| 【発明の名称】 |
原子炉圧力容器の搬出方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】青木 昌隆
【氏名】根矢 武雄
【氏名】米村 秀雄
【氏名】佐川 渉
【氏名】細谷 清和
【氏名】久保 正雄
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| 【要約】 |
【課題】原子炉格納容器のγシールドを取り外しせずに、炉内外付帯機器を含む原子炉圧力容器を取り替えることができる原子炉圧力容器の搬出方法を提供する。
【解決手段】γシールド17とは異なる上部シャヘイ体を57aをγシールド上部に設定した後、炉心部シャヘイ体57bを原子炉建屋31内の炉内構造物2及びCRDハウジング23等を含む原子炉圧力容器1に原子炉建屋31内にて取り付け、これらシャヘイ体57a,57bが取り付けられた原子炉圧力容器1を、原子炉建屋31外へ搬出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】γシールドとは異なる放射線遮蔽体をγシールド上部に設定した後、前記放射線遮蔽体を原子炉建屋内の炉内外付帯機器を含む原子炉圧力容器に原子炉建屋内にて取り付け、前記放射線遮蔽体が取り付けられた原子炉圧力容器を、原子炉建屋外へ搬出することを特徴とする原子炉圧力容器の搬出方法。【請求項2】請求項1記載の原子炉圧力容器の搬出方法において、前記原子炉圧力容器は、ノズル部を切断した後に搬出されることを特徴とする原子炉圧力容器の搬出方法。【請求項3】請求項2記載の原子炉圧力容器の搬出方法において、前記γシールドの内壁に干渉しないノズル高さで前記ノズル部を切断することを特徴とする原子炉圧力容器の搬出方法。【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項記載の原子炉圧力容器の搬出方法において、前記炉内外付帯機器を含む前記原子炉圧力容器が搬出される時に、前記原子炉建屋内の汚染空気が前記開口部から前記原子炉建屋外へ流失しないように、前記開口部の近傍に設けられた吸排気設備により、前記汚染空気を吸入、清浄してから前記原子炉建屋外へ排気することを特徴とする原子炉圧力容器の搬出方法。【請求項5】請求項4記載の原子炉圧力容器の搬出方法において、前記吸排気設備は、前記汚染空気を吸入するために前記開口部近傍に吸い込み口を付けた吸い込みダクトと、前記汚染空気を清浄するフィルタと、前記清浄された空気を排気する排気ファンと、前記空気を前記原子炉建屋外へ排気するための排気ダクトを有することを特徴とする原子炉圧力容器の搬出方法。 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明に属する技術分野】本発明は、炉内外付帯機器を含む原子炉圧力容器の搬出方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】原子炉圧力容器は、原子力発電所の最重要機器であり、原子力発電所の供用期間は、一般に、RPV及び炉内外付帯機器の耐用期間に依存している。また、原子力発電所が供用期間を終了した場合、その原子力発電所を解体しRPVを廃炉にしなければならない。 【0003】上記廃炉技術の一例で、特開平6−230188号公報に記載されている原子炉圧力容器の搬出方法は、大気中に放射線を放出させることのない原子炉圧力容器の搬出方法であって、新しい原子炉圧力容器を搬入することを含めた原子炉圧力容器の取替方法ではない。 【0004】一方、電力需要供給上、廃炉にした原子力発電所を補うためには、新たな原子力発電所の設置が必要となる。 【0005】しかし、新たな原子力発電所の建設を行うには、長期工事日数と莫大なコストがかかる。また、新たな原子力発電所を建設するためには、立地条件を満たす立地候補計画,立地近接住民の同意等のさまざまな課題をクリアしていく必要がある。 【0006】したがって、現在稼働している経年原子力発電所の供用期間を延長することが重要課題となってきている。 【0007】経年原子力発電所では、原子炉圧力容器(以下、RPVと称す)及び炉内外付帯機器の炉内構造物を除いて、各設備・機器の補修,取替が適時行われており、原子力発電プラントのリフレッシュ化が講じられている。供用期間内でのプラント運転を行う考え方に立った場合、RPV及び炉内構造物を取替えることは必要なかった。 【0008】また、最近、経年プラントにおいて、炉内外付帯機器やRPVと制御棒駆動装置の接合部などに予防保全対策が必要な個所が発見されてきた。これらの炉内外付帯機器の修理や取替の予防保全を個々に実施すると長期工事日数と莫大なコストがかかることから、経年原子力発電所の供用期間を延長する対策や炉内外付帯機器の予防保全対策として、炉内外付帯機器を含んだRPVの取替方法の確立が必要となってきた。この場合、プラント停止期間をできるだけ短縮することが重要である。 【0009】RPVの取替工事を行う上で、原子炉格納容器の放射線遮蔽体(以下、γシールドと称す)自体はそのまま継続して使用することができるが、初期の原子力発電プラントは、RPVノズルがγシールド内に入り込んだ形状となっているため、RPVの搬出入を考えた場合、RPVノズルがγシールドと干渉するため、RPVの取替工事を行う上で、γシールドを取り外しせざるを得ない計画となっていた。炉内外付帯機器を含んだRPV取替工事では、いかにプラント停止期間を短縮し、いかに短期間で行うかが課題となっている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術は、1.RPVの搬出方法は考えられていたが、新しいRPVの搬入を含めたRPVを取り替える方法は考えられていなかった。 2.初期の原子力発電プラントは、RPV中心よりノズルの先端までの距離がγシールド内径寸法より大きく、RPVノズルがγシールド内に入り込んだ形状になっているため、RPVの取り替えを考えた場合、RPVの搬出入時において、RPVノズルが既存のγシールドと干渉する。このためRPV取り替え時には、既存のγシールドも取り外さなければならず、取替工事に莫大な時間と費用がかかってしまうという問題があった。 【0011】本発明の目的は、上記課題を解決し、原子炉格納容器のγシールドを取り外しせずに、炉内外付帯機器を含むRPVを取り替えることができる原子炉圧力容器の搬出方法を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成するために、本発明は、γシールドとは異なる放射線遮蔽体をγシールド上部に設定した後、前記放射線遮蔽体を原子炉建屋内の炉内外付帯機器を含む原子炉圧力容器に原子炉建屋内にて取り付け、前記放射線遮蔽体が取り付けられた原子炉圧力容器を、原子炉建屋外へ搬出する。【0013】これにより、原子炉圧力容器の周囲に配置されているγシールドを取り外しせずに、炉内外付帯機器を含む原子炉圧力容器を、炉内外付帯機器を含む原子炉圧力容器が据付けられていたままの形態で原子炉建屋外へ搬出することができ、また新たな炉内外付帯機器を含む新たな原子炉圧力容器を、γシールドを取り外しせずに、新たな炉内外付帯機器を含む新たな原子炉圧力容器が搬出前に据付けられていたままの形態で、原子炉建屋内へ搬入することができる。これにより、γシールドを取り外しする時間が不要となり、炉内外付帯機器を含む原子炉圧力容器の取り替え時間の大幅な低減を行うことができる。【0014】このとき、例えば炉内外付帯機器を含む原子炉圧力容器を一体で吊り上げながら、γシールド上部に設定したγシールドとは異なる放射線遮蔽体に格納し、原子炉建屋の上部に設けられた開口部から原子炉建屋外に搬出するようにすれば、高放射線下での作業が緩和され、搬出に要する時間が短縮され、外部環境に放出される放射性物質の量を少なくすることができる。【0015】(2)上記(1)において、好ましくは、前記原子炉圧力容器は、ノズル部を切断した後に搬出される。【0016】(3)上記(2)において、さらに好ましくは、前記γシールドの内壁に干渉しないノズル高さで前記ノズル部を切断する。【0017】(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、また好ましくは、前記炉内外付帯機器を含む前記原子炉圧力容器が搬出される時に、前記原子炉建屋内の汚染空気が前記開口部から前記原子炉建屋外へ流失しないように、前記開口部の近傍に設けられた吸排気設備により、前記汚染空気を吸入、清浄してから前記原子炉建屋外へ排気する。【0018】これにより、原子炉建屋内を負圧に保ち気密維持を行うことができ、放射性物質が外部環境に放出されるのを防止することができる。【0019】(5)上記(4)において、さらに好ましくは、前記吸排気設備は、前記汚染空気を吸入するために前記開口部近傍に吸い込み口を付けた吸い込みダクトと、前記汚染空気を清浄するフィルタと、前記清浄された空気を排気する排気ファンと、前記空気を前記原子炉建屋外へ排気するための排気ダクトを有する。【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例に係る原子炉圧力容器の取替方法及び原子炉圧力容器取替時の設備を、図を用いて詳細に説明する。 【0021】図1は、炉内外付帯機器を含むRPVの断面を示す。 【0022】炉内外付帯機器のうち、RPV1内の各機器は、一般に炉内構造物2と呼ばれている。炉内構造物2は、蒸気乾燥器3,シュラウドヘッド(気水分離器を含む)4,炉心シュラウド5,炉心支持板6,上部格子板7,シュラウドサポート8等から構成されており、炉心部を形成する炉内各機器を収納するとともに、炉心に入る原子炉冷却材の流れを導くための仕切りとなって、炉心への原子炉冷却材流路,気水混合物との流路,および内蔵された気水分離器にて分離された水と蒸気のため必要な流路とを形成し、これにより原子炉冷却水の循環回路を与えるものである。 【0023】RPV1には、主蒸気ノズル9,給水ノズル10,炉心スプレイノズル11,再循環入口ノズル12,再循環出口ノズル(以下、RPVノズルと称す)13などが設けられており、上記で示した各ノズル先に各系統配管がつながっている。 【0024】RPV1の頂部には、原子炉圧力容器蓋(以下RPVヘッドと称す)37があり、RPV1の底部には、炉内外付帯機器のうち、制御棒駆動装置(以下、CRDと称す)20を収納するCRDハウジング23や中性子束検出器(以下、ICMと称す)21を収納するICMハウジング24がある。 【0025】図2は、図1の炉内外付帯機器(炉内構造物2,CRDハウジング23等)を含むRPVが収納されている原子炉格納容器の断面を示す。 【0026】1はRPV、16は原子炉格納容器(以下PCVと称す)、31は原子炉建屋、17はγシールド、9〜13はRPVの各ノズルである。 【0027】PCV16内には、RPV1の外周に設けたRPV保温材92及びγシールド17、RPV1をRPV基礎ボルト28で固定しRPV1の基礎の役目であるRPVペデスタル18、また、PCV16上部には、燃料交換時や炉内構造物を取り出す際水を張るための原子炉ウェル32とPCV16内を仕切る燃料交換ベローズ15とバルクヘッドプレート19が備えられている。 【0028】なお、RPVペデスタル18内には、CRDハウジング23,CRDハウジング23を支持するCRDハウジングサポートビーム22とCRDハウジングサポートブロック25,ICMハウジング24が備えられている。 【0029】γシールド17と上記RPVペデスタル18の接続は、γシールド基礎ボルト29にて支持されている。 【0030】γシールド17上部には、PCV16の耐震用サポートPCVスタビライザ30とRPVの耐震用サポートRPVスタビライザ30aとが設けられている。 【0031】図3は、図2のPCV16が収められている原子炉建屋31の断面を示す。 【0032】原子炉建屋31内には、使用済燃料プール33があり,使用済燃料プール内には使用済燃料を保管するラック56があり、PCV16上部には原子炉ウェル32がある。 【0033】次に、図4から図16を用いて、本発明の一実施例に係る原子炉圧力容器の取替方法のうち、炉内外付帯機器(炉内構造物2,CRDハウジング23等)をRPVと一体とした大型ブロック化(モジュール化)による搬出方法及びその設備の詳細説明を行う。 【0034】図4は、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロック化(モジュール化)による一連の搬出作業のフローチャートを示す。 【0035】始めに、ステップ35で発電機が解列されて原子力発電所の定期検査が始まり、次に原子炉開放作業が行われる(36)。 【0036】原子炉開放作業は、炉心内の燃料を取扱うために必要なクリティカル作業であり、主に、RPVヘッド37を取外すRPVヘッド取外し作業,蒸気乾燥器3を取外す蒸気乾燥器取外し作業,シュラウドヘッド4を取外すシュラウドヘッド取外し作業が実施される。 【0037】次に、炉心内の全数燃料取出作業が行われる(38)。全数燃料取出作業は、炉心内に装荷されている燃料全数を使用済燃料プール33の使用済燃料ラック56へ移動させる作業である。 【0038】図5は、炉心内の全数燃料取り出し作業中の搬出要領を示す。 【0039】1はRPV、2は炉内構造物、23はCRDハウジング、27は燃料、19は原子炉ウェル32とPCV16内を仕切るバルクヘッドプレートを示している。 【0040】RPV1及び炉内構造物2の搬出を実施する場合は、燃料そのものが放射線源であるため、燃料を装荷した状態でRPV1及び炉内構造物2を原子炉建屋31外へ搬出するには、大気中の放射能汚染の危険性があること並びにRPV1表面線量を下げるために全数燃料取出作業が実施されるのである。 【0041】燃料の全数取出しが終了したら、RPV1内に入っている炉水の水抜きを行い、次に、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロック化(モジュール化)による搬出作業を行う。 【0042】なお、上記記載の炉水の水抜き作業を行わず、RPV1内に炉水が入った状態でも良い。その場合、炉水は、RPV1,炉内構造物2、CRDハウジング23等を原子炉建屋外へ搬出する際の遮蔽効果がある。 【0043】但し、上記炉水が入った状態にて実施する場合、RPV1に設けられた各ノズル9〜13からの水漏れを防止するために各ノズル9〜13部にノズルプラグをする必要がある。 【0044】図6は、バルクヘッドプレート、配管撤去部並びにペデスタル内解体位置を示す搬出要領図である。破線は撤去する範囲を示している。 【0045】19は原子炉ウェル32とPCV16内を仕切るバルクヘッドプレート、30はPCVとγシールド17を接続する耐震サポートのPCVスタビライザ、34はRPV1の各ノズルに接続している配管、14は配管切断時に炉水の漏れを防ぐためのノズルプラグである。 【0046】ステップ39で、最初にRPV1の解体作業を実施する。 【0047】RPV1の解体作業は、以下の手順で行う。 【0048】1.バルクヘッドプレート19の切断作業を行う(40)。 【0049】2.PCVスタビライザ30の切断作業を行う(41)。 【0050】3.RPVノズル部9〜13とそのノズル部に取付けられた配管34の切断作業を行う(42)。 【0051】4.切断されたノズルと配管の搬出作業を行う(43)。 【0052】5.RPV基礎ボルト28を緩めてRPVペデスタル18とRPV1の切り離し作業を行う(44)。 【0053】一方、RPV1の解体作業と並行しながら、ステップ45でRPVペデスタル18内の解体作業を、以下の手順で実施する。 【0054】1.CRDハウジングサポートブロック25の撤去作業を行う(46)。 【0055】2.CRD20とICM21のケーブル取外し作業を行う(47)。 【0056】3.CRD20の取外し作業を行う48。 【0057】4.CRD挿入、引き抜き配管20aの切断作業を行う(49)。 【0058】5.上記ハウジングサポートビーム22の取外し作業を行う(50)。 【0059】ここで上記したRPVノズル部9〜13の切断の例を代表ノズル13を用いて図7により説明する。 【0060】図7は、図2のA部のRPVノズル13周辺の詳細を示す。RPVノズル13とγシールド17の位置関係を示を示しており、γシールド17には、RPVノズル13の位置にノズル開口部90が形成され、RPVノズル13はノズルセーフエンド13bと溶接により接続配管13cに接続されている。 【0061】RPVノズル13とノズルセーフエンド13bの溶接線67aは、γシールド17内に68aの寸法分入り込んでいる。RPV1の外周には、RPV保温材92が装着されており、RPVノズル13には、ノズル保温材92aが装着されている。又、接続配管13cには、配管保温材92bが装着されている。γシールド17の前記開口のノズル保温材92aの外側はシールドプラグ64で塞がれている。 【0062】接続配管13cの切断の場合、まず、シルードプラグ64を取り外し、接続配管13cの外周に装着されている配管保温材92bを取り外して、RPVノズル13に装着されているノズル保温材92aを取り外した上で、ノズルセーフエンド13bと接続配管13cの切断を切断位置67bで行い、次に接続配管13cを切断位置67cで切断し接続配管13cを撤去する。 【0063】次いでRPVノズル13の切断位置67でノズルを切断する。RPVノズル13の切断位置67は、RPV1搬出時、γシールド17と切断されたRPVノズル13が干渉しないノズル高さとなるようγシールド17の内壁位置よりRPV1胴体側とし、RPVノズル13の切断位置67とγシールド17の間隙68は、RPV1搬出(吊り上げ移動)時にγシールド17と切断されたRPVノズル13が干渉しないための余裕度を確保した間隙とする。 【0064】配管を撤去する他の方法として、配管13cの切断位置67bをノズル切断位置67と同一な位置にして配管を撤去する方法を採用しても良い。切断したあとのRPVノズル13からはRPV1内部の放射線が出て来るので、ノズル切断口に仮遮蔽板を取り付けて密閉する。 【0065】以上述べた、RPVの解体作業,RPVペデスタル内の解体作業が終了したのち、次に、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロック化による吊り上げを行いながら遮蔽体取り付け作業を行う(51)。 【0066】図8は、RPV吊り上げ前の状態を示す搬出要領図である。57aはγシールド17上部に設置したRPV1の上部遮蔽(以下、シャヘイと称す)体、57bはγシールド17上部に仮置きしたRPV1の炉心部シャヘイ体である。 【0067】図9は、RPV1を吊り上げた状態を示す搬出要領図で、γシールド17上部に仮置きしたRPV炉心部シャヘイ体57bを炉心部に設定した状態を示している。 【0068】図10は、RPV1吊り上げ状態でRPV下部シャヘイ体57cを取り付けた状態を示す搬出要領図である。 【0069】図11は、RPV1吊り上げ状態でCRDハウジング23部にカバー57dを取り付けた状態を示す搬出要領図である。 【0070】炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロック化による一体搬出作業を行うに当たっては、RPV1及び炉内構造物2の放射線量が極めて大きい為、原子炉建屋31外に搬出する前に円筒状のシャヘイ体57a〜57dを取り付ける作業を行う(51)。 【0071】また、屋外に搬出した際にRPV1表面などに付着した放射性のダストの飛散を防止するために、円筒状のシャヘイ体57a〜57dでRPV1を密封することが必要である。 【0072】図8〜図11でシャヘイ体57a〜57dを取り付ける作業を説明する。 【0073】RPV1の上部シャヘイ体57aをγシールド17上部に設定する。次にRPV1の炉心部シャヘイ体57bをγシールド17の上部に仮置きしておき、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックをγシールド17の上部に吊り上げながら、RPV炉心部外表面にRPV炉心部シャヘイ体57bを設定する。 【0074】次に、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックをつり上げた状態で、数分割されたRPV下部シャヘイ体57cを取り付け、次いでCRDハウジング23部分及び大型ブロック底部にシャヘイ体57dを取り付けて、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックを、シャヘイ体57a〜57dに格納し密閉状態にする。 【0075】図12は、大型揚重機でRPV1を吊り上げた状態を示す搬出要領図である。 【0076】炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロック化によるステップ52での一体搬出作業は、原子炉建屋31の天井部に仮開口部58の設置を行い(54)、原子炉建屋31の近傍部に大型揚重機60を設置し(55)、大型揚重機60にて吊り上げ(53)、仮開口部58から原子炉建屋31外へ搬出する。この際、原子炉建屋31の仮開口58から、原子炉建屋31内の放射性物質を含んだ空気を原子炉建屋31外に放出しないように、仮開口部58に開閉自在なシャッタ59を設置する。 【0077】図13は、図12のB部の吸排気設備の詳細を示す。図13を用いて、原子炉建屋仮開口58から原子炉建屋31内の放射性物質を含んだ空気を原子炉建屋31外に放出させない対策を説明する。 【0078】原子炉建屋31の上部、例えば天井部に設けた仮開口部58には、放射能が外部に漏れないように蓋もしくはシャッタ59を設ける。この際、原子炉建屋31の汚染空気が、仮開口部58から屋外へ流失することを防ぐために、開口部近傍に吸排気設備を設け、更に原子炉建屋31を負圧に保ち気密維持を行う方法を併用すれば、対策の効果が大幅にあがる。 【0079】この方法は、仮開口部58付近に吸い込み口のついたダクト62を設け、フィルタ63、排気ファン64により、排気ダクト65を通ってスタック66より屋外へ排気する設備を設置することにより原子炉建屋を負圧に保ち気密維持を行うことができる。 【0080】また、原子炉建屋屋上部にクリーンルームを設置して気密維持を行う方法を次に説明する。 【0081】図14は、原子炉建屋屋上部にクリーンルームを設置して、大型揚重機で、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックを吊り上げた状態を示す搬出要領図である。 【0082】図14に示すように、原子炉建屋31外へ搬出する際、原子炉建屋31の天井部に隣接したクリーンルーム61を設け、その中に炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックを移動し、原子炉建屋31のシャッタ59を閉じた後、原子炉建屋31外に搬出する方法もある。 【0083】大型揚重機60は、自らの自重と、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックを吊り上げ時の重量とに耐えるように地面にジャリを敷きつめその上に鉄板を敷くことにより、地盤強化の対策を行ってから、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックの搬出を行うものとする。 【0084】なお、原子炉建屋31より搬出された、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックの保管は、原子炉建屋31近傍に設けた廃棄物保管庫へ挿入し保管する方法と、原子力発電所敷地内に設けられた廃棄物保管庫へ大型トレーラにより輸送し、保管する方法があり、いずれの場合も、遮蔽や除染により環境へ影響しない程度まで表面線量を低減した上で廃棄物保管庫で保管することができる。 【0085】以上により、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロック化による搬出作業が終了する。 【0086】次に、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロック化による搬入方法及びその設備の詳細説明を行う。 【0087】図15は、図2のA部のRPVノズル13の拡大詳細で、新しく搬入するRPVノズル形状の改善の実施例1を示している。 【0088】図15にて、RPVノズルの改善前の形状と改善後の形状を比較しながら説明する。 【0089】13は取り替え前の旧RPVノズル、13aは本発明による新しく搬入するRPVのノズル、13bはノズルに溶接するノズルセーフエンド、D1は旧RPVのノズル管台とRPV胴との溶接線の直径、D2は新RPVのノズル管台とRPV胴との溶接線の直径、Laは旧RPVノズル管台の高さ、Lbは新RPVノズル管台の高さを示す。 【0090】旧RPVノズル13の高さLaのままでは、ノズルの高さが高く旧RPVノズル13がγシールド17内に入り込み、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロックを搬入する際にRPV1のノズルとγシールド17が干渉する。RPVノズルとγシールド17が干渉しないでRPV1を搬入できるようにするためには、RPVノズル13のノズル高さを、低くし、γシールド17の内壁よりRPV1の胴側に持ってくるようにRPVノズル13aの形状、寸法にする必要がある。 【0091】RPV1のノズル形状を、旧RPVノズル13の形状と同様にした場合、ノズル管台部の補強設計に対する規格要求により、補強及び形状規定を満足するための高さが必要とされ、RPVノズル13の高さをγシールド17と干渉しないまでに低くすることはできない。 【0092】このため、新しく搬入するRPV1については、ノズル部の構造、溶接位置等について、γシールド17と干渉が生じないようノズルの高さを低くする工夫が必要である。 【0093】ノズル高さの低減は、ノズル構造形状を次のように工夫し、従来のものから変更することにより達成する。 【0094】旧RPVノズル13は、管台部の形状寸法を決定する際、ノズル管台の補強をRPV胴側の板厚は変えないで管台自身で行っていたために、管台が厚肉となりかつ管台の高さLaが高いものとなっていた。 【0095】改善した新RPVノズル13aでは、規格で要求されている規定を満足させつつ、ノズル管台の補強の設計方法を工夫して管台高さを低くした。すなわち、管台部の構造形状の決定において、管台のRPV胴側の板厚を厚くし、かつノズル管台とRPV胴との溶接線の直径D2を従来の直径D1よりも大きくしてこの部分に補強の余肉を設けることにより、RPV胴の外側に張り出している管台部分に補強のために必要とされる余肉を小さくせしめて、管台の高さをLbのように低くした。 【0096】これにより、RPVノズル13aの高さをγシールド17内壁よりRPV1胴側に持ってくることができ、RPV1を吊り下げた状態でRPVノズル13a先端とγシールド17が干渉しない間隙69を確保することができる。 【0097】図16は、図2のA部のRPVノズル13の拡大詳細で、新しく搬入するRPVノズル形状の改善の実施例2を示している。 【0098】図16にて、RPVノズルの改善前形状と実施例1の改善後の形状を比較しながら説明する。 【0099】13は旧RPVノズル、Laは旧RPVのノズルの高さ、13dは改善した新RPVのノズル、Lbは新RPVノズルの高さを示す。改善した新RPVノズル13dは、ノズル管台をRPV胴の内側まで張り出させてこの部分に補強の余肉を持たせ、かつRPV胴の外面側の管台外面形状を傾斜させることにより、管台の高さをLbのように低くしたものである。これにより、RPVノズル13dの高さをγシールド17内壁よりRPV1胴側に持ってくることができ、RPV1を吊り下げた状態でRPVノズル13d先端とγシールド17が干渉しない間隙69を確保することができる。 【0100】以上のようにしてRPVノズルの高さを低くする改善をすることにより、ノズルとγシールド17の内壁の間隙69は、RPV1搬入(吊り下げ移動)時にRPVノズルとγシールド17が干渉しないための余裕度を確保した間隙とすることができ、この方法によってRPVノズルとγシールド17が干渉せずにRPV1を搬入することができる。 【0101】次に図17から図23を用いて、本発明の一実施例に係る原子炉圧力容器の取替方法のうち、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPVと一体とした大型ブロック化(モジュール化)による搬入方法及びその設備の詳細説明を行う。 【0102】図17は、炉内構造物2及びCRDハウジング23等をRPV1と一体とした大型ブロック化(モジュール化)による一連の搬入作業のフローチャートを示す。始めに、ステップ72で大型ブロック化されたRPVの搬入作業を行う。 【0103】図18は、大型ブロック化された新RPVの搬入要領図である。図18に示すように、新しいRPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等を大型ブロック化して搬入する(73)。 【0104】工場または現地にて、RPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等を一体構造物にした大型ブロック化の搬入作業を行うに当たっては、RPV1搬出時と同様、ステップ71で原子炉建屋31近傍部に設置された大型揚重機60にて吊り上げ、RPV1搬出時に使用した原子炉建屋31に設けられた仮開口部58のシャッタ59を開けて(70)、そこから原子炉建屋31に搬入させる。 【0105】原子炉建屋31の仮開口部58のシャッタ59を開ける際、原子炉建屋31の汚染空気が仮開口部58から屋外に流失することを防ぐ方法は、RPV1搬出時と同様、原子炉建屋31の仮開口部58近傍に排気設備を設けて、原子炉建屋31を負圧に保ち気密維持を行う方法の対策を行う。 【0106】次に、原子炉建屋31内のPCV16に新しいRPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等を一体化し搬入し、RPV1をRPVペデスタル18に据え付けた後、RPVの設定作業を行う(74)。 【0107】図19は、新RPV1がRPVペデスタル18上に設定された状態を示す復旧要領図である。 【0108】図20は、RPVノズル13a,ノズルセーフエンド13b,配管13cの接続並びにペデスタル内の作業箇所を示す復旧要領図である。 【0109】図21は、バルクヘッドプレート19の取り付け箇所を示している。 【0110】新RPV1の設定作業は、以下のものであるが、手順は必ずしも下記の順序通りでなくともよい。 【0111】1.RPVの基礎ボルト28締め付け作業を行う(75)。 【0112】2.RPVスタビライザ30aの設定作業を行う(76)。 【0113】3.RPVノズル部9〜12,13aのノズルとノズルセーフエンド13bの溶接作業を行う(77)。 【0114】4.ノズルセーフエンド13bと配管13cの溶接作業を行う(78)。 【0115】5.バルクヘッドプレート19の溶接作業を行う(79)。 【0116】一方、RPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等の一体搬入作業の後、PCV16内の作業と並行しながら、ステップ80でRPVペデスタル18内の設定作業を行うが以下の手順で実施する。 【0117】1.ハウジングサポートビーム22の取付け作業を行う(81)。 【0118】2.CRD挿入,引き抜き配管接続作業を行う(82)。 【0119】3.CRD20の取付け作業を行う(83)。 【0120】4.CRD20とICM21のケーブル取付け作業を行う(84)。 【0121】5.CRDハウジングサポートブロック25の取付作業を行う(85)。 【0122】上記によりRPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等を一体化した大型ブロック化による一連の搬入作業が終了する。 【0123】その後、通常の定期検査の主要作業へ移行していく。ステップ86でCRDの点検作業を行う。次に全燃料装荷と燃料シャフリング作業を行う(87)。次に、炉心確認作業を行う(88)。次に、原子炉復旧作業を行い(89)、RPVの漏洩試験,PCV内機器の復旧作業,PCV内の漏洩試験,原子力発電所全系統を対象にした系統構成試験,起動前試験を行って原子力発電所の定期検査が終了する。 【0124】以上、上述した実施例は、既存のγシールドを移動せずに、RPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等を一体化した大型ブロック化(モジュール化)による取り替えを示した実施例であるが、RPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23の構造物をそれぞれ搬出入する場合についても、上述した方法にて取り替えを行なえるのは言うまでもない。 【0125】次に、本発明の他の実施例の原子炉圧力容器の取替方法を説明する。 【0126】他の実施例は、RPV1のノズルを改善すること無く、γシールド17に設けられているRPVノズル部の開口部のγシールド17内壁を一部切除し、RPV搬入後、削除した内壁を復旧する方法である。 【0127】図22は、図4で説明した搬出方法でRPVを搬出した後のγシールド17の全体図である。RPVノズル部のγシールド17にはノズル開口部90が設けられている。このγシールド17のノズル開口部90のままでは、新RPV1を搬入する際RPVノズルが干渉してRPV1の搬入ができない。 【0128】図23は、本発明の他の実施例の原子炉圧力容器の取替方法を実施するために、RPV1のノズル干渉部分を切除したγシールド17の全体図である。91はγシールド17頂部よりノズル開口部90までのγシールドの内壁を切除した部分を示している。 【0129】RPV1搬出後、新RPV1搬入前に、新RPVノズルと干渉するγシールド17の頂部からノズル開口部90までのγシールドの内壁部分91を、γシールド17上端よりノズル開口部90まで切除する。 【0130】γシールド17の内壁部分91の切除方法は、回転刃の付いたカッターを用いたカッター法や人工ダイヤモンド粉を金属で溶着させたワイヤーを用いるワイヤーソー法などによって、γシールド17の外枠鉄板と内蔵されたコンクリートを同時に切断し、撤去する。 【0131】この状態で新RPV1を搬入し、新RPV1をRPV基礎ボルトによってRPVペデスタル18に固定し据え付け完了後、切除したγシールド17の内側部分91の鉄板の貼り付けを行い、内部に遮蔽材のコンクリート又は鉛などを充填してγシールド17を復旧させる。RPV1の設定作業並びにペデスタル内の設定作業は、図17で説明した作業と同様に行い、RPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等を一体化した一連の搬入作業が終了する。 【0132】その後、通常の定期検査の主要作業へ移行していき、各種試験を経て原子力発電所の定期検査を終了する工程は、図17で説明した工程と同様である。 【0133】この方法によっても、新RPV1の搬入時の新RPV1の各ノズルとγシールドの17干渉を回避し、既存のγシールド17を移動せずに、RPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等を一体化した大型ブロック化(モジュール化)による取り替えが可能である。 【0134】上述の各実施例によれば、工場または発電所敷地内で、RPV1本体に炉内構造物2,CRDハウジング23等が組み付けられ、既存のγシールド17を取り外しせずに、一体として原子炉建屋31外へ搬出、原子炉建屋31内に搬入、据え付けが行われるので、RPV1,炉内構造物2,CRDハウジング23等の取り替え時間が低減され、原子力発電所寿命延長工事の際のプラント停止期間を短縮することができる。 【0135】 【発明の効果】本発明によれば、RPV本体及び炉内外付帯機器(炉内構造物,CRDハウジング等)の、据付け場所からの搬出時間,据付け場所への搬入時間,据え付け時間が低減され、原子力発電所寿命延長工事の際のプラント停止期間を短縮することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社
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| 【出願日】 |
平成7年11月28日(1995.11.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077816 【弁理士】 【氏名又は名称】春日 讓
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| 【公開番号】 |
特開2002−341090(P2002−341090A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月27日(2002.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−100312(P2002−100312) |
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