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【発明の名称】 原子力プラント気体処理装置及び処理方法
【発明者】 【氏名】水野 諭

【要約】 【課題】本発明は原子力プラントの塵芥処理と放射能を含む気体の処理が可能な原子力プラント気体処理装置及び処理方法を得るにある。

【解決手段】建屋1内各所で発生する塵芥の処理にあたっては、清掃すべきフロアの所定エリアに導かれている分岐配管4の吸込み弁5を開放し、フレキシブルな清掃用ホース16を接続して所定の清掃作業を行う高放射能度の気体及び塵芥の処理に当たっては、局所排気配管6の途中に設けてあるセパレータ7を開放し格納容器2内の分岐配管8系統までを真空引き状態とし、吸込み弁9を開放してここにフレキシブルホース一端を装着して特定エリア内の放射性物質或いは放射性気体を分岐配管8、局所排気配管6を通り清掃用ダクト3から処理装置12に導き、清浄に処理された排気をダクト13を介して外気に放出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】原子炉建屋内のフロアに配設した清掃用配管と、この清掃用配管から分岐されフロアの所定エリアに導かれ吸込み弁を備えた第1の分岐配管と、前記清掃用配管から分岐され前記原子炉建屋内に設けられた原子力格納容器内にセパレータを介して導かれた局所排気配管と、この局所排気配管から所定エリアに導かれた吸込み弁を備えた第2の分岐配管と、前記清掃用配管を処理装置並びにブロワを介して接続した換気空調系ダクトとから成り、前記処理装置は塵芥を取り除く第1のフィルタ及び放射性物質の処理を行う第2のフィルタを備えて成ることを特徴とする原子力プラント気体処理装置。
【請求項2】処理装置における第1のフィルタは粒子フィルタであり、第2のフィルタがチャコールフィルタである請求項1に記載の原子力プラント気体処理装置。
【請求項3】原子炉建屋内のフロアに配設した清掃用配管と、この清掃用配管から分岐されフロアの所定エリアに導かれた吸込み弁を備えた第1の分岐配管と、前記清掃用配管から分岐され前記原子炉建屋内に設けられた原子力格納容器内にセパレータを介して導かれた局所排気配管と、この局所排気配管から所定エリアに導かれた吸込み弁を備えた第2の分岐配管と、前記清掃用配管と塵芥を取り除く第1のフィルタ及び放射性物質の処理を行う第2のフィルタを備えた処理装置並びにブロワを介して接続された換気空調系ダクトを有して成り、前記原子炉格納容器内所定エリアの清掃時セパレータ並びに第2の分岐配管に設けた吸込み弁を開放して前記エリア内の放射性物質を吸引し第2のフィルタで処理した後換気空調系ダクトから外気に放射性物質が処理された吸引気体を放出するようにした原子力プラント気体処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力プラントの塵芥処理と放射能を含む気体の処理が可能な原子力プラント気体処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力プラントにおいては、施設建屋の各所で発生する塵芥を効率よく処理する為に建屋内に真空清掃設備が施される。この種の真空清掃設備としては例えば実公昭61−31737号公報に記載された構成の設備が知られている。
【0003】即ち、原子炉施設を構成する建屋の各階にわたり真空配管を配設するとともに、各階において配管を枝状に分岐し、この分岐配管を各階の必要な個所まで導いている。前記真空配管は集塵装置に接続されると共に真空配管内は清掃時においては常に真空引きされる。尚分岐配管開口部には常時閉塞された吸込み弁が取り付けられる。
【0004】この真空清掃設備は建屋内の塵芥を取り除くものであって、沃素等の放射性物質の処理を目的としたものではない。そして清掃に当たっては、清掃該当個所の吸込み弁に清掃用ホースを差込み、塵芥を吸込んで建屋内を清掃している。塵芥を除去した空気は換気空調系ダクトから外気へ排出される【0005】一方、原子力施設では、前述した真空清掃設備の他に例えば定期点検時の制御棒の引き抜き作業時における清掃環境維持の為、局所排気装置を設置する場合がある。この局所排気装置は機器の開放点検時等における放射能レベルが高い場合に仮設されるもので、ブロア、仮設ダクト、接続ホースやフィルターユニット等から構成される【0006】機器の開放時機器内或いはエリア内に仮設の作業用ビニルハウスを組み立て、更に仮設の局所排気装置を機器内或いはエリア内に持ち込み組み立てた後、ビニルハウス内にホースを接続して排気を行い他エリア等への汚染の拡大防止を図ると共に、作業環境の清浄維持を行っているしかしながらこの局所排気装置は仮設備である為、都度作業エリア等に持ち込み準備する必要があった更に作業エリアに持ち込むことで本来のエリアの作業性を阻害することに成ることとなる【0007】なお、局所排気装置を常設させることも考えられるが,スペースの点から困難である【0008】従って本発明の目的は、プラント停止時における機器の開放点検のような放射性物質を含む処理を、仮設の準備等を必要とせずに行うことができる原子力プラント気体処理装置及び処理方法を提供するにある【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記目的を達成する為に、請求項1の発明における原子力プラント気体処理装置によれば、原子炉建屋内のフロアに配設した清掃用配管と、この清掃用配管から分岐されフロアの所定エリアに導かれ吸込み弁を備えた第1の分岐配管と、前記清掃用配管から分岐され前記原子炉建屋内に設けられた原子力格納容器内にセパレータを介して導かれた局所排気配管と、この局所排気配管から所定エリアに導かれた吸込み弁を備えた第2の分岐配管と、前記清掃用配管を処理装置並びにブロワを介して接続した換気空調系ダクトとから成り、前記処理装置は塵芥を取り除く第1のフィルタ及び放射性物質の処理を行う第2のフィルタを備えて成ることを特徴とする。
【0010】この原子力プラント気体処理装置によれば、プラント停止時における開放点検のような放射性物質を含む処理を仮設の準備を必要とせずに行うことができる【0011】請求項3の発明における原子力プラント気体処理方法によれば、原子炉建屋内のフロアに配設した清掃用配管と、この清掃用配管から分岐されフロアの所定エリアに導かれた吸込み弁を備えた第1の分岐配管と、前記清掃用配管から分岐され前記原子炉建屋内に設けられた原子力格納容器内にセパレータを介して導かれた局所排気配管と、この局所排気配管から所定エリアに導かれた吸込み弁を備えた第2の分岐配管と、前記清掃用配管と塵芥を取り除く第1のフィルタ及び放射性物質の処理を行う第2のフィルタを備えた処理装置並びにブロワを介して接続された換気空調系ダクトを有して成り、前記原子炉格納容器内所定エリアの清掃時セパレータ並びに第2の分岐配管に設けた吸込み弁を開放して前記エリア内の放射性物質を吸引し第2のフィルタで処理した後換気空調系ダクトから外気に放射性物質が処理された吸引気体を放出するようにしたことを特徴とする【0012】この原子力プラント気体処理方法によれば、原子力プラントの機器点検などで機器内部空気或いは作業エリア空気による放射能被爆が考えられる時、迅速かつ簡単に作業エリアの清浄化を図ることができ、作業の効率化,省力化や被爆の低減が図れる【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。図1において、原子炉建屋1内には原子炉圧力容器等を格納する原子炉格納容器2が設けられている。前記原子炉建屋1内の各フロアに配設した清掃用配管3からは分岐配管4が枝状に分岐配設され、各フロアの所定のエリアまで導かれているこれら分岐配管4の端部には不使用時閉塞している吸込み弁5が配設されているなお、換気を目的とする為に一部の吸込み弁を開放させていても良いこと勿論である【0014】6はセパレータ7を介して原子炉格納容器2内に導かれた局所排気配管で、この局所排気配管6には、原子炉格納容器2内で容器内機器或いはエリア毎に分岐された分岐配管8を接続してあり、配管端部に夫々不使用時閉塞している吸込み弁9を設けている【0015】前記セパレータ7は清掃用配管3側と分岐配管8側を局所排気配管6部分で連通及び遮断するものであり、常時は遮断している【0016】前記清掃用配管3は原子炉建屋1外に設置されたフィルタ装置10及びブロア11から成る処理装置12を介して換気空調系ダクト13に接続されている。前記フィルタ装置10は、原子炉建屋1内の塵芥を取り除く為の粒子フィルタ14と、沃素等の放射性物質の処理を目的とする即ち放射能を含む気体の処理が可能なチャコールフィルタ15を装備してある。
【0017】上記構成の本発明による原子力プラント気体処理装置によれば、原子炉建屋1内各所に配設されている清掃用配管3内は、ブロワ11の運転により真空引きされている。ここで清掃作業者は建屋1内各所で発生する塵芥の処理にあたっては、清掃すべきフロアの所定エリアに導かれている分岐配管4の吸込み弁5を開放し、図1に示すようにフレキシブルな清掃用ホース16を接続して所定の清掃作業を行う【0018】清掃ホース16で吸引した塵芥は、分岐配管4から清掃用配管3を通って処理装置12のフィルタ装置10の粒子フィルタ14によって捕獲され、塵芥が除去された空気は換気空調系ダクト13から外気へと排気される【0019】一方原子炉格納容器2等内の高放射能度の気体及び塵芥の処理に当たっては、局所排気配管6の途中に設けてあるセパレータ7を開放し格納容器2内の分岐配管8系統までを真空引き状態とする。ここで格納容器2内の機器或いはエリア内に作業用のビニルハウスを組み立てこの中で点検作業が行われることが多い。この状態を図2に示してある17がビニルハウスである。
【0020】しかる後吸込み弁9を開放してここにフレキシブルホース18の一端を装着すると共に他端をビニルハウス17内に差込むことにより、ビニルハウス17等特定エリア内の放射性物質或いは放射性気体は分岐配管8、局所排気配管6を通り清掃用ダクト3から処理装置12に導かれる従って高放射能度の塵芥やこの塵芥と同時に送られてくる沃素などの放射性物質は、処理装置12の粒子フィルタ14及びチャコールフィルタ15で捕獲処理され、清浄に処理された排気はダクト13を介して外気に放出することができる。
【0021】このようにして定期点検時の制御棒引き抜き作業時等における作業環境を迅速に清浄に維持でき、作業の効率化,省力化や被爆の低減を図ることができる。
【0022】なお、本実施の形態においては、通常の清掃作業時、作業エリアの清浄化作業時の双方の作業ともにフィルタ装置10を介して換気空調系ダクト13に導く旨説明したが、通常の清掃作業時においてはチャコールフィルタ15を介する必要はないので上記フィルタ装置10をバイパスさせて換気空調系ダクト13に導くことも可能である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、既存の真空清掃設備を利用して局所排気を行うことができるようにしたので、建屋内の清掃は勿論定期点検時の制御棒引き抜き作業時等における局所排気作業の作業環境を迅速に清浄に維持でき、作業の効率化,省力化や被爆の低減を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【代理人】 【識別番号】100083161
【弁理士】
【氏名又は名称】外川 英明
【公開番号】 特開2002−214390(P2002−214390A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2001−4650(P2001−4650)