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【発明の名称】 放射性廃棄物処理方法及び装置並びに放射性廃棄物分別装置
【発明者】 【氏名】近藤 賀計

【氏名】金子 滋司

【氏名】成田 健次郎

【要約】 【課題】ハルをロール圧縮する際におけるロールの傷つき・過負荷を防止し生産効率を向上する。

【解決手段】使用済燃料の再処理において発生した放射性廃棄物から分離された被覆管残渣を、略中空形状を備えた中空ハルと、略中実形状を備えた中実ハルとに分別し、前記中空ハルを上・下ロール20,27を用いて圧縮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】使用済燃料の再処理において発生した放射性廃棄物から分離された被覆管残渣を、略中空形状を備えた中空ハルと、略中実形状を備えた中実ハルとに分別し、前記中空ハルをロールを用いて圧縮することを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
【請求項2】請求項1記載の放射性廃棄物処理方法において、前記被覆管残渣を前記中空ハルとに前記中実ハルとに分別する前に、前記放射性廃棄物から分離した前記被覆管残渣中の前記中空ハル及び前記中実ハルを整列させ、その後各ハル間の距離を所定距離まで離間させることを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
【請求項3】使用済燃料の再処理において発生した放射性廃棄物から分離された被覆管残渣を、略中空形状を備えた中空ハルと略中実形状を備えた中実ハルとに分別する分別手段と、ロールを用いて前記中空ハルを圧縮する圧縮手段とを有することを特徴とする放射性廃棄物処理装置。
【請求項4】請求項3記載の放射性廃棄物処理装置において、前記被覆管残渣を前記中空ハルとに前記中実ハルとに分別する前に、前記放射性廃棄物から分離した前記被覆管残渣中の前記中空ハル及び前記中実ハルを整列させる整列手段と、各ハル間の距離を所定距離まで離間させる離間手段とを設けたことを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
【請求項5】請求項3又は4記載の放射性廃棄物処理装置において、前記離間手段は、搬送速度が互いに異なる複数のベルトコンベヤを備えることを特徴とする放射性廃棄物処理方法。
【請求項6】使用済燃料の再処理において発生した放射性廃棄物から分離された被覆管残渣を導入し、その剛性を検知する検知手段と、その検知結果に応じ、前記被覆管残渣を、略中空形状を備えた中空ハル用の搬送経路若しくは略中実形状を備えた中実ハル用の搬送経路に振り分ける振り分け手段とを有することを特徴とする放射性廃棄物分別装置。
【請求項7】請求項6記載の放射性廃棄物分別装置において、前記検知手段は、固定ロールと、前記被覆管残渣の剛性に応じて前記固定ロールとの間隙を遠近可能な可動ロールとを備えており、前記振り分け手段は、前記中空ハル用搬送経路と前記中実ハル用搬送経路との分岐点に位置しそれらいずれかの経路にハルの進路を切り換え可能な切換手段と、前記可動ロールの変位を前記切換手段に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする放射性廃棄物分別装置。
【請求項8】請求項7記載の放射性廃棄物分別装置において、前記固定ロール及び前記可動ロールの回転速度は、それらロールから送り出す前記中空ハル及び前記中実ハルの送り出し時間間隔が、前記振り分け手段の一動作周期以上となるように設定されていることを特徴とする放射性廃棄物分別装置。
【請求項9】請求項7記載の放射性廃棄物分別装置において、前記切換手段の長さを、選別対象ハルの長さと同等以上としたことを特徴とする放射性廃棄物分別装置。
【請求項10】請求項7記載の放射性廃棄物分別装置において、前記固定ロールと前記可動ロールとの前記間隙の初期値を可変に設定する初期間隙設定手段を設けたことを特徴とする放射性廃棄物分別装置。
【請求項11】請求項7記載の放射性廃棄物分別装置において、前記固定ロールの回転軸と前記可動ロールの回転軸の水平方向における相対位置関係を可変に設定可能な回転軸設定手段を設けたことを特徴とする放射性廃棄物分別装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済燃料集合体から生じた放射性廃棄物を限容処理する放射性廃棄物減容処理システムに係わり、特に、ハル(燃料被覆管、プレナムスプリング、上下部端栓、ウォータロッド端栓等)を処理するのに好適な放射性廃棄物処理方法及び装置並びに放射性廃棄物分別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子炉から取り出された使用済燃料集合体の再処理施設で発生するハル(燃料被覆管、プレナムスプリング、上下部端栓、ウォータロッド端栓等)、スペーサ、エンドピース(上部・下部タイプレート)等の放射性廃棄物は、廃棄物の減容化を図る目的で、主に圧縮による減容処理が行われている。
【0003】このとき、ハル及び燃料スペーサは、主にジルコニウム合金であるジルカロイによって構成されている。ここで、圧縮時において生じうるジルカロイ粉塵は大気中の酸素と反応して発火しやすい性質を備えるため、この圧縮処理を不活性ガス雰囲気において行う手法が従来より提唱されており、公知技術としては、例えば特開平11−64588号公報がある。
【0004】この特開平11−64588号公報に記載の放射性廃棄物用プレス装置では、基板、これに立設された4本の支柱、及び支柱上に架設された架台からなる固定側の基礎構造体と、この基礎構造体に固定された圧縮機構から下方に伸長するピストンと、可動台車とを備えている。
【0005】可動台車は、前記ピストンの下端部に当接されて押圧されるラム(押し棒)と、車輪を下部に取り付けた基台と、押し棒が挿入される円孔(キャビティ)を径方向中央部に設けた金型本体と、この金型本体を載置するフランジと、このフランジを基台に対し昇降可能に支持する昇降シリンダとを備えている。
【0006】そして、予めキャビティの内径及び押し棒の外径にほぼ等しい外径を備えたカプセル中に、所定の重量のハル、エンドピース、及ぴ燃料スペーサを挿入しておき、可動台車上の昇降シリンダを伸長させて金型本体及び押し棒を上方へ持ち上げた状態でカプセルを基台上に載置する。そして、昇降シリンダを縮短させ、金型本体のキャビティ内にカプセルをすっぽり収納するとともに、ラムをカプセルの上部に当接させた状態とする。その後、ピストンを圧縮機構から下方に伸長させて押し棒を下方へ押し込むことにより、カプセルを押し棒の下端と可動台車の基台との間で上下方向から挟み込み、不活性ガス雰囲気中にてカプセルごとプレスするようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のプレス装置を用いた場合、ハル、エンドピース、及び燃料スペーサをすべて種々雑多に混合しカプセル内に封入した状態で圧縮減容するため、数千トンの圧縮荷重を必要とする。このため、この大きな荷重に耐えられるようにプレス装置自体が大型となる。この結果、この装置を設置する基礎荷重強度の増強や放射性廃棄物処理設備自体の大型化が必要となり、建設費が高騰するという懸念があった。
【0008】そこで、上記に対応して、本願発明者等は、特願平12−101182号において、使用済燃料集合体から生じる放射性廃棄物のうちハル、エンドピース、及び燃料スペーサを篩い手段を用いてそれぞれ分離し、燃料スペーサ及びエンドピースについては、プレス装置によるプレス圧縮を行う一方、ハルについては対向配置された一対のロールを供えたロール圧縮装置にてロール圧縮を行う廃棄物減容処理システムを提唱した。
【0009】このシステムでは、圧縮の難易度(圧縮強度)に応じて、相対的に圧縮強度の小さいハルはロール圧縮、相対的に圧縮強度の大きい燃料スペーサ及びエンドピースについてはプレス圧縮としている。また、燃料スペーサ及びエンドピースのプレス圧縮においては、先の従来技術のようなカプセル内の大容量を一度にプレスする方式ではなく、燃料スペーサあるいはエンドピースを一個ずつ順次プレスしていく方式としている。
【0010】以上のようなシステム構成により、ロール圧縮装置及びプレス装置ともに必要最小限の力で効率よく圧縮を行うことができるので、それぞれの装置を小型化することが可能となる。この結果、装置を設置する基礎荷重強度の低減及び放射性廃棄物処理設備自体の小型化を図ることができ、建設費の高騰を防止できる。
【0011】しかしながら、上記先願発明には、以下のようなさらなる改善可能な事項が存在している。
【0012】すなわち、上記先願発明のシステムにおいては、篩い手段によってロール圧縮の対象として分離されたハルの中に、被覆管ハル、プレナムスプリング等大量に発生する比較的中空の中空ハルと、上下部端栓、ウォータロッド端栓のような比較的中実の中実ハルとが混在している。これらのうち、中空ハルは、圧縮に要する圧縮力が小さいため、ロールの長手方向に複数列のハルを配列して一度に圧縮しても、ロールと中空ハル等の接触応力はロールの許容応力以内にとどまり、ロールの損傷、あるいは磨耗、傷つき、スポーリング等の問題は発生することは少ない。
【0013】このとき、ロール圧縮を行う場合には、実際の操業時の生産能率を大きくするために、ロール間隙を例えば2mm程度にセットして例えば中空ハルをその板厚程度にまで圧縮可能として減容比を極力大きくすることが好ましい。ところが、このようなロールのセットの状態で上下部端栓のような中実ハルを圧縮しようとすると、被対象材が中実材料であるがゆえに上記の中空ハルに比べて数倍以上の大きな圧縮力を必要とし、ロールのヘルツ応力上好ましくないし、スポーリング等も頻繁に発生することが懸念され、ロール表面を常に監視してロール研磨等を行う必要があり、減容処理の生産能率が著しく低下する可能性がある。
【0014】但し、中実ハルによってロール圧縮機に過大な圧縮力が作用した場合にロール間の間隙を開いて逃げる機構を設ける等の構成も考えられるが、この場合にもすでにロールへの傷つき、あるいは過負荷が作用しており、ロール等の傷つき等によるスポーリングは防ぐことは困難である。また、ロールでの減容圧縮を実際の操業上可能とするためには前述のようにロール圧縮機1台でロール幅方向に複数列のハル減容処理することが必要であり、もし1列に仮に中実ハルが1つでも入ってくれば、複数列分の圧縮力は1個の中実ハルに作用して、上記のロールトラブルが起きやすくなることが予想される。
【0015】本発明の第1の目的は、ハルをロール圧縮する際におけるロールの傷つき・過負荷を防止し生産効率を向上できる放射性廃棄物処理方法及び装置並びに放射性廃棄物分別装置を提供することにある。
【0016】本発明の第2の目的は、コスト高を招くことなく高い信頼性を確保しつつ、中空ハルと中実ハルとを高速かつ安定的に分別できる放射性廃棄物分別装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】(1)上記第1の目的を達成するために、本発明の放射性廃棄物処理方法は、使用済燃料の再処理において発生した放射性廃棄物から分離された被覆管残渣を、略中空形状を備えた中空ハルと、略中実形状を備えた中実ハルとに分別し、前記中空ハルをロールを用いて圧縮する。
【0018】本発明においては、ハルをロール圧縮して減容化するに際し、略中空形状を備えた中空ハル(被覆管、プレナムスプリング等)と、略中実形状を備えた中実ハル(端栓、ウオータロッドの端栓)とに分別し、中空ハルをロールを用いて圧縮する。これにより、圧縮時において、中空ハル中と中実ハルとが混在した状態で圧縮を行うのを防止し、中空ハルのみを揃えて圧縮を行うことができる。したがって、ロールの傷つき・過負荷を防止することができ、生産効率を向上できる。
【0019】(2)上記(1)において、好ましくは、前記被覆管残渣を前記中空ハルとに前記中実ハルとに分別する前に、前記放射性廃棄物から分離した前記被覆管残渣中の前記中空ハル及び前記中実ハルを整列させ、その後各ハル間の距離を所定距離まで離間させる。
【0020】(3)上記第1の目的を達成するために、本発明の放射性廃棄物処理装置は、使用済燃料の再処理において発生した放射性廃棄物から分離された被覆管残渣を、略中空形状を備えた中空ハルと略中実形状を備えた中実ハルとに分別する分別手段と、ロールを用いて前記中空ハルを圧縮する圧縮手段とを有する。
【0021】(4)上記(3)において、好ましくは、前記被覆管残渣を前記中空ハルとに前記中実ハルとに分別する前に、前記放射性廃棄物から分離した前記被覆管残渣中の前記中空ハル及び前記中実ハルを整列させる整列手段と、各ハル間の距離を所定距離まで離間させる離間手段とを設ける。
【0022】(5)上記(3)又は(4)において、また好ましくは、前記離間手段は、搬送速度が互いに異なる複数のベルトコンベヤを備える。
【0023】(6)上記第1及び第2の目的を達成するために、本発明の放射性廃棄物分別装置は、使用済燃料の再処理において発生した放射性廃棄物から分離された被覆管残渣を導入し、その剛性を検知する検知手段と、その検知結果に応じ、前記被覆管残渣を、略中空形状を備えた中空ハル用の搬送経路若しくは略中実形状を備えた中実ハル用の搬送経路に振り分ける振り分け手段とを有する。
【0024】通常、集合体廃棄物のうちで、もっとも多量に排出されるのは中空・中実ハルであることから、その意味でも、システム構成上、圧縮前に中空ロールと中実ロールとを高速かつ安定的に分別することが重要である。ここで、プレナムスプリング、上下部端栓、あるいは被覆管ハルは大きさも長さも類似しているため、通常の篩い手段等では、それらを分別することはかなり困難である。それ以外の分別手段としては、例えば、■風力選別等の比重差等の利用、■画像処理等が考えられる。
【0025】しかしながら、すなわち、■の風力選別装置は、分離性能に関する信頼性が低いため、あまり望ましくない。また、■の画像処理の方式では、ハル間の判定距離を十分とれば可能であるが、ハル1個の断面を前後の形状より判定する必要がある。このとき、処理量の観点から、ハルを仮に6列で供給しロール圧縮する場合、1列あたり前後2台として、セル内の放射線に耐える高価なカメラが12台も必要となる。さらに、このような集合体廃棄物を処理する場合には廃棄物自体の放射線の線量が高いので、画像モニタカメラの寿命が数ヶ月程度しかなく、たくさんの予備品を持って操業する必要があり、2次廃棄物の発生が増大するとともにコスト高を招き、経済性の観点から好ましくない。
【0026】そこで、本発明においては、放射性廃棄物から分離され導入された被覆管残渣の剛性を検知手段で検知し、その検知結果に応じ、振り分け手段で、略中空形状を備えた中空ハル用の搬送経路か、若しくは略中実形状を備えた中実ハル用の搬送経路に振り分ける。このように剛性に応じてハルの進路を機械的に切り換える構造とすることにより、上記画像処理方式のようにコスト高を招くことなく、風力選別と異なり高い信頼性を確保しつつ、中空ハルと中実ハルとを高速かつ安定的に分別することが可能になる。
【0027】(7)上記(6)において、好ましくは、前記検知手段は、固定ロールと、前記被覆管残渣の剛性に応じて前記固定ロールとの間隙を遠近可能な可動ロールとを備えており、前記振り分け手段は、前記中空ハル用搬送経路と前記中実ハル用搬送経路との分岐点に位置しそれらいずれかの経路にハルの進路を切り換え可能な切換手段と、前記可動ロールの変位を前記切換手段に伝達する伝達手段とを備える。
【0028】(8)上記(7)において、好ましくは、前記固定ロール及び前記可動ロールの回転速度は、それらロールから送り出す前記中空ハル及び前記中実ハルの送り出し時間間隔が、前記振り分け手段の一動作周期以上となるように設定されている。
【0029】(9)上記(7)において、好ましくは、前記切換手段の長さを、選別対象ハルの長さと同等以上とする。
【0030】(10)上記(7)において、好ましくは、前記固定ロールと前記可動ロールとの前記間隙の初期値を可変に設定する初期間隙設定手段を設ける。
【0031】(11)上記(7)において、好ましくは、前記固定ロールの回転軸と前記可動ロールの回転軸の水平方向における相対位置関係を可変に設定可能な回転軸設定手段を設ける。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に従い詳細に説明する。
【0033】図2は、本発明の対象物である使用済みの燃料集合体の概略構成を表す側面図である。この図2において、燃料集合体は、核燃料を封入した燃料棒13が、上部エント゛ヒ゜ース10、及び下部エント゛ヒ゜ース11の間で支持し、その途中のある区間ごと燃料棒を支持するスヘ゜ーサ12で構成されている。
【0034】燃料棒13は、中空被覆管13c下部側に中実形状の下部端栓13dを設置し、ペレット状の核燃料物質を中空の被覆管13c内に収納し、さらにプレナムスプリング13bを挿入した後、被覆管13c内を所定のヘリウム圧力に置換し、中実形状の上部端栓13aによって密封溶接した構造となっている。
【0035】使用済み燃料の再処理を行うときには、上部または下部のエント゛ヒ゜ース10,11を切断しその後さらに、集合体を数cm単位の細片にせん断する。そしてせん断された細片は所定の溶解槽に投入され、溶解槽内で核燃料物質と、スヘ゜ーサ12、上部エント゛ヒ゜ース10、下部エント゛ヒ゜ース11、中空の被覆管で数cm単位にせん断されたハル及びプレナムスプリング等(以後これらを一括して中空ハルと呼ぶ)、上下部端栓及びウォータロッド端栓等(以後これらを一括して中実ハルと呼ぶ)とに分離される。分離された核燃料物質は、再利用のための処理工程に送られ、残渣物である中空ハル・中実ハル(以後適宜、これらを一括して単にハルという)、スヘ゜ーサ・上下部エント゛ヒ゜ース(以後適宜、エンドピース等という)が一緒のドラム管に所定の大きさのドラム管に混入している。図1は、上記放射性廃棄物残渣物を処理する本発明の放射性廃棄物処理装置の一実施形態を示す全体システム構成図である。
【0036】図1において、ハルと、エント゛ヒ゜ース等が混在した所定の大きさのドラム缶が、篩機2のホッパ2aにドラム缶保持装置1にて篩機2に封入される。篩機2では、篩目の大きさにより上下部エント゛ヒ゜ース10,11及びスヘ゜ーサ12はホッパ側の篩目に残り、ドラム缶3aに選別挿入される。一方、篩目の大きさにより、ほぼ大きさ及び長さが同じ中空・中実ハルをドラム缶3cに選別収納する。なお、中空及び中実ハルより形状の小さいファインあるいはナット等はドラム缶3bに収納される。このようにして、当初のドラム缶内に混在していた放射性廃棄物が、まずある程度の大きさで粗く分別される。分別されドラム缶3c内に収納された中空・中実ハルは、ドラム缶保持装置1にて整列手段としての整列装置(フィーダ)4のホッパ4aに投入され、ハルの長手方向に整列される。
【0037】ここで、通常、せん断されたハルの長手方向の長さは約40mm程度であるが、この後、中空又は中実のハルの剛性の差を利用して分別手段としての分別装置6で判定する(詳細は後述)ために、整列装置4で整列されるハル1個1個の距離をある程度離間させる必要がある。このため、離間手段としての分離装置5が整列装置4と分別装置6の間に設けられ、1個のハルの長さの2倍以上の間隙をハルとハルの間にあけるようになっている。なお、7は非常退避カ゛イト゛であり、分離装置5あるいは他の搬送系に何らかのトラブルがあったときに動作し、整列装置4からのハルを一時的にドラム缶3d1に導入し収納するようになっている。
【0038】図3は、上記分離装置5の詳細を表すシステム構成図である。図3において、この分離装置5は複数台(この例では5台)のコンベヤ5a〜eを有している。整列装置4側から非常退避ガイド7を介しコンベヤ5aに導入されてくる搬送速度をV0とし、コンベヤ5aにおける搬送速度をV1とすれば、分離できる距離は、ハルの長さがV1に乗り移って安定して移動できる距離(例えば20mm程度)だけ離間(分離)できることになる。中空・中実の判定のために必要な距離として例えば80mm以上離すためには4つ以上の速度差を持ったコンベヤが必要となる。本実施形態では5つ設けており、上記の例に沿って言えばハルとハルとの間を100mm程度離間させることができる。
【0039】このとき、分離コンベヤ5の1個のコンベヤ長さは少なくともハルの長さと同等以上が必要である。ただしあまり長くなるとコンベヤ群5a〜eの全長が長くなって好ましくないため、これを抑制する限りにおいて適宜選択するのが好ましい。このように、分離装置5は互いに速度差を持ったコンベヤ5を複数列以上配置することで、1個1個のハルの判定する距離を稼ぐことが出来る。このようにして所定距離だけ互いに離間されたハルは、上記分別装置6へと導入される。
【0040】分別装置6の構成を説明する前に、分別装置6における中空ハル・中実ハルの分別判定の原理を図4を用いて説明する。
【0041】図4は、中空ハル及び中実ハルの圧縮荷重に対する圧縮厚み特性を示した図である。この例では直径12mmの中空ハルと、直径12mmの中実ハルとを、それぞれ種々の荷重をかけてつぶした時の関係を示している。図4に示すように、中実と中空という形状差に基づきそれぞれのハルの変形量は同一荷重でも10倍以上異なる。分別装置6はこの特性を利用して、剛性の違いによって中空・中実を判定し、判定結果に応じて出側カ゛イト28(後述)を切り換えることでハルを振り分け分離を行うものである。
【0042】図5は本実施の形態による分別装置(中空・中実判定装置)6の全体構成を表した正面図であり、図6は図5中の要部拡大図であり、図7は、図6中A−A断面による水平断面図であり、図8は、上ロール20及び下ロール27の駆動系統を表す側面図である。
【0043】これら図5、図6、図7、及び図8において、まず、整列され、所定の分離距離を持ったハルが入側搬送ローラ31の上を搬送してくる。そして、モータ40の駆動力がカップリング39、駆動分配機38、及びスヒ゜ント゛ル37を介して上側ロール(固定ロール)20及び下側ロール(可動ロール)27に伝達され回転している上側のロール20及び下側のロール27との間に導入され、軽い荷重で押圧されわずかに圧縮される。
【0044】このとき、回転する上側ロール20のベアリングを保持する軸受け箱19は、上側ロール20の回転中心軸を、下側ロール27の回転中心軸に対して、ずらす(例えば2本のロールセンタ間の軸心を入側出側に±3mm程度ずらす)ことが可能なオフセット機構を採用している(回転軸設定手段)。すなわちこの軸受け箱19はボールスクリュウ18に対してナット構造となっており、上フレーム17にセットされた駆動モータ21でボールスクリュウを回転させることで上ロール20をハルの進入方向に対して前後できる構造としている。この方式を採用することで、中空ハルを上側のロール20と下側のール27との間で軽く圧縮変形させるとき、例えば上側ロール20を下側ロール27よりも搬送方向下流側(図5中右側)に位置させることで、ハルを若干上反りの弓形変形形状とし、これによって出側において搬送カ゛イト゛28等の引っかかり等のトラブル発生を抑制することができるので、安定して中空・中実の判定分離が可能となる。
【0045】また、フレーム17の側面にはラック15が設置され、さらに別の固定側フレーム16に設置されたピニオン14で上フレーム17を上下方向に動かすことも可能であり、これによって、燃料の種類に応じて上側ロール20・下側ロール27間のギャップを所定値に調整設定可能となっている(初期間隙設定手段)。たとえば、ハルの変形量としては数mm程度を変形させることを目的とする場合、BWRの燃料では上記ロールの間隙を9mm程度にセットし、PWRでは7mm程度にセットする。また上記構造により、分別判定の感度、あるいは分別判別装置への噛みこみ特性の調整を行うこともできる。なお、上側ロール20を上下することで補正できる構造としているのは、ハル搬送のパスラインを基準として補正を行うためである。
【0046】そしてこのとき、下側ロール27はローラリンク22に保持されている。このリンク22は回転支点となるピン22aを介し固定ブラケット23に回動可能に支持されている。ここで、ローラリンク22の図5及び図6中左端にはローラリンク位置決め用セットボルト24が設置されており、最初の出側搬送カ゛イト゛28及び下側のローラ27をパスライン基準に合わせることが出来る機構となっている。
【0047】ローラリンク22の先端には、あらかじめ中空ハルを数mm変形させることが出来る用なセット荷重を持ったハ゛ネ25が収納フレーム26に設置されている。中実のハルが2本のロール20,27間に入ってくると、上側のロール20は位置セット後固定されているので、その負荷荷重は下側のロール27を介してロールリンク22に伝わり、バネ25が中実ハルが変形を起こすのに必要な荷重に耐えられなくなってロールリンク22が回動する。このリンク22の位置変化が出側搬送カ゛イト゛28に機械的に連動されて、その振り分け位置が変化し、ハルの出側搬送経路が変化することで分離振り分けを行う。
【0048】ここでこの、下側のロールリンク22の変位と連動する出側カ゛イト゛機構について具体的に説明する。
【0049】もし、上下のロール20,27間のギャップに変形荷重の大きい中実ハルが挿入されると、セットハ゛25の荷重が負けてローラリンク22が位置変化する。そしてこのローラリンク22の位置変化の動きを出側搬送カ゛イト゛28の変化に連動させるときの押し下げ量調整のためローラリンク22側にセットボルト35が設置されており、そのセットボルト35の下側にローラリンクの位置と連動する出側搬送移動用リンク29が設置され、ブラケット33を支点として回転できる機構となっている。なお、36は、ローリンク22と出側搬送移動用リンク29の支点間等のギャップのガタ殺しハ゛ネである。
【0050】一方このとき、出側搬送移動用リンク29の一端(図5図6中左端)はターンバックル30と連結している。これにより、中実ハルが導入されてローラリンク22が下降回動し、この位置変化がセットボルト35を介し出側搬送移動用リンク29に伝わり、さらにターンバックル30を介して出側搬送ローラカ゛イト゛28をパスラインより下側に押し下げる。すなわち、出側搬送ガイド28が、中空ハル用搬送経路と中実ハル用搬送経路との分岐点に位置し、それらいずれかの経路にハルの進路を切り換える切り換え手段として機能し、ターンバックル30が下側ロール27の変位を出側搬送ガイド28に伝達する伝達手段として機能する。このような動作により、中実ハルが収納ボックス32に導入される。これら収納ボックス32に導入された中実ハル等は、プレスにて圧縮するか、もしくはそのままドラム管3e(図1参照)に収納される。なお、出側搬送ガイド28の長さLは、通常の選別対象ハルの長さ(例えば40mm程度)と同等かあるいはそれよりも大きくなっている。
【0051】このとき、ローラリンク22の位置変化量を検出する位置センサー41(図7参照)が設置されており、この信号にてエアシリンダ34のロッドを伸長させる。エアシリンダ34のロッドには上述した出側搬送移動用リンク29の他端(図5図6中右端)はに連結されており、これによって、出側搬送ローラカ゛イト゛28を強制的に下げることができるので、上記中実ハル導入時の出側搬送ローラカ゛イト゛28押し下げをさらに確実に行うことができる。
【0052】なおこのとき、上・下ロール20,27の駆動回転速度は、予め、それらロール20,27から送り出す中空ハル及び中実ハルの送り出し時間間隔Tが、出側搬送ガイド28の一動作周期(中実ハルの導入により押し下がり中実ハルを収納ボックス32に排出した後に再びもとの位置に復帰するまでの時間)Taに対し、T≧Taとなるように設定されている。但し、本願発明者等は、特に、実際の操業条件に基づき、信頼性、安定性等の観点から検討を行い、T≧2Taであることが特に望ましいことを知見した。この場合、上記出側搬送ロールカ゛イト゛28の長さLはハルの長さ(例えば40mm)以上でハルの長さの2倍以下とすることで安定した分離が可能となる。
【0053】一方、中空ハルがローラ20,27間を通過する場合には下側のローラ27位置は変化せず、出側搬送ローラガイド28はパスラインに沿って位置したままとなる。これにより、中空ハルは非常退避ガイド7を介し圧縮手段としてのハルローラ圧縮機8に導かれ、所定の厚さにプレスされる。なお、非常退避カ゛イト゛7は、ローラ圧縮機8あるいは他の搬送系に何らかのトラブルがあったときに動作し、分別装置6からの中空ハルを一時的にドラム缶3d2に導入し収納するようになっている。
【0054】以上のように構成した本実施の形態においては、ハルをロール圧縮して減容化するに際し、分別装置6によって、略中空形状を備えた中空ハル(被覆管、プレナムスプリング等)と、略中実形状を備えた中実ハル(端栓、ウオータロッドの端栓)とに分別し、中空ハルをハルロール圧縮機8を用いて圧縮する。これにより、後工程でのロール圧縮機8において中空ハルと中実ハルとが混在した状態で圧縮を行うのを防止し、中空ハルのみを揃えて圧縮を行うことができる。したがって、ロールの傷つき・過負荷を防止することができ、生産効率を向上できる。また、かさ密度の大きい中空ハルのみを圧縮するので、ロール圧縮機8のロール間ギャップを板厚程度まで小さく設定でき、減容比を大きくとることができる。
【0055】また、本設備は取り扱い対象物が高放射性廃棄物を取り扱う関係上、通常、コンクリート等で遮蔽されたセル内に設置される点からも、ロール自体の信頼性、保全周期の点からも経済的である。
【0056】また、本実施形態による上記分別装置6によれば、以下のような効果がある。通常、集合体廃棄物のうちで、もっとも多量に排出されるのは中空・中実ハルであることから、その意味で、システム構成上、圧縮前に中空ロールと中実ロールとを高速かつ安定的に分別することが重要である。ここで、プレナムスプリング、上下部端栓、あるいは被覆管ハルは大きさも長さも類似しているため、通常の篩い手段等では、それらを分別することはかなり困難である。それ以外の分別手段としては、例えば、■風力選別等の比重差等の利用、■画像処理等が考えられる。
【0057】しかしながら、すなわち、■の風力選別装置は、分離性能に関する信頼性が低いため、あまり望ましくない。また、■の画像処理の方式では、ハル間の判定距離を十分とれば可能であるが、ハル1個の断面を前後の形状より判定する必要がある。このとき、処理量の観点から、ハルを仮に6列で供給しロール圧縮する場合、1列あたり前後2台として、セル内の放射線に耐える高価なカメラが12台も必要となる。さらに、このような集合体廃棄物を処理する場合には廃棄物自体の放射線の線量が高いので、画像モニタカメラの寿命が数ヶ月程度しかなく、たくさんの予備品を持って操業する必要があり、2次廃棄物の発生が増大するとともにコスト高を招き、経済性の観点から好ましくない。
【0058】本実施形態の分別装置6によれば、放射性廃棄物から分離され導入されたハルの剛性を検知手段としての上・下ロール20,27で検知し、その検知結果に応じ、出側搬送ガイド28で、略中空形状を備えた中空ハル用の搬送経路か、若しくは略中実形状を備えた中実ハル用の搬送経路に振り分ける(図6中矢印参照)。このように剛性に応じてハルの進路を機械的に切り換える構造とすることにより、上記画像処理方式のようにコスト高を招くことなく、風力選別と異なり高い信頼性を確保しつつ、中空ハルと中実ハルとを高速かつ安定的に分別することが可能になる。
【0059】なお、上記実施の形態においては、上下のロール20,27をスヒ゜ント゛ル37、及び駆動分配機38、カップリング39及びモータ40にて回転しているがいずれか一方のロールのみを駆動する構造としてもよいことは言うまでもない。但し、中空・中実ハルの確実な分離という観点からは、上・下ロール20,27とも回転駆動するか、1本ロール駆動の場合には上側ロール20駆動としたほうが好ましい。
【0060】また、処理量が多い場合には、上記整列装置4、分離装置5、分別装置6からなる装置ラインを複数列並行に配置すれば対応可能となる。なお、この場合、分別装置6の設置スペースを極力小さくするためにはそれら複数の分別装置6の上側ロール20等の固定側機器は各ラインで共通として、下側ロール27及びこれを変位させる可動側機構のみ各ライン毎に設置してもよい。この場合、上記した上側ロール20のみを駆動する方式が特に有効となる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、圧縮時において、中空ハル中と中実ハルとが混在した状態で圧縮を行うのを防止し、中空ハルのみを揃えて圧縮を行うことができる。したがって、ロールの傷つき・過負荷を防止することができ、生産効率を向上できる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【出願日】 平成13年2月28日(2001.2.28)
【代理人】 【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
【公開番号】 特開2002−257988(P2002−257988A)
【公開日】 平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願番号】 特願2001−53925(P2001−53925)