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【発明の名称】 核融合装置用中性子遮蔽体およびその取付方法
【発明者】 【氏名】森本 将明

【氏名】清水 克祐

【氏名】上 弘一

【要約】 【課題】構成を簡素化し、製造コストの低減を図ると共に、軽量化を図ること。

【解決手段】核融合装置から発生する中性子を遮蔽するための核融合装置用中性子遮蔽体であって、有機系高分子を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 核融合装置から発生する中性子を遮蔽するための核融合装置用中性子遮蔽体であって、有機系高分子を含むことを特徴とする核融合装置用中性子遮蔽体。
【請求項2】 請求項1に記載の核融合装置用中性子遮蔽体において、前記核融合装置から発生されるガンマ線のエネルギーによって加熱される前記有機系高分子の温度が、所定温度以上にならないように冷却する冷却手段を備えたことを特徴とする核融合装置用中性子遮蔽体。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の核融合装置用中性子遮蔽体において、中性子を吸収する物質である硼素(B)またはガドリニウム(Gd)またはカドミウム(Cd)のうちの少なくともいずれかを前記有機系高分子に添加したことを特徴とする核融合装置用中性子遮蔽体。
【請求項4】 請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の核融合装置用中性子遮蔽体において、自己消火作用を有する物質である水酸化マグネシウム(Mg(OH))または水酸化アルミニウム(Al(OH))のうちの少なくともいずれかを前記有機系高分子に添加したことを特徴とする核融合装置用中性子遮蔽体。
【請求項5】 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の核融合装置用中性子遮蔽体において、前記有機系高分子として、熱硬化性樹脂を用いたことを特徴とする核融合装置用中性子遮蔽体。
【請求項6】 請求項5に記載の核融合装置用中性子遮蔽体において、前記熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂を用いたことを特徴とする核融合装置用中性子遮蔽体。
【請求項7】 請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の核融合装置用中性子遮蔽体で構成された複数の遮蔽構造物で、前記核融合装置の周囲を覆うように配置するようにしたことを特徴とする核融合装置用中性子遮蔽体の取付方法。
【請求項8】 請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の核融合装置用中性子遮蔽体を加熱して溶融し、前記核融合装置を覆う型枠の内部に、前記溶融した核融合装置用中性子遮蔽体を流し込むことによって前記核融合装置の周囲に前記核融合装置用中性子遮蔽体を配置することを特徴とする核融合装置用中性子遮蔽体の取付方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核融合装置用中性子遮蔽体およびその取付方法に係り、更に詳しくは、核融合装置から発生する中性子を遮蔽するための核融合装置用中性子遮蔽体、およびその核融合装置用中性子遮蔽体を核融合装置の周囲に配置する取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】核融合装置は、重水素などを燃料として核融合反応を生じさせるものである。図10の断面図に示すこのような核融合装置20では、図11に示すようにドーナッツ形状の真空容器21内に水素を供給し、これに電圧を印加してプラズマを励起することによって水素を超高温に加熱することで、水素の原子核同士が融合する核融合反応を起こさせる。そして、核融合反応によって発生した高エネルギーを発電に用いるのが核融合発電である。
【0003】このように、水素を超高温なプラズマ状態で保つために、核融合装置20では、超伝導トロイダルコイル22および超伝導ポロイダルコイル23が用いられている。そして、これら超伝導コイル22,23によって発生される磁場によって、プラズマが真空容器21の容器壁に接触し、その温度が下がることがないようにされている。
【0004】核融合反応が引き起こると、高エネルギーが発生するとともに、中性子も発生する。この中性子によって超伝導コイル22,23が照射されると、超伝導コイル22,23が発熱する。超伝導コイル22,23は、超伝導状態を維持するために、極低温に保つ必要がある。また、中性子は、真空容器21や、その他の装置または機器等を放射化させるので、核融合装置20の運転を停止している場合であっても、人が近づくと被爆する恐れがある。
【0005】したがって、核融合装置20には、核融合反応によって発生した中性子が超伝導コイル22,23を照射することを阻止すること、あるいは、機器等を放射化させることを阻止するために、真空容器21の二重壁内部あるいは外表面に中性子を遮蔽する核融合装置用中性子遮蔽体25が配設されている。
【0006】図12は、このような核融合装置用中性子遮蔽体25の詳細構成を示す断面図である。従来の核融合装置20には、このような核融合装置用中性子遮蔽体25が真空容器21の中に配置される。そして核融合装置用中性子遮蔽体25の中には水27が貯えられ、更にB−金属(硼素添加金属)板からなるリブ28が複数平行に配置されている。真空容器21の二重壁内部は、このような構成をした多数の核融合装置用中性子遮蔽体25によって満たされている。
【0007】B(硼素)は、中性子を吸収する物質として、原子力の分野では制御棒、あるいは燃料貯蔵ラック等に広く用いられている。特に、熱中性子に対して大きな吸収断面積を有することから、減速材として機能する水27を周りに配置している。核融合装置20から放出された高速の中性子は、この水27によって熱中性子に減速されるので、B−金属板に含まれるB(硼素)によって中性子が効率よく吸収される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の核融合装置用中性子遮蔽体では、以下のような問題がある。
【0009】すなわち、従来の核融合装置用中性子遮蔽体25は、真空容器21の中に配置され、図12に示すとおり、内部に水27が貯えられ、更に、B−金属(硼素添加金属)板からなるリブ28が複数平行に配置されており、複雑な構成をしている。したがって、加工が容易ではなく、コスト的にも高いという問題がある。
【0010】また、比重の大きいB−金属板を複数配置していることから重量的にも極めて重いために、取り付けることが容易ではないという問題がある。
【0011】更に、核融合装置20の運転を開始する場合には、先ず真空容器21内の不純物を取り除くために、真空容器21内を加熱し、不純物を蒸発させてから取り除くガス抜き作業を行う。この場合、真空容器21の温度が極めて高くなるために、真空容器21の内部に固定されている核融合装置用中性子遮蔽体25の温度も100℃以上となる。したがって、このようなガス抜き作業を行う場合には、内部に貯えている水27が蒸発することのないように、核融合装置用中性子遮蔽体25の内部の水27を予め抜いておき、ガス抜き作業の終了後に、内部に水27を充填する作業を行わねばならず、手間がかかるという問題がある。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、有機系高分子によって中性子遮蔽体を構成し、もって、その構成を簡素化し、製造コストの低減を図るとともに、軽量化を図ることが可能な核融合装置用中性子遮蔽体を提供することを目的とする。
【0013】また、その第2の目的は、中性子の減速効果の高い有機系高分子によって中性子遮蔽体を構成し、水を不要とすることによって、ガス抜き作業時における水抜きを不要とするとともに、冷却手段を備え、有機系高分子の溶融を阻止することが可能な核融合装置用中性子遮蔽体を提供することにある。
【0014】更にまた、その第3の目的は、上述したように軽量化を図った核融合装置用中性子遮蔽体を用いることによって、核融合装置への取り付けを容易にすることが可能な核融合装置用中性子遮蔽体の取付方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0016】すなわち、請求項1の発明では、核融合装置から発生する中性子を遮蔽するための核融合装置用中性子遮蔽体であって、有機系高分子を含む。
【0017】請求項2の発明では、請求項1の発明の核融合装置用中性子遮蔽体において、核融合装置から発生されるガンマ線のエネルギーによって加熱される有機系高分子の温度が、所定温度以上にならないように冷却する冷却手段を備える。
【0018】請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明の核融合装置用中性子遮蔽体において、中性子を吸収する物質である硼素(B)またはガドリニウム(Gd)またはカドミウム(Cd)のうちの少なくともいずれかを有機系高分子に添加する。
【0019】請求項4の発明では、請求項1乃至3のうちいずれか1項の発明の核融合装置用中性子遮蔽体において、自己消火作用を有する物質である水酸化マグネシウム(Mg(OH))または水酸化アルミニウム(Al(OH))のうちの少なくともいずれかを有機系高分子に添加する。
【0020】請求項5の発明では、請求項1乃至4のうちいずれか1項の発明の核融合装置用中性子遮蔽体において、有機系高分子として、熱硬化性樹脂を用いる。
【0021】請求項6の発明では、請求項5の発明の核融合装置用中性子遮蔽体において、熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂を用いる。
【0022】請求項7の発明では、請求項1乃至6のうちいずれか1項の発明の核融合装置用中性子遮蔽体で構成された複数の遮蔽構造物で、核融合装置の周囲を覆うように配置する。
【0023】請求項8の発明では、請求項1乃至6のうちいずれか1項の発明の核融合装置用中性子遮蔽体を加熱して溶融し、核融合装置を覆う型枠の内部に、溶融した核融合装置用中性子遮蔽体を流し込むことによって核融合装置の周囲に核融合装置用中性子遮蔽体を配置する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】なお、以下の各実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図10から図12と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0026】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体およびその取付方法について図1から図6を用いて説明する。
【0027】図1は第1の実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体の一例を示す断面図、図2は第1の実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体の一例を示す斜視図である。
【0028】すなわち、本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体1は、容器3と、冷却チャンネル4と、レジン5とを備えている。
【0029】容器3は、真空容器側壁面12と、レジン側壁面13とを有する二重壁タイプの薄型平板形状をしており、その内部に冷却チャンネル4を内蔵している。そして真空容器側壁面12を真空容器21の表面に固定し、レジン側壁面13をレジン5に固定する。
【0030】冷却チャンネル4は、容器3の内部に導入された水によって構成されてなるものであって、この水は、中性子やガンマ線の照射を受けて発熱したレジン5を冷却する。これによって、レジン5が発熱によって高温化し、中性子遮蔽機能を低下させることがないように所定温度以下に保っている。
【0031】レジン5は、エポキシベースのマトリクスからなる樹脂を、薄型平板状に形成してなるものであって、薄型平板状の片面を容器3に固定している。なお、レジン5は、図1に示すように裸のまま使用する場合と、容器(図示せず)に封入したものを使用する場合がある。
【0032】エポキシベースのマトリクスからなる樹脂とは、主剤として反応性希釈材を添加したビスフェノール系エポキシ樹脂、硬化剤として脂環式ポリアミン、ポリアミド脂肪族ポリアミン、エポキシアダクト等の変性ポリアミンを配合したエポキシ系液状樹脂を混合してなる。さらに、耐火材として自己消火作用を備えた低ソーダ型水酸化アルミニウムあるいは水酸化マグネシウム、中性子吸収材として炭化硼素(BC)または酸化ガドリニウム(Gd)を用い、これらをマトリクスに分散させる。
【0033】このような成分から構成してなるマトリクスは、耐熱性および有効な可使時間の確保を可能とすると共に、軽量で水素含有率が高く、高い中性子遮蔽性能を有している。また、長期間150〜160℃の状態であっても、安定した難燃性と中性子遮蔽能力とを維持する(特願平11−291664号公報参照)。
【0034】このように構成した本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体1は、B−金属板よりも軽いレジン5を中性子遮蔽材として用いていること、レジン5は、自らが中性子を効率よく減速する効果を有しており、減速材である水を不要としていることから、従来技術の核融合装置用中性子遮蔽体1に比べて約半分の重量で、同等の中性子遮蔽性能を備えている。
【0035】なお、レジン5を冷却するための冷却水を冷却チャンネル4に導入する必要があるが、レジン5を構成する有機系高分子は、水の沸点よりも高い温度においても安定した難燃性と中性子遮蔽能力とを備えており、従来技術の核融合装置用中性子遮蔽体25ほど冷却性能を要求されないために、核融合装置用中性子遮蔽体1の全重量に対する割合は小さい。
【0036】次に、このように構成した本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体1を真空容器21の外周に取り付ける取付方法としては、以下に示すような2つの方法がある。
【0037】第1の取付方法は、図1および図2に示すような核融合装置用中性子遮蔽体1(#1〜#n)を予め複数製作しておき、それら複数の核融合装置用中性子遮蔽体1(#1〜#n)を、図3に示すように、真空容器21の外周を覆うように配置する方法である。この場合、隣接する核融合装置用中性子遮蔽体1との隙間から中性子が漏洩するのを阻止するために、図4(a)あるいは図4(b)に示すように、隣接する核融合装置用中性子遮蔽体1同士を嵌め合わせるようにする。あるいは、図4(c)に示すように、中性子を遮蔽する機能を備えた材料によって製作されたスペーサ15を、隣接する核融合装置用中性子遮蔽体1の間の隙間に挿入するようにする。このようにすることによって、遮蔽する対象である真空容器21の外周を、隙間無く遮蔽し、真空容器21の内部側から外部側へと、中性子が直接漏洩することがないようにしている。
【0038】第2の方法は、図5に示すように、まず、真空容器21の容器壁外表面に固定部2を固定し、次に、容器3を固定する。更に、容器3の上部側に型枠7を設置する。そして、導入口8から、型枠7の内部に、溶融したレジン5を流し込む。その後、型枠7の内部に流し込まれたレジン5が自然冷却により固化することによって真空容器21の外周を、レジン5の殻で覆い隙間無く遮蔽する。
【0039】なお、核融合装置20には、図6に示すように、複数のポート30(#1〜#3)を備えている場合もある。このポート30は、真空容器21内のプラズマの状態を測定するための種々の測定装置を配置する場所であって、真空容器21から延出して備えられている。したがって、このような場合には、真空容器21の外周を核融合装置用中性子遮蔽体1で覆った場合であっても、図中矢印に示すように、真空容器21からの中性子は、ポート30を介して外部に漏洩するので、ポート30の外周にも核融合装置用中性子遮蔽体1を配置する。
【0040】このように、ポート30の外周に核融合装置用中性子遮蔽体1を配置する場合であっても、上述したような第1および第2の取付方法によって取付を行う。
【0041】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体およびその取付方法の作用について説明する。
【0042】すなわち、本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体1は、B−金属板よりも軽いレジン5が中性子遮蔽材として適用されている。レジン5は、自らが中性子を効率よく減速する効果を有しており、減速材としての水27を別途備える必要はない。よって、本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体1は、従来技術の核融合装置用中性子遮蔽体25と同等の中性子遮蔽性能を実現するための重量が、従来に比べて約半分となる。また、従来技術における核融合装置用中性子遮蔽体25で必要であったガス抜き作業時における水抜きも不要となる。
【0043】更に、B−金属板のリブ28を多数必要としていた従来技術の核融合装置用中性子遮蔽体25に比べて、その構成も簡素化される。
【0044】更にまた、レジン5に適用されている有機系高分子の融点は、水よりも高いので、中性子の照射によって発熱するレジン5から熱を除去することによって溶融を阻止するために必要な冷却能力は、従来技術の核融合装置用中性子遮蔽体25ほど必要としない。
【0045】一方、本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体1の取付方法に関しては、上述したように軽量化が図られることによって、その取り付けも容易となる。
【0046】上述したように、本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体1においては、上記のような作用により、その構成を簡素化し、製造コストの低減を図るとともに、軽量化を図ることができる。
【0047】また、中性子の減速効果の高い有機系高分子によって中性子遮蔽体を構成し、水を不要とすることによって、ガス抜き作業時における水抜きを不要とするとともに、冷却手段を備え、有機系高分子の溶融を阻止することができる。なお、レジン5に用いられている有機系高分子の融点は水よりも高いので、従来技術の核融合装置用中性子遮蔽体ほどの冷却能力を必要としない。
【0048】このように、軽量化が図られた核融合装置用中性子遮蔽体を用いることによって、核融合装置用中性子遮蔽体の取付方法もまた、従来技術による核融合装置用中性子遮蔽体よりも容易とすることができる。
【0049】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態を図7を用いて説明する。
【0050】図7は、本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体1の一例を示す断面図であり、図1から図6と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0051】すなわち、図7は、核融合装置用中性子遮蔽体1を、真空容器21の表面に設けられている補強材9に固定した場合を示す断面図である。
【0052】このように、核融合装置用中性子遮蔽体1を、真空容器21の補強材9に固定するようにしても第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施の形態を図8および図9を用いて説明する。
【0054】図8および図9は、本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体の配置例を示す断面図であり、図1から図6と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0055】すなわち、図1および図7では、真空容器21と核融合装置用中性子遮蔽体1の間には何も無いのに対し、図8では,真空容器21と核融合装置用中性子遮蔽体1との間に、熱シールド11を備えている。また,核融合装置用中性子遮蔽体1の外周側にはHeガスにより冷却されるフレーム板10を配置している。なお、フレーム板10と熱シールド11は、核融合装置用中性子遮蔽体1の種類や構造に関わり無く存在する。ちなみに、真空容器21の温度は、常温〜数百℃、フレーム板10の内周側の温度は−200℃程度、フレーム板10の外周側(超伝導コイル22,23側)の温度は、−270℃程度である。
【0056】図8に示すように配置することによって核融合装置用中性子遮蔽体1は、熱シールド11により、真空容器21からの熱を直接受けることが無くなる。したがって、核融合装置用中性子遮蔽体1の温度が上昇することはなく、核融合装置用中性子遮蔽体1の冷却は不要となる。また,真空容器21の温度は、核融合装置用中性子遮蔽体1の使用限界温度に制限されることが無くなり、真空容器21のガス抜き上有利となる。
【0057】一方、図9は、本実施の形態に係る核融合装置用中性子遮蔽体の別の配置例を示す断面図であって、核融合装置用中性子遮蔽体1をフレーム板10の外周側、即ち超伝導コイル22,23に面するように配置したものである。核融合装置用中性子遮蔽体1を超伝導コイル22,23に取付けるようにしても良い。
【0058】図9に示すように配置することによっても核融合装置用中性子遮蔽体1は、熱シールド11により、真空容器21からの熱を直接受けることが無くなるので、図8に示すように配置された核融合装置用中性子遮蔽体1と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、まず第1に、有機系高分子によって中性子遮蔽体を構成し、もって、その構成を簡素化し、製造コストの低減を図るとともに、軽量化を図ることが可能な核融合装置用中性子遮蔽体を実現することができる。
【0061】また第2に、中性子の減速効果の高い有機系高分子によって中性子遮蔽体を構成し、水を不要とすることによって、ガス抜き作業時における水抜きを不要とするとともに、冷却手段を備え、有機系高分子の溶融を阻止することが可能な核融合装置用中性子遮蔽体を実現することができる。
【0062】更に第3に、上述したように軽量化を図った核融合装置用中性子遮蔽体を用いることによって、核融合装置への取り付けを容易にすることが可能な核融合装置用中性子遮蔽体の取付方法を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
【公開番号】 特開2002−296390(P2002−296390A)
【公開日】 平成14年10月9日(2002.10.9)
【出願番号】 特願2001−101675(P2001−101675)