を切断し、その断面をX線アナライザと赤色光源を用いた光学顕微鏡とを用いて観察したところ、添付の図2に模式的に示されるような成分分布を示すことが判明した。すなわち、蛍光体粒子/バインダの重量比は上表面側と底面側とで小さく、また着色剤濃度は上表面側で高かった。なお、図2において、21は積層蛍光体層、Aは着色蛍光体層、Bは非着色蛍光体層、22はバインダ、23は輝尽性蛍光体粒子、そして24は着色剤粒子をそれぞれ表わす。
【0055】最後に、積層蛍光体シートの両側表面に、ポリエステル樹脂接着剤層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ10μm)を接着して、参考用の放射線像変換パネルを得た。
【0056】[参考例2]参考例1と同じ製法により製造した蓄積性蛍光体シートAと蓄積性蛍光体シートBとを、蛍光体シートBの上表面に蛍光体シートAをそのまま(すなわち、裏返しせず)重ね合せて、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が上側表面で小さく、着色剤濃度が上側表面において高い本発明に従う放射線像変換パネルを得た。
【0057】[参考例3]参考例1と同じ製法により蓄積性蛍光体シートAを二枚製造し、一方の蛍光体シートの底面に、他方の蛍光体シートの底面を重ね合せて、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が上側表面と底面とで小さく、上側表面と底面との着色剤濃度が等しく、中央部で低い本発明に従う放射線像変換パネルを得た。
【0058】[比較例1]参考例1に記載の蓄積性蛍光体シートA形成用の塗布液を用い、厚さ400μmの蓄積性蛍光体シート(蛍光体層)を同様な方法により形成した。この蓄積性蛍光体シートからポリエチレンテレフタレートをはがして、蓄積性蛍光体シートCを得て、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が底面で最大で、着色剤濃度が上側表面で最も高い比較用の放射線像変換パネルを得た。
【0059】[比較例2]参考例1と同じ製法により蓄積性蛍光体シートAと蓄積性蛍光体シートBとを製造し、蛍光体シートBの上表面に、蛍光体シートAを裏返して重ね合せ、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が上側表面と底面とで同等に大きく、着色剤濃度が中央部で高く、上側表面で着色が少なく、底面において着色剤が存在しない比較用の放射線像変換パネルを得た。
【0060】[比較例3]参考例1と同じ製法により蓄積性蛍光体シートAと蓄積性蛍光体シートBとを製造して、蛍光体シートBを裏返し、その上に、蛍光体シートAを裏返して重ね合せ、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が上側表面と中央部とで同等に大きく、着色剤濃度が中央部で高く、上側表面で着色が少なく、底面において着色剤が存在しない比較用の放射線像変換パネルを得た。
【0061】[比較例4]参考例1と同じ製法により蓄積性蛍光体シートAと蓄積性蛍光体シートBとを製造して、蛍光体シートAを裏返し、その上に、蛍光体シートBをそのまま重ね合せ、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が中央部で最大で、着色剤濃度が底面において最大の比較用の放射線像変換パネルを得た。
【0062】[比較例5]参考例1と同じ製法により蓄積性蛍光体シートAと蓄積性蛍光体シートBとを製造して、蛍光体シートAをそのまま置き、その上に、蛍光体シートBをそのまま重ね合せ、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が上側表面で小さく、着色剤濃度が中央部で高く、底面で低く、上側表面において着色剤が存在いない比較用の放射線像変換パネルを得た。
【0063】[比較例6]参考例1と同じ製法により蓄積性蛍光体シートAと蓄積性蛍光体シートBとを製造して、蛍光体シートAを裏返し、その上に、蛍光体シートBを裏返して重ね合せ、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着し、蛍光体粒子/バインダ比が上側面で高く、着色剤濃度が底面で最も高く、上側表面において着色剤が存在しない比較用の放射線像変換パネルを得た。
【0064】[比較例7]参考例1と同じ製法により蓄積性蛍光体シートAと蓄積性蛍光体シートBとを製造して、蛍光体シートAをそのまま置き、その上に、蛍光体シートBを裏返しして重ね合せ、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が表面側と底面とで同等に大きく、着色剤濃度が中央部において最大で、上側面に着色剤が存在しない比較用の放射線像変換パネルを得た。
【0065】[実施例1]参考例1と同じ製法により蓄積性蛍光体シートBを二枚製造し、一方の蛍光体シートの底面に、他方の蛍光体シートの底面を重ね合せて、同様に加熱圧縮により接合し、次いでその両側表面に、同様にポリエチレンテレフタレートフィルムを接着して、蛍光体粒子/バインダ比が上側表面と底面とで同等に小さい構成を持つ本発明の放射線像変換パネル(この例では着色剤が存在しない)を得た。
【0066】[放射線像変換パネルの評価]各放射線像変換パネルの画像形成性能を、図1に示した両面集光型読取装置を用いて下記条件にて画像の読取出力試験を行なった。放射線像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射した後、その放射線像変換パネルを図1のようにニップロール間で搬送移動させながら、そのニップロール間のパネルの表面にHe−Neレーザ光(励起光)を照射し、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽光を両面から集光して電気信号に変換し、上下の信号を合計して画像信号を得た。この画像信号を組合せて演算処理して後、フィルムスキャナーを用いて銀塩写真フィルムに画像を感光記録させた。得られた写真画像を観察させたところ、下記の結果が得られた。なお、鮮鋭度と粒状性の判定は、比較例1の放射線像変換パネルの使用により得られた写真画像の鮮鋭度と粒状性を標準(0)とし、それよりも明確に優れたものを+2、若干優れたものを+1、若干劣るものを−1、そして明らかに劣るものを−2とした。
【0067】
【表1】
第1表──────────────────────────────────── 鮮 鋭 度 粒 状 性──────────────────────────────────── 参考例 1 +2 +2 参考例 2 +1 +1 参考例 3 +2 +1──────────────────────────────────── 比較例 1 0 0 比較例 2 +2 −1 比較例 3 +2 −2 比較例 4 −2 +1 比較例 5 −2 −1 比較例 6 −1 +1 比較例 7 −1 −1──────────────────────────────────── 実施例 1 0 +2────────────────────────────────────【0068】[参考例4]輝尽性二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体(BaFBr:Eu2+)の粒子200g、ポリウレタン樹脂(パンデックスT5265M、大日本インキ化学工業(株)製)の20重量%メチルエチルケトン溶液40g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2g、そして群青16mgを、メチルエチルケトンに加え、プロペラミキサを用いて分散溶解させて、着色剤を含み、かつバインダと蛍光体粒子との混合比が1 :20(重量比)の蛍光体層形成用塗布液aを得た。輝尽性二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体の粒子200g、ポリウレタン樹脂(パンデックスT5265M)の20重量%メチルエチルケトン溶液20g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂1g、そして群青2mgを、メチルエチルケトンに加え、プロペラミキサを用いて分散溶解させて、着色剤を含み、かつバインダと蛍光体粒子との混合比が1 :40(重量比)の蛍光体層形成用塗布液bを得た。
【0069】輝尽性二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体の粒子200g、ポリウレタン樹脂(パンデックスT5265M)の20重量%メチルエチルケトン溶液53.3g、そしてビスフェノールA型エポキシ樹脂2.6gを、メチルエチルケトンに加え、プロペラミキサを用いて分散溶解させて、着色剤を含み、かつバインダと蛍光体粒子との混合比が1 :15(重量比)の蛍光体層形成用塗布液Cを得た。
【0070】ガラス板上に水平に、接着固定したポリエチレンテレフタレートシート(表面に離型剤処理がされている仮支持体、厚さ:250μm)の上にドクターブレードを用いてまず塗布液cを均一に塗布した。そして塗布液cの塗布直後で、塗膜が乾燥しない内に、その上に塗布液bを均一に塗布した。そして塗布液bの塗布直後で、塗膜が乾燥しない内に、その上に塗布液aを均一に塗布した。なお、各塗布液の塗布量は、全てほぼ同等とした。そして、このように重ね合せた塗布層を有する支持体を乾燥器内に入れ、この乾燥器の内部の温度を25℃から100℃に徐々に上昇させて塗膜の乾燥を行なった。このようにして、厚さ400μmの蓄積性蛍光体シート(蛍光体層)を形成した。この蓄積性蛍光体シートからポリエチレンテレフタレートをはがして、蓄積性蛍光体シートを得た。
【0071】得られた積層蛍光体シートの一部を切断し、その断面をX線アナライザと赤色光源を用いた光学顕微鏡とを用いて観察したところ、蛍光体粒子/バインダの重量比が上側表面で小さく、上側表面から全層厚の約2/3の位置で最大となり、また着色剤濃度は、上側表面で最も高く、底面付近には着色剤は存在していなかった。
【0072】最後に、蛍光体シートの両側表面に、ポリエステル樹脂接着剤層を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ10μm)を接着して、参考用の放射線像変換パネルを得た。この放射線像変換パネルを、前述の両面集光方式の放射線像記録再生方法において用いたところ、参考例1で得た放射線像変換パネルとは鮮鋭度と粒状性とにおいて同等の性能を示した。
【0073】
【発明の効果】本発明の放射線像変換パネルを両面集光方式の放射線像記録再生方法に用いると、従来の放射線像変換パネルを用いた場合に比べて、粒状性において明らかな向上が見られる。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成6年4月15日(1994.4.15)
【代理人】 【識別番号】100074675
【弁理士】
【氏名又は名称】柳川 泰男
【公開番号】 特開2002−6093(P2002−6093A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2001−115774(P2001−115774)