| 【発明の名称】 |
中性子遮へい装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小川 雪郎
【氏名】友部 剛志
【氏名】道下 秀紀
【氏名】小林 薫
【氏名】神永 雅紀
【氏名】羽賀 勝洋
【氏名】麻生 智一
【氏名】木下 秀孝
【氏名】粉川 広行
【氏名】日野 竜太郎
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| 【要約】 |
【課題】高エネルギー中性子の透過およびストリーミングの低減を図り、生体遮へい体の物量低減を図ることが可能な中性子遮へい装置を提供する。
【解決手段】中性子を発生する中性子発生装置1と、この中性子発生装置を包囲し、中性子発生装置にて発生した中性子を取り出す中性子ビーム孔を有する生体遮へい体7と、この生体遮へい体の内部に設けられ、前記中性子ビーム孔を開閉する中性子遮へい体5とを備え、前記中性子遮へい体5が、その内部にビーム貫通孔6を有するとともに、前記生体遮へい体の内部に設けられている移動溝内を中性子ビーム孔と直角な方向に移動可能に形成され、その移動により中性子ビーム孔4を開閉するように形成されている中性子遮へい装置において、前記生体遮へい体7の移動溝の端部および前記中性子遮へい体の移動方向端部を、前記中性子ビームの取りだし方向に向かうにしたがい中性子ビーム孔に近づく傾斜部に形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中性子を発生する中性子発生装置と、該中性子発生装置を包囲するとともに、前記中性子発生装置にて発生した中性子を取り出す中性子ビーム孔を有する生体遮へい体と、該生体遮へい体の内部に設けられ、前記中性子ビーム孔を開閉する中性子遮へい体とを備え、前記中性子遮へい体が、その内部にビーム貫通孔を有するとともに、前記生体遮へい体の内部に設けられている移動溝内を中性子ビーム孔と直角な方向に移動可能に形成され、その移動により中性子ビーム孔を開閉するように形成されている中性子遮へい装置において、前記生体遮へい体の移動溝の端部および前記中性子遮へい体の移動方向端部を、前記中性子ビームの取りだし方向に向かうにしたがい中性子ビーム孔に近づく傾斜部に形成したことを特徴とする中性子遮へい装置。 【請求項2】 前記中性子遮へい体が、中性子ビームの進行方向に対し複数個に分割形成されたものである請求項1記載の中性子遮へい装置。 【請求項3】 前記ビームの進行方向に沿って下流側に設置された中性子遮へい体の幅が、上流に設置された中性子遮へい体よりも広く形成されたものである請求項2記載の中性子遮へい装置。 【請求項4】 前記中性子遮へい体の端部の傾斜が、直線傾斜,階段状傾斜または曲面傾斜に形成されたものである請求項1,2または3記載の中性子遮へい装置。 【請求項5】 中性子を発生する中性子発生装置と、該中性子発生装置を包囲するとともに、前記中性子発生装置にて発生した中性子を取り出す中性子ビーム孔を有する生体遮へい体と、該生体遮へい体の内部に設けられ、前記中性子ビーム孔を開閉する中性子遮へい体とを備え、前記中性子遮へい体が、その内部にビーム貫通孔を有するとともに、前記生体遮へい体の内部に設けられている移動溝内を中性子ビーム孔と直角な方向に移動可能に形成され、その移動により中性子ビーム孔を開閉するように形成されている中性子遮へい装置において、前記生体遮へい体の移動溝の端部と前記中性子遮へい体の移動方向端部とを、かみ合わせ構造に形成したことを特徴とする中性子遮へい装置。 【請求項6】 前記中性子遮へい体の移動動作範囲が、中性子遮へい体に設けられているビーム貫通孔と高エネルギー中性子の進行方向が一致しないように形成されたものである請求項1乃至5いずれかに記載の中性子遮へい装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は中性子遮へい装置に係わり、特に中性子遮へい体が中性子ビーム孔と直角な方向に移動可能に形成され、その中性子遮へい体の移動により中性子ビーム孔を開閉するように形成されている中性子遮へい装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来一般に知られているこの種の中性子遮へい装置としては、例えば英国ラザフォード・アップルトン研究所から公表されている報告書、スポレーション ニュートロン ソース ディスクリプション オブ アクセラレータ アンド ターゲット ステーション(1982年)第57頁から第58頁(SPALLATION NEUTRONSOURCE. Description of Accelerator and Target Station,RL−82−006(1982))に記載されているようなものがある。 【0003】図8にはその中性子遮へい装置が示され、(a)には、中性子発生装置1から発生する中性子を利用する施設の配置例の横断平面図構成が、また(b)には縦断側面図構成が示されている。 【0004】中性子発生装置1で発生した中性子はビーム孔4を通って引き出され、外側の実験室で利用される。中性子発生装置1の周囲には実験者を放射線から保護することを目的として生体遮へい体7が設置されている。中性子発生装置は高エネルギー中性子発生源2と中性子源3により構成されている場合も、一体となっている場合もある。 【0005】中性子ビームを使わないときは中性子ビームを止めるために上下に駆動する可動式遮へい体5が設置されている。可動式遮へい体5は矩形の鋼板に中性子を通すための孔が設けられており、ビームを使うときには生体遮へい体のビーム孔4と可動式遮へい体のビーム孔6の高さを一致させて中性子ビームを通す。中性子ビームを使わないときは可動式遮へい体5を動かして、可動式遮へい体のビーム孔6と生体遮へい体のビーム孔4の高さをずらし鋼板でビーム孔をふさぐ。なお、図8(b)の側面図で右側のビーム孔は開いている状態、左側のビーム孔は閉じている状態を示している。 【0006】高エネルギー中性子は透過力が非常に強いので生体遮へい体には大量の鉄が使われる。陽子加速器で高エネルギーに加速した陽子ビームを重金属ターゲットに入射して核破砕反応により中性子を発生させる核破砕中性子源のように、数100MeVから数GeVの高エネルギー中性子が高エネルギー中性子発生源2で発生する施設では必要な鉄遮へいの厚さは生体遮へい体の半径が4〜6m、可動式遮へい体の長さは2〜3mになる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】従来、可動式遮へい体(中性子遮へい体)5を上下駆動させ、中性子を遮へいする中性子遮へい装置は、図8(b)に示されているように上下移動ストローク(生体遮へい体の溝の端部と中性子遮へい体の移動方向端部との間)に対して遮へい欠損8が存在している。 【0008】この遮へい欠損の存在のため、図8(b)の矢印A、Cの経路のように生体遮へい体7の斜め上方、下方に広い範囲で中性子の抜けやすい方向が存在することや、図8(b)の矢印Bの経路のように遮へい欠損8の周囲で散乱された中性子が遮へい欠損の空間を通って抜けやすくする現象(ストリーミング)など遮へい上問題が生じる。特に水平方向のストリーミングは生体遮へい体7の外側にいる実験者を放射線から保護する上で問題となる。中性子源の強度が向上するほど中性子ビームを止めるのに必要な可動式遮へい体5の長さが長くなるため、水平方向の遮へい欠損が大きくなり、それを補うため生体遮へい体全体が大きくなる問題があった。 【0009】水平方向のストリーミングを低減する上では、遮へい欠損の水平方向の長さを短くすることが有効である。また高エネルギー中性子の上方、あるいは下方への透過を低減する上では、高エネルギー中性子発生源2から見て遮へい欠損8の厚さを薄くすること、あるいは図8(b)の矢印Cの経路のように高エネルギー中性子の透過する方向を垂直に近くし、中性子が透過する欠損部分の長さを短くすることが有効である。 【0010】本発明はこれに鑑みなされたもので、その目的とするところは、高エネルギー中性子の透過およびストリーミングの低減を図り、生体遮へい体の物量低減を図ることが可能なこの種の中性子遮へい装置を提供するにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、中性子を発生する中性子発生装置と、この中性子発生装置を包囲するとともに、前記中性子発生装置にて発生した中性子を取り出す中性子ビーム孔を有する生体遮へい体と、この生体遮へい体の内部に設けられ、前記中性子ビーム孔を開閉する中性子遮へい体とを備え、前記中性子遮へい体が、その内部にビーム貫通孔を有するとともに、前記生体遮へい体の内部に設けられている移動溝内を中性子ビーム孔と直角な方向に移動可能に形成され、その移動により中性子ビーム孔を開閉するように形成されている中性子遮へい装置において、前記生体遮へい体の移動溝の端部および前記中性子遮へい体の移動方向端部を、前記中性子ビームの取りだし方向に向かうにしたがい中性子ビーム孔に近づく傾斜部に形成し所期の目的を達成するようにしたものである。 【0012】また、この場合、前記中性子遮へい体を、中性子ビームの進行方向に対し複数個に分割形成するようにしたものである。また、前記ビームの進行方向に沿って下流側に設置された中性子遮へい体の幅を、上流に設置された中性子遮へい体よりも広く形成するようにしたものである。また、前記中性子遮へい体の端部の傾斜を、直線傾斜,階段状傾斜あるいは曲面傾斜に形成したものである。 【0013】また本発明は、中性子を発生する中性子発生装置と、この中性子発生装置を包囲するとともに、前記中性子発生装置にて発生した中性子を取り出す中性子ビーム孔を有する生体遮へい体と、この生体遮へい体の内部に設けられ、前記中性子ビーム孔を開閉する中性子遮へい体とを備え、前記中性子遮へい体が、その内部にビーム貫通孔を有するとともに、前記生体遮へい体の内部に設けられている移動溝内を中性子ビーム孔と直角な方向に移動可能に形成され、その移動により中性子ビーム孔を開閉するように形成されている中性子遮へい装置において、前記生体遮へい体の移動溝の端部と前記中性子遮へい体の移動方向端部とを、かみ合わせ構造に形成したものである。 【0014】また、この場合、前記中性子遮へい体の移動動作範囲を、中性子遮へい体に設けられているビーム貫通孔と高エネルギー中性子の進行方向が一致しないように形成したものである。 【0015】すなわちこのように形成された中性子遮へい装置であると、生体遮へい体の移動溝の端部および中性子遮へい体の移動方向端部が、中性子ビームの取りだし方向に向かうにしたがい中性子ビーム孔に近づく傾斜部に形成されているので、すなわち遮へい欠損部が傾斜して設けられているので、遮へい欠損の水平方向の長さが短くなり、水平方向のストリーミングを低減することができ、また、高エネルギー中性子発生源から見た遮へい欠損の厚さが薄く(中性子が透過する欠損部分の長さが短く)なるため、高エネルギー中性子の上方、あるいは下方への透過を低減することができ、したがって高エネルギー中性子の透過およびストリーミングの低減が図られ、生体遮へい体の物量低減を図ることが可能となるのである。 【0016】 【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1にはその中性子遮へい装置が断面で示されている。1が中性子を発生する中性子発生装置であり、2が高速中性子源、3が中性子源、7が中性子発生装置1を包囲するとともに、中性子発生装置にて発生した中性子を取り出す中性子ビーム孔4を有する生体遮へい体、5が中性子ビーム孔4を開閉する可動式中性子遮へい体(中性子遮へい体)で、この中性子遮へい体は、その内部にビーム貫通孔6を有し、生体遮へい体7の内部に設けられている移動溝内を中性子ビーム孔4と直角な方向(ここでは上下方向)に移動可能に形成されている。 【0017】この実施例では、上下に駆動される可動式遮へい体5a、5bを中性子ビームの進行方向に対して複数配置され、合計で必要な遮へい長を確保するように形成されている。また、ビーム方向に対し下流側の遮へい体5bの高さが前方の遮へい体5aよりも低く形成されている。すなわち、生体遮へい体7の移動溝の端部および中性子遮へい体5の移動方向端部が、中性子ビームの取りだし方向に向かうにしたがい中性子ビーム孔に近づく階段状の傾斜に形成されている。なお、図1(b)の側面図で右側のビーム孔は遮へい体が開いている状態、左側のビーム孔は閉じている状態を示している。 【0018】このように生体遮へい体7の移動溝の端部および中性子遮へい体5の端部を、階段状の傾斜に形成することで遮へい欠損が分散される。また、このようにすることで水平方向の遮へい欠損を短くすることができ、また水平方向の遮へい欠損の長さが短くなることで高エネルギー中性子が透過する方向が垂直に近くなるので、実効的に遮へい欠損を薄くすることが可能となる。なお、可動式遮へい体の形状は図1では矩形であるが、上下に駆動しさえすれば円柱でも角柱でも球形でも良い。 【0019】図2にもう一つの実施例が示されている。図中のA矢印は、高エネルギー中性子が生体遮へい体を透過する経路の例、B矢印はストリーミング中性子が透過する経路の例を示している。この例では可動式遮へい体の駆動のための遮へい欠損8は、水平面に対し直線状の斜めに配置されるか、あるいは曲面で構成されている。なお、図2の右側の可動式遮へい体は遮へい欠損が斜めに配置された状態、左側の可動式遮へい体は遮へい欠損が曲面で構成されている場合である。 【0020】このようにすることによりストリーミング中性子が通過する水平方向の遮へい欠損の長さL3を短くし、かつ可動式遮へい体の駆動に必要なストロークL1よりも高エネルギー中性子が通過する欠損の長さL2を短くすることができる。 【0021】図3にもう一つの実施例が示されている。この実施例では可動式遮へい体5は生体遮へい体7とかみ合わせ構造をとっている。この場合、かみ合わせ部は図の右側の可動式遮へい体のように平面で構成されていても、図の左側の可動式遮へい体のように曲面で構成されていても良い。かみ合わせ構造とすることにより遮へい欠損8は水平方向に分断され、高エネルギー中性子発生源2からみた厚さが実効的に薄くなる。 【0022】以上いくつかの実施例を挙げ説明してきたが、これらはそれぞれ単独で用いても、2つあるいは3つを組み合わせて使用するようにしても良いことは勿論である。以下にこの組み合わせた場合の例を挙げると、図5は図1の実施例と図2の実施例を組み合わせて使用した例であり、図6は図2の実施例と図3の実施例を組み合わせて使用した例である。図7は図1の実施例と図3の実施例を組み合わせて使用した例である。 【0023】また、もう一つの実施例としては、可動式遮へい体の駆動のために周囲に設けられた空隙によるストリーミングの低減を目的として、図1(a)に示されているように後方に配置された可動式遮へい体5bの幅を前方に配置された可動式遮へい体5aよりも広くするようにすると有効にストリーミングの低減を図ることが可能と成る。すなわち、可動式遮へい体5a、5bを動かすためには生体遮へい体7との間に隙間を必要とするが、可動式遮へい体5aの両脇をすり抜けるストリーミング中性子は後方の可動式遮へい体5bに当たるようになっているので、ストリーミングの低減に効果があるのである。 【0024】次に、もう一つの実施例について説明する。中性子発生装置1が高エネルギー中性子発生源2と中性子源3により構成されている場合には、可動式遮へい体のビーム孔が高エネルギー中性子発生源の近傍を通過する際に高エネルギーの中性子の遮へい長が不足する問題が生じる。これを解決するのが次の実施例である。 【0025】すなわち、図4のように可動式遮へい体の移動方向を中性子源の位置により変える。すなわち右側のビーム孔のように高エネルギー中性子発生源より上方に配置された中性子源からビームを取り出す場合には可動式遮へい体を上方から下方に移動することでビーム孔の位置を合わせ、左側のビーム孔のように高エネルギー中性子発生源の下方に配置された中性子源からビームを取り出す場合には可動式遮へい体を下方から上方に移動させることでビーム孔の位置を合わせるようにする。図4ではいずれのビーム孔も開状態であるが、ビーム孔を閉じる際には可動式遮へい体のビーム孔6が高エネルギー中性子源発生源2から離れる向きに移動する。このようにすることで高エネルギー中性子の漏洩を低減することが可能となるのである。 【0026】以上説明してきたようにこのように形成された中性子遮へい装置であると、遮へい欠損の水平方向の長さが短くなり、水平方向のストリーミングを低減することができ、また、高エネルギー中性子発生源から見た遮へい欠損の厚さが薄くなるので、高エネルギー中性子の上方、あるいは下方への透過を低減することができ、生体遮へい体の物量を低減することができるのである。 【0027】 【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれば、高エネルギー中性子の透過およびストリーミングの低減が図られ、生体遮へい体の物量低減を図ることが可能なこの種の中性子遮へい装置を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】000004097 【氏名又は名称】日本原子力研究所
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| 【出願日】 |
平成12年6月22日(2000.6.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068504 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−6090(P2002−6090A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月9日(2002.1.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−192696(P2000−192696) |
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