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【発明の名称】 ガラス溶融炉の給電装置
【発明者】 【氏名】臼庭 行男

【要約】 【課題】溶融炉本体の交換を容易に短時間で行えるようにする。

【解決手段】溶融炉本体1を載置する支持台2に固定した支持台給電部19と、セル3を貫通する貫通プラグ13に設けたセル側給電部14と、支持台給電部19とセル側給電部14との間を着脱部17,18により接続可能な板状電路20と、溶融炉本体1における支持台給電部19の上部位置に固定した炉側板状電路21と、支持台給電部19に対し導電可能且つ昇降可能に接続した当接導電部24と、支持台2側に備えて当接導電部24を炉側板状電路21の下面に圧着し得る圧着駆動装置25とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 溶融炉本体を載置する支持台に固定した支持台給電部と、セルを貫通する貫通プラグに設けたセル側給電部と、前記支持台給電部とセル側給電部との間を着脱部により接続可能な板状電路と、前記溶融炉本体における前記支持台給電部の上部位置に固定した炉側板状電路と、前記支持台給電部に対し導電可能且つ昇降可能に接続した当接導電部と、前記支持台側に備えて前記当接導電部を炉側板状電路の下面に圧着し得る圧着駆動装置と、を備えたことを特徴とするガラス溶融炉の給電装置。
【請求項2】 溶融炉本体を載置する支持台に設けた圧着駆動装置と、支持台に載置した溶融炉本体における前記圧着駆動装置の上部位置に固定した炉側板状電路と、セルを貫通する貫通プラグに設けたセル側給電部に一端が着脱部により接続可能で且つ他端が前記圧着駆動装置上に載置可能な当接導電部を有する板状電路と、を備えたことを特徴とするガラス溶融炉の給電装置。
【請求項3】 圧着駆動装置が流体圧シリンダであることを特徴とする請求項1又は2記載のガラス溶融炉の給電装置。
【請求項4】 圧着駆動装置が溶融炉本体に設けた磁性部材との間で当接導電部と炉側板状電路とを挾持する電磁石であることを特徴とする請求項1又は2記載のガラス溶融炉の給電装置。
【請求項5】 圧着駆動装置が、当接導電部を常時上向きに付勢する与圧バネを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス溶融炉の給電装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス溶融炉の給電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力施設において発生する高放射性廃液は、高放射性廃液ガラス固化施設のガラス溶融炉により溶融し、ガラス固化体として処理された後、放射性廃棄物保管施設に保管される。
【0003】上記のガラス固化施設においては、ガラス溶融炉の内部で原料ガラスを溶融する際に高放射性廃液を混入し、この高放射性廃液が混入した溶融ガラスを固化容器に注入し、溶融ガラスを固化させることにより、ガラス固化体を形成している。
【0004】図7は従来のガラス溶融炉の給電装置の一例を示す側面図であり、図7において、1は溶融炉本体、2は溶融炉本体1を支持アーム2aを介して載置することにより支持する支持台、3は溶融炉本体1が設置される空間を包囲して放射線を遮蔽するセル、12は給電装置である。
【0005】図8は、前記溶融炉本体の一例を示す縦断面図であり、溶融炉本体1は、内部に溶融空間4を形成するように耐蝕性の耐火レンガ1aにより構成されている。溶融炉本体1の上下中間部左右側には、主電極5が対向して設けられていてその内端が溶融空間4に露出しており、又溶融空間4下部の狭くなっている炉底部には、底部電極6が設けられてその内端が溶融空間4に露出している。図8において、7は底部電極6の上部に設けた補助電極、8は溶融炉本体1の上部に設けられたガラス原料、高放射性廃液等を供給するための原料供給口、9は廃ガス取出管、10は炉底部に形成されて溶融されたガラスを取り出すためのガラス取出口、11はガラス取出口10を加熱するためのヒータ、Gは溶融ガラスである。
【0006】前記ガラス溶融炉では、主電極5、底部電極6、補助電極7に通電して短絡させることによるジュール熱によってガラスを溶融させるようにしており、このために、溶融炉本体1では大容量の電力を必要とし、そのために大断面を有して大電流を供給できるようにした給電装置を備えている。
【0007】図7に示す給電装置12は、セル3を貫通する給電用の貫通プラグ13のセル内側端にセル側給電部14を設け、又、前記支持台2上に着脱可能に支持される溶融炉本体1に炉側受電部15を設け、前記炉側受電部15とセル側給電部14との間を、U字状の給電ケーブル16により接続している。従来から用いられている給電ケーブル16は、例えば一本の断面積が1000mm2程度の管状或いは角柱状の導体を、三相交流のための6本組を1セットとして、2セット備えるようにしている。
【0008】前記溶融炉本体1は高温で運転されるために温度変化して変形する。又、溶融炉本体1を支持台2上に載置する際に、溶融炉本体1の位置は水平方向に変化する。従って、従来では上記溶融炉本体1の変形や位置の変化を吸収できるようにするために、給電ケーブル16はU字形状としており、その長さは略10メートル前後の長いものとしていた。
【0009】前記図8の溶融炉本体1は、溶融空間4を形成している耐蝕性の耐火レンガ1aの損傷等によって所定時期に交換することが行われており、この溶融炉本体1の交換のために、炉側受電部15と給電ケーブル16とは着脱できるようになっている必要がある。このために、給電ケーブル16のL字状に曲げられた一端16aと炉側受電部15とを、ボルト・ナットによる着脱部17にて接続している。一方、給電ケーブル16自身もセル3内の腐食性雰囲気によって腐蝕することが考えられる。従って、給電ケーブル16が腐蝕した場合に給電ケーブル16を交換できるようにするために、給電ケーブル16のL字状に曲げられた他端16bとセル側給電部14とを、ボルト・ナットによる着脱部18にて接続している。
【0010】そして、前記給電ケーブル16の一端16aと炉側受電部15との着脱部17の着脱、及び、給電ケーブル16の他端16bとセル側給電部14との着脱部18の着脱は、図示しないマニプレータを用いて、セル外から覗き窓を通して目で確認しながら操作することにより行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来におけるガラス溶融炉の給電装置12においては、溶融炉本体1の交換時に、炉側受電部15と給電ケーブル16との着脱部17のボルト・ナットを、マニプレータによって着脱する必要があるが、このマニプレータによるボルト・ナットの着脱作業は熟練を要して時間が掛かり、このために、溶融炉本体1の交換作業全体に要する時間が増加するという問題を有していた。又、溶融炉本体1の交換時、給電ケーブル16の一端16aが邪魔になる場合には着脱部18の締結を弛めて給電ケーブル16を溶融炉本体1の交換の邪魔にならない位置に移動させる必要があり、この作業が面倒である。
【0012】又、前記着脱部17の着脱作業は、溶融炉本体1が支持台2上に載置された状態で行う必要があり、このために、図示しないが溶融炉本体1に接続される種々の配管や検出機器、及び溶融炉本体1自体の側壁等が着脱の作業の邪魔になる可能性があり、従って作業がやり難くなって更に時間が掛かる問題がある。
【0013】更に、新しい溶融炉本体1を支持台2上に設置した際に、炉側受電部15と給電ケーブル16の一端16aのボルト孔が一致しない場合があり、このためにマニプレータによる締結作業が困難となり、着脱部17の着脱作業に更に時間が掛かるという問題がある。
【0014】又、給電ケーブル16を交換する場合には、着脱部17,18の締結を解除することにより行うが、給電ケーブル16がU字形状を有し且つ長大であるために、マニプレータによる取扱いが大変で遠隔での着脱作業に時間が掛かり、更に、給電ケーブル16の変形などによって、炉側受電部15及びセル側給電部14に対する端部16a,16bの当接面の接触が悪化する等の問題がある。
【0015】本発明は、上記したような従来装置のもつ問題点を解決すべくなしたもので、溶融炉本体の交換を容易に短時間で行えるようにしたガラス溶融炉の給電装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融炉本体を載置する支持台に固定した支持台給電部と、セルを貫通する貫通プラグに設けたセル側給電部と、前記支持台給電部とセル側給電部との間を着脱部により接続可能な板状電路と、前記溶融炉本体における前記支持台給電部の上部位置に固定した炉側板状電路と、前記支持台給電部に対し導電可能且つ昇降可能に接続した当接導電部と、前記支持台側に備えて前記当接導電部を炉側板状電路の下面に圧着し得る圧着駆動装置と、を備えたことを特徴とするガラス溶融炉の給電装置、に係るものである。
【0017】本発明は、溶融炉本体を載置する支持台に設けた圧着駆動装置と、支持台に載置した溶融炉本体における前記圧着駆動装置の上部位置に固定した炉側板状電路と、セルを貫通する貫通プラグに設けたセル側給電部に一端が着脱部により接続可能で且つ他端が前記圧着駆動装置上に載置可能な当接導電部を有する板状電路と、を備えたことを特徴とするガラス溶融炉の給電装置、に係るものである。
【0018】上記手段において、圧着駆動装置は流体圧シリンダであってもよく、又、圧着駆動装置は溶融炉本体に設けた磁性部材との間で当接導電部と炉側板状電路とを挾持する電磁石であってもよく、又、圧着駆動装置は当接導電部を常時上向きに付勢する与圧バネを有していてもよい。
【0019】本発明によれば、以下のように作用する。
【0020】支持台に支持台給電部を固定し、該支持台給電部とセル側給電部との間を板状電路により着脱可能に接続し、支持台給電部に導電可能且つ昇降可能に接続した当接導電部を圧着駆動装置により溶融炉本体に固定した炉側板状電路に圧着させるようにしたので、圧着駆動装置により、当接導電部を炉側板状電路の下面に大きな力で押付けて確実に密着させることができ、よって貫通プラグから溶融炉本体への電力の供給を確実に行うことができる。
【0021】この時、支持台給電部の上部に、フレキシブル電路を介して当接導電部を設けたので、炉側板状電路の高さ位置が種々変化しても、当接導電部を炉側板状電路に圧着させることができる。
【0022】又、溶融炉本体を交換する際には、溶融炉本体と給電装置とは何ら連結されていないので、溶融炉本体単に吊上げるのみでよい。
【0023】更に、板状電路は長さが短い直線形状であるので、板状電路を遠隔で交換する作業が容易である。又、板状電路の交換作業は溶融炉本体を支持台から取り除いた状態で行えるので、板状電路の交換作業は更に容易になる。
【0024】一方、支持台に圧着駆動装置を設け、貫通プラグに設けたセル側給電部に一端が着脱部により接続可能で且つ他端が前記圧着駆動装置上に載置可能な当接導電部を有する板状電路を設け、前記板状電路の当接導電部を、圧着駆動装置により溶融炉本体に固定した板状電路に圧着させるようにした構成としたので、給電装置の構成を更に簡略化することができ、且つ前記と同様に当接導電部と炉側板状電路とを密着させて、貫通プラグから溶融炉本体への電力の供給を確実に行えるようになる。又、給電装置の構成が簡略化されることにより、板状電路の交換作業が更に容易になる。
【0025】圧着駆動装置を、流体圧シリンダ、或いは、溶融炉本体に設けた磁性部材との間で当接導電部と炉側板状電路とを挾持する電磁石にて構成すると、構成が簡単で故障が発生し難く、当接導電部と炉側板状電路とを確実に圧着させて良好な電力供給が図れる。
【0026】圧着駆動装置に、当接導電部を常時上向きに付勢する与圧バネを備えると、与圧バネによる当接導電部と炉側板状電路との圧着効果も期待できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】図1は本発明のガラス溶融炉の給電装置の一例を示したものであり、図中図7と同一のものには同じ符号を付して詳細な説明は省略し、本発明の特徴部分についてのみ詳述する。
【0029】本発明の給電装置12は、図1に示すように、溶融炉本体1を載置する支持台2に、ボルト等の固定具19dにより絶縁材Rを介して支持台給電部19を固定する。この支持台給電部19を設ける位置には、溶融炉本体1の支持アーム2aを設けないようにして互いに干渉しないようにする。図1の支持台給電部19は、側面形状が略Z字状を有しており、その一端の水平部19aは支持台2上面に固定されており、該一端の水平部19aから鉛直部19bを介して延びている他端の水平部19cは、セル3を貫通している貫通プラグ13に設けたセル側給電部14と略同一の高さとなっている。
【0030】そして、前記セル側給電部14と支持台給電部19との間には、ボルト・ナットによる着脱部17,18を介して板状電路20(給電ブスバー)を接続する。板状電路20は、厚みに対して上下方向の幅が広い板形状を有しており、よって大きな断面積にて大容量の電力が給電でき、且つ高い剛性が保持できるようにしている。この板状電路20は、図1の紙面と鉛直な方向に複数並設することにより更に大容量の電力を供給することができる。
【0031】前記溶融炉本体1における前記支持台給電部19の上部位置に、炉側板状電路21(給電ブスバー)を固定する。この炉側板状電路21も前記板状電路20と同様に、上下方向に広幅の板形状を有しており、その下辺には水平に延びる水平部21aが一体に形成されている。又、上記炉側板状電路21は、図1の紙面に鉛直な方向に複数並設することにより大容量の電力を供給することができる。図1中22は、炉側板状電路21を溶融炉本体1に支持するための強度部材である。
【0032】前記支持台給電部19に、フレキシブル電路23を介して導電可能且つ昇降可能な当接導電部24を接続する。そして、前記支持台2側、図1では支持台給電部19の一端の水平部19a上に、前記当接導電部24を炉側板状電路21の水平部21aの下面に圧着し得るようにした圧着駆動装置25を設ける。
【0033】図2、図3は、前記圧着駆動装置25の一例を示したものである。図2、図3の圧着駆動装置25は、支持台2側に鉛直に固定したシリンダ状のガイド部材26と、該ガイド部材26の内部に昇降可能に嵌合されて上端に押付ヘッド27を有する圧着ロッド28と、該圧着ロッド28の下端とガイド部材26の底部との間に設けて前記圧着ロッド28を上方に押上げるようにした空気シリンダなどの流体圧シリンダ29とを備えている。図2中、30は流体圧シリンダ29の伸長駆動側流路に設けた逆止弁、31は圧力設定弁、32は圧力流体源である。
【0034】又、前記圧着ロッド28の下端とガイド部材26の底部との間には、前記圧着ロッド28を常時上向きに付勢するようにした与圧バネ33を設けている。この与圧バネ33により圧着ロッド28が所要距離だけ上方に押上げられ、これにより当接導電部24を押上げた状態に保持するようにしている。
【0035】図4は、前記圧着駆動装置25の他の例を示したものである。図4の圧着駆動装置25は、支持台2側に鉛直に固定したシリンダ状のガイド部材26と、該ガイド部材26の内部に昇降可能に嵌合され上端に押付ヘッド27を有する磁性材料からなる圧着ロッド28と、該圧着ロッド28の外周に巻き付けたコイル34とを備えており、圧着ロッド28とコイル34とにより電磁石35が構成されている。又、溶融炉本体1に設けられている炉側板状電路21の上側に磁性部材36を固定しており、該磁性部材36と前記電磁石35とにより、銅で構成される前記当接導電部24と炉側板状電路21とを挾持できるようにしている。更に、前記圧着ロッド28の下端とガイド部材26の底部との間には、前記圧着ロッド28を常時上向きに付勢するようにした与圧バネ33を設けている。この与圧バネ33により圧着ロッド28が所要距離だけ上方に押上げられ、これにより当接導電部24を押上げた状態に保持するようにしている。
【0036】以下に上記形態例の作用を説明する。
【0037】図1の給電装置12においては、溶融炉本体1を支持アーム2aにより支持台2上に載置すると、溶融炉本体1に設けた炉側板状電路21の下面が当接導電部24の上面に圧接される。即ち、溶融炉本体1が支持台2上に載置されていない状態では、図2、図3及び図4に示した圧着ロッド28は与圧バネ33により上方に突出しているので、溶融炉本体1が支持台2上に載置されると、炉側板状電路21は当接導電部24を下方に押圧し、これにより当接導電部24に圧接される。
【0038】この時、与圧バネ33の弾性強度を設定しておけば、炉側板状電路21と当接導電部24との圧接により、貫通プラグ13から溶融炉本体1に電力を供給することができる。しかし、与圧バネ33は、セル3内の腐食性雰囲気による腐蝕等によって経年変化し、弾性強度が低下することが考えられる。
【0039】このために、図2、図3の圧着駆動装置25においては、流体圧シリンダ29に加圧空気などを供給して、該流体圧シリンダ29を伸長させる。すると、圧着ロッド28を介して当接導電部24は炉側板状電路21の下面に大きな力で押付けられ、これにより確実に密着するようになる。
【0040】又、図4の圧着駆動装置25においては、コイル34に通電することにより圧着ロッド28とコイル34により電磁石35とする。すると、電磁石35が炉側板状電路21の上側に設けた磁性部材36に吸引され、よって銅からなる当接導電部24と炉側板状電路21とが挾持され、これにより当接導電部24は炉側板状電路21の下面に大きな力で押付けられて確実に密着する。上記した当接導電部24と炉側板状電路21との確実な密着により、貫通プラグ13から溶融炉本体1への電力の供給を確実に行うことができる。
【0041】この時、図1の給電装置12では、支持台給電部19の上部に、フレキシブル電路23を介して当接導電部24を設けた構成としているので、溶融炉本体1の上部位置に炉側板状電路21が設けられる場合に都合がよい。又、フレキシブル電路23を備えているので、炉側板状電路21の高さ位置が種々変化しても当接導電部24を圧着させることができる。
【0042】図1の溶融炉本体1を交換する際には、図示しないクレーン等の装置により溶融炉本体1を支持台2から持ち上げて所定の場所に移動させる。この時、溶融炉本体1と給電装置12とは何ら連結されていないので、溶融炉本体1を吊上げると、炉側板状電路21は当接導電部24から単に離反するのみである。
【0043】又、新しい溶融炉本体1を支持台2上に載置する際は、前記したように溶融炉本体1に設けた炉側板状電路21の下面が当接導電部24の上面に圧接されるようになり、更に、圧着駆動装置25を作動して当接導電部24を炉側板状電路21の下面に大きな力で押付けて密着する。これにより、貫通プラグ13から溶融炉本体1への電力の供給を確実に行えるようになる。
【0044】又、板状電路20を交換する際には、図示しないマニプレータにて着脱部17,18のボルト・ナットを着脱することにより行うが、この時、板状電路20は直線で長さが短い(従来の給電ケーブル16に比して略1/4前後)ために、遠隔で取扱う操作が容易である。更に、支持台給電部19の位置は溶融炉本体1に影響されることなく常に一定位置であるので、セル側給電部14と支持台給電部19の着脱部17,18のためのボルト孔間隔は変化することがなく、よって板状電路20のボルト孔を容易に位置合わせできて、着脱部17,18による締結作業を短時間に行える。更に、前記溶融炉本体1を交換するために支持台2から取り除いた状態で板状電路20の交換を行えるので、溶融炉本体1に付属する機器や部材が存在しない作業し易い状態での作業が可能であるため、能率的な板状電路20の交換が実施できる。又、この時、固定具19dの締結を解除することによって、支持台給電部19と、フレキシブル電路23と、当接導電部24と、圧着駆動装置25とを一緒に交換することもできる。
【0045】尚、図1の形態例では、板状電路20と支持台給電部19とが別体になっている場合について例示したが、板状電路20と支持台給電部19とを一体構造にして、板状電路20と、支持台給電部19と、フレキシブル電路23と、当接導電部24と、圧着駆動装置25とを一括して交換できるようにしてもよい。このようにした場合の板状電路20の交換は、着脱部18と固定具19dの着脱にて行うようにする。
【0046】図5、図6は本発明のガラス溶融炉の給電装置の他の例を示したものであり、前記各図と同一のものには同じ符号を付して詳細な説明は省略し、本発明の特徴部分についてのみ詳述する。
【0047】図5、図6の給電装置12は、溶融炉本体1を載置する支持台2の上辺部を下方に湾曲させることにより駆動装置設置部37を形成する。そして、該駆動装置設置部37に、前記図2、図3及び図4に示した圧着駆動装置25を設置する。
【0048】更に、支持台2に載置した溶融炉本体1における前記圧着駆動装置25の上部位置には炉側板状電路21を固定する。
【0049】一方、セル3を貫通する貫通プラグ13に設けたセル側給電部14に一端が着脱部18により接続可能で、且つ他端が前記圧着駆動装置25上に載置可能な当接導電部38を有する板状電路39を設ける。
【0050】図5、図6に示した形態例では、板状電路39の一端は、セル側給電部14に着脱部18を介して接続し、板状電路39の他端に設けた当接導電部38は、支持台2の駆動装置設置部37に設けた圧着駆動装置25上に載置する。
【0051】このとき、図2、図3及び図4に示した圧着ロッド28は与圧バネ33により上方に突出しているので、溶融炉本体1が支持台2上に載置されると、炉側板状電路21は当接導電部38を下方に押圧し、これにより当接導電部38に圧接される。
【0052】更に、図2、図3の圧着駆動装置25における流体圧シリンダ29を伸長させると、圧着ロッド28を介して当接導電部38は炉側板状電路21の下面に大きな力で押付けられ、これにより確実に密着するようになる。
【0053】又、図4の圧着駆動装置25においては、コイル34に通電することにより圧着ロッド28とコイル34により電磁石35とする。すると、電磁石35が炉側板状電路21の上側に設けた磁性部材36に吸引され、これにより銅からなる当接導電部24と炉側板状電路21とが挾持され、よって当接導電部24は炉側板状電路21の下面に大きな力で押付けられて確実に密着する。上記した当接導電部24と炉側板状電路21との確実な密着により、貫通プラグ13から溶融炉本体1への電力の供給を確実に行わせることができる。
【0054】図1の溶融炉本体1を交換する際には、図示しないクレーン等の装置により溶融炉本体1を支持台2から持ち上げて所定の場所に移動させる。この時、溶融炉本体1と給電装置12とは何ら連結されていないので、溶融炉本体1を吊上げると、炉側板状電路21は板状電路20の当接導電部24から単に離反するのみである。
【0055】又、新しい溶融炉本体1を支持台2上に載置する際は、前記したように溶融炉本体1に設けた炉側板状電路21の下面が当接導電部24の上面に圧接されるようになり、更に、圧着駆動装置25を作動して当接導電部24を炉側板状電路21の下面に大きな力で押付けて密着する。これにより、貫通プラグ13から溶融炉本体1への電力の供給を確実に行えるようになる。
【0056】又、板状電路39を交換する際には、図示しないマニプレータにて着脱部18のボルト・ナットを着脱するのみで良く、よって板状電路39の交換作業を著しく容易にし、短時間で行うことができる。
【0057】尚、図5では、板状電路39と当接導電部38とが一体構造の場合を例示したが、図1の板状電路20と支持台給電部19のように、別体に形成して相互を着脱部17により締結するようにしてもよい。
【0058】又、本発明は、上記形態例にのみ限定されるものではなく、板状電路、炉側板状電路の形状、圧着駆動装置の構成などは適宜変更し得ること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような優れた効果を奏し得る。
【0060】支持台に支持台給電部を固定し、該支持台給電部とセル側給電部との間を板状電路により着脱可能に接続し、支持台給電部に導電可能且つ昇降可能に接続した当接導電部を圧着駆動装置により溶融炉本体に固定した炉側板状電路に圧着させるようにしたので、圧着駆動装置により、当接導電部を炉側板状電路の下面に大きな力で押付けて確実に密着させることができ、よって貫通プラグから溶融炉本体への電力の供給を確実に行うことができる。
【0061】この時、支持台給電部の上部に、フレキシブル電路を介して当接導電部を設けたので、炉側板状電路の高さ位置が種々変化しても、当接導電部を炉側板状電路に圧着させることができる。
【0062】又、溶融炉本体を交換する際には、溶融炉本体と給電装置とは何ら連結されていないので、溶融炉本体単に吊上げるのみでよい。
【0063】更に、板状電路は長さが短い直線形状であるので、板状電路を遠隔で交換する作業が容易である。又、板状電路の交換作業は溶融炉本体を支持台から取り除いた状態で行えるので、板状電路の交換作業は更に容易になる。
【0064】一方、支持台に圧着駆動装置を設け、貫通プラグに設けたセル側給電部に一端が着脱部により接続可能で且つ他端が前記圧着駆動装置上に載置可能な当接導電部を有する板状電路を設け、前記板状電路の当接導電部を、圧着駆動装置により溶融炉本体に固定した板状電路に圧着させるようにした構成としたので、給電装置の構成を更に簡略化することができ、且つ前記と同様に当接導電部と炉側板状電路とを密着させて、貫通プラグから溶融炉本体への電力の供給を確実に行えるようになる。又、給電装置の構成が簡略化されることにより、板状電路の交換作業が更に容易になる。
【0065】圧着駆動装置を、流体圧シリンダ、或いは、溶融炉本体に設けた磁性部材との間で当接導電部と炉側板状電路とを挾持する電磁石にて構成すると、簡単な構成で故障が発生し難く、当接導電部と炉側板状電路とを確実に圧着させて良好な電力供給が図れる。
【0066】圧着駆動装置に、当接導電部を常時上向きに付勢する与圧バネを備えると、与圧バネによる当接導電部と炉側板状電路との圧着効果も期待できる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成13年5月21日(2001.5.21)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2002−341087(P2002−341087A)
【公開日】 平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願番号】 特願2001−151464(P2001−151464)