| 【発明の名称】 |
放射線の仮設遮蔽構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】小棚木 光明
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| 【要約】 |
【課題】原子炉圧力容器や放射化された構造物などからの間接的な放射線を簡単に遮蔽することができ、実作業時間を飛躍的に長くすることができる放射線の仮設遮蔽構造を提供すること。
【解決手段】支柱部材23を仮溶接や突っ張るなどの仮固定手段で仮固定し、この支柱部材23にほぼ水平に横部材24,24aを支持するとともに、この横部材24,24a同士をジョイント部材26,27で接続することを組み合わせて放射線を遮蔽すべき作業空間の周囲に仮設フレーム21を構築し、この仮設フレーム21に鉛板マットや鉛毛マットなどの遮蔽部材22を取り付けて放射線を遮蔽する。これにより、平面的な空間であっても遮蔽部材22を取付けることができ、事前の調査や設計に基づく製作の必要もなく、急な工事などにも対応でき、間接的な放射線を簡単に遮蔽することができるとともに、実作業時間を飛躍的に長くできるようになる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 仮固定手段で仮固定される支柱部材と、この支柱部材にほぼ水平に支持される横部材と、この横部材同士を接続するジョイント部材とを組み合わせて放射線を遮蔽すべき作業空間の周囲に仮設フレームを構築する一方、これら仮設フレームに遮蔽部材を取り付けて放射線を遮蔽することを特徴とする放射線の仮設遮蔽構造。 【請求項2】 前記仮設フレームを、前記支柱部材に支持される前記横部材の支持位置をずらして前記遮蔽部材同士が干渉しないように構成したしたことを特徴とする請求項1記載の放射線の仮設遮蔽構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、放射線の仮設遮蔽構造に関し、原子炉圧力容器や放射化された構造物のそばで作業する場合の放射線の仮遮蔽に使用するもので、特に原子炉圧力容器のノズル廻りにあるシールドボックス内での作業の際の放射線の遮蔽に好適なものである。 【0002】 【従来の技術】原子力施設、例えばBWR原子力発電所では、図3に概略構成を示すように、原子炉圧力容器1内の原子炉に水などを供給したり、原子炉内から水や蒸気などを取り出すため種々の配管2が設けられており、原子炉圧力容器1に突設されたノズル3に配管2が溶接され、原子炉圧力容器1の周囲に設けた放射線遮蔽用の原子炉遮蔽壁4を貫通して配管されている。 【0003】このような原子炉遮蔽壁4の配管2の貫通部の遮蔽のため、図4に示すように、原子炉遮蔽壁4に配管2より大きな開口5が形成され、開口5の周囲を金属板で覆うシールドボックス6が取付けられ、このシールドボックス6内の配管2の軸方向内側に、例えば中性子の遮蔽体7が配管2とシールドボックス6との間を塞ぐように装着されるとともに、ヒンジ8で取付けられた左右1対の扉9で軸方向外側の配管2とシールドボックス6との間を塞ぐようにしてあり、扉9の内側にも鉛板などの放射線の遮蔽体が取付けてある。 【0004】このような原子炉圧力容器1に接続されている配管2のノズル3との溶接部などの品質と性能の維持確認のため供用期間中検査や配管などの改良工事などを行う場合には、シールドボックス6の扉9を開けるとともに、中性子の遮蔽体7等を取り除く必要がある。 【0005】このような作業を行う場合には、配管やノズル等の機器から直接的に受ける放射線に対しては配管やノズルなどに鉛板マットや鉛毛マット等の遮蔽体を巻き付けることで遮蔽するようにしたり、事前に現場調査などを実施できる場合には、現場の状況にあった鉛を成型した遮蔽体を設計・製作し、これを使用してシールドボックス内などの作業空間の放射線の遮蔽を行うようにしている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところが、現状では、配管やノズル等の機器からの直接的な放射線に対する遮蔽は行われているものの、原子炉圧力容器や放射化された構造物からの間接的な放射線に対する遮蔽はあまり考慮されていず、特に工事までに時間のない急な工事の場合には、予め設計製作する鉛の成形体を用意して遮蔽することが出来ず、作業時間を厳重に管理することで過剰な被爆を防止するようにしている。 【0007】このため実作業時間を長く確保することができないという問題があるとともに、シールドボックス内のような平面的な作業空間では、鉛板マットや鉛毛マット等の遮蔽体を簡単に仮設して取り付けることができないという問題もあった。 【0008】この発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたもので、原子炉圧力容器や放射化された構造物などからの間接的な放射線を簡単に遮蔽することができ、実作業時間を飛躍的に長くすることができる放射線の仮設遮蔽構造を提供しようとするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためこの発明の請求項1記載の放射線の仮設遮蔽構造は、仮固定手段で仮固定される支柱部材と、この支柱部材にほぼ水平に支持される横部材と、この横部材同士を接続するジョイント部材とを組み合わせて放射線を遮蔽すべき作業空間の周囲に仮設フレームを構築する一方、これら仮設フレームに遮蔽部材を取り付けて放射線を遮蔽することを特徴とするものである。 【0010】この放射線の仮設遮蔽構造によれば、支柱部材を仮溶接や突っ張るなどの仮固定手段で仮固定し、この支柱部材にほぼ水平に横部材を支持するとともに、この横部材同士をジョイント部材で接続することを組み合わせて放射線を遮蔽すべき作業空間の周囲に仮設フレームを構築し、この仮設フレームに鉛板マットや鉛毛マットなどの遮蔽部材を取り付けて放射線を遮蔽するようにしており、平面的な空間であっても遮蔽部材を取付けることができ、事前の調査や設計に基づく製作の必要もなく、急な工事などにも対応でき、間接的な放射線を簡単に遮蔽することができるとともに、実作業時間を飛躍的に長くできるようになる。 【0011】また、この発明の請求項2記載の放射線の仮設遮蔽構造は、請求項1記載の構成に加え、前記仮設フレームを、前記支柱部材に支持される前記横部材の支持位置をずらして前記遮蔽部材同士が干渉しないように構成したしたことを特徴とするものである。 【0012】この放射線の仮設遮蔽構造によれば、仮設フレームを、前記支柱部材に支持される前記横部材の支持位置をずらして前記遮蔽部材同士が干渉しないように構成しており、鉛板マットや鉛毛マットなどの遮蔽部材を互いに干渉させずに無駄無く配置して遮蔽できるようにしている。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。図1および図2はこの発明の放射線の仮設遮蔽構造の一実施の形態にかかり、図1は遮蔽部材を除いて示す概略斜視図、図2は遮蔽部材とともに示す部分概略斜視図である。 【0014】この放射線の仮設遮蔽構造20は、例えば図4で説明した原子炉圧力容器1にノズル3を介して取付けられた配管2の検査や改良工事などの際、シールドボックス6の扉9を開けるとともに、内部に設置してある遮蔽体7を取り除いて作業する場合などに仮設して原子炉圧力容器1や放射化した構造物からの放射線の遮蔽に用いるものである。 【0015】この放射線の仮設遮蔽構造20では、作業空間として、例えばシールドボックス6内で作業する場合に、シールドボックス6の周囲に仮設フレーム21を設置し、この仮設フレーム21に遮蔽部材22として、例えば鉛板マットや鉛毛マット等を吊り下げるなどで取付けて遮蔽する。 【0016】この仮設フレーム21は、上下方向に配置される支柱部材23を備えており、ここでは、断面角形のパイプを2本連結して構成され、上支柱部材23aの下側部に下支柱部材23bが配置されて溶接してあり、補強リブ23cで補強してある。そして、この支柱部材23の上支柱部材23aの下端部と下支柱部材23bの下端部とにそれぞれ横部材24用の支持孔23dが幅方向中央部に水平に形成してあり、上下の支持孔23dを支柱部材23の幅分だけ左右にずらすことで、遮蔽部材22を吊り下げるなどで取付けた場合に上下の遮蔽部材22が干渉しないようにしてある。 【0017】したがって、支柱部材23を上下支柱部材23a,23bの2本で構成し、それぞれの下端部の幅方向中央部に支持孔23dを水平に形成して遮蔽部材22の干渉を避けるようにする場合に限らず、1本の支柱部材23に形成する複数の支持孔23dの位置を上下で幅方向にずらすようにすることで、遮蔽部材22が干渉しないようにすることもできる。 【0018】この支柱部材23は、例えば2本をシールドボックス6の左右に配置して仮固定手段で仮固定して立設される。この仮固定のための仮固定手段としては、ここでは、支柱部材23の上端をシールドボックス6の天面に溶接することで仮設した。なお、仮固定手段としては溶接による場合に限らず、ねじジャッキ機構等で突っ張るようにして仮固定するなど支柱部材23を固定できれば他の仮固定手段を用いても良く、仮固定や作業終了後の撤去に時間が掛からないものが放射線の被爆量低減を図る上で好ましい。 【0019】このような支柱部材23の水平に形成された支持孔23dには、断面円形のパイプで構成した横部材24が挿通されるようになっており、仮設現場にて横部材24の位置を調整後、支柱部材23と溶接して組み立てられるとともに、支柱部材23の背面と横部材24の上面との間には補強斜材25が溶接され、遮蔽部材22の荷重が加わっても十分な強度を確保するようにしてある。また、横部材24としては、配管2の軸方向と平行に前後に配置されるもののほか、これと直交する左右に配置される横部材24aも用いられ、これら横部材24,24a同士の接続にジョイント部材26が使用される。 【0020】このジョイント部材26は、例えば中空直方体状に形成され、正面26aに横部材24の端部が溶接され、これと直交する左右2つの側面26bを貫通して連結孔26cを形成して構成され、この連結孔26cに横部材24aを挿通して位置調整した後、仮設現場で横部材24aとジョイント部材26との間を溶接して連結する。また、横部材24a同士を延長するように連結するジョイント部材27も用いられ、横部材24aを挿通できる内径のパイプ状に形成され、仮設現場で連結すべき横部材24aの端部同士を挿通して溶接によって連結される。 【0021】なお、ジョイント部材26の左右の側面26bを貫通する連通孔26c間にジョイント部材27のようなパイプ状の連結部材を取付けるようにしても良い。 【0022】さらに、左右に配置される横部材24aの外側端部には、当て板28が予め溶接してあり、例えば原子炉圧力容器1を保温するための金属保温10に当てることで仮設強度の向上を図るようにしている。 【0023】このような支柱部材23、横部材24,24a、ジョイント部材26,27を組み合わせて枠状の仮設フレーム21が構成され、仮設現場でそれぞれの部材の位置を調整して溶接することで組み立てられ、シールドボックス6の天面に支柱部材23の上端を溶接することで仮設状態で固定される。なお、仮設フレーム21の構築順序は、支柱部材23を溶接して仮設後、他の部材を組み立てるようにするなど現場での作業がやり易いようにすれば良い。 【0024】そして、それぞれの横部材24,24aに鉛板マットや鉛毛マット等の遮蔽部材22がフック29で吊り下げられて取付けられ、横方向には、隣接するもの同士が重なるようにする一方、上下には、横部材24,24aがずらしてあるので遮蔽部材22が投影状態では重なるものの直接は接触しない状態として互いが干渉しないようにして取付けられる。 【0025】このような放射線の仮設遮蔽構造20によれば、仮設フレーム21を作業空間に構築して仮設することで、平面状のシールドボックス6内であっても、鉛板マットや鉛毛マット等の遮蔽部材22を簡単に取付けて遮蔽することができる。 【0026】これにより、これまで遮蔽することが難しかった原子炉圧力容器1や放射化した構造物からの放射線を遮蔽して作業することができ、高放射線量下での実作業時間を飛躍的に長く確保することができる。 【0027】また、仮設フレーム21を構築するのに必要な支柱部材23、横部材24,24aおよびジョイント部材26,27を概略寸法で用意しておき、これらを仮設現場に合わせて組み立てるようにすることで仮設フレーム21を構築することができ、仮設設置に要する時間を大幅に短くすることができる。 【0028】さらに、この放射線の仮設遮蔽構造20によれば、遮蔽部材22として原子力施設に常備されている鉛板マットや鉛毛マットなどを用いて遮蔽するようにしているので、鉛の成形体を用意して遮蔽する場合に比べ、事前の準備も簡素化でき、遮蔽に要する費用も低減することができる。 【0029】なお、上記実施の形態では、原子炉圧力容器のノズルに接続された配管のシールドボックス内で作業する場合の遮蔽を例に説明したが、この場合に限らず、他の作業空間の遮蔽にも適用することができ、ある程度の余裕を持たせた寸法で各部材を製作しておき、現場で調整しながら仮設フレームを構築することで簡単に対応することができる。 【0030】 【発明の効果】以上、一実施の形態とともに具体的に説明したようにこの発明の請求項1記載の放射線の仮設遮蔽構造によれば、支柱部材を仮溶接や突っ張るなどの仮固定手段で仮固定し、この支柱部材にほぼ水平に横部材を支持するとともに、この横部材同士をジョイント部材で接続することを組み合わせて放射線を遮蔽すべき作業空間の周囲に仮設フレームを構築し、この仮設フレームに鉛板マットや鉛毛マットなどの遮蔽部材を取り付けて放射線を遮蔽するようにしたので、平面的な空間であっても仮設フレームを介して遮蔽部材を取付けることができ、事前の調査や設計に基づく製作の必要もなく、急な工事などにも対応でき、構造物などの放射化による間接的な放射線も簡単に遮蔽することができるとともに、実作業時間を飛躍的に長くすることができる。 【0031】また、この発明の請求項2記載の放射線の仮設遮蔽構造によれば、仮設フレームを、前記支柱部材に支持される前記横部材の支持位置をずらして前記遮蔽部材同士が干渉しないように構成したので、鉛板マットや鉛毛マットなどの遮蔽部材を互いに干渉させずに無駄無く配置して遮蔽することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月2日(2001.3.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104329 【弁理士】 【氏名又は名称】原田 卓治 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−257983(P2002−257983A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−58234(P2001−58234) |
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