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【発明の名称】 ライニングパネル、ライニング容器並びにライニング容器の施工方法
【発明者】 【氏名】江 面 光 夫

【氏名】井 手 賢一郎

【要約】 【課題】簡単な構造からなり、現場での施工が容易で信頼性の高いライニングパネル、ライニング容器並びにライニング容器の施工方法を提供する。

【解決手段】この発明のライニングパネル21は、矩形のライニング板23と、このライニング板23の外周部に、この外周部に沿って接合された形鋼25とを有し、一のライニングパネル21の形鋼25を他のライニングパネル21の形鋼25に固定した後、両ライニング板23、23の端縁間を溶接49して両ライニングパネル21,21を接続するようになされ、このように複数のライニングパネルを接続してライニング容器を施工する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】矩形のライニング板と、このライニング板の外周部に、この外周部に沿って接合された形鋼と、を有するライニングパネルであって、一のライニングパネルの形鋼を他のライニングパネルの形鋼に固定した後、両ライニング板の端縁間を溶接して両ライニングパネルを接続するようになされたことを特徴とするライニングパネル。
【請求項2】前記一のライニングパネルの形鋼と他のライニングパネルの形鋼とを固定する固定手段はボルトとナットであり、前記形鋼には、前記ボルトを通すボルト穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のライニングパネル。
【請求項3】前記ライニング板の前記形鋼が設けられている側には、コンクリート埋め込み材となるスタッドが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のライニングパネル。
【請求項4】前記形鋼の内周部の前記ライニング板との接合部には、この接合部を覆い流路を形成する樋が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のライニングパネル。
【請求項5】前記形鋼は、溶接時に必要とされる両ライニング板の端縁間の間隔を維持できるように、前記ライニング板の端縁から突出して配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のライニングパネル。
【請求項6】互いに接続される前記一のライニングパネルと前記他のライニングパネルにおいて、前記一のライニングパネルの前記形鋼は、その形鋼が設けられた前記ライニング板の端縁に面一で設けられ、前記他のライニングパネルの前記形鋼は、溶接時の両ライニング板の端縁間の間隔だけ、前記ライニング板の端縁から突出して配設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のライニングパネル。
【請求項7】矩形のライニング板と、このライニング板の外周部にこの外周部に沿って接合された形鋼と、を有する複数のライニングパネルを接続して容器を構築するライニング容器において、互いに接続される一のライニングパネルの形鋼を他のライニングパネルの形鋼に固定し、その後両ライニング板の端縁間を溶接して両ライニングパネルを接続して設けられたことを特徴とするライニング容器。
【請求項8】前記一のライニングパネルの形鋼と他のライニングパネルの形鋼とを固定する固定手段はボルトとナットであり、前記形鋼には、前記ボルトを通すボルト穴が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のライニング容器。
【請求項9】前記ライニング板の前記形鋼が設けられている側には、コンクリート埋め込み材となるスタッドが設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載のライニング容器。
【請求項10】矩形のライニング板とこのライニング板の外周部にこの外周部に沿って接合された形鋼とを有する複数のライニングパネルを、前記形鋼同士を固定し、その後両ライニング板の端縁間を溶接して両ライニングパネルを接続することを特徴とするライニング容器の施工方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性廃液貯蔵槽、復水貯蔵槽、放射性廃棄物貯蔵プール、使用済み燃料プール等に使用される各種ライニング容器の構造と施工法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電設備や放射性物質処理設備において、各種の放射性液体の貯留はコンクリート躯体に鋼板を張ったライニング容器を用いて行われることが多い。放射性物質または放射性物質付着物品等の固体物の保管は、ライニング容器内に放射線遮蔽用の水を張ってその中に保管することが一般に行われている。 ライニング容器は、通常の円筒形タンクにくらべると躯体内空間の使用容積効率が良いことから、原子力関連施設では大規模に採用されている。本発明はこの貯蔵、保管容器の技術分野における、ライニング容器の構造と施工法の合理化を目的とする。
【0003】従来のライニング工法は多くあり種々の工夫がおこなわれてきた。
【0004】略解すると、従来技術は、コンクリート工事の時点でライニング板を持ち込む、先張り工法と、コンクリート工事終了後に持ち込む、後張り工法とがある。共通の問題は、いずれの方法も工程が煩雑であり、大容量の槽のライニング工事では、それを更に何段階にも分割して施工せざるを得ないため、さらに工程は煩雑になりプラント施設全体の工期が延引することである。本発明は上記の工法のうち、先張り工法の合理化を目指すものである。
【0005】以下に、図面を参照して従来技術の先張り工法を説明する。従来の先張りライニング容器の構造と施工法を図12から図18に示す。
【0006】従来の先張りライニング容器の施工法は、多数の補強材をライニング板に取り付けたコンクリートパネルを製作して、これを立設して、ここにコンクリートを打設するものである。
【0007】従来技術のライニング容器の施工法を詳述する。先ず、工場製作について述べる。工場において、図12に示すような、ライニング板に補強を付けた現地組み立て単位の通称ライニングパネルといわれるものを製作する。工場製作であらかじめライニング板210に適当な補強材211を格子状や枠状に取り付けて型枠兼用可能な強度を持つライニングパネル201を構成する。このとき補強材の外周にあたる部分は通常、ライニング板210の外周より内側に取り付けられる。板の外周すなわち現地溶接組み立て部分が相互接近するように設定される。
【0008】次にこのようなライニングパネル201を現地で施工する全体行程を説明する。第17図に示すように型枠兼用ライニングパネル 201を、その補強材211をコンクリート打設空間側に向けて、底部2次コンクリート203の四方から組み立て、且つこの型枠兼用ライニングパネル201から壁厚さ分の間隔をあけて外側の位置に型枠206を立設して、両者をセパレータ207で固定しコンクリート打設空間を形成する。その後、このコンクリート打設空間213に、型枠兼用ライニングパネル212が歪まない程度の打設量と打設速度で壁コンクリート208を打設する。そして、コンクリート工事終了後、型枠兼用ライニングパネル212の隣接するもの同志を溶接により接合し、且つ底部コンクリート203の表面部分にライニング板210を張り付けて所定のライニングをする。なお、型枠206は、コンクリートが固化した後に取り外す。
【0009】現地におけるパネル組み立てについて説明する。図16のように、複数のライニングパネルを大きく組み立てるときは、先に数個組み立てて大きいパネル状のものを建て込むことが多い。立て込み前の部分先組み立てである。
【0010】図14に示すように、現地におけるパネル組み立てにおいて、ライニング板201の端縁の間に溶接216の間隔を確保して相互の位置関係を固定するには、介在する物がないと難しいため、形鋼製の継ぎ材213を置いている。図15にその接合部の他の例を示す。やはりパネル同志の合わせ部は、中間に継ぎ材Aを挟み、さらに調整ライニング板219を設置して取り付けている。大パネル状に組み立てる場合も、部分先組み立てをした大パネル同志を組み立てる場合も、中間の継ぎ材を用いることは変わりない。継ぎ材は、パネル搬入の前にその受け枠として組み立てる場合または受け枠として一部を組み立てる、他は単端部材として扱う場合がある。
【0011】継ぎ材は多数であり、延べ長さは溶接線の全長の同じになる。ライニングパネルを溶接構成したときの溶接が出っ張りとなるところがすべてなのでぶつかりあいを避けるため、この継ぎ材の角は削り落としてある。ここで特に注意するべきことは、この形鋼の継ぎ材213は、構造としての継ぎ機能の他に、裏当金と漏洩検出の二つの機能があることである。ライニング板同志を溶接するときの裏当金としての機能を持つことは構造上自明である。漏洩検出機能は、継ぎ材に設置された溝によって与えられ、漏洩が生じた場合迅速に検出するというライニング容器の基本的安全機能を果たす部材となっているのである。
【0012】中間のつなぎ形鋼を、一方のパネルに、先に取り付けた構造の例もあり、この場合は合わせ部の一方のパネルの板端が他方のパネルに重なるようにみえるが、基本は上述のものと変わりない。
【0013】つぎに、現地におけるパネル組み立てにおける漏洩検出溝の構成法について説明する。図18に漏洩検出経路を示す。図18は、ライニング容器のライニング板の溶接部分で、継ぎ材の構成をわかりやすくするためライニングパネルを透視して図示したものである。本図を見れば、継ぎ材は単に挟み込んで組み立てられたのではなく、細かい現場加工を行っていることが分かる。先ず、溶接線がT字構成となるところでは、溶接が溝の上を渡るとになるので、漏洩検出溝があると溶接が出来なくなるので、ブリッジ板221を設置している。ブリッジ板221は小さく、薄い切片様のもので溶接で取り付けする。
【0014】また、このT字溶接の両側では継ぎ材もT字形に合わせ構成すると漏洩検出溝が構成上途切れてしまうので、切り込み溝220を加工して導通させている。溶接がT字のところは、全て継ぎ材においてこの導通経路の加工を行う。継ぎ材は単純に長尺形鋼を挟むのではなく、形鋼端部では、縦横の漏洩検出溝の流路構成を溝加工とブリッジ加工で行っている。この流路は溶接線の両側に配置して最終的には、漏洩検出装置に接続されている。
【0015】図15の例に示した現地におけるパネル組み立ての合わせ部は、組み立て調整部を示し、ライニング板同志を、コンクリート打設前に微調整することをさけて、2つのライニングパネルを少し離して設置し、間の部分に木板をとりつけてコンクリート打設を行い、コンクリート硬化後ライニングの寸法合わせ切断を行う方法を用いている。この後ライニング板を溶接することによって、所定のライニング容器を完成させる。この例では、大パネル同志を正確にあわせることは出来ないので、現場合わせで寸法を合わせる調整ライニング板219を置いている。測定寸法に合わせて、または、現物合わせ切断する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来先張り工法の問題点はつぎのような点である。すなわち、従来の先張りライニング容器の施工法は、多数のライニングパネルを相互取り付けてコンクリート型枠を形成する。このライニングパネルの取り付け、立設施工が煩雑であって、大容量の槽のライニング工事ではそれを更に何段階にも分割して施工せざるを得ないため、さらに工程は煩雑になりプラント施設全体の工期が延引する原因となっている。
【0017】従来技術の課題は次の3つである。
【0018】第1の技術課題は誤差、歪み、あわせ齟齬により立設組み立てが困難であることである。
【0019】従来技術では補強用の形鋼をライニング板外周より内側においているため補強形鋼の溶接とつなぎ形鋼が干渉して形鋼同志の面があわないのである。
【0020】この干渉による面合わせ不整合を避けるため、つなぎ形鋼の角を面取りすることが行われている。それは、形鋼を全長にわたって削り加工を行うことであり、現場組み立ての一環で行っても、工場で事前に行っても、大きい負荷となり、ひとつの問題である。従来技術ではライニング板の補強用の形鋼をライニング板外周より内側においているため、ライニング板の補強材同志は組み合わせされず、継ぎ材を経由して組み合わせられている。これは、大重量のパネルを、容器の接液部構成材料であるライニング板を組み立て時の仮設強度部材として用いることを意味する。図16をよくみれば、つなぎ材と両側のパネルを連結するとき、溶接216を実施するとき必要な精度に組み立てなければならないのがわかるが、この精度は、実際のライニング板が厚さ4mmから6mm程度のものが通常もちいられることを考えれば、きわめて高精度が要求されることになる。溶接部は板端面同志が正確に向き合い相互位置がずれてはならない。溶接の一部分断面の精度ではなく、パネルの複数辺の溶接長さ全長にわたって部品を一度に正確に組み立てる必要がある。断面図の簡単さに比べ、実施工の困難さは大変なのものとなる。この精度を、重量パネルを起重機で支えつつ、仮溶接と、ボルト締結を行う。屋外作業であるから、パネルは大平面を持つこともあり微風で動き、作業困難で、危険である。降雨では溶接電気が、感電の危険を生じる。 種々の安全対策を講じるにしてもいかに非能率で危険な作業となるかが分かるのである。
【0021】第2の技術課題は 作業安全と溶接端面が損傷しやすい問題であるパネルは、補強形鋼がライニング板の外周より内側にあるため、すなわち、ライニング板外周が出ているため、いつの時点でも傷がつきやすい問題がある。工場では外周保護を取り付けて、現地向け発送するのが常であるが。取り扱いの過程で、わずかでも建物などに接触すると、全重量の運動量が、薄い板端面の一個所にかかるため、簡単に損傷を受ける。現地の最終組み立て過程では保護材がはずされるので更に損傷しやすい。この傷は必ず容器の生命線である溶接対象部分を傷つけるのである。作業は慎重を期さなければならない。すなわち、能率は相当な犠牲となる。傷がついた場合はまた慎重な補修をおこなうことになる。ときには補修では対応できず、新品取り替えする。ある程度の損傷は計画にふくめるのではあるが、コンクリート打設の後に発見された場合の対応は、傷ついたパネルの、コンクリートからの掘り出しと、部分再コンクリート工事となるので、たやすいものではないのである。
【0022】第3の技術課題は漏洩検出機能の向上課題漏洩検出機能は、容器の基本機能であって、原子力設備容器は、いつの時点においても、容器は健全であるという確認が出来る必要がある。これは、漏洩検出機能が確実なもので、常に漏れ事象が生じていないことを確認できる必要があるので、漏洩検出は信頼性の高いことが要求されるのである。
【0023】従来技術では、漏洩件検出溝の深さが、繋ぎ材の厚さの中に含まれることになるため大きい流路面積が取れなかった。実際の製造実績を調べると、継ぎ材の形鋼は6mm程度の厚さで、溝の深さはまたその半分程度である。水の流れのみを考慮すれば、この寸法は十分に大きく、漏洩検出には問題はない。しかし、容器は清水のみを貯留するのではなく、スラッジ貯留の場合もあり、水も、非溶解物質を含んでいる、流路内に土砂や砂礫が流入することもありえない、とは言えないので、溝は大きく出来ればより望ましいのである。
【0024】従って、漏洩検出溝の断面積増加は、ライニング技術の基本課題で、実用的な方法でいかに大きくするかが、つねに課題であった。
【0025】T字溶接部で、ブリッジをかけたその上に溶接を行うと、溶け下がりを生じて、流路が狭くなり、流路詰まりに近い状態になり易く、結局は漏洩検出の信頼性を損ないやすいのである。
【0026】以上、従来技術では、ライニング板が損傷しやすく、現地組み立てが作業上も精度上も難しく、危険を伴った。また、従来技術では、現地施工負担が大きく結局的には無駄があり合理化が望まれる。従って、完成容器の健全性確認や漏洩検出機能についても、より信頼性の高いものが必要である。本発明は、上記問題点を鑑みてなされてものであって、簡単な構造からなり、現場での施工が容易で信頼性の高いライニングパネル、ライニング容器並びにライニング容器の施工方法を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、矩形のライニング板と、このライニング板の外周部に、この外周部に沿って接合された形鋼とを有するライニングパネルであって、一のライニングパネルの形鋼を他のライニングパネルの形鋼に固定した後、両ライニング板の端縁間を溶接して両ライニングパネルを接続するようになされたことである。
【0028】本発明の第2の特徴は、前記一のライニングパネルの形鋼と他のライニングパネルの形鋼とを固定する固定手段はボルトとナットであり、前記形鋼には、前記ボルトを通すボルト穴が形成されていることである。
【0029】本発明の第3の特徴は、前記ライニング板の前記形鋼が設けられている側には、コンクリート埋め込み材となるスタッドが設けられていることである。
【0030】本発明の第4の特徴は、前記形鋼の内周部の前記ライニング板との接合部には、この接合部を覆い流路を形成する樋が設けられていることである。
【0031】本発明の第5の特徴は、前記形鋼は、溶接時に必要とされる両ライニング板の端縁間を維持できるように、前記ライニング板の端縁から突出して配設されていることである。
【0032】本発明の第6の特徴は、互いに接続される前記一のライニングパネルと前記他のライニングパネルにおいて、前記一のライニングパネルの前記形鋼は、その形鋼が設けられた前記ライニング板の端縁に面一で設けられ、前記他のライニングパネルの前記形鋼は、溶接時の両ライニング板の端縁間の間隔だけ、前記ライニング板の端縁から突出して配設されていることである。
【0033】本発明の第7の特徴は、前記一のライニングパネルにおける前記形鋼のライニング板に対する位置と、前記他のライニングパネルにおける前記形鋼のライニング板に対する位置とは、両ライニングパネルを接続する際に、両ライニング板間に溶接に必要な間隔がとれるような位置に設定されることである。
【0034】本発明の第8の特徴は、矩形のライニング板と、このライニング板の外周部にこの外周部に沿って接合された形鋼と、を有する複数のライニングパネルを接続して容器を構築するライニング容器において、互いに接続される一のライニングパネルの形鋼を他のライニングパネルの形鋼に固定し、その後両ライニング板の端縁間を溶接して両ライニングパネルを接続して設けられたことである。
【0035】本発明の第9の特徴は、前記一のライニングパネルの形鋼と他のライニングパネルの形鋼とを固定する固定手段はボルトとナットであり、前記形鋼には、前記ボルトを通すボルト穴が形成されていることである。
【0036】本発明の第10の特徴は、前記ライニング板の前記形鋼が設けられている側には、コンクリート埋め込み材となるスタッドが設けられていることである。
【0037】本発明の第11の特徴は、前記形鋼の内周部の前記ライニング板との接合部には、この接合部を覆い漏洩流体流路を形成する樋が設けられ、この樋と前記ライニング板との接続部、この樋と前記形鋼との接続部、互いに固定される前記両形鋼の当接面には、シール材を介設していることである。
【0038】本発明の第12の特徴は、前記一のライニングパネルの前記漏洩流体通路と前記他のライニングパネルの前記漏洩流体通路とを連結する連通管が設けられていることである。
【0039】本発明の第13の特徴は、前記形鋼は、溶接時に必要とされる両ライニング板の端縁間の間隔を維持できるように、前記ライニング板の端縁から突出して配設されていることである。
【0040】本発明の第14の特徴は、互いに接続される前記一のライニングパネルと前記他のライニングパネルにおいて、前記一のライニングパネルの前記形鋼は、その形鋼が設けられた前記ライニング板の端縁に面一で設けられ、前記他のライニングパネルの前記形鋼は、溶接時の両ライニング板の端縁間の間隔だけ、前記ライニング板の端縁から突出して配設されていることである。
【0041】本発明の第15の特徴は、前記一のライニングパネルにおける前記形鋼のライニング板に対する位置と、前記他のライニングパネルにおける前記形鋼のライニング板に対する位置とは、両ライニングパネルを接続する際に、両ライニング板間に溶接に必要な間隔がとれるように設定されることである。
【0042】本発明の第16の特徴は、矩形のライニング板とこのライニング板の外周部にこの外周部に沿って接合された形鋼とを有する複数のライニングパネルを、前記形鋼同士を固定し、その後両ライニング板の端縁間を溶接して両ライニングパネルを接続することである。
【0043】本発明の第17の特徴は、前記ライニングパネルの外周へのコンクリートの打設は、前記形鋼同士の固定の後であって、前記ライニング板同士の溶接の前であることである。
【0044】本発明の第18の特徴は、前記ライニングパネルの外周へのコンクリートの打設は、前記ライニング板同士の溶接の後であることである。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図1ないし図11を参照して説明する。
【0046】図1ないし図6は、本発明の第1の実施の形態を示すものである。図1において、符号21は矩形溶接構造体のライニングパネルを示す。このライニングパネル21は、例えばその大きさは長さ3メートル、幅1.5メートルあり、矩形板状でステンレス製のライニング板23を有している。このライニング板23の四辺外周部には、断面L字状の形鋼25が溶接固定されている。この形鋼25は、例えば75mm×75mmのアングル材が用いられ、図2に示す溶接部27と29の2カ所で溶接される。このうち溶接部27は、溶接部29と対になって形鋼25とライニング板23とを一体溶接し、また、溶接部29は、後述するライニング板23の端縁間の溶接の仮付け溶接と同じ機能を果たすものである。この断面L字状の形鋼25のライニング板に対して直角に立ち上がっている立上り部31には、ボルト穴33が複数個設けられている。また、この形鋼25は、ライニング板23の端縁から僅かに突出して固定されている。この突出量tは、図2に示すように、形鋼25の立上り部31同士をボルトで固定した際に、ライニング板23の端縁間にこの端縁間を溶接するのに適切な溶接のための凹部を形成できるように設定される。例えばこの突出量tは、ライニング板23の端縁間の間隔をTとするとT/2になるように設定されている。このように形鋼25がライニング板23の端縁から突出して接合されているため、ライニング板23の外周端縁を傷、破損等から保護することができる。また、ライニング板23の形鋼25が設けられている側には、コンクリートに埋め込まれるスタッド35が突出して溶接固定されている。
【0047】図2は、上記のようなライニングパネル21を接合した状態を示す。この図に示すように、まず、双方のライニングパネル21の立上り部31同士を当接させ、ボルト穴33を一致させ、ボルト41とナット43で固定する。次に、形鋼25とスタッド35とを埋め込むようにコンクリート45を打設する。そして、このコンクリート45が固化した後、両ライニング板23、23の端縁と両形鋼25、25に囲まれた凹部47、すなわち形鋼25とライニング板23との溶接29の上にライニング板23同士の溶接49を行う。
【0048】ここで重要なのは、溶接49でライニング板23同士の溶接を行うとき、形鋼25の合わせ部分は、溝状溶接の凹部47の底を形成し、溶接の裏当金となることである。そして、ライニング板23の外周に形鋼25が突出して設けていることによって、ライニング板23の補強、合わせ組み立て時のライニング板23の外周端面保護、ライニングパネル同士のボルトによる締結、溶接49を行う際の裏当金機能を同時に行っていることである。
【0049】なお、本実施の形態では、コンクリート45の含有水が流れ出してきて溶接部を汚染しないように各所にシールを施して部材接合部を水密化している。すなわち、図2に示すように、形鋼25の立上げ部31同士の合わせ面、この合わせ面の端部、及び形鋼25とライニング板23との溶接部にシール51を施している。
【0050】図3は、複数のライニングパネル21を組み立てて壁面を構成した状態を示す図である。この図は、コンクリート打設面側から見た図で、打設された手前側のコンクリートを省いて図示している。このように、複数のライニングパネル21をボルト41とナット43の締結のみで組み立てることができる。また、図4は、複数のライニングパネル21を組み立てた壁面をライニング槽内側から見た図である。この図に示されるように、ライニング板23同士の溶接線は縦と横の単純な線になる。また、ライニング板の溶接は、図面では線としてしか現れていないが、パネルの合わせ目と等しいから壁面単位でみても簡単な溶接線であることが理解できる。したがって、溶接作業を容易かつ少なくすることができるとともに信頼性を向上させることができる。
【0051】図5は、図4に示す場合より大型のライニング槽に本発明を適用した状態を示すもので、図4と同様に槽内側から見た図である。このように、大きい壁面に適用しても、小型の壁面と変わりなく同じ方法同じ手順の繰り返しで組み立てできる。すなわち、ネジ締め組み立てと溶接のみで壁面の構成が可能であり、溶接は単純な縦と横の線となる。
【0052】図6は、本発明を円筒状のライニング槽に適用した状態を示す断面図である。この場合の構成は、円筒面状に形成したライニング板71と、このライニング板71の形状に沿うように形成された形鋼73を使用している点を除き、図2に示す場合と同様である。従って、図2と同様の構成の部分には同一の符号を付している。このように、本発明は種々の形状の容器に適用が可能である。
【0053】なお、通常コンクリート打設は、形鋼25同士の締結後、ライニング板23同士の溶接の前に行われるが、コンクリート打設前にライニング板23同士の溶接を行ってもよい。このようにすれば、天候等の現場の状況に応じて行程を変更することができ、施工工程の自由度を増加させることができる。
【0054】以上説明したように、上記実施の形態にあっては、矩形のライニング板23と、このライニング板23の外周部に、この外周縁から僅かに突出して接合された形鋼25とを有し、一のライニングパネル23の形鋼25を他のライニングパネル23の形鋼25に固定した後、両ライニング板23,23の端縁間を溶接して両ライニングパネルを接続するようにしているから、形鋼25によってライニング板23の補強を行うことができるとともに、合わせ組み立て時にライニング板23の外周端面を保護することができる。また、形鋼25を介してライニングパネル同士をボルトで締結できるので、組み立を容易迅速に行うことができる。さらに、形鋼25は、溶接49を行う際の裏当金機能をも同時に奏することができる。
【0055】図7ないし図9は、本発明の第2の実施の形態を示す図である。この実施の形態は、図2に示す構成に漏洩検出樋を設けたものである。すなわち、図7及び図8に示すように、ライニング板23に接合されている形鋼25の縁に沿って、漏洩検出樋81が設けられている。この漏洩検出樋81は、ステンレスの薄い長尺鋼板のプレス成型品からなり、厚さは0.5mmないし1mmであり、ライニング板23の板厚6mmに比して薄い。この漏洩検出樋81は、薄く弾性のある板で作られているので、コンクリート打設時の圧力でライニング板に密着するようになっている。また、この漏洩検出樋81は、その一方の縁部を形鋼25に接合され、他方の縁部をライニング板23に接合され、それぞれシーラント83で水密状態になされている。そして、この漏洩検出樋81の内部には漏洩検出溝85が形成される。
【0056】この漏洩検出樋81は、常に形鋼25の内側に平行に配設される。従って、1つのライニングパネル21の平面視を考えてみると、長方形のライニングパネル21の外周部に沿って長方形に形鋼25が設けられており、この長方形の形鋼25の内側に沿って回周状に長方形の漏洩検出樋81が設けられている。このような構成のライニングパネル21を複数個接続して壁面を構成すると、図9に示すように、漏洩検出樋81は常に溶接部49の両側に存在することになる。従って、万が一溶接部49近傍で漏洩が生じた場合その漏洩水をこの漏洩検出樋81で捕集することができる。
【0057】この漏洩検出樋81は、そのままでは、長方形の閉鎖流路となるので、上下にある漏洩検出樋81を連通短管87で接続するようになっている。すなわち、この連通短管87は、図9に示すように、上段パネルの長方形の漏洩検出樋81の下辺の樋の両端部と、下段パネルの長方形の漏洩検出樋81の上辺の樋の両側部とをそれぞれ連結している。なお、連通短管87は、図7に示すように、形鋼25に形成された連通孔89を通って配管される。
【0058】このような構成において、複数のライニングパネル21を接続して壁面を構成すると、各ライニングパネル21毎の四角形状の漏洩検出樋81が縦方向に連通する。そして、最下部の漏洩検出樋に漏洩検出装置88が設けられ、この縦方向に連通した漏洩検出樋が1つの漏洩検出区分になる。
【0059】以上説明したように、この実施の形態にあっては、複数のライニングパネル21を組み立てて壁面を構成すると、溶接部49の両側に常に漏洩検出樋81が配設されることになる。従って、万が一漏洩事故が起きても、確実かつ速やかに漏洩水を捕集することができる。また、漏洩検出樋81は連通短管87で上下に連結されているから、漏洩水は連結短管87を通って下方へ流れ、最下部に設けられた漏洩検出装置88によって検知され、警報装置等を作動させることができる。従って、漏洩事故を速やかに通報することができる。さらに、連通短管87は、長方形状の漏洩検出樋81の両端部同士を連結しているから、漏洩水を迂回させることなく直下に流下させることができ、従って漏洩検出の時間遅れを最小にすることができ、よって迅速確実な漏洩検出ができる。
【0060】なお、上記実施の形態においては、形鋼25は、ライニング板23の端縁から僅かに突出して固定され、形鋼25の立上り部31同士をボルトで固定した際に、ライニング板23の端縁間にこの端縁間を溶接するのに適切な溶接のための凹部を形成できるようになっている。しかしながら、必ずしもこれに限る必要はなく、図10に示すようにしてもよい。すなわち、一方のライニングパネル91では、形鋼25がライニング板23の端縁と面一になるように接合し、他方のライニングパネル93では、形鋼25がライニング板23の端縁から溶接部49の幅だけ突出するように接合してもよい。また、図11に示すように、一方のライニングパネル95では、形鋼25よりもライニング板23の端縁のほうが突出するように形鋼25をライニング板23に接合し、他方のライニングパネル97では、形鋼25とライニング板23との接合位置を、形鋼25同士を締結したときに一方のライニング板23の端縁と他方のライニング板23の端縁との間に溶接部49が適切にとれるような位置に設定してもよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあっては、矩形のライニング板とこのライニング板の外周部にこの外周部に沿って接合された形鋼とを有する複数のライニングパネルを、前記形鋼同士を固定し、その後両ライニング板の端縁間を溶接して両ライニングパネルを接続するようにしているから、構造を簡単にすることによって、現場での施工を容易ならしめるとともに信頼性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次 (外6名)
【公開番号】 特開2002−350590(P2002−350590A)
【公開日】 平成14年12月4日(2002.12.4)
【出願番号】 特願2001−152887(P2001−152887)