| 【発明の名称】 |
放射性コンクリートの処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】植木 浩行
【氏名】梅村 昭男
【氏名】大瀧 弘明
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| 【要約】 |
【課題】コンクリートスラッジを単独で廃棄物として発生させない。放射性コンクリートブロック、放射性コンクリート破砕物を含むコンクリート製充填物及び当該コンクリートスラッジ全体の放射性廃棄物量を減容化し得る。
【解決手段】放射性コンクリートの切断時に発生するコンクリートスラッジ13を脱水した脱水スラッジ16に減水剤17を混練して第1モルタル18を調製し、この第1モルタルを内容器21に注入し固型化して内容器固化体22とし、脱水スラッジにセメント24と砂26と水27と混和剤28を混練して第2モルタル29を調製し、この第2モルタルを外容器34に収容した内容器と外容器との第1隙間34cにコンクリート充填物36を充填した後、第2モルタルを注入し固型化する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射性コンクリートを給水しながら切断してコンクリートブロック(12)を形成する工程と、放射性コンクリートの切断時に発生するコンクリートスラッジ(13)を脱水して作られた含水率25〜40重量%の脱水スラッジ(16)と減水剤(17)とを前記脱水スラッジ(16)に含まれる無水スラッジの重量と前記減水剤(17)の重量が50〜75重量%:3〜6重量%の割合となるように混練して第1モルタル(18)を調製する工程と、上部に開口部(21b)を有する内容器(21)に前記第1モルタル(18)を注入し固化する工程と、脱水スラッジ(16)とセメント(24)と砂(26)と水(27)と混和剤(28)を混練して、Pロート流下時間16〜50秒の第2モルタル(29)を調製する工程と、内底部に前記内容器(21)を受ける複数の支持突起(34a)を有し上部に開口部(34b)を有する前記内容器より大きな外容器(34)に前記内容器(21)を収容する工程と、前記外容器に収容した前記内容器(21)と前記外容器の内側壁との第1隙間(34c)にコンクリート製充填物(36)を充填する工程と、前記コンクリート製充填物(36)を充填した第1隙間(34c)及び前記外容器内底部と前記内容器底面との第2隙間(34d)に前記第2モルタル(29)を注入し固化する工程と、前記外容器の開口部(34b)に蓋をして前記外容器(34)を密閉する工程とを含む放射性コンクリートの処理方法。 【請求項2】 コンクリートブロック(12)が内底部に前記ブロック(12)を受ける複数の支持突起(21a)を有し上部に開口部(21b)を有する前記ブロックより大きな内容器(21)に収容され、前記内容器に収容したブロック(12)と前記内容器の内側壁との隙間(21c)及び前記ブロック(12)底面と前記内容器の内底部との隙間(21d)に第1モルタル(18)を注入し固化する請求項1記載の放射性コンクリートの処理方法。 【請求項3】 コンクリートブロック(12)が内底部に前記ブロック(12)及び内容器(21)を受ける複数の支持突起(34a)を有し上部に開口部(34b)を有する前記ブロック及び前記内容器より大きな外容器(34)に前記内容器(21)とともに収容され、前記外容器に収容した内容器(21)又はブロック(12)と外容器の内側壁との第1隙間(34c)及び前記ブロック(12)と前記内容器(21)との第3隙間(34e)のいずれか一方又は双方にコンクリート製充填物(36)を充填し、前記コンクリート製充填物(36)を充填した第1又は第3隙間(34c,34e)のいずれか一方又は双方の隙間及び前記外容器に収容したブロック底面及び前記内容器底面と前記外容器の内底部との第2隙間(34d)に第2モルタル(29)を注入し固化する請求項1記載の放射性コンクリートの処理方法。 【請求項4】 コンクリート製充填物(36)の一部又は全部が放射性コンクリートの破砕物(23)又は前記放射性コンクリートを切断した際に発生するコンクリート端材である請求項1ないし3いずれか記載の処理方法。 【請求項5】 コンクリート製充填物(36)の充填率が45〜55%である請求項1ないし4いずれか記載の処理方法。 【請求項6】 脱水スラッジ(16)と減水剤(17)とを混練して調製された第1モルタル(18)に更に結合剤(19)を添加する請求項1ないし3いずれか記載の処理方法。 【請求項7】 結合剤(19)がセメントである請求項6記載の処理方法。 【請求項8】 セメント(24)はJIS R 5210−1997に規定されたポルトランドセメント、JIS R 5211−1997に規定された高炉セメント又はJIS R 5213−1997に規定されたフライアッシュセメントである請求項1ないし7いずれか記載の処理方法。 【請求項9】 砂(26)が、川砂、山砂、砕砂又はコンクリート破砕物(23)を更に粒度調整して得られた再生細骨材である請求項1ないし3いずれか記載の処理方法。 【請求項10】 混和剤(28)が高性能AE減水剤であって添加率がセメント(24)と脱水スラッジ(16)の合計量の2重量%以上である請求項1ないし3いずれか記載の処理方法。 【請求項11】 外容器(34)が複数の内容器(21)又は複数のブロック(12)と内容器(21)を収容可能な大きさを有する容器である請求項1ないし3いずれか記載の処理方法。 【請求項12】 請求項1又は3記載の方法に用いられる内容器(21)に第1モルタル(18)を注入し固化した内容器固化体。 【請求項13】 請求項2記載の方法に用いられる内容器(21)に放射性コンクリートブロック(12)を収容し、前記内容器に収容したブロック(12)と前記内容器の内側壁との隙間(21c)及び前記ブロック底面と前記内容器の内底部との隙間(21d)に第1モルタル(18)を注入し固化した内容器固化体。 【請求項14】 外容器(34)に請求項12記載の内容器固化体(22)を収容し、前記外容器に収容した内容器固化体(22)と前記外容器の内側壁との第1隙間(34c)にコンクリート製充填物(36)を充填し、前記コンクリート製充填物(36)を充填した第1隙間(34c)及び前記外容器内底部と前記内容器固化体底面との第2隙間(34d)に前記第2モルタル(29)を注入し固化した放射性コンクリート固化体。 【請求項15】 外容器(34)に請求項13記載の内容器固化体(22)を収容し、前記外容器に収容した内容器固化体(22)と前記外容器の内側壁との第1隙間(34c)にコンクリート製充填物(36)を充填し、前記コンクリート製充填物(36)を充填した第1隙間(34c)及び前記外容器内底部と前記内容器固化体底面との第2隙間(34d)に前記第2モルタル(29)を注入し固化した放射性コンクリート固化体。 【請求項16】 外容器(34)に請求項12記載の内容器固化体(22)とコンクリートブロック(12)をそれぞれ収容し、前記外容器に収容した内容器固化体(22)と前記外容器の内側壁との第1隙間(34c)及び前記ブロック(12)と前記内容器固化体(22)との第3隙間(34e)のいずれか一方又は双方にコンクリート製充填物(36)を充填し、前記コンクリート製充填物(36)を充填した第1又は第3隙間(34c,34e)のいずれか一方又は双方の隙間及び前記外容器内底部と前記内容器固化体底面との第2隙間(34d)に前記第2モルタル(29)を注入し固化した放射性コンクリート固化体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉建屋や生体遮蔽のための原子炉内構造物などの解体時に廃棄物として多量に発生する放射能コンクリートの合理的な処理方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、原子炉建屋の解体時に発生する放射性コンクリートは図5に示す次の方法により処理されていた。先ず、放射性コンクリートを給水しながら機械的切断装置又は水ジェット切断装置1によりコンクリートブロック2に切断する(図5(a))。このとき多量の水を含むコンクリートスラッジ(スラリー)3が多量に発生する。次いで、このスラッジ3を取扱いやすいように沈降ろ過式脱水機4により所定の含水率に脱水して粘土状又は泥状の脱水スラッジ5にする(図5(b))。この脱水スラッジ5にセメント6及び水7を添加して混練機8により混練した後(図5(c)及び(d))、このスラッジセメントペーストをドラム缶に充填して均質固化体9として処分していた(図5(e))。例えば、運転を終了した日本原子力研究所の動力試験炉JPDR(BWR型:Boiling Water Reactor type、電気出力:1.25万kW)の解体時に発生した放射性コンクリートスラッジは含水率50〜70%で回収された後、セメントと混練し、ドラム缶に収納されて貯蔵されている(JOURNAL OF THE RANDEC No.14)。 【0003】原子炉建屋を解体して放射性コンクリートスラッジが約300トン発生した場合では、上記従来の方法により均質固化体として処分すると、約2500本以上のドラム缶による放射性廃棄物が発生することになる。このように放射性コンクリートスラッジを単独で均質固化体とした場合、原子炉建屋解体時には比較的短期間に多量のドラム缶による放射性廃棄物が発生する。一方、図5(f)に示すように、切出されたコンクリートブロック2はこのブロックより一回り大きな容器10に収容し、収容したブロック2と容器10の隙間には上記脱水スラッジ5にセメント6及び水7を添加して混練機8により混練して形成されたスラッジセメントペーストの一部をこの隙間に注入して固化した後、容器に蓋を密閉している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、放射性コンクリートの切断時に発生するコンクリートスラッジを均質固化体として処分した場合、放射性廃棄物の処分場の立地及び処分容量は限定されているため、処分場に対する負荷が非常に大きくなる問題点があった。また、収容したコンクリートブロックと容器の比較的広い隙間にスラッジセメントペーストを充填することにより処分する上記方法では、隙間充填による減容化の効果が不十分であった。 【0005】本発明の目的は、放射性コンクリートの切断時に発生するコンクリートスラッジを単独で廃棄物として発生させない放射性コンクリートの処理方法を提供することにある。本発明の別の目的は、放射性コンクリートブロック、放射性コンクリート破砕物を含むコンクリート製充填物及び当該コンクリートスラッジ全体の放射性廃棄物量を減容化し得る放射性コンクリートの処理方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、図1に示すように、放射性コンクリートを給水しながら切断してコンクリートブロック12を形成する工程と、放射性コンクリートの切断時に発生するコンクリートスラッジ13を脱水して作られた含水率25〜40重量%の脱水スラッジ16と減水剤17とを脱水スラッジ16に含まれる無水スラッジの重量と減水剤17の重量が50〜75重量%:3〜6重量%の割合となるように混練して第1モルタル18を調製する工程と、上部に開口部21bを有する内容器21に第1モルタル18を注入し固化する工程と、脱水スラッジ16とセメント24と砂26と水27と混和剤28を混練して、Pロート流下時間16〜50秒の第2モルタル29を調製する工程と、内底部に内容器21を受ける複数の支持突起34aを有し上部に開口部34bを有する内容器より大きな外容器34に内容器21を収容する工程と、外容器に収容した内容器21と外容器の内側壁との第1隙間34cにコンクリート製充填物36を充填する工程と、コンクリート製充填物36を充填した第1隙間34c及び外容器内底部と内容器底面との第2隙間34dに第2モルタル29を注入し固化する工程と、外容器の開口部34bに蓋をして外容器34を密閉する工程とを含む放射性コンクリートの処理方法である。請求項1に係る発明では、放射性コンクリートの切断時に発生するコンクリートスラッジ13を脱水した脱水スラッジ16に減水剤17を混練して第1モルタル18を調製し、この第1モルタルを内容器に注入し固型化して内容器固化体22とし、脱水スラッジ16にセメント24と砂26と水27と混和剤28を混練して第2モルタル29を調製し、この第2モルタル29を外容器に収容した内容器21と外容器との第1及び第3隙間34c,34dにコンクリート充填物36を充填した後、第2モルタル29を注入し固型化することにより、廃棄体の構造を内容器と外容器の2重構造とし、強度の低い第1モルタルを内容器に注入固化し、外容器に内容器固化体を収容して強度の高い第2モルタルを注入固化することにより、廃棄体としての強度を保ちながら、より多くの放射性コンクリートスラッジを装入することが可能であり、放射性コンクリートスラッジ起源の廃棄体をまったく発生させない。したがって、放射性廃棄体の大幅な減容化が可能となり、処分場に対する負荷が軽減できる。 【0007】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、図2に示すように、コンクリートブロック12が内底部にブロック12を受ける複数の支持突起21aを有し上部に開口部21bを有するブロックより大きな内容器21に収容され、内容器に収容したブロック12と内容器の内側壁との隙間21c及びブロック底面と内容器の内底部との隙間21dに第1モルタル18を注入し固化する放射性コンクリートの処理方法である。請求項2に係る発明では、コンクリートブロックをブロックより大きな内容器に収容して脱水スラッジと減水剤とを混練して調製した第1モルタルを注入固化して処理するため、廃棄体としての強度を保ちながら、コンクリートスラッジを単独で廃棄物として発生させることはなく、ブロックと同一の容器で処分できるため、廃棄物量を抑制できる。 【0008】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、図3に示すように、コンクリートブロック12が内底部にブロック12及び内容器21を受ける複数の支持突起34aを有し上部に開口部34bを有するブロック及び内容器より大きな外容器34に内容器21とともに収容され、外容器に収容した内容器21又はブロック12と外容器の内側壁との第1隙間34c及びブロック12と内容器21との第3隙間34eのいずれか一方又は双方にコンクリート製充填物36を充填し、コンクリート製充填物36を充填した第1又は第3隙間34c,34eのいずれか一方又は双方の隙間及び外容器に収容したブロック底面及び内容器底面と外容器の内底部との第2隙間34dに第2モルタル29を注入し固化する放射性コンクリートの処理方法である。請求項3に係る発明では、コンクリートブロックを脱水スラッジと減水剤とを混練して調製した第1モルタルを注入固化した内容器固化体とともに外容器に収容して第2モルタルを注入固化して処理するため、廃棄体としての強度を保ちながら、コンクリートスラッジを単独で廃棄物として発生させることはなく、ブロックと同一の容器で処分できるため、廃棄物量を抑制できる。 【0009】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、コンクリート製充填物の一部又は全部が放射性コンクリートの破砕物又は放射性コンクリートを切断した際に発生するコンクリート端材である処理方法である。請求項4に係る発明では、放射性コンクリートの破砕物又は放射性コンクリートを切断した際に発生するコンクリート端材もコンクリート製充填物として容器内に充填するため、上記破砕物又はコンクリート端材をコンクリートブロックとともに同一容器で処分できる。 【0010】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る発明であって、コンクリート製充填物の充填率が45〜55%である処理方法である。請求項5に係る発明では、コンクリート製充填物の充填率は45〜55%である。充填率が45%未満では処理効率が低下するため放射性廃棄物量の大幅な減容が期待できず、55%を越えると充填物の間隙寸法が小さくなるため充填物の後に注入するモルタルの充填量が低下して、充填物が十分に固型化しない不具合を生じる。 【0011】請求項6に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、脱水スラッジと減水剤とを混練して調製された第1モルタルに更に結合剤を添加する処理方法である。請求項6に係る発明では、結合剤19を更に添加することにより、第1モルタルの強度が向上する。 【0012】請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明であって、結合剤がセメントである処理方法である。請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る発明であって、セメントはJIS R 5210−1997に規定されたポルトランドセメント、JIS R 5211−1997に規定された高炉セメント又はJIS R 5213−1997に規定されたフライアッシュセメントである処理方法である。請求項8に係る発明では、セメントはJIS R 5210−1997に規定されたポルトランドセメント、JIS R 5211−1997に規定された高炉セメント又はJIS R 5213−1997に規定されたフライアッシュセメントである。 【0013】請求項9に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、砂が、川砂、山砂、砕砂又はコンクリート破砕物を更に粒度調整して得られた再生細骨材である処理方法である。請求項9に係る発明では、再生細骨材をモルタル原料とした場合、放射性コンクリートの減容化の効果は大きくなるため、より好ましい。 【0014】請求項10に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、混和剤が高性能AE減水剤であって添加率がセメントと脱水スラッジの合計量の2重量%以上である処理方法である。請求項10に係る発明では、モルタル原料に高性能AE減水剤を混和剤としてセメントとスラッジの合計量の2重量%以上の添加率で添加することにより、モルタルの流動性を高め、かつモルタル中における放射性コンクリートスラッジの添加率を高めることができる。 【0015】請求項11に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、外容器が複数の内容器又は複数のブロック12と内容器21を収容可能な大きさを有する容器である処理方法である。請求項11に係る発明では、外容器を複数の内容器又は複数のブロックと内容器が収容可能な大きさとすることにより、更なる減容化が図れる。 【0016】請求項12に係る発明は、請求項1又は3記載の方法に用いられる内容器に第1モルタルを注入し固化した内容器固化体である。請求項13に係る発明は、請求項2記載の方法に用いられる内容器に放射性コンクリートブロックを収容し、内容器に収容したブロックと内容器の内側壁との隙間及びブロック底面と内容器の内底部との隙間に第1モルタルを注入し固化した内容器固化体である。 【0017】請求項14に係る発明は、外容器に請求項12記載の内容器固化体を収容し、外容器に収容した内容器固化体と外容器の内側壁との第1隙間にコンクリート製充填物を充填し、コンクリート製充填物を充填した第1隙間及び外容器内底部と内容器固化体底面との第2隙間に第2モルタルを注入し固化した放射性コンクリート固化体である。請求項15に係る発明は、外容器に請求項13記載の内容器固化体を収容し、外容器に収容した内容器と外容器の内側壁との第1隙間にコンクリート製充填物を充填し、コンクリート製充填物を充填した第1隙間及び外容器内底部と内容器底面との第2隙間に第2モルタルを注入し固化した放射性コンクリート固化体である。請求項16に係る発明は、外容器に請求項12記載の内容器固化体とコンクリートブロックをそれぞれ収容し、外容器に収容した内容器固化体と外容器の内側壁との第1隙間及びブロックと内容器固化体との第3隙間のいずれか一方又は双方にコンクリート製充填物を充填し、コンクリート製充填物を充填した第1又は第3隙間のいずれか一方又は双方の隙間及び外容器内底部と内容器固化体底面との第2隙間に第2モルタルを注入し固化した放射性コンクリート固化体である。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明の処理方法は、放射性コンクリートの切断時に多量に発生する放射性コンクリートスラッジを均質固化体とせず、先ず、減水剤と混合して第1モルタルを調製し、内容器にこの第1モルタルを充填し、固化して内容器固化体を形成する。次いで、脱水スラッジとセメントと砂と水と混和剤を混練して第2モルタルを調製し、この内容器固化体を外容器に収容して外容器の内側面隙間にコンクリート製充填物を充填し、更にコンクリート製充填物の隙間に第2モルタルを注入して固型化することにより、均質固化体を発生させないで、放射性コンクリートスラッジを処理処分することを特徴とする。このように、廃棄体の構造を内容器と外容器の2重構造とし、強度の低い第1モルタルを内容器に注入固化し、外容器に内容器固化体を収容して強度の高い第2モルタルを注入固化することにより、廃棄体としての強度を保ちながら、より多くの放射性コンクリートスラッジを装入することが可能であり、放射性コンクリートスラッジ起源の廃棄体をまったく発生させない。したがって、放射性廃棄体の大幅な減容化が可能となり、処分場に対する負荷が軽減できる。 【0019】本発明の第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。先ず、放射性コンクリートをワイヤーソー11により給水しながらブロック状に切断してコンクリートブロック12に切り分ける(図1(a))。コンクリートブロック12の大きさは所定の処理容器に収納可能な寸法に切断する。ここでコンクリート切断時に給水を行うのは発塵を防ぐためである。切断部にはコンクリートブロック12とともにコンクリートスラッジ13やコンクリート端材も同時に発生する。発生したコンクリートスラッジ13は、給水しながら放射性コンクリートの切断を行うため、多量の水を含んだ泥水状となっている。そこで、泥水状のコンクリートスラッジを廃棄物として処理し易いように脱水機14により脱水を行い脱水スラッジ16とする(図1(b))。ここでコンクリートスラッジ13は脱水機の一般的な処理能力、脱水後の流動化を考慮して約30〜40重量%程度の含水率になるように脱水する。脱水機14としてはフィルタプレス、遠心分離器等が挙げられる。 【0020】次いで、脱水スラッジ16と減水剤17とを混練して第1モルタル18を調製する(図1(c)及び(d))。第1モルタル18の配合割合は、脱水スラッジ16に含まれる無水スラッジの重量と減水剤17の重量が50〜75重量%:3〜6重量%の割合となるように混練する。好ましい配合割合としては、60〜70重量%:4〜6重量%である。第1モルタルの配合割合を50〜75重量%:3〜6重量%の割合となるようにそれぞれ規定したのは、スラッジの配合が下限値未満であると、廃棄体数の増加を招き、上限値を越えると第1モルタルの流動性が低下するからであり、減水剤が下限値未満であると、第1モルタルの流動性が低下し、上限値を越えると第1モルタルの粘性が増加するからである。ここで第1モルタル18に更に結合剤19を添加してもよい。結合剤19としては、セメントが使用される。結合剤19を更に添加することにより、第1モルタルの強度が向上する。結合剤の必要量は脱水した際のコンクリートスラッジの含水率によっても影響されるため、結合剤の添加量が大きいと強度は上昇するが、スラッジ利用率が下がるため最低量に抑えることが肝要である。 【0021】次に上部は開口部21bを有する内容器の内部に調製した第1モルタル18を注入して固化することにより、内容器固化体22が得られる(図1(f))。なお、内容器21の内部には、放射性コンクリートの破砕物23や放射性コンクリートを切断した際に発生するコンクリート端材を一緒に充填してもよい。 【0022】次に脱水スラッジ16とセメント24と砂26と水27と混和剤28を混練して第2モルタル29を調製する(図1(g)及び(h))。水セメント比は0.4〜1.0、砂セメント比は1.0〜2.9、スラッジ添加量は砂とスラッジの合計量の0〜35重量%、混和剤添加量はセメントとスラッジの合計量の2重量%以上となるようにそれぞれ混練することが好ましい。上記配合割合であれば第2モルタル29は必要とされる流動性、圧縮強さを備えることができる。脱水スラッジ16に添加するセメント24としてはJIS R 5210−1997に規定されたポルトランドセメント、JIS R 5211−1997に規定された高炉セメント又はJIS R 5213−1997に規定されたフライアッシュセメントである。脱水スラッジ16に添加する砂26としては、川砂、山砂、砕砂又はコンクリート破砕物が挙げられ、それらを更に粒度調整して再生細骨材として使用する。脱水スラッジ16に添加する混和剤28としては、高性能AE減水剤が使用され、モルタル原料にセメントと脱水スラッジの合計量の2重量%以上の添加率で添加することにより、モルタルの流動性を高め、かつモルタル中における放射性コンクリートスラッジの添加率を高めることができる。 【0023】ここで調製した第2モルタル29を一部抜き出してPロート流下時間測定を行って流動性を調べる(図1(i))。第2モルタル29のPロート流下時間は16〜50秒である。好ましくは16〜30秒である。16秒未満であると、モルタル材料が分離する不具合を生じ、30秒を越えると充填性が低下する不具合を生じる。流動性はモルタルの軟らかさを表し、図4に示すように、Pロートによって流下時間を測定する(土木学会基準H-III.1,JASS 5T-701)。このPロート流下時間測定方法はモルタルをPロート31のポイントゲージ32の下端(破線)まで入れ(1725ml)、このモルタルを自由落下させて流出口33からモルタルが流下する時間を測定することによりモルタルの流動性を調べる方法である。 【0024】図1に戻って、内容器固化体22とした内容器21を外容器34に収容する。外容器34は内容器21を収容可能な大きさを有し、内底部に内容器21を受けるための複数の支持突起34aが取付けられており、上部は開口部34bを有している。内容器21を外容器34内に収容すると、内容器21と外容器34の内側壁との間に第1隙間34cを形成し、また、内容器21は支持突起34aにより保持されるため、第2隙間34dを形成する。外容器に収容した内容器21と外容器34の内側壁との第1隙間34cにコンクリート充填物36を充填する(図1(j))。コンクリート充填物36は、別途発生する放射性コンクリートの破砕物23や放射性コンクリートを切断した際に発生するコンクリート端材等である。これら破砕物23等を上記第1隙間34cに充填した後、上記調製した第2モルタル29を注入して固化する。外容器34の開口部34bに図示しない蓋をして外容器34を密閉し、放射性コンクリート固化体37として貯蔵する(図1(k))。コンクリートの破砕物23は細かく粉砕してコンクリートスラッジ13中に混合してもよい。モルタル充填後は一定期間養生して固形化したのち、外容器開口部34bに図示しない蓋をして外容器34を所定の放射性廃棄物処分場に廃棄する。 【0025】なお、外容器34の大きさを複数の内容器21が収容可能な大きさとして、複数の内容器の周りに第2モルタルを注入、固化して放射性コンクリート固化体としてもよい。これにより、更なる減容化が図れる。この場合、外容器34は建屋のような大きさでもよい。 【0026】次いで、本発明の第2の実施の形態を図2に基づいて説明する。図2において、図1と同一符号は同一構成要素を示す。この実施の形態では、次の点が第1の実施の形態と相違する。即ち、内底部にコンクリートブロック12を受ける複数の支持突起21aを有し上部に開口部21bを有するブロックより大きな内容器21にブロック12を収容する。内容器に収容したブロック12と内容器の内側壁との隙間21c及びブロック底面と内容器の内底部との隙間21dに第1モルタル18を注入し固化する。上記以外の構成は第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態と比較して、第2の実施の形態では、コンクリートブロック12を内容器21に収容し、ブロック12と内容器の内側壁との隙間21cに第1モルタル18を注入して固化することにより、内容器固化体22とする。このように、コンクリートブロックをブロックより大きな内容器に収容して脱水スラッジと減水剤とを混練して調製した第1モルタルを注入固化して処理するため、廃棄体としての強度を保ちながら、コンクリートスラッジを単独で廃棄物として発生させることはなく、ブロックと同一の容器で処分できるため、廃棄物量を抑制できる。 【0027】なお、内容器21の内壁部とコンクリートブロック12との隙間21cには、放射性コンクリートの破砕物23や放射性コンクリートを切断した際に発生するコンクリート端材を一緒に充填してもよい。 【0028】次に、本発明の第3の実施の形態を図3に基づいて説明する。図3において、図1と同一符号は同一構成要素を示す。この実施の形態では、次の点が第1の実施の形態と相違する。即ち、内底部にコンクリートブロック12及び内容器21を受ける複数の支持突起34aを有し上部に開口部34bを有するブロック及び内容器より大きな外容器34に内容器21とともにブロック12を収容する。外容器に収容した内容器21又はブロック12と外容器の内側壁との第1隙間34c及びブロック12と内容器21との第3隙間34eのいずれか一方又は双方にコンクリート製充填物36を充填し、コンクリート製充填物36を充填した第1又は第3隙間34c,34eのいずれか一方又は双方の隙間及び外容器に収容したブロック底面及び内容器底面と外容器の内底部との第2隙間34dに第2モルタル29を注入し固化する。上記以外の構成は第1の実施の形態と同様である。第1の実施の形態と比較して、第3の実施の形態では、外容器34に内容器固化体22とともにコンクリートブロック12を収容し、第2モルタル29を注入固化することにより放射性コンクリート固化体として処理する。このように、コンクリートブロック12を脱水スラッジ16と減水剤17とを混練して調製した第1モルタル18を注入固化した内容器固化体22とともに外容器34に収容して第2モルタル29を注入固化して処理するため、廃棄体としての強度を保ちながら、コンクリートスラッジを単独で廃棄物として発生させることはなく、ブロックと同一の容器で処分できるため、廃棄物量を抑制できる。 【0029】 【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。 <実施例1>放射性コンクリートスラッジ模擬物を用意し、このコンクリートスラッジ模擬物を脱水して含水率25重量%の脱水スラッジにした。次にこの脱水スラッジに減水剤を3重量%添加し、混練してモルタルを調製した。 【0030】<実施例2>減水剤添加量を4重量%とした以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <実施例3>減水剤添加量を6重量%とした以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <実施例4>脱水スラッジの含水率を30重量%とし、減水剤添加量を4重量%とした以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <実施例5>脱水スラッジの含水率を40重量%とした以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 【0031】<実施例6>減水剤添加量を4重量%とし、セメントを8重量%添加した以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <実施例7>減水剤添加量を6重量%とし、セメントを8重量%添加した以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <実施例8>脱水スラッジの含水率を30重量%とし、減水剤添加量を6重量%とし、セメントを9重量%添加した以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <実施例9>脱水スラッジの含水率を40重量%とし、減水剤添加量を4重量%とし、セメントを11重量%添加した以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <実施例10>脱水スラッジの含水率を50重量%とし、セメントを13重量%添加した以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 【0032】<比較例1>脱水スラッジの含水率を55重量%とし、セメントを48重量%添加した以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <比較例2>脱水スラッジの含水率を63重量%とし、セメントを51重量%添加した以外は実施例1と同様にモルタルを調製した。 <比較評価>実施例1〜10及び比較例1及び2で調製したモルタルの流動化状況及びスラッジ単位容積質量を表1にそれぞれ示す。なお、実施例1〜10のモルタルは、モルタル圧縮強さ供試体容器に振動を加えずに流し込み充填可能かどうか、また、0打モルタルフロー値300mm以上であるか、の2点を考慮して流動化状況を評価した。モルタルの軟度を示すフロー試験は、JIS R 5201−1997に規定されているように、先ず、練り混ぜたモルタルを乾燥した布でよく拭ったフローテーブル上の中央の位置に正しく置いたフローコーンに2層に詰める。次いで、各層は、突き棒の先端がその層の約1/2の深さまで入るよう、全面にわたって各々15回突き、最後に不足分を補い表面をならす。次に、直ちにフローコーンを正しく上の方に取り去り、15秒間に15回の落下運動を与え、モルタルの広がりの最大と認められる方向と、これと直角な方向との径をmm単位まで測定し、その平均値を求めることにより、測定値が得られる。ここで0打モルタルフロー値とは、上述したフロー試験において、15回の落下運動を与えずにフロー値を測定した値である。また、比較例1及び2のモルタルはPロート流下時間(16〜50秒)を測定して流動化状況を評価した。 【0033】 【表1】
【0034】表1より明らかなように、スラッジを外容器に注入する第2モルタルとして処理するためには、高い流動性や強度が必要となるため、比較例1及び2のモルタルのように、セメント等を多量に添加しなければならないため、スラッジ単位容積質量を増やすことができない。これに対して、スラッジを内容器に注入する第1モルタルとして処理すると、高い流動性や強度がなくても、放射性コンクリート固化体は廃棄体としての強度を保ちながら処理できるため、実施例1〜10のモルタルのように、セメントが含まれていなかったり、含まれていても少量で、モルタルの流動性や強度が悪くても処理が可能である。そのため、スラッジ単位容積質量を増やすことができる。 【0035】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の第1の処理方法によれば、放射性コンクリートの切断時に発生するコンクリートスラッジを脱水した脱水スラッジに減水剤を混練して第1モルタルを調製し、この第1モルタルを内容器に注入し固型化して内容器固化体とし、脱水スラッジにセメントと砂と水と混和剤を混練して第2モルタルを調製し、この第2モルタルを外容器に収容した内容器と外容器の内側壁との第1隙間にコンクリート充填物を充填した後、第2モルタルを注入し固型化することにより、廃棄体の構造を内容器と外容器の2重構造とし、強度の低い第1モルタルを内容器に注入固化し、外容器に内容器固化体を収容して強度の高い第2モルタルを注入固化する。これにより、廃棄体としての強度を保ちながら、より多くの放射性コンクリートスラッジを装入することが可能となり、放射性コンクリートスラッジ起源の廃棄体をまったく発生させない。したがって、放射性廃棄体の大幅な減容化が可能となり、処分場に対する負荷が軽減できる。 【0036】また、本発明の第2の処理方法によれば、コンクリートブロックをブロックより大きな内容器に収容して脱水スラッジと減水剤とを混練して調製した第1モルタルを注入固化して処理するため、廃棄体としての強度を保ちながら、コンクリートスラッジを単独で廃棄物として発生させることはなく、ブロックと同一の容器で処分できるため、廃棄物量を抑制できる。 【0037】更に、本発明の第3の処理方法によれば、コンクリートブロックを脱水スラッジと減水剤とを混練して調製した第1モルタルを注入固化した内容器固化体とともに外容器に収容して第2モルタルを注入固化して処理するため、廃棄体としての強度を保ちながら、コンクリートスラッジを単独で廃棄物として発生させることはなく、ブロックと同一の容器で処分できるため、廃棄物量を抑制できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006264 【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085372 【弁理士】 【氏名又は名称】須田 正義
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| 【公開番号】 |
特開2002−296393(P2002−296393A) |
| 【公開日】 |
平成14年10月9日(2002.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2001−99672(P2001−99672) |
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