| 【発明の名称】 |
ガラス固化体貯蔵施設 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩下 充成
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| 【要約】 |
【課題】セル室の冷却空気の流れを確保しつつ、主要放射線の漏洩を防止する。
【解決手段】ガラス固化体1をセル室3内に貯蔵して冷却空気12を流通させるようにしてあるガラス固化体貯蔵施設において、セル室3の冷却室空気入口13と出口14に、所要数の貫通孔20を互いに位相がずれるように設けた2枚の放射線遮蔽板19を、冷却空気12の流れ方向に所要間隔を隔てて並べて配置する。放射線遮蔽板19は、γ線を減衰させるための前後2枚の鉄板と中性子線を減衰させるポリエチレン板とのサンドイッチ構造とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリート製セル室内にガラス固化体を貯蔵して冷却空気を流すようにしてあるガラス固化体貯蔵施設における上記セル室の冷却空気出入口となる通気口内に、複数枚の放射線遮蔽板を、冷却空気の流れ方向に所要間隔を隔てて重なるように並べて配置し、且つ該各放射線遮蔽板の所要個所に、冷却空気を流通させるための通気流路を、隣り合う放射線遮蔽板同士で互いに位相がずれるように設けた構成を有することを特徴とするガラス固化体貯蔵施設。 【請求項2】 放射線遮蔽板を、前後2枚の鉄板と該2枚の鉄板の間に配置するポリエチレン板とのサンドイッチ構造とした請求項1記載のガラス固化体貯蔵施設。 【請求項3】 放射線遮蔽板を分解可能とした請求項2記載のガラス固化体貯蔵施設。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は放射性廃棄物ガラス固化体の収納、貯蔵管理を行うガラス固化体貯蔵施設に関するものである。 【0002】 【従来の技術】原子力プラントにおいて廃出される放射性廃棄物は、ガラスの結晶中に封じ込めるようにガラス固化処理してなるガラス固化体として、自然崩壊を繰り返して放射能レベルが低下するまで、所要の貯蔵区域にて長期間に亘り厳重に貯蔵し管理しなければならない。 【0003】上記放射性廃棄物をガラス固化処理してなるガラス固化体を長期間に亘り貯蔵するために従来より提案されているガラス固化体の貯蔵施設は、図8に一例を示す如きものがある。すなわち、クレーンを用いてガラス固化体1を取り扱うための搬送室2の直下に、ガラス固化体1の貯蔵区域として厚いコンクリート遮蔽壁にて包囲してなるセル室(貯蔵ピット)3を構築して、該セル室3の内部にガラス固化体1を収納するための多数の筒状の収納管4を、上端を開口させて天井スラブ5より所要の間隔で吊り下げて支持させ、それぞれの収納管4内に上方より多数のガラス固化体1を積み重ね状態に収納させると、各収納管4の上端部内に収納管プラグ6を詰めて上端開口部を収納管蓋7にて閉塞することにより、収納管4内にガラス固化体1を封入するようにしてあり、且つ上記収納管4の周囲には外筒8を配して収納管4との間に筒状流路9を形成すると共に、筒状流路9の上方及び下方にそれぞれ上部プレナム部10と下部プレナム部11を区画形成し、更に、下部プレナム部11の一端部には、冷却空気12の入口13を、又、上部プレナム部10の一端部には、冷却空気12の出口14を、それぞれ通気口として設け、冷却空気入口13に吸気通路15を連通させると共に、冷却空気出口14に排気塔16を連通させ、大気より吸気通路15及び入口13を通して下部プレナム部11に取り入れられた冷却空気12が筒状流路9に送り込まれ、上部プレナム部10より出口14及び排気塔16を流通させられて放出されることにより、収納管4内のガラス固化体1が自然空冷にて冷却されるようにしてある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、かかるガラス固化体貯蔵施設では、主に、ガラス固化体1から発生する熱を冷却するために、冷却空気12の流れを確保すべくセル室3に通気口としての冷却空気入口13及び出口14を設けているが、この際、この冷却空気入口13及び出口14は放射線の漏洩を防止することから、冷却空気入口13に連通させる吸気通路15及び冷却空気出口14に連通させる排気塔16の上端を高い位置に設定し、且つ冷却空気入口13及び出口14に面するセル室3の外側の壁厚を増加させる等の遮蔽措置を講じている。 【0005】そこで、本発明は、セル室の冷却空気の流れを確保しつつ、主要放射線を効率よく減衰させることができるようにして、施設の壁厚を薄くできるようにすると共に、吸気通路及び排気塔の上端位置を低くすることができるようにしようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、コンクリート製セル室内にガラス固化体を貯蔵して冷却空気を流すようにしてあるガラス固化体貯蔵施設における上記セル室の冷却空気出入口となる通気口内に、複数枚の放射線遮蔽板を、冷却空気の流れ方向に所要間隔を隔てて重なるように並べて配置し、且つ該各放射線遮蔽板の所要個所に、冷却空気を流通させるための通気流路を、隣り合う放射線遮蔽板同士で互いに位相がずれるように設けた構成とする。 【0007】冷却空気は放射線遮蔽板の通気流路を通過できるため、セル室内の冷却空気の流通性が確保される。又、放射線は上流側の放射線遮蔽板で遮蔽され、通気流路を通り抜けたものは下流側の放射線遮蔽板で遮蔽される。 【0008】又、放射線遮蔽板を、前後2枚の鉄板と該2枚の鉄板の間に配置するポリエチレン板とのサンドイッチ構造とした構成とすることによって、γ線を前側の鉄板により、中性子線をポリエチレン板によりそれぞれ減衰でき、中性子とポリエチレン板との相互作用により放出された二次生成放射線を後側の鉄板で遮蔽することができる。 【0009】更に、放射線遮蔽板を分解可能とすることによって、ポリエチレン板の交換を容易に行うことができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。 【0011】図1乃至図5は本発明の実施の一形態を示すもので、図8に示したと同様な構成としてあるガラス固化体貯蔵施設において、セル室3の通気口である冷却空気入口13及び出口14内に、γ線を減衰させるための前後2枚の鉄板17と該2枚の鉄板17の間に配置した中性子線を減衰させるためのポリエチレン板18とのサンドイッチ構造とした2枚の放射線遮蔽板19を、冷却空気12の流れ方向に所要間隔を隔てて重なるように並べて配置し、且つ該各放射線遮蔽板19の所要個所に、冷却空気12を厚み方向に流通させるための通気流路としての貫通孔20を、隣り合う2枚の放射線遮蔽板19同士で互いに位相がずれるように設けた構成とする。 【0012】上記放射線遮蔽板19は、図2乃至図4に詳細を示す如く、周辺部17aのみを片面側へ向けて突出するように厚肉に縁取りした炭素鋼やステンレス鋼等の2枚の鉄板17を、厚肉とした周辺部17aが向かい合うように配置して、該2枚の鉄板17の間に、重ね合わせた2枚の鉄板17により形成される空間部の大きさに対応する大きさとしたポリエチレン板18を挟み込ませてサンドイッチ構造とし、2枚の鉄板17の周辺部17a同士を、該周辺部17aに穿設した複数のピン孔21に固定ピン22を差し通すことにより分解可能に固定した構成としてある。更に、各放射線遮蔽板19には、互いに位相がずれるように、鉄板17、ポリエチレン板18、鉄板17の3枚の板を一連に貫通する貫通孔20が、冷却空気12の通気流路として厚み方向に設けてある。 【0013】上記固定ピン22は、図4及び図5に詳細を示す如く、基端にフランジ22aを備え、且つ重ね合わせた2枚の鉄板17の周辺部17aのピン孔21から先端部22bが突出する長さを有し、更に、先端部22bをヒンジ23により屈曲可能に構成し、2枚の鉄板17のピン孔21に差し通してから先端部22bを横へ直角に折り曲げることで2枚の鉄板17を固定するようにしてある。 【0014】かかる構成としてあるガラス固化体貯蔵施設において、セル室3の冷却空気入口13と冷却空気出口14には、通気性を有する放射線遮蔽板19が冷却空気12の流れ方向に二重に配置してあることから、冷却空気12の流動性を確保しつつ、セル室3外への放射線の漏洩を防止することができる。 【0015】詳述すると、たとえば、図1及び図2に示す如く、セル室3の冷却空気出口14の部分について見ると、冷却空気12の流れ方向に配列させた2枚の放射線遮蔽板19には、厚み方向に所要数の貫通孔20が設けてあるため、冷却空気12はこれら貫通孔20を通り抜けることができる。したがって、セル室3内での冷却空気12の流通性を確保することができて、熱の冷却が行われる。 【0016】又、上記各貫通孔20は、冷却空気12の流れ方向に並列配置されている2枚の放射線遮蔽板19で互いに位相がずれているため、放射線が、冷却空気12の流れ方向で上流側に位置する放射線遮蔽板19の貫通孔20を通り抜けても、下流側に位置する放射線遮蔽板19で遮蔽されることになる。この場合、放射性廃棄物から発生する放射線は、主としてγ線と中性子線であるが、γ線はサンドイッチ構造の放射線遮蔽板19の前側の鉄板17に当ることにより効果的に減衰させられる。一方、中性子線に対してはポリエチレン板18により減衰効果を与えることができる。この際、中性子線はポリエチレンとの相互作用によって消滅するときに、二次生成放射線(通常、二次γ線)を放出することになるが、この二次生成放射線は後側の鉄板17にて遮蔽される。又、上記の場合、鉄板17によって、高エネルギーの中性子線が一気に中エネルギーにまで減速するため、ポリエチレン板18を2枚の鉄板17で挟む構造とすることにより、遮蔽材単独で使用する場合よりも単位厚さ当りの中性子遮蔽性能を向上させることができる。したがって、図1に示す如く、冷却空気入口13及び出口14に面するセル室3の外側の壁厚を薄くすることができると共に、吸気通路15及び排気塔16の上端位置を低く設定することが可能となる。 【0017】上記において、ポリエチレン板18が経時的に劣化した場合は、2枚の鉄板17の周辺部17aを止めている固定ピン22の先端部22bを、折り曲げ状態から直線状態に戻すことで後側の鉄板17を取り外すことができるので、ポリエチレン板18を容易に交換することができる。 【0018】次に図6及び図7は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1乃至図5に示したと同様な構成において、2枚の放射線遮蔽板19に通気流路としての貫通孔20を設けることに代えて、2枚の放射線遮蔽板19の上端側及び下端側位置に、互いに位相がずれるようにして厚み方向に貫通する切欠き24を、幅方向へ千鳥状に設けたものである。その他の構成は図1乃至図5に示したものと同じであり、同一部分には同一符号が付してある。 【0019】図6及び図7に示すように構成しても、図1乃至図5に示す実施の形態の場合と同様な作用効果を奏し得る。 【0020】なお、上記実施の形態では、セル室3の冷却空気入口13及び出口14に、それぞれ2枚の放射線遮蔽板19を配置した場合を示したが、3枚以上としてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。 【0021】 【発明の効果】以上述べた如く、本発明のガラス固化体貯蔵施設によれば、コンクリート製セル室内にガラス固化体を貯蔵して冷却空気を流すようにしてあるガラス固化体貯蔵施設における上記セル室の冷却空気出入口となる通気口内に、複数枚の放射線遮蔽板を、冷却空気の流れ方向に所要間隔を隔てて重なるように並べて配置し、且つ該各放射線遮蔽板の所要個所に、冷却空気を流通させるための通気流路を、隣り合う放射線遮蔽板同士で互いに位相がずれるように設けた構成とし、又、放射線遮蔽板を、前後2枚の鉄板と該2枚の鉄板の間に配置するポリエチレン板とのサンドイッチ構造とした構成としてあるので、冷却空気は放射線遮蔽板の通気流路を通り抜けることができることにより、セル室内の冷却空気の流通性を確保することができると共に、放射線は複数枚の放射線遮蔽板により確実に遮蔽することができ、この際、主要放射線であるγ線に対しては放射線遮蔽板の前側の鉄板により減衰効果を与えることができ、中性子線に対してはポリエチレン板により減衰効果を与えることができ、且つ中性子とポリエチレン板との相互作用により放出された二次生成放射線には後側の鉄板で遮蔽することができ、したがって、通気口に面するセル室の外側の壁厚を薄くすることができると共に、通気口に連通する吸気通路や排気塔の上端位置を低く設定することが可能となり、更に、放射線遮蔽板を分解可能とした構成とすることにより、ポリエチレン板の交換を容易に行うことができる、等の優れた効果を発揮する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月19日(2001.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087527 【弁理士】 【氏名又は名称】坂本 光雄
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| 【公開番号】 |
特開2002−214392(P2002−214392A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月31日(2002.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−12239(P2001−12239) |
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