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【発明の名称】 廃棄物処理方法
【発明者】 【氏名】高村 尚

【氏名】広中 良和

【要約】 【課題】放射性廃棄物等のトンネル型処分施設等において、廃棄体の処分空間を有効に活用でき、廃棄体の定置容積を増大でき、比較的簡単で安価な装置構成により信頼性の高い遠隔操作で廃棄体の処分ができ、精度の良い定置作業を行え、また処分空間にモルタル等を打設する時に必要な仕切り壁を簡単に隙間無く確実に設置できるようにする。

【解決手段】トンネル1内に外周充填材3に囲まれて設置された格納ピット2の底面にその長手方向に沿う走行溝等を案内として走行する搬送車21により廃棄体Aを順次搬送し、所定の定置位置で、搬送車の荷台上の1段目の廃棄体Aを押し込みで定置架台22上に移載し、2段目以降は、荷台を上昇させた後に押し込みで下段の廃棄体Aの上に移載する。1区画の定置作業が終了すると、その前面に設置したシャッター式の仕切り壁10の扉体を下ろし、これを妻枠としてモルタル4をピット2内に充填する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処理空間内に廃棄体を順次搬入し、処分空間内の所定の定置位置に廃棄体を定置させる廃棄物処理方法であり、廃棄体を順次搬送し、所定数の廃棄体の定置が完了すると、その前面にシャッター式の仕切り壁を下ろし、この仕切り壁で仕切られた定置空間内に充填材を充填する工程を有することを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項2】 請求項1に記載の廃棄物処理方法において、処分空間は岩盤中に掘削形成された処分坑道であることを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の廃棄物処理方法において、処分空間内に廃棄体の格納躯体を設け、この格納躯体内の所定の定置位置に廃棄体を積み上げて定置させ、この格納躯体の上部にシャッター式の仕切り壁を収納状態で設置することを特徴とする廃棄物処理方法。
【請求項4】 請求項3に記載の廃棄物処理方法において、所定数の廃棄体の定置と充填材の充填が終了した区画の上部に隔壁を設置し、次の区画の廃棄体の定置作業と充填材の充填作業を行なうことを特徴とする廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性廃棄物等の埋設処分設備において廃棄体を処分空間内に定置させるための廃棄物処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低レベル放射性廃棄物やTRU(trans uranium)廃棄物を処分する方法として、地下50m〜300 m程度以深の岩盤中に掘削したトンネル内に廃棄物を埋設処分する方法が考えられている。図10は、このような廃棄物埋設処分設備の1例を示したものである。このトンネル型廃棄物埋設処分設備は、岩盤中に山岳トンネル工法等でトンネル1を掘削し、このトンネル内の中央下部に、廃棄体Aを定置するコンクリートピット2を構築し、このピット2の周囲にはベントナイトを主な成分とする混合土からなる外周充填材3を充填して構成されている。
【0003】廃棄体Aは、ピット2の上をトンネル長手方向に走行する定置クレーンを用いてピット2内にその上部開口から吊り込まれる。廃棄体Aは、直方体形状等の密閉容器からなり、ピット2内の縦横に複数列・複数段で積み上げられる。トンネル長手方向に、所定数の廃棄体Aが定置されると、その前面に妻枠としての仕切り壁(図示省略)が設置される。仕切り壁で仕切られた定置空間内の廃棄体Aとピット2との隙間には、モルタル等のセメント系材料からなる充填材4が充填され、上部開口はコンクリート製の蓋2aで覆われる。
【0004】以上のような廃棄体Aの積み上げ定置、仕切り壁の設置、充填材4の充填等を順次繰り返し、所定数の区画の定置作業が完了すると、定置クレーンを撤去し、ピット2の上を外周充填材3で覆い、トンネル1の上部空間を埋戻し土5で埋戻すことにより、定置作業が終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】廃棄体の定置作業に用いられる定置クレーンは、コンクリートピット2の上面にトンネル長手方向と平行に敷設された左右一対のレール上を走行する走行体と、巻き上げ装置を備え前記走行体上をトンネル幅方向(短手方向)に移動する横行体からなり、図10に示すように、ピット2の上部に定置クレーンのためのスペース6が必要となる。廃棄体重量が数10tを超える超重量物の場合、クレーン高さが7〜8mにもなり、トンネル1などの上部空間をクレーンが占有してしまうことになる。そのため、ピット2の高さが低くなり、廃棄体の定置容積が激減するという問題があった。
【0006】このような問題を解消する手段としてフォークリフト等をトンネル長手方向に走行させて定置作業を行う方式が考えられている。しかし、この方式では、廃棄体重量が数10tに及ぶ場合にはフォークリフト等が巨大化する問題がある。さらに放射能濃度の高い放射性廃棄物は遠隔で処分する必要があるが、ガイドのない部分を遠隔操作で走行させ、かつ、廃棄体を定置位置に精度良く定置させるためには、現時点では信頼性・現実性に乏しい。
【0007】また、仕切り壁は、パネル状とし、これを定置クレーンを利用して無人で設置することが考えられるが、パネル状の仕切り壁をコンクリートピット2内にその内壁面との間に隙間が生じないように無人で設置するのは難しく、また、十分な隙間を設けた場合には隙間を埋める作業が必要となるなどの問題点がある。
【0008】本発明は、前述のような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、廃棄体の処分空間を有効に活用することができ、廃棄体の定置容積を増大させることができ、さらに、比較的簡単で安価な装置構成により廃棄体を信頼性の高い遠隔操作で処分することができると共に、精度の良い定置作業を行うことができ、また、処分空間にモルタル等の流動系材料を打設する時に必要な仕切り壁を簡単に隙間無く確実に設置することができる廃棄物処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、処理空間内に廃棄体を順次搬入し、処分空間内の所定の定置位置に廃棄体を定置させる廃棄物処理方法であり、廃棄体を順次搬送し、所定数の廃棄体の定置が完了すると、その前面にシャッター式の仕切り壁(妻枠)を下ろし、この仕切り壁で仕切られた定置空間内に充填材(モルタル等のセメント系材料)を充填する工程を有することを特徴とする廃棄物処理方法である。例えば、廃棄体は、処分空間の底面に設けた案内(走行溝や走行レール等)上を走行する搬送車により順次搬送し、所定の定置位置で、搬送車の荷台上の廃棄体を定置架台(底部スペーサー)上に移載し、搬送車の荷台を上昇させて荷台上の廃棄体を定置架台の上にある廃棄体上に移載する。
【0010】本発明の請求項2は、請求項1に記載の廃棄体の定置方法において、処分空間は岩盤中に掘削形成された処分坑道であることを特徴とする廃棄物処理方法である。この処分坑道は、水平あるいは傾斜したトンネルであり、山岳トンネル工法やシールド工法等で掘削される。なお、本発明は、前記処分坑道に限らず、あらゆるタイプの処分空間に適用可能である。
【0011】本発明の請求項3は、請求項1または請求項2に記載の廃棄体の定置方法において、処分空間内に廃棄体の格納躯体を設け、この格納躯体内の所定の定置位置に廃棄体を積み上げて定置させ、この格納躯体の上部にシャッター式の仕切り壁を収納状態で設置することを特徴とする廃棄物処理方法である。即ち、放射性廃棄物の場合には、トンネル型等の処分空間内に格納躯体(コンクリートピット等)を構築し、この格納躯体の周囲に、緩衝機能,低透水性能,放射性物質の低拡散性能を有するベントナイト混合土からなる外周充填材を設けた埋設処分設備に埋設処分するのが好ましい。
【0012】本発明の請求項4は、請求項3に記載の廃棄物処理方法において、所定数の廃棄体の定置と充填材の充填が終了した区画の上部に隔壁(遮蔽扉)を設置し、次の区画の廃棄体の定置作業と充填材(モルタル等)の充填作業を行なうことを特徴とする廃棄物処理方法である。即ち、充填材の充填が完了した区画の前面(廃棄体搬入側の端面)における格納躯体の上部に隔壁を設置し、この隔壁の前方を廃棄体定置作業のための管理区域とし、隔壁の後方を作業員が立ち入りできる作業区域とする。この作業区域の隔壁の近くまでミキサー車等を寄せ、モルタル供給管等を隔壁を貫通させて次の区画まで配設し、次の区画のモルタル等の充填を行なう。
【0013】請求項1〜請求項4において、廃棄体の搬送車は、走行溝や走行レール等を案内として走行するタイヤ式や車輪式などの車両に、油圧ジャッキ等により昇降する荷台と、荷台上の廃棄体を押送可能な油圧ジャッキ等の廃棄体押し込み装置を設けたものを用いるのが好ましい。定置架台を専用の搬送車などで搬送して所定の定置位置に設置し、1段目の廃棄体を廃棄体の搬送車で搬送し、押し込みにより前記定置架台上に移載する。2段目以上の廃棄体は、定置架台の手前で荷台をリフトアップさせ、押し込みにより下段の廃棄体上に移載する。なお、定置架台は、1段目の廃棄体を搬送車から容易に移載して定置できるように、また積み上げて定置させた廃棄体の下部にも充填材を充填できるように設けられている。
【0014】また、廃棄体,定置架台,荷台の上面にはガイド溝やガイドレールを設け、廃棄体の下面には、車輪やローラ等の転動体あるいは滑動体などを設け、廃棄体をスムーズに精度良く移載できるようにするのが好ましい。
【0015】以上のような構成において、処分空間内を搬送車を走行させ、1段目は荷台上の廃棄体を押し込みにより定置架台上に移載し、2段目以上は搬送車の荷台をリフトアップさせて荷台上の廃棄体を押し込みにより下段の廃棄体上に移載し、廃棄体を複数段に積み上げるため、従来の定置クレーンを無くすことができ、処分空間を有効に活用することができる。特に、トンネル型処分施設では、処分空間の上部を大きく占有する定置クレーンの設置スペースが無くなることで、廃棄体の収納効率が格段に向上する。
【0016】走行溝や走行レール等の案内上を廃棄体の搬送車が走行するため、フォークリフト方式と比べて、遠隔操作の信頼性が格段に向上し、廃棄体を所定の定置位置に精度良く迅速に定置できる。
【0017】搬送車は荷台に廃棄体を載せ、2段目以上はリフトアップさせ、押し込み装置で押し込むことにより、廃棄体の移載を行うため、カウンターウェイト等が必要なく、非常にコンパクトで簡単な構造となり、機械的および操業システムとしての信頼性が高く、経済的となる。
【0018】廃棄体の下面の車輪等と、廃棄体,定置架台,荷台の上面のガイド溝等により、上に積み重ねる廃棄体を押し込むだけで、簡単に精度良く廃棄体の積み重ねを行うことができる。
【0019】仕切り壁をシャッター方式としているため、所定数の廃棄体の定置作業が完了した格納躯体等の内部に仕切り壁を無人で簡単に短時間に設置することができ、また、格納躯体等の内部を隙間無く確実に仕切ることができ、モルタル等の充填材が漏れることがない。
【0020】シャッター方式の仕切り壁の上に隔壁を設置し、廃棄体の搬入・定置が行なわれる管理区域と、反対側の放射線等により人が近づくことのできない作業区域とを完全に遮断するため、モルタル等の充填作業などを安全に行なうことができると共に、ミキサー車等を近くまで寄せて充填作業を行なうことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形態に基づいて説明する。この実施形態は、山岳トンネル工法による三心円型トンネル内にコンクリートピットを設置した放射性廃棄物の埋設処分設備に本発明を適用した例である。図1は、本発明が適用されるトンネル型埋設処分設備の1例を示したものである。図2は、本発明で用いる廃棄体の搬送装置等の1例を示したものである。図3は、本発明で用いるコンクリートピットの仕切り壁の1例を示したものである。
【0022】図1(a) に示すように、処分坑道としての三心円型トンネル1が地下50m〜300 m程度以深の岩盤中に山岳トンネル工法により掘削され、このトンネル内の中央に、廃棄体Aを定置する格納躯体としてのコンクリートピット2が構築され、このピット2の周囲にはベントナイトを主な成分とする混合土からなる外周充填材3が全周を取り囲むように設置される。トンネル1の内面には、吹付けコンクリート1aと2次覆工1bが施工されている。外周充填材3のベントナイト混合土は、緩衝機能,低透水性能,放射性物質の低拡散性能を有する材料であり、岩盤圧や地下水の影響を低減し、核種の移行を遅延させることができる。
【0023】廃棄体Aは、金属やコンクリートガラなどをセメントやアスファルト等で固めたものが収納されている直方体形状等の密閉容器からなり、ピット2内のトンネル長手方向に直交する断面内における縦横に複数列・複数段で積み上げられる。さらに、このような複数列・複数段の廃棄体Aがトンネル長手方向に所定数だけ定置されると、図1(b) に示すように、その廃棄体搬入側の前面に妻枠としての仕切り壁10を設置し、1区画に定置される廃棄体Aの数を制限している。仕切り壁10で仕切られた定置空間内の廃棄体Aとピット2との隙間には、モルタル等のセメント系材料からなる充填材4が充填される。
【0024】充填材4が充填された処分区画の上には、移動式の隔壁(遮蔽扉)11が設置されており、廃棄体搬入側の管理区域12と反対側のモルタル充填等の作業区域とが遮断された状態で、次の区画の廃棄体Aの積み上げ定置作業を行なう。以上のような廃棄体Aの積み上げ定置、仕切り壁10の設置、充填材4の充填等を順次繰り返し、所定数の区画の定置作業が完了すると、図1(a) に示すように、ピット2の上を外周充填材3で覆い、トンネル1の上部空間を埋戻し土5で埋戻すことにより、定置作業が終了する。
【0025】以上のような埋設処分設備において、本発明では、図2に示すように、コンクリートピット2の底面にトンネル長手方向に平行な複数の走行溝20を形成し、左右一対の走行溝20,20をガイドとして廃棄体Aの搬送車21を走行させ、所定の定置位置に設置した定置架台(底部スペーサー)22上に廃棄体Aを複数個積み上げて定置する。定置架台22は、1段目の廃棄体Aを搬送車21から容易に移載して定置できるようにするために、また積み上げられた廃棄体Aの下部にも充填材4を充填できるようにするために設置される。この定置架台22は、専用の搬送車23により搬送される。
【0026】走行溝20は、定置される廃棄体Aのトンネル幅方向の列の数に合わせて複数配設される。定置架台22も同様に廃棄体Aの列の数だけトンネル幅方向に配設し、一対の走行溝20,20の各敷設位置に位置するように設置される。また、トンネル長手方向にも、所定の数の定置架台22が順次設置される。なお、廃棄体Aがトンネル幅方向に3列の場合、走行溝20を6本とすれば、複数台の搬送車21を同時に走行させることができる。また、走行溝20を4本としても、2本の走行溝20を適宜選択することにより、廃棄体Aを3列で定置させることができる。
【0027】廃棄体Aの搬送車21は、図2(a) に示すように、廃棄体Aの搬送台車24と、廃棄体押し込み装置26を備えた駆動車25とを連結して構成されている。搬送台車24は、ゴムタイヤ式で無駆動の台車本体27の上に複数の油圧ジャッキ28を設け、この油圧ジャッキ28のロッド先端に水平の荷台29を取付けて構成され、複数の油圧ジャッキ28を同調作動させることで、荷台29を所定のストロークで昇降させることができる。
【0028】駆動車25は、駆動モータ等により自走可能なゴムタイヤ式の車両本体30の上に複数の油圧ジャッキ31を設け、この油圧ジャッキ31のロッド先端に水平の昇降台32を取付け、この昇降台32の上に油圧ジャッキ等からなる廃棄体押し込み装置26を搭載して構成され、複数の油圧ジャッキ31を同調作動させることで、昇降台32・廃棄体押し込み装置26を所定のストロークで昇降させることができる。
【0029】搬送台車24の台車本体27の下面には、一対の走行溝20,20の間の凸部を左右両側から挟み込む一対の縦ローラや車輪等からなる方向支援装置33が設けられ、左右の走行精度を高めている。
【0030】定置架台22の搬送車23は、図2(b) に示すように、前述の駆動車25と同様の構成であり、駆動モータ等により自走可能なゴムタイヤ式の車両本体34の上に複数の油圧ジャッキ35を設け、この油圧ジャッキ35のロッド先端に水平の昇降台36を取付け、この昇降台36の前面に把持装置37を設けて構成されている。把持装置37は、例えば、水平に突出する左右一対のクランプバー等から構成し、この一対のクランプバーを開閉させることにより、定置架台22を着脱できるようにしている。なお、この搬送車23にも前述の方向支援装置を設け、左右の走行精度を高める。
【0031】搬送車21の搬送台車24の荷台29の上に廃棄体Aを載せ、搬送台車24を駆動車25で押送することで、廃棄体Aを搬送し、所定の定置位置において廃棄体Aを廃棄体押し込み装置26により荷台29上から定置架台22上あるいは下段の廃棄体A上へと滑らせて押し込む。そのため、図2(c) に示すように、廃棄体Aの下面に鋼製の車輪(あるいはボールベアリング等)40を設け、廃棄体Aや定置架台22および荷台29の上面には車輪40をガイドするトンネル長手方向に平行な鋼製のガイド溝41,42をそれぞれ左右一対で設け、廃棄体Aをスムーズに精度良く移載できるようにする。
【0032】また、廃棄体Aや定置架台22の上面のガイド溝41の搬入側の端部は平面視で搬送台車に向かって開くラッパ状とし、荷台29上の廃棄体Aをスムーズに移載できるようにする。さらに、ガイド溝41内には車輪40を停止させるストッパー43を出没可能に設け、移載された廃棄体Aが位置決め固定されるようにする。また、荷台29のガイド溝42にも同様のストッパーを出没可能に設け、搬送時に廃棄体Aを固定できるようにするのが好ましい。
【0033】なお、以上のような廃棄体の搬送装置は図示例に限らず、その他の構造のものを使用できることはいうまでもない。例えば、搬送車21は走行レールと車輪等による走行方式でもよい。
【0034】さらに、本発明では、妻枠としての仕切り壁10をシャッター式とする。即ち、図3に示すように、仕切り壁10を、可撓性を有する扉体51と、この扉体51が巻き取り収納される収納体50から構成し、コンクリートピット2の上面に予め設置しておく。1区画の廃棄体Aの積み上げ定置作業が終了すると、収納体50から扉体51を自動で巻き出して下ろす。コンクリートピット2の両側壁2b,2bには、扉体51のガイド溝52を設けておく。また、コンクリートピット2の底部2aにも、扉体51の下端部を収納する収納溝53を設けておく。
【0035】図4と図5は、廃棄体の埋設処分作業の1例を示したものであり、次に示すような手順で、廃棄体の埋設処分を行う(図4,図5参照)。
【0036】(1) 図5の■に示すように、トンネル1内の下部に底部ベントナイト3aを施工する。この施工は、バックホウにフロントアタッチメントを取付け、人力+機械施工で行なう。
【0037】(2) 図5の■に示すように、底部ベントナイト3aの上にコンクリートピット2の底部2aを施工する。
【0038】(3) 図5の■,■に示すように、コンクリートピット2の側壁2bを施工する。側壁2bは、例えば、プレキャスト柱2b−1とプレキャスト壁2b−2から構成されている。図6に示すように、バックホウ60のブーム先端に、任意の方向(XYZ方向)と回転等の微小運動が可能な鉄筋把持装置を改良した把持装置61を取付けたものを使用し、プレキャスト柱2b−1を建て込み、次いで、プレキャスト壁2b−2を建て込む。
【0039】(4) 図5の■に示すように、側壁2bの外側に側部ベントナイト3bを施工する。この場合も、バックホウにフロントアタッチメントを取付け、人力+機械施工で行なう。
【0040】(5) 図5の■に示すように、コンクリートピット2内に廃棄体Aを複数列・複数段で積み上げ、この複数列・複数段の廃棄体Aがトンネル長手方向に所定数だけ定置されると、図5の■に示すように、予め設置されているシャッター式の仕切り壁10を下ろす。
【0041】(6) 図5の■に示すように、シャッター式の仕切り壁10で仕切られたコンクリートピット2内の定置空間にモルタル4を充填する。ここで、図1(b) に示すように、トンネル1の両端部には、廃棄体搬送用の底部連絡坑道13とモルタル充填等の作業用の上部連絡坑道14がそれぞれ接続されており、管理区域12に対して仕切り壁10と隔壁11により遮蔽された作業区域内で作業員がモルタル充填作業を行なう。一方、廃棄体Aは、底部連絡坑道13内を走行する運搬車(専用トレーラ等)により、2つの隔壁15で仕切られた積み替え室16まで運搬され、ここで搬送車21に積み替えられる。
【0042】(7) トンネル1の全ての定置作業が終了すると、図5の■に示すように、上部ベントナイト3cを施工する。
【0043】図7〜図9は、廃棄体の定置作業の1例を示したものであり、次に示すような手順で、廃棄体の定置作業を行う(図7〜図9参照)。
【0044】(1) 図7の■に示すように、モルタル充填済み区画の搬入側の上部には、移動式の隔壁11が設置され、この区画の前面には必要に応じて廃棄体Aの位置決めと廃棄体Aの転倒防止のためのスペーサー70が突設され、前記区画の前方におけるコンクリートピット2の上面には予めシャッター式の仕切り壁10が収納状態で設置されている。このような状態において、搬送車23により定置架台22を定置位置へ搬送する。定置架台22は、把持装置37で把持し、昇降台36を若干ジャッキアップさせて搬送する。
【0045】(2) 図7の■に示すように、定置位置で昇降台36をジャッキダウンさせ、把持を解除して、定置架台22を定置する。
【0046】(3) 図7の■に示すように、搬送車21により1段目の廃棄体Aを定置位置へ搬送する。
【0047】(4) 図8の■に示すように、搬送台車24の荷台29の上面と定置架台22の上面は、面一であり、1段目の廃棄体Aを押し込み装置26で押し込み、定置架台22上に移載する。必要により廃棄体Aはスペーサー70により位置決めされる。また、このスペーサー70は廃棄体Aの転倒防止にも有効である。
【0048】(5) 図8の■に示すように、搬送車21により2段目の廃棄体Aを定置位置へ搬送する。
【0049】(6) 図8の■に示すように、定置架台22の手前で搬送台車24の荷台29および駆動車25の昇降台32をジャッキアップさせ、2段目の廃棄体Aを押し込み装置26で押し込み、1段目の廃棄体Aの上に移載する。3段目以上の廃棄体Aも同様に定置するが、ジャッキアップストロークが足りない場合には、図8の■の右側に示すような嵩上げした台車本体27’・車両本体30’を備えた搬送車21’を使用することもできる。
【0050】(7) 図9の■に示すように、1区画の廃棄体Aの定置作業が終了すると、シャッター式の仕切り壁10の扉体51を下ろす。この仕切り壁10は、コンクリートピット2の構築後に予め所定位置に複数設置しておく。あるいは、1区画の廃棄体Aの定置作業が終了する度に設置してもよい。
【0051】(8) 図9の■に示すように、隔壁11には予めモルタル供給管80が隔壁11を貫通して配管されており、コンクリートピット2内の定置空間にモルタル4が扉体51を妻枠として充填される。
【0052】(9) 図9の■に示すように、モルタル4の充填が完了すると、隔壁11を1区画分だけ移動させ、前述の工程を繰り返す。
【0053】前述の定置作業において、搬送車21は、各列に配設して同時に稼動させることができる。搬送車21の搬送工程やシャッター式の仕切り壁10の作動等は、コンピュータ制御による遠隔操作で自動的に行なうことができる。
【0054】なお、トンネル1の全ての定置作業が終了すると、図1に示すように、コンクリートピット2の上に上部ベントナイト3cを施工し、トンネル1の上部空間を埋戻し土5で埋戻し、次いで、主要坑道,連絡坑道,アクセス坑道を埋め戻し、地上施設の解体・撤去を行い、埋設処分が完了する。
【0055】以上のような本発明では、図10に示す従来の定置クレーンのためのスペース6を無くすことができ、図1に示すように、コンクリートピット2の高さを高くして廃棄体Aを従来よりも高く積み上げることができる。
【0056】また、廃棄体の搬送車21や定置架台の搬送車23が走行溝20を案内として走行するため、無軌道のフォークリフト方式等と比べて、遠隔操作の信頼性が大幅に向上し、各列・各段の廃棄体Aを定置位置に精度良く迅速に定置することができる。
【0057】さらに、廃棄体の搬送車21は、荷台29に重量物の廃棄体Aを載せ、2段目以上は油圧ジャッキ28等によりリフトアップさせ、押し込み装置26で押し込むことにより廃棄体Aの移載を行うため、カウンターウェイトや大型の駆動装置等が必要なく、非常にコンパクトで簡単な構造となり、機械的および操業システムとしての信頼性が高く、経済的となる。
【0058】また、廃棄体Aの下面の車輪40と、廃棄体Aや定置架台22の上面のガイド溝41・荷台29のガイド溝42により、上に積み重ねる廃棄体Aを押し込むだけで、簡単に精度良く廃棄体の積み重ねを行うことができる。
【0059】また、仕切り壁をシャッター方式としているため、所定数の廃棄体Aの定置作業が完了したコンクリートピット内に仕切り壁を無人で簡単に短時間に設置することができ、また、コンクリートピット内を隙間無く確実に仕切ることができ、モルタル等の充填材が漏れることがない。
【0060】さらに、シャッター方式の仕切り壁10の上に隔壁11を設置し、廃棄体Aの搬入・定置が行なわれる管理区域と、反対側の作業区域とを完全に遮断するため、モルタル4の充填作業などを安全に行なうことができると共に、ミキサー車等を近くまで寄せて充填作業を行なうことができる。
【0061】なお、処分空間としてのトンネルの工法・形状は、図示例に限らず、山岳トンネル工法による幌型など、あるいはシールド工法等によるものでもよい。格納躯体としてのピットの形状・材質も、図示例に限定されない。
【0062】また、処分空間はトンネル型に限らず、その他の型式の処分空間にも本発明を適用できる。さらに、処分空間に格納躯体と外周充填材を設ける埋設処分施設に限らず、格納躯体と外周充填材を設けない埋設処分施設にも本発明を適用できる。また、放射性廃棄物に限らず、その他の廃棄物の埋設処分にも適用が可能である。
【0063】
【発明の効果】(1) 処分空間内を搬送車を走行させ、1段目は荷台上の廃棄体を押し込みにより定置架台上に移載し、2段目以上は搬送車の荷台をリフトアップさせて荷台上の廃棄体を押し込みにより下段の廃棄体上に移載し、廃棄体を複数段に積み上げることができるため、従来の定置クレーンを無くすことができ、処分空間を有効に活用することができる。特に、トンネル型処分施設では、処分空間の上部を大きく占有する定置クレーンの設置スペースが無くなることで、廃棄体の収納効率が格段に向上し、廃棄体処分の経済性が大幅に向上する。
【0064】(2) 案内上を廃棄体の搬送車が走行するため、フォークリフト方式と比べて、遠隔操作の信頼性が格段に向上し、廃棄体を所定の定置位置に精度良く迅速に定置でき、安全性・作業性が大幅に向上する。
【0065】(3) 搬送台車は荷台に廃棄体を載せ、2段目以上はリフトアップさせ、押し込み装置で押し込むことにより、廃棄体の移載を行うため、カウンターウェイト等が必要なく、非常にコンパクトで簡単な構造となり、機械的および操業システムとしての信頼性が高く、経済的となる。
【0066】(4) 廃棄体の下面の車輪等と、廃棄体、定置架台、荷台の上面のガイド溝等により、上に積み重ねる廃棄体を押し込むだけで、簡単に精度良く廃棄体の積み重ねを行うことができる。
【0067】(5) 仕切り壁をシャッター方式としているため、所定数の廃棄体の定置作業が完了した格納躯体等の内部に仕切り壁を無人で簡単に短時間に設置することができ、また、格納躯体等の内部を隙間無く確実に仕切ることができ、モルタル等の充填材が漏れることがなく、作業性が大幅に向上する。
【0068】(6) シャッター方式の仕切り壁の上に隔壁を設置し、廃棄体の搬入・定置が行なわれる管理区域と、反対側の作業区域とを完全に遮断するため、モルタル等の充填作業などを安全に行なうことができると共に、ミキサー車等を近くまで寄せて充填作業を行なうことができ、安全で確実な作業が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
【出願日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【代理人】 【識別番号】100070091
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 知 (外1名)
【公開番号】 特開2002−341093(P2002−341093A)
【公開日】 平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願番号】 特願2001−152211(P2001−152211)