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【発明の名称】 放射線像変換パネル
【発明者】 【氏名】小川 博

【要約】 【課題】繰り返し使用後においても使用初期と同等の防汚性を有し、搬送耐久性、耐傷性に優れた放射線像変換パネルとする。

【解決手段】輝尽性蛍光体からなる蛍光体層と保護膜とを有する放射線像変換パネルにおいて、保護膜を樹脂とモース硬度9以上で平均粒径が0.1μmから1μmの粒子とを含み、粒子を樹脂に対して50重量%から200重量%含むものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 輝尽性蛍光体からなる蛍光体層と保護膜とを有する放射線像変換パネルにおいて、前記保護膜が樹脂とモース硬度9以上で平均粒径が0.1μmから1μmの粒子とを含み、該粒子を前記樹脂に対して50重量%から200重量%含むことを特徴とする放射線像変換パネル。
【請求項2】 前記粒子を前記樹脂に対して 40重量%から120重量%含むことを特徴とする請求項1記載の放射線像変換パネル。
【請求項3】 前記粒子がアルミナであることを特徴とする請求項1または2記載の放射線像変換パネル。
【請求項4】 前記アルミナが単結晶であって、粒子サイズ分布の重量累積曲線で10%の粒径D10と90%の粒径D90の比(D90/D10)が3以下の単分散粒子であることを特徴とする請求項3記載の放射線像変換パネル。
【請求項5】 前記樹脂がフッ素系共重合体樹脂および/またはシリコーン系共重合体樹脂であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の放射線像変換パネル。
【請求項6】 前記保護膜がさらに反応性シリコーンを含むことを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の放射線像変換パネル。
【請求項7】 前記保護膜と前記蛍光体層との間に透明フィルムが設けられていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線像変換パネル。
【請求項8】 前記保護膜が前記蛍光体層上に直接設けられていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の放射線像変換パネル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を利用する放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法として、たとえば特開昭55-12145号に記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもので、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線をパネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、次いで得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。読み取りを終えたパネルは、残存する画像の消去が行なわれた後、次の撮影のために備えられる。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返し使用される。
【0003】この放射線像変換方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線像変換方法では放射線像変換パネルを繰り返し使用するので資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルは、通常、支持体とその表面に設けられた輝尽性蛍光体層と、さらに蛍光体層の表面に設けられ蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護する保護膜とを有している。保護膜は、セルロース誘導体やポリメチルメタクリレートなどのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが知られている。これらのうち、塗布によって形成した保護膜は、一般に蛍光体層との接着強度が強く、また比較的簡単な工程で製造できるという利点を有している。
【0005】ところで、放射線像変換方法の実施において、放射線像変換パネルは、放射線の照射(放射線像の記録)・励起光の照射(記録された放射線像の読出し)・消去光の照射(残存する放射線像の消去)というサイクルで繰り返し使用され、パネルの各ステップへの移行はベルト、ローラーなどの搬送手段により行なわれ、一サイクル終了後パネルは通常積層して保存される。ところが、上記のような、塗布によって形成された保護膜を有する放射線像変換パネルを、このように繰り返し使用していると、たとえば保護膜表面に汚れが付着したり擦り傷がつくなどの理由により、放射線像変換パネルが形成する放射線画像の画質が徐々に低下する傾向がある。放射線像変換パネルも従来の放射線写真法と同様に、高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれるから、上記のような汚れの付着や擦り傷を防止することは重要な課題である。
【0006】上記の繰返し使用による放射線像変換パネルの感度低下を防ぐことのできるパネルとして、既に本出願人は、有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を含む保護膜を有する放射線像変換パネルについて開示している(特許 2540370号)。また、さらに防汚性を向上させた放射線像変換パネルとして、上記の有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂にさらに反応性シリコーン(ポリシロキサン骨格含有オリゴマー)を添加して形成された保護膜を有する放射線像変換パネルについて開示している(特許第2715189号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂に反応性シリコーンを併用することにより、使用初期の防汚性は改良されるものの、パネルを繰り返し使用すると反応性シリコーンが保護層表面からしだいに取れてしまい、防汚性が徐々に低下してしまうことがわかった。また、保護膜中に白色微粒子を含有させて光散乱を起こすことは、塗膜の虹ムラ防止として有効であることが知られているが(特開昭 62-247298号、特開平 10-123297号)、このような方法によっても防汚性や耐傷性の向上は見られず、繰り返し使用後に使用初期と同様の防汚性を有する保護膜を得ることは困難である。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、繰り返し使用後においても使用初期と同等の防汚性を有し、搬送耐久性、耐傷性に優れた放射線像変換パネルを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線像変換パネルは、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層と保護膜とを有する放射線像変換パネルにおいて、前記保護膜が樹脂とモース硬度9以上で平均粒径が0.1μmから1μmの粒子とを含み、該粒子を前記樹脂に対して50重量%から200重量%含むことを特徴とするものである。
【0010】モース硬度とは、滑石、セッコウ、方解石、ホタル石、リン灰石、正長石、石英、黄玉、鋼玉、ダイヤモンド(ダイヤモンド=10)の順に10種の基準となる鉱物と比較することによって鉱物の硬度を求める経験的尺度であり、モース硬度9以上とは鋼玉以上の硬度であることを意味する。前記粒子は前記樹脂に対して 40重量%から120重量%含むものであることがより好ましい。
【0011】前記粒子はアルミナであることが好ましく、該アルミナは単結晶であって、粒子サイズ分布の重量累積曲線で10%の粒径D10と90%の粒径D90の比(D90/D10)が3以下の単分散粒子であることがより好ましい。単結晶とは、すべての部分が同一の結晶学的方位を有していることを意味する。粒子サイズ分布の重量累積曲線とは、縦軸に重量累積(%)を横軸に粒子サイズをプロットした曲線であって、この曲線における10%の粒径D10と90%の粒径D90の比(D90/D10)が3以下の単分散粒子であることを意味する。
【0012】前記樹脂は、フッ素系共重合体樹脂および/またはシリコーン系共重合体樹脂であることが好ましい。また、前記保護膜中には、さらに反応性シリコーンを含むことが好ましい。
【0013】前記保護膜は、蛍光体層上に直接設けられていてもよいし、また、前記保護膜と前記蛍光体層との間に透明フィルムが設けられていてもよい。
【0014】
【発明の効果】本発明の放射線像変換パネルは、保護膜を樹脂とモース硬度9以上で平均粒径が0.1μmから1μmの粒子とを含み、この粒子を樹脂に対して 50重量%から200重量%含むものとしたので、保護膜の耐傷性、搬送耐久性を高めることができる。また、繰り返し使用後においても保護膜に傷がつきにくいため、使用初期の防汚性(汚れが付着しにくい性質および/または一旦付着した汚れが有機溶媒などの洗浄により容易に除去できる性質を意味する)を維持することが可能である。さらに、保護膜の防汚性、耐傷性、耐久性がよいため、放射線像変換パネルの繰り返し使用後においても、パネル使用初期と遜色のない感度と良好な画質を維持することが可能となる。
【0015】なお、粒子を樹脂に対して 40重量%から120重量%含むものとすることにより、防汚性、耐傷性、耐久性をより向上させることができる。
【0016】また、粒子をアルミナ、特に単結晶であって、粒子サイズ分布の重量累積曲線で10%の粒径D10と90%の粒径D90の比(D90/D10)が3以下の単分散粒子であるアルミナを用いると、樹脂に対する分散性がよく、保護膜を形成した際の表面の平滑性を向上させることができるので、放射線像変換パネルの感度を高くかつ画質を良好なものとすることができる。
【0017】また、樹脂をフッ素系共重合体樹脂および/またはシリコーン系共重合体樹脂とすることで、防汚性をより向上させることができ、さらにこれらの樹脂は透明性が高いので、高感度の放射線像変換パネルとすることができる。さらに、保護膜中に反応性シリコーンを含有させることにより、繰り返し使用後においても使用初期と同様の防汚性をより長く維持させることができる。
【0018】なお、保護膜を蛍光体層上に直接設ける場合には、発光性のよい放射線像変換パネルとすることができる。また、保護膜と蛍光体層との間に透明フィルムが設けられている場合には、耐久性のより優れた放射線像変換パネルとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の放射線像変換パネルについてさらに詳細に説明する。本発明の放射線像変換パネルは、保護膜が樹脂とモース硬度9以上で平均粒径が0.1μmから1μmの粒子とを含み、この粒子を樹脂に対して50重量%から200重量%含むことを特徴とする。本発明に使用できる樹脂は、未硬化時に有機溶剤に可溶で透明な樹脂であるならばどのような樹脂でも使用可能であり、たとえばポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル樹脂、およびエポキシ樹脂をあげることができる。なお、より高感度の放射線像変換パネルとするため、使用する樹脂は、350nmから900nmにおける光透過率が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
【0020】特にフッ素系共重合体樹脂またはシリコーン系共重合体樹脂が防汚性、透明性に優れているので好ましい。フッ素樹脂共重合体樹脂とは、フッ素を含むエチレン系モノマーと他の共重合可能なモノマーまたはオリゴマーの共重合体で未硬化時に有機溶剤に可溶な樹脂である。シリコーン系共重合体樹脂とはシリコーン鎖を主鎖または側鎖に有する未硬化時に有機溶剤に可溶な共重合体である。このうち、シリコーン鎖を側鎖に有する共重合体樹脂およびシリコーン鎖を有するフッ素系共重合体樹脂を用いることがより好ましい。
【0021】未硬化時に有機溶剤に可溶なフッ素系共重合体樹脂の具体例としては、旭硝子(株)製のルミフロンシリーズが好ましく、具体的にはLX-100(以下LX- を省略する) 200、210Y、400、504X、600X、710N、800、810Y、906N、916N、924N、966N、986N、216T、600、722、800、810、9010、916、924、936、946、966、976 等をあげることができる。このうち、400、504X、600X、710N、216T、810、9010等がより好ましい。
【0022】これら有機溶剤に可溶なフッ素系共重合体樹脂は、ポリイソシアネートやメラミン、UV架橋剤等を併用し、塗膜を形成後に硬化させることがより好ましい。
【0023】未硬化時に有機溶剤に可溶なシリコーン系共重合体樹脂の具体例としては、シリコーングラフト共重合体として東亞合成(株)製の レゼダGS-1015、サイマックUS-350、US-380、US-270、US-352、シリコーン共重合フッ素系樹脂としてJSR(株)製オプスター JN7220等を特に好ましくあげることができる。
【0024】保護膜に含まれる粒子は、モース硬度(ダイヤモンド=10)9以上であり、平均粒径は0.1μmから1μmである。モース硬度が9未満、特に7以下では粒子添加による耐久性の効果が得られない。また平均粒径が0.1μm未満では繰り返し使用後における防汚性が低下し、1μmを越えると保護層の表面が粗くなって汚れが付着しやすくなるので好ましくない。このような粒子を樹脂に対して50重量%から200重量%、さらには40重量%から120重量%含むことが好ましい。
【0025】粒子は、さらに単結晶アルミナであることが好ましく、具体例としては住友化学(株)製HIT-100(0.2μm)、HIT-50(0.3μm)、AKP-50(0.2μm)、AKP-30(0.4μm)、AKP3000(0.5μm)、AKP-20(0.5μm)、AKP-15(0.7μm)、スミコランダムAA-04(0.4μm)、AA-05(0.5μm)、AA-07(0.7μm)、AES-11(0.5μm)、AES-12(0.5μm)、AES-21( 0.9μm)、昭和電工(株)製の A33F(0.7μm)、LS-23(0.4μm)、LS-231(0.5μm)、LS-250(0.5μm)等を好ましくあげることができる(カッコ内は平均粒径)。
【0026】これらアルミナの内、粒子サイズ分布の重量累積曲線において、10%の粒径D10と90%の粒径D90の比であるD90/D10が3以下であることが好ましい。このように粒子サイズ分布を狭く(単分散粒子)することにより、樹脂に対する粒子の分散性が高まり、保護膜を形成した際の塗膜表面の平面性をより向上させることができる。上記の樹脂のうち、スミコランダム・シリーズは、このような単分散・単結晶アルミナであるのでより好ましい。
【0027】本発明の保護膜には、さらに従来公知のシリコーンオイルまたはワックスが含まれていてもよく、反応性シリコーン(たとえば、特許271589号に記載されている)を含むことがより好ましい。このようなシリコーンの添加により、樹脂の防汚性をより高めることができる。
【0028】特に反応性シリコーンとして水酸基変性シリコーンが好ましく、具体例としては信越化学工業(株)製 KF-851、KF-6001、KF-6002、KF-6003、X22-160AS、X22-2809、チッソ(株)製サイラプレーンFM-3325、FM-4425、FM-DA26等を好ましく用いることができる。、樹脂に対する添加量は 0.01〜10重量%とすることが好ましく、0.1〜3重量%添加することがより好ましい。
【0029】本発明の放射線像変換パネルの保護膜は、樹脂と粒子、必要により反応性シリコーン(場合によっては架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤等をさらに含んでいてもよい)を含む保護膜形成材料塗布液を、エクストルージョンコーター、スライドコーター、ドクターコーター、バーコーター、ディップコーターなどの塗布手段を用いて透明支持体、または蛍光体層表面に直接、均一に塗布乾燥することにより形成する。保護膜を支持体上に塗布後、蛍光体層上に張り付ける場合の支持体としては、透明性が高く安価に入手できるポリエチレンテレフタレート(PET)がより好ましい。なお、この保護膜の形成は同時重層塗布によって、蛍光体層の形成と同時に行なってもよい。保護膜の膜厚は 約0.5〜10μmであることが好ましく、約1〜5μとすることがより好ましい。
【0030】次に、本発明の放射線像変換パネルの蛍光体層を構成する輝尽性蛍光体について述べる。輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。
【0031】本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体の例としては、米国特許第 3,859,527号明細書に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2:Er、およびLa2O2S:Eu,Sm、特開昭55-12142号に記載されている ZnS:Cu,Pb、BaOxAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、および、MIIOxSiO2 :A(ただし、MII はMg、Ca、Sr、Zn、Cd、またはBaであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、BiまたはMnであり、xは0.5≦x≦2.5である)、特開昭55-12143号に記載されている(Ba1-X-y ,MgX ,Cay )FX:aEu2+(ただし、XはClおよびBrのうちの少なくとも一種であり、xおよびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0であり、aは、10-6≦a≦5×10-2である)、特開昭55-12144号に記載されている LnOX :xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一種、XはClおよびBrのうちの少なくとも一種、AはCeおよびTbのうちの少なくとも一種、そして、xは、0<x<0.1である)、特開昭55-12145号に記載されている(Ba1-X,M2+X)FX:yA(ただし、M2+はMg、Ca、Sr、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一種、そしてxは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である)、特開昭55-160078号に記載されているMIIFX・xA:yLn(ただし、MIIはBa、Ca、Sr、Mg、Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al2O3、Y2O3、La2O3、In2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb2O5、Ta2O5、およびThO2のうちの少なくとも一種、LnはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、およびGdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ 5×10-5≦x≦0.5、および0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭56-116777号に記載されている(Ba1-X,MIIX)F2aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6 ≦y≦2×10-1 、および0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭57-23673号に記載されている(Ba1-X,MIIX)F2 aBaX2:yEu,zB(ただし、MII はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭57-23675号に記載されている(Ba1-X,MIIX)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭素、およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aは砒素および硅素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10-1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58-69281号に記載されている MIIIOX:xCe(ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭58-206678号に記載されているBa1-XMX/2X/2FX:yEu2+(ただし、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属を表わし;X は、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-27980号に記載されているBaFXxA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり; Aは、テトラフルオロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-47289号に記載されている BaFXxA:yEu2+(ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6 ≦x≦0.1、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-56479号に記載されているBaFXxNaX′:aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびaはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-56480号に記載されているMIIFX・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、MIIは、Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X およびX′は、それぞれCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiより選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり;そして、xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭59-75200号に記載されている MIIFX・aMIX′bM′IIX″2cMIIIX3・xA:yEu2+(ただし、MIIはBa、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M′II はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり;MIII はAl、Ga、InおよびTl からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′、X″および Xは、F、Cl、Br、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2、かつa+b+c≧10-6 であり;x は0<x≦0.5、yは0<y≦0.2 である)の組成式で表わされる蛍光体、特開昭60-84381号に記載されているMIIX2aMIIX′2 :xEu2+(ただし、MII はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつ X≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭60-101173号に記載されている MIIFX・aMI X′:xEu2+(ただし、MIIBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaおよびxはそれぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、特開昭62-25189号に記載されている MI X:xBi(ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦ 0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、などをあげることができる。
【0032】特開平2-229882号に記載のLnOX:xCe(但し、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一つ、XはCl、BrおよびIのうちの少なくとも一つ、xは0<x≦0.2 であり、LnとXとの比率が原子比で0.500<X/Ln≦0.998であり、かつ輝尽性励起スペクトルの極大波長λが550nm<λ<700nm)で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体、などをあげることができる。
【0033】なお、上記特開昭60-84381号に記載されている MIIX2aMIIX′2 :xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に示すような添加物が MIIX2aMIIX′2 1モル当り以下の割合で含まれていてもよい。
【0034】特開昭60-166379号に記載されている bMIX″(ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開昭60-221483号に記載されている bKX″cMgX2dMIII X′3(ただし、MIII は Sc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X″、X およびX′はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c+dである);特開昭60-228592号に記載されているyB(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1である);特開昭60−228593号に記載されているbA(ただし、AはSiO2およびP2O5 からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは10-4≦b≦2×10-1である);特開昭61-120883号に記載されているbSiO(ただし、bは0<b≦3×10-2である);特開昭61-120885号に記載されているbSnX″2(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦ 10-3である);特開昭61-235486号に記載されているbCsX″cSnX2(ただし、X″ およびX はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれぞれ、0<b≦10.0 および10-6 ≦c≦2×10-2 である);および特開昭61-235487号に記載されているbCsX″yLn3+(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦10.0および10-6≦y≦1.8×10-1である)。
【0035】上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体およびセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体は高輝度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
【0036】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層は、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるのものばかりでなく、結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、あるいは輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている蛍光体層などでもよい。
【0037】次に、蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にとり、本発明の放射線像変換パネルを製造する方法を説明する。
【0038】蛍光体層は、次のような公知の方法により支持体上に形成することができる。まず、輝尽性蛍光体と結合剤とを溶剤に加え、これを充分に混合して、結合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製する。塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に 1:8乃至1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。上記のようにして調製された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、支持体の表面に均一に塗布することにより塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なうことができる。
【0039】支持体としては、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができる。公知の放射線像変換パネルにおいて、支持体と蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られている。本発明において用いられる支持体についても、これらの各種の層を設けることができ、それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。さらに特開昭 58-200200号に記載されているように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層または光吸収層などが設けられている場合には、その表面を意味する)には微小凹凸が形成されていてもよい。上記のようにして支持体上に塗膜を形成したのち塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は 20μm乃至 1mmとする。ただし、この層厚は50乃至500μmとするのが好ましい。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも上記のように支持体上に塗布液を直接塗布して形成する必要はなく、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラスチックシ−トなどのシ−ト上に塗布液を塗布し乾燥することにより蛍光体層を形成したのち、これを、支持体上に押圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支持体と蛍光体層とを接合してもよい。
【0040】なお、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的として、本発明の放射線像変換パネルを構成する上記各層の少なくとも一つの層が励起光を吸収し、輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色されていてもよい(特公昭54-23400号参照)。以下に本発明の実施例を示す。ただし、これらの各実施例は本発明を制限するものではない。
【0041】
【実施例】(実施例1)まず、蛍光体層を製造した。蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体(BaFBr0.850.15:Eu2+)1000g、結合剤としてポリウレタンエラストマー(大日本インキ化学工業(株)、パンデックスT-5265H(固形))35.5g、架橋剤としてポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)、コロネートHX(固形分100%))4.5g、黄変防止剤としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)、エピコート#1001(固形))10g、着色剤として群青(第一化成工業(株)SM-1)0.02gを、メチルエチルケトン/トルエン=7/3混合溶剤に加えディスパーで3時間分散させて、粘度3Pas(25℃)の塗布液を調整した。この塗布液をシリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレートシート(仮支持体、厚み:180μm)上にエクストルージョンコーターで塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シート(シート厚:300μm)を作製した。
【0042】次に、反射材料層を作製した。酸化ガドリニウム(Gd2O3)の微細粒子(全粒子中の90重量%の粒子の粒子径が1〜5μmの範囲にあるもの)350g、結合剤として軟質アクリル樹脂(大日本インキ化学工業(株)クリスコートP-1018GS(20%トルエン溶液))1800g、可塑剤としてフタル酸エステル(大八化学(株)、#10)40g、導電剤としてZnOウィスカー(松下アムテック(株)パナテトラA-1-1)120g、着色剤として群青(第一化成工業(株)、SM-1)2gを、メチルエチルケトンに加え、ディスパーを用いて分散、溶解して、反射材料層塗布液(粘度 0.5Pas:20℃)を調整し、ポリエチレンテレフタレートシート(東レ製、ルミラーS-10、250μm;ヘイズ度(typical)=20、片側にカーボンブラック、シリカ、結合剤からなる遮光層(約 18μm)が設けられているもの)の上に、エクストルージョンコーターを用いて、遮光層とは反対側に均一に塗布した後、塗膜を乾燥して層厚が 20μmとなるように反射材料層を形成した。
【0043】続いて、蛍光体シートと反射材料層付き支持体を重ね合わせ、カレンダーロールを用い、圧力49MPa、上側ロール温度75℃、下側ロール温度75℃、送り速度1.0m/minで連続的に行った。この加熱圧縮により蛍光体シートは支持体に反射材料層を介して完全に融着した蛍光体層(層厚:210μm)となった。
【0044】次に、保護層を作製した。フッ素系樹脂としてフルオロオレフィン=ビニルエーテル共重合体(旭硝子(株)、ルミフロンLF-504X(30%キシレン溶液))185g、アルミナ(スミコランダムAA-05、住友化学(株)製、平均粒径:0.5μm)39g、分散剤としてアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート(味の素(株)、プレンアクトAL-M)0.2gを、メチルエチルケトン100gに添加し、この混合液を3mmφのジルコニアボールを使用したボールミルで24時間分散混合した後、変性ポリシロキサンワックス(信越シリコーン(株)製:X22-2809)0.5g、触媒としてジブチルチンジラウレート(共同薬品(株)KS1260)0.7mg、架橋剤としてポリイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)スミジュールN3500 (固形分100%))10g及び、メチルエチルケトンを粘度が 3mPasになるように追加混合し、塗布液を調整した。この塗布液を9μmPETフィルム表面にバーコーターで塗布した後、120℃で 20分間熱処理して乾燥するとともに熱硬化させた。乾燥後の塗膜厚は約1μmだった。続いて、塗布層を設けた9μm厚 PETフィルムから、耐熱再剥離フィルムを剥離し、塗布層と反対側に、ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績(株)バイロン30SS)を塗布乾燥して接着層(接着剤塗布重量2g/m2 )を設けた。このPETフィルムを、ラミネートロールを用いて、蛍光体層上に接着層を介して接着して保護層を形成し、さらにエンボス機にて保護層の上に粗さがRaで0.4μmのエンボスを付けた。
【0045】次に、バック保護層を設けた。20μm厚のOPPフイルム(東レ(株)、トレファンYM-11#20)に、不飽和ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績(株)、バイロン30SS)を塗布、乾燥して接着層(接着剤塗布重量9g/m2 )を設けた。このOPPフイルムを、ラミネートロールを用いて、支持体の蛍光体層が設けられている側とは反対側(遮光層側)に、接着層を介して接着しバック保護層を形成した。
【0046】続いて、側面の縁貼り層を設けた。シリコーン系ポリマー(ポリジメチルシロキサン単位を有するポリウレタン;大日精化(株)、ダイアロマSP-3023(15%メチルエチルケトン/トルエン溶液))70g、架橋剤としてポリイソシアネート(大日精化(株)クロスネートD-70(50%溶液))3g、黄変防止剤としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)、エピコート#1001(固形))0.6g、滑り剤としてアルコール変性シリコーン(信越化学(株)X-22-2809(66%キシレン含有ペースト))0.2gをメチルエチルケトン15gに溶解させた塗布液を調整した。この塗布液を、先に製造した保護層が付設された蛍光体シートの各側面に塗布し、室温で充分に乾燥して、膜厚約 25μmの側面硬化皮膜を形成した。以上のようにして、上面及び側面が保護された保護層付き放射線像変換パネルを製造した。
【0047】(実施例2)保護層に用いたアルミナ(スミコランダムAA-05)の量を52gとした以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0048】(実施例3)保護層に用いたアルミナ(スミコランダムAA-05)の量を65gとした以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0049】(実施例4)保護層に用いたアルミナ(スミコランダムAA-05)の量を88gとした以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0050】(実施例5)保護層に用いたアルミナをスミコランダムAA-07(住友化学(株)製、平均粒径:0.7μm)とし、その量を52gとした以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0051】(実施例6)保護層に用いたアルミナをAKP20(住友化学(株)製、平均粒径:0.5μm)とし、その量を52gとした以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0052】(実施例7)保護層に用いたアルミナをAKP30(住友化学(株)製、平均粒径:0.4μm)とし、その量を52gとした以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0053】(実施例8)保護層に用いたアルミナをAKP50(住友化学(株)製、平均粒径:0.2μm)とし、その量を52gとした以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0054】(実施例9)実施例1の保護層に使用したフッ素系共重合体樹脂であるルミフロンLF504Xに変えて、シリコーン系共重合体樹脂(東亞合成(株)製:レゼダGS-1015(45%プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液))を123.3g 使用した以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0055】(実施例10)フッ素系共重合体樹脂(旭硝子(株)製:ルミフロンLF504X(30%キシレン溶液))185g、アルミナ(スミコランダムAA-05)52g、分散剤としてアルミカップリング剤(味の素(株)、プレンアクトAL-M)0.2gをトルエン/ヘキサン=5/5溶剤 100gに加え、3mmφのジルコニアボールを使用したボールミルで24時間分散混合した後、変性ポリシロキサンワックス(信越シリコーン(株)製:X22-2809)0.5g、触媒としてジブチルチンジラウレート(共同薬品(株)KS1260)0.7mg、架橋剤としてポリイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)スミジュールN3500(固形分100%))10g及び、トルエン/ヘキサン=5/5溶剤を粘度が3mPasになるように追加混合し塗布液を調整した。この保護層用塗布液を蛍光体層上に直接ディプコーターで塗布した後、120℃で乾燥させるとともに硬化させた。乾燥後の膜厚は約1μmだった。この様に保護層を直接蛍光体層上に設けた以外は実施例1と同様にして放射線像変換パネルを作成した。
【0056】(比較例1)実施例1でアルミナの使用量を26gとした以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0057】(比較例2)実施例1でアルミナの使用量を13gとした以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0058】(比較例3)実施例1でアルミナを使用しなかった以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0059】(比較例4)実施例1でアルミナの代わりにメラミンホルムアルデヒド樹脂粉末(エポスターS6、モース硬度:約4平均粒径:0.6μm)を52g使用した以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0060】(比較例5)実施例1でアルミナの代わりにシリカ粒子(シーホスターKE-P50、モース硬度:約6平均粒径:0.5μm)を52g使用した以外は同様にして放射線像変換パネルを製造した。
【0061】(比較例6)保護層として樹脂の塗布層を設けてない9μm厚 PETを使用した以外は実施例1と同様にして保護層付き放射線像変換パネルを製造した。
【0062】使用した粉体名および使用量をまとめたものを表1に示す。
【0063】
【表1】

(評価実験)
1.摩擦係数実施例および比較例で得た放射線像変換パネルのそれぞれの保護膜表面の摩擦係数を下記の方法により測定した。まず、放射線像変換パネルを 2cm×2cmの正方形に切断し、測定試料を作成した。次に、別に用意したポリエチレンテレフタレートシートの上に、測定試料を、保護層側を下にして置き、この試料の上に試料の重量も含めて100gとなるように荷重をかけた。次に、この荷重がかけられている試料を、引張速度4cm/分にてシートに沿って引っ張り、テンシロン(UTM-11-20:東洋ボールドウイン(株)製)を用いて、温度25℃、湿度60%の条件で、速度4cm/分の運動状態にある試料の引張力F(g)を測定した。この引張力Fと上記の荷重(100g)とから、放射線像変換パネル試料の保護層表面の摩擦係数を引張力/荷重の値により算出した。
【0064】2.防汚性・耐傷性実施例および比較例で得た放射線像変換パネルのそれぞれの保護膜表面の防汚性を下記の方法により測定した。まず、放射線像変換パネルを25.2cm×30.3cmの長方形に切断し、測定試料を作成した。作成した試料表面に黒マジックインキ(登録商標)で線を描き、乾燥後にティッシュペーパーで乾拭きし、マジックインキの残存量を調べた。次に、測定試料の保護膜を上面にして置き、その上で2×3cm 角の不織布を 50gの加重で、10万回往復摺動させた。摺動後に黒マジックインキの残存量を同様にして調べた。防汚性の評価は以下の4段階で行った。
A:ふき取れて残存無しB:やや(2割程度)残存ありC:半分程度残存ありD:半分以上残存ありまた、試料の保護層表面をSEMで観察し耐傷性を評価した。評価は下記の4段階の基準により行なった。
【0065】
A:ダメージや擦り傷の発生は殆どなしB:ダメージや擦り傷が多少発生したが、目視では見えない程度C:ダメージや擦り傷の発生が多く、目視では僅かに確認できるD:ダメージや擦り傷の発生が多く、目視でも確認できる(画質評価)放射線像変換パネルの画質を以下のように評価した。放射線像変換パネルに、管電圧80KVpのX線を照射したのち、He−Neレ−ザ光(632.8nm)で走査して蛍光体を励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光して電気信号に変換し、これを画像再生装置によって画像として再生して表示装置上に画像を得た。得られた蛍光体層から輝尽発光光量測定し、また、10mRの線量におけるノイズ(RM)を測定した。測定器は富士写真フイルム(株)製FCR9000を使用した。走行評価は、FCR9000のメカニズムを模した走行機を使用して15℃10%RHの温湿度で1万回走行させた。走行後、画像を再生して保護層の傷や汚れの付着による画像異常の有無を確認した。
【0066】
A:異常が無かったB:僅かに異常があったC:異常があった結果を表2に示す。なお、輝尽発光量は比較例3のパネルの輝尽発光量を100とした相対値で表わした。
【0067】
【表2】

以上の実験結果より、実施例1〜10の放射線像変換パネルは、保護膜が、樹脂とモース硬度9以上で平均粒径が0.1μm から1μmの粒子とを含み、かつ粒子を樹脂に対して 50重量%から200重量%含むものとしたので、10万回の往復摺動後であっても使用初期並の防汚性を有するとともに、高い耐傷性を示しながら、画質は従来並以上であり、摩擦係数が低くかつ走行耐久性に優れていた。
【0068】一方、粒子の含有量が50重量%以下である比較例1および2の場合には、防汚性、耐傷性および走行耐久性の面で充分とはいえなかった。さらに、粒子を含有していない比較例3の場合には、さらに防汚性、耐傷性および走行耐久性が悪くなった。一方、モース硬度が9未満の比較例4および5の場合にも、防汚性、耐傷性および走行耐久性が悪かった。なお、比較例6は樹脂も粒子も含まない PETフィルムだけの保護膜の場合を示した。
【0069】以上のように、本発明の放射線像変換パネルは、保護膜を樹脂とモース硬度9以上で平均粒径が0.1μmから1μmの粒子とを含み、粒子を樹脂に対して50重量%から200重量%含むものとしたので、防汚性、耐傷性および走行耐久性に優れ、画質も良好であった。
【出願人】 【識別番号】000005201
【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
【出願日】 平成12年6月27日(2000.6.27)
【代理人】 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
【公開番号】 特開2002−6091(P2002−6091A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−192134(P2000−192134)