| 【発明の名称】 |
放射性物質の貯蔵装置および貯蔵方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】相坂 貴司
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| 【要約】 |
【課題】キャニスタの除熱及び密封性の維持と監視を容易にする。
【解決手段】キャニスタ1と、キャニスタ1の外側に伝熱経路7を有して配置された金属製容器5と、金属製容器5の外側に冷却流路9を有して配置されたコンクリート製キャスク8とからなっている。コンクリート製キャスク8には下部に給気口10と上部に排気口11が設けられて冷却空気12を冷却流路9に流してキャニスタ1からの発熱を冷却し除熱できる。金属製容器5内の圧力を監視する圧力計14を設け、キャニスタ1と金属製容器5との密封性を監視できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キャニスタと、このキャニスタを包囲し前記キャニスタの外側との間に伝熱経路を形成して配置された金属製容器と、この金属製容器を包囲し前記金属製容器の外側との間に冷却流路を形成して配置されたコンクリート製キャスクとを具備したことを特徴とする放射性物質の貯蔵装置。 【請求項2】 前記キャニスタは上端開口部にフランジ部を有するキャニスタ本体と、前記上端開口部を閉塞し前記フランジ部に載置するフランジ部を有する上蓋と、前記各々のフランジ部を着脱自在に固定する固定部材とを具備してなることを特徴とする請求項1記載の放射性物質の貯蔵装置。 【請求項3】 前記伝熱経路を空気調和する空気調和設備を前記金属製容器に取り付けてなることを特徴とする請求項1記載の放射性物質の貯蔵装置。 【請求項4】 前記金属製容器の下端部をフランジ構造部に形成し、このフランジ構造部に前記金属製容器の底板となるベース板を設け、前記フランジ構造部および前記ベース板を前記金属製容器を設置する床スラブに固定部材により一体的に固定してなることを特徴とする請求項1記載の放射性物質の貯蔵装置。 【請求項5】 前記フランジ構造部の下面で前記ベース板との間に空隙部を設け、この空隙部に前記金属製容器と前記ベース板との間を気密に保持するガスケットを配置するとともに圧力監視装置を設けてなることを特徴とする請求項4記載の放射性物質の貯蔵装置。 【請求項6】 前記金属製容器に内部の圧力を監視する圧力監視装置を設けてなることを特徴とする請求項1記載の放射性物質の貯蔵装置。 【請求項7】 前記金属製容器の内面に前記キャニスタからの熱を伝える金属製伝熱部材を取り付けてなることを特徴とする請求項1記載の放射性物質の貯蔵装置。 【請求項8】 前記金属製容器内に伝熱性を有する不活性ガスを充填してなることを特徴とする請求項1記載の放射性物質の貯蔵装置。 【請求項9】 前記不活性ガスの圧力を測定する圧力計を設けてなることを特徴とする請求項8記載の放射性物質の貯蔵装置。 【請求項10】 キャニスタの内部に放射性物質を収容する工程と、このキャニスタを金属製容器内に容器内面と前記キャニスタの間に伝熱経路を有するように配置する工程と、前記金属製容器をコンクリート製キャスク内にこのキャスクの内面と前記金属製容器の間に冷却流路を有するように装荷する工程と、前記冷却流路に冷却媒体を流通させる工程と、を有することを特徴とする放射性物質の貯蔵方法。 【請求項11】 前記金属製容器内をその外部より負圧に設定する工程を有することを特徴とする請求項10記載の放射性物質の貯蔵方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所などの施設から発生する放射性廃棄物などの放射性物質を貯蔵する放射性物質の貯蔵装置および貯蔵方法に関する。 【0002】 【従来の技術】原子力発電所などの施設から発生する放射性廃棄物のうち特に使用済燃料やガラス固化体などの高い放射線量を有するものを、原子力発電所などの施設から搬出し再処理あるいは処分までの一時的な期間にわたり貯蔵する際には、放射性廃棄物を貯蔵する貯蔵施設などで適切に貯蔵管理を行うことが必要とされる。 【0003】従来、放射性物質の貯蔵方法としては、湿式法と乾式法に分別される。前者は、一般的に水プール貯蔵方式として知られるとおり、使用済燃料の貯蔵に用いられており、水中に使用済燃料を貯蔵することで、使用済燃料から発生する熱を除去すると同時に、それらから発せられる放射線を遮へいする。 【0004】また、後者は、放射性物質の貯蔵容器として金属キャスクを用いる方法である金属キャスク貯蔵方式と、キャニスタを用いる方式であるコンクリートモジュール貯蔵方式に分けることができる。金属キャスク貯蔵方式の放射性物質の貯蔵施設としては、原子力発電所内での保管建屋を流用した使用済燃料の貯蔵施設が実用化されている。 【0005】一方、国内のコンクリートモジュール貯蔵方式の貯蔵施設としては、再処理施設におけるガラス固化体の貯蔵施設が実用化している。このコンクリートモジュール貯蔵方式は、使用済燃料の貯蔵施設に採用することによって、湿式法や従来の乾式法である金属キャスク貯蔵方式よりも貯蔵に要する費用を下げることが可能であると見込まれ、開発が進められている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のキャニスタを用いたコンクリートモジュール貯蔵方式においては下記のような課題がある。貯蔵容器であるキャニスタは内部に放射性物質を収納し、蓋部を溶接することで密封を確保するが、この溶接のみによって密封障壁を形成するために、設計・製作・検査のそれぞれにおいて高い要求が課せられている。 【0007】また、その構造のために、一度溶接して収納した放射性物質を取り出すことが困難であるとともに、何らかの要因によって密封障壁としての役割を果たせなくなった場合、その検知が困難であることが課題となっている。さらに、地震時の振動によりキャニスタが破損する恐れがあり、加えて、キャニスタに腐食した塩によって腐食が起こる恐れがあることが課題となっている。 【0008】本発明は上記課題を解決するためになされたもので、貯蔵容器としてのキャニスタの除熱及び密封性をさらに高め、万一の場合に備えキャニスタの密封性が維持されていることを確認できるようにし、また地震や腐食などの密封性を損わせる外的要因からキャニスタを防護して放射性物質が外部に漏洩することがない放射性物質の貯蔵装置を提供する。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、キャニスタと、このキャニスタを包囲し前記キャニスタの外側との間に伝熱経路を形成して配置された金属製容器と、この金属製容器を包囲し前記金属製容器の外側との間に冷却流路を形成して配置されたコンクリート製キャスクとを具備したことを特徴とする。 【0010】請求項1の発明によれば、キャニスタから発生する熱を伝熱経路に伝え、金属製容器を流れる冷却媒体により前記熱を除去するとともに、コンクリート製キャスクの内張りに密封機能をもたせることで、金属製容器とキャスクとの二重の密封壁により放射性物質の密封性をさらに向上させることができる。また、キャニスタが直接冷却媒体に曝されることがないため、塩の付着から発生する腐食の影響を低減することができる。 【0011】請求項2に係る発明は、前記キャニスタは上端開口部にフランジ部を有するキャニスタ本体と、前記上端開口部を閉塞し前記フランジ部に載置するフランジ部を有する上蓋と、前記各々のフランジ部を着脱自在に固定する固定部材とを具備してなることを特徴とする。 【0012】請求項2の発明によれば、キャニスタの密封をキャニスタ本体と上蓋とをフランジ部にして固定部材により着脱自在に閉塞し密封することで、キャニスタ本体内に収納された放射性物質を容易に取り出すことができる。また、従来のようにキャニスタ本体と蓋とを溶接により密封していないので、破損することなく、解体が容易であり、キャニスタを繰り返し再使用できる。 【0013】請求項3に係る発明は、前記伝熱経路を空気調和する空気調和設備を前記金属製容器に取り付けてなることを特徴とする。請求項3の発明によれば、伝熱経路に空調系を設けて負圧管理することにより、キャニスタから放射性物質が漏洩した場合、外部への漏洩を防止できる。 【0014】請求項4に係る発明は、前記金属製容器の下端部をフランジ構造部に形成し、このフランジ構造部に前記金属製容器の底板となるベース板を設け、前記フランジ構造部および前記ベース板を前記金属製容器を設置する床スラブに固定部材により一体的に固定してなることを特徴とする。 【0015】請求項4の発明によれば、金属製容器の低部をフランジ構造にして一体的に固定することにより床スラブとの間が密封構造となり、キャニスタ及び金属製容器を地震や腐食などの密封性を損わせる外的要因から防護することができる。 【0016】請求項5に係る発明は、前記フランジ構造部の下面で前記ベース板との間に空隙部を設け、この空隙部に前記金属製容器と前記ベース板との間を気密に保持するガスケットを配置するとともに圧力監視装置を設けてなることを特徴とする。請求項5の発明によれば、請求項4の発明において金属製容器の密封の健全性を確認する選択肢を得ることができる。 【0017】請求項6に係る発明は、前記金属製容器に内部の圧力を監視する圧力監視装置を設けてなることを特徴とする。請求項6の発明によれば、請求項1の発明において金属製容器における漏洩を確認できる。 【0018】請求項7に係る発明は、前記金属製容器の内面に前記キャニスタからの熱を伝える金属製伝熱部材を取り付けてなることを特徴とする。請求項7の発明によれば、キャニスタからの発熱を効果的に除去できる。 【0019】請求項8に係る発明は、前記金属製容器内に伝熱性を有する不活性ガスを充填してなることを特徴とする。請求項8の発明によれば、キャニスタからの発熱を効果的に除去できる。 【0020】請求項9に係る発明は、前記不活性ガスの圧力を測定する圧力計を設けてなることを特徴とする。請求項9の発明によれば、キャニスタまたは金属製容器の密封性に異常がないことを確認することができる。 【0021】請求項10に係る発明は、放射性物質の貯蔵方法であって、キャニスタの内部に放射性物質を収容する工程と、このキャニスタを金属製容器内に容器内面と前記キャニスタの間に伝熱経路を有するように配置する工程と、前記金属製容器をコンクリート製キャスク内にこのキャスクの内面と前記金属製容器の間に冷却流路を有するように装荷する工程と、前記冷却流路に冷却媒体を流通させる工程と、を有することと特徴とする。 【0022】請求項10の発明によれば、キャニスタから発生する熱を伝熱経路に伝え、金属製容器内の冷却流路を流れる冷却媒体により前記熱を除去しながら、金属製容器と二重の密封壁により放射性物質の密封性をさらに向上させることができる。 【0023】請求項11に係る発明は、さらに、前記金属製容器内をその外部より負圧に設定する工程を有することを特徴とする。請求項11の発明によれば、金属製容器の密封性をさらに高めることができる。 【0024】 【発明の実施の形態】図1により、本発明に係る放射性物質の貯蔵装置の第1の実施の形態を説明する。図1において、符号1はキャニスタで、内部に放射性物質が収納される。キャニスタ1はキャニスタ本体2上端開口部にフランジ部が形成され、そのフランジ部上に上蓋3が載置して上端開口部が閉塞され、上蓋3のフランジ部がキャニスタ本体2上端開口部に設けたフランジ部に当接し、ボルト4により気密に締結されたものからなっている。 【0025】キャニスタ1全体を包囲して金属製容器5が配置され、金属製容器5の内側に伝熱部材6が設けられており、キャニスタ1と金属製容器5の外側との間に伝熱経路7が形成されている。金属製容器5はSUS316Lにより構成されている。 【0026】金属製容器5全体を包囲してコンクリート製キャスク8が配置され、金属製容器5の外側とコンクリート製キャスク8との間には冷却流路9が形成されている。冷却流路9は下端部に給気口10を有し、上端部に排気口11を有し、冷却媒体として例えば冷却空気12が流れるようになっている。また、コンクリート製キャスク8の上端を挿通して一端が金属製容器5を貫通し伝熱経路7に達する配管13が設けられている。配管13の他端には圧力計14が取り付けられている。 【0027】キャニスタ1内に収納された放射性物質から発生する熱は、キャニスタ1の外表面に伝えられる。この熱はキャニスタ1と金属製容器5との間に配置された伝熱部材6に伝わり、金属製容器5の外表面に達する。キャニスタ1の発熱を金属製容器5の外表面に伝える手段として、伝熱経路7内に例えばヘリウムガスなどの熱伝導率の高いガスを充填する方法も用いることができる。伝熱部材6はキャニスタ1を支持する役割を兼ねることも可能である。 【0028】このキャニスタ1と金属製容器5の間に存在する伝熱経路7内の圧力は、キャニスタ1内の圧力及び金属製容器5外の圧力とは異なる圧力に管理される。万一キャニスタ1または金属製容器5に漏洩があった場合には、その圧力が圧力計14により監視される。このようにすることで、キャニスタ1内部に収納された放射性物質は、金属製容器5とで二重の密封障壁を有する構造となり、放射性物質の外部への漏洩を防止できる。 【0029】コンクリート製キャスク8の給気口10から流入した冷却空気12は冷却流路9を通って排気口11からコンクリート製キャスク8の外部へ流出する。キャニスタ1内に収納された放射性物質による発熱は、金属製容器5の外表面に到達した後、金属製容器5とコンクリート製キャスク8との間の冷却流路9を流れる冷却空気12によって除去される。 【0030】なお、本実施の形態では金属製容器5に材質としてSUS316Lを適用することが好適である。これにより、万一、冷却空気12に塩分が含まれている場合であっても、金属製容器5を塩分による腐食から防護することができる。 【0031】なお、本実施の形態では金属製容器5の外部の主にコンクリートで構成される構造物としてコンクリート製キャスクを用いた例を示したが、本実施の形態はコンクリート製キャスクに限定されるものではない。 【0032】つぎに図2により本発明に係る放射性物質の貯蔵装置の第2の実施の形態を説明する。なお、図2中、図1と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、金属製容器5の下部側壁面を貫通して伝熱経路7内に一端部が開口する空調用配管15を金属製容器5の下部側壁面に取り付け、空調用配管15の他端部を空調設備16に取り付けたことにある。 【0033】キャニスタ1と金属製容器5の間に存在する伝熱経路7と連通するようにして一端が金属製容器5に取り付けられ、他端が空調設備16に取り付けられた空調用配管15を設け、空調設備16により伝熱経路7の圧力を常に負圧に維持する。 【0034】すなわち、金属製容器5内をその外部より負圧に設定する。これによって、キャニスタ1から内部の放射性物質の漏洩があった場合には、その放射性物質が金属製容器5の外部に漏洩することを防止できる。 【0035】なお、本実施の形態においては、例えば図1の第1の実施の形態で示した圧力形14を設け、金属製容器5内の圧力変動を監視することとしてもよい。この場合、圧力変動を監視することで金属製容器5の密封の健全性を確認することができる。 【0036】つぎに図3により本発明に係る放射性物質の貯蔵装置の第3の実施の形態を説明する。なお、図3中、図1と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、金属製容器5の下端開口部にフランジ部5aを形成するとともに、床スラブ17との間に金属製容器5の底板となるベース板18を敷設し、ベース板18上に金属製容器5を載置してフランジ部5aとベース板18に底部フランジボルト19を貫入し、床スラブ17にねじ込んで一体的に固定したことにある。 【0037】本実施の形態では第1の実施の形態と同様に、放射性物質からの発熱はキャニスタ1表面に伝えられ、伝熱部材6を介して金属製容器5の外表面へと伝えられる。金属製容器5に伝えられた熱は、その外部の冷却流路9を流れる冷却空気12によって除去される。 【0038】本実施の形態によれば、金属製容器5は底部にフランジ部5aを有しており、底部フランジボルト19のねじ込みによって密封が行われる。この底部フランジボルト19は金属製容器5の密封を行うとともに、床スラブ17内にまで入り込んだ構造を有するので、キャニスタ1及び金属製容器5の耐震性を高め、放射性物質が外部へ漏洩することを防止できる。 【0039】つぎに図4により本発明に係る放射性物質の貯蔵装置の第4の実施の形態を説明する。図4は本実施の形態の要部を拡大して示したもので、図3と同一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略する。本実施の形態は第3の実施の形態において、フランジ部5aのベース板18との間に空隙部20を設け、かつ空隙部20内にベース板18と接して金属ガスケット21を配置することで、金属製容器5の密封を行うことにある。また、フランジ間の空隙部20の圧力を測定するために空隙部20に配管13を介して圧力計14を設けたことにある。 【0040】本実施の形態によれば、第3の実施の形態の効果の他に、圧力計14により測定される空隙部20の圧力の変動を監視することで金属製容器5の密封の健全性を確認する選択肢を得ることもできる。なお、本発明においては、上述した各実施の形態の構成を適宜組合わせて適用することも可能である。 【0041】 【発明の効果】本発明によれば、キャニスタの外部に金属製容器を設けることにより、キャニスタと併せて二重の密封障壁を形成することとなり、密封性を向上させることができる。また、キャニスタと金属製容器との間に伝熱部材を介して伝熱経路を設け、かつその外側に冷却流路を設けることによりキャニスタの除熱性を高めることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成13年2月28日(2001.2.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087332 【弁理士】 【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−257991(P2002−257991A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−54685(P2001−54685) |
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