| 【発明の名称】 |
固化体容器の汚染防止装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 義美
|
| 【要約】 |
【課題】スカートがない底部構造を有する固化体容器の底部に、汚染防止キャップを遠隔にて容易に着脱可能とする。
【解決手段】底面にドーム状の凹部2が形成してある固化体容器1の凹部2の内壁面に、内方へ所要量張り出すようにキーパーリング4を取り付ける。円筒状の側板部5aと側板部5aの下端位置を塞ぐ底板部5bとを有し且つ底板部5bをキーパーリング4の取付位置付近まで隆起させた汚染防止キャップ5を備える。汚染防止キャップ5の底板部5bの隆起縁部に、キーパーリング4に係合、離脱させるためのプッシュロック装置6を装備させる。固化体容器1の底部に汚染防止キャップ5を下から嵌めて汚染を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固化体容器底部の周辺部が最も深くなるように底面にドーム状の凹部を形成し、該凹部の周壁面に、内方へ所要量張り出すようにキーパーリングを取り付け、更に、底板部に上記キーパーリングに係合、離脱させるためのプッシュロック装置を周方向に所要間隔を隔てて複数個装備させ且つ周辺部を上記固化体容器の底部周辺部に沿う形状とした汚染防止キャップを、固化体容器の底部に着脱自在に装着するようにしたことを特徴とする固化体容器の汚染防止装置。 【請求項2】 凹部のキーパーリングと汚染防止キャップのプッシュロック装置との組み合わせに代えて、凹部の周壁面に、部分的に内方へ張り出すようにキーパープレートを周方向に複数個取り付け、且つ汚染防止キャップの底板部に、上記キーパープレートの上面に係合させるための係合片を、該キーパープレートに対応させて複数個設けた請求項1記載の固化体容器の汚染防止装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は放射性廃液をガラス固化して固化体とする際に用いる固化体容器の汚染防止装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】原子力プラントにおいて廃出される放射性廃液は、ガラスの結晶中に封じ込めるようにガラス固化処理してなるガラス固化体として、自然崩壊を繰り返して放射能レベルが低下するまで、所要の保管区域にて長期間に亘り厳重に保管しなければならない。 【0003】かかるガラス固化体容器としては、図3に示す如く、キャニスタと称せられるステンレス鋼製容器であって、底面を下方へ突出させる構造とし且つ保管ピットで積み重ねるときに底部が下側に位置する固化体容器の蓋部bと干渉しないようにスカートcを取り付けた底部構造としてある固化体容器aが、従来、主として用いられており、高レベル放射性廃液を混ぜた溶融ガラスを溶融炉から固化体容器aに流し込んでガラス固化体とするときに、ガラス粉によって汚染された台車上に固化体容器が据置かれることから該固化体容器底部が汚染されるのを防止する目的で、スカートc部に汚染防止キャップdを嵌着させるようにしている。 【0004】しかし、最近では、より多くのガラスを入れることができるように底部にスカートの機能をもたせて、スカートがない底部構造とした図4に示す如き固化体容器1が用いられるようになっている。 【0005】すなわち、図4に示す固化体容器1は、底部の周辺部が最も深くなるように底面にドーム状の凹部2を形成し、保管ピットで段積みするときに固化体容器1を上下に積み重ねる際、上記凹部2に下側の固化体容器1の蓋部3が入り、該蓋部3と上側の固化体容器1の底部が干渉しないようにしてある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記底部にスカートがない構造の固化体容器1に溶融ガラスを入れてガラス固化体とする場合に、固化体容器を汚染している台車上に載せようとする際、該固化体容器1の底部に図3に示す如き汚染防止キャップdを取り付けることができないので、固化体容器1の底部が汚染することになる。汚染された固化体容器1は、サンドブラストによる除染作業が行われているが、除染しなくてもよいようにすることが望まれている。 【0007】そこで、本発明は、スカートがない底部構造を有する固化体容器の底部に、汚染防止キャップを容易に着脱させることができるようにしようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、固化体容器底部の周辺部が最も深くなるように底面にドーム状の凹部を形成し、該凹部の周壁面に、内方へ所要量張り出すようにキーパーリングを取り付け、更に、底板部に上記キーパーリングに係合、離脱させるためのプッシュロック装置を周方向に所要間隔を隔てて複数個装備させ且つ周辺部を上記固化体容器の底部周辺部に沿う形状とした汚染防止キャップを、固化体容器の底部に着脱自在に装着するようにした構成とする。 【0009】上向きに置かれている汚染防止キャップ上に、固化体容器を吊り下して底部を嵌めると、プッシュロック装置がキーパーリングに係合させられ、固化体容器の底部に汚染防止キャップを装着することができる。汚染防止キャップを装着した固化体容器を吊り上げて取外し台上に吊り下すと、プッシュロック装置のプッシュボタンが取外し台に押されるため、キーパーリングへの係合が解除され、再び固化体容器を吊り上げることで、汚染防止キャップが脱装される。 【0010】又、凹部のキーパーリングと汚染防止キャップのプッシュロック装置との組み合わせに代えて、凹部の周壁面に、部分的に内方へ張り出すようにキーパープレートを周方向に複数個取り付け、且つ汚染防止キャップの底板部に、上記キーパープレートの上面に係合させるための係合片を、該キーパープレートに対応させて複数個設けた構成とすることにより、固化体容器と汚染防止キャップの相対回動変位によりキーパープレートと係合片とを、係合、離脱させることができて、汚染防止キャップを着脱させることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。 【0012】図1(イ)(ロ)は本発明の実施の一形態を示すもので、図4に示したと同様に、底面にドーム状の凹部2が形成してある底部構造を有する固化体容器1における上記凹部2の周壁面所要高さ位置に、内方へ所要量張り出すようにキーパーリング4を溶接により取り付け、一方、該キーパーリング4を利用して固化体容器1の底部に汚染防止キャップ5を下方から嵌めて装着できるようにする。 【0013】上記汚染防止キャップ5は、固化体容器1の底部周辺部に沿う形状とした筒状の側板部5aと該側板部5aの下端位置を塞ぐ底板部5bとを有し、且つ該底板部5bを上記キーパーリング4の取付位置付近まで隆起させた構成として、該底板部5bの隆起縁部に、上記キーパーリング4に係合、離脱させるためのプッシュロック装置6を、周方向に所要間隔を隔てて複数個装備させるようにしてある。 【0014】上記プッシュロック装置6は、図1(ロ)にその一例を拡大して示す如く、本体ケーシング6aの側面部に常時突出付勢されるように組み付けたポール(爪)6bと、押すことによりポール6bを本体ケーシング6a内に引き込むように本体ケーシング6aの端面部に組み付けたプッシュボタン6cを有し、ポール6bがキーパーリング4の上面側に係合でき、プッシュボタン6cが底板部5bから下向きに突出するように取り付けてある。 【0015】上記固化体容器1内に高レベル放射性廃液を混ぜた溶融ガラスを流し込んで封入する作業を行う場合は、予め、台車上に汚染防止キャップ5を上向きにしてセットしておき、この汚染防止キャップ5上に、固化体容器1を吊り下して、底部に汚染防止キャップ5を嵌めるようにする。この場合、固化体容器1を吊り下すと、キーパーリング4の内径部がプッシュロック装置6のポール6bを押すことにより、該ポール6bが一旦内側へ押し込まれた後、キーパーリング4がポール6bの位置を通り過ぎた時点でポール6bが再度突出してキーパーリング4の上面に係合することになる。これにより、固化体容器1の底部は汚染防止キャップ5により覆われることになるため、台車が汚染していても固化体容器1の底部が台車に直接触れることはなく、汚染を防止することができる。 【0016】固化体容器1内にガラスを収納させて封入した後、固化体容器1の底部から汚染防止キャップ5を脱装させる場合は、汚染防止キャップ5が装着されている状態のまま固化体容器1を吊り上げて、図1において、二点鎖線で示すように、汚染防止キャップ5の底板部5bの下側に入り込める大きさとしてある取外し台7上に吊り下すようにする。これにより、プッシュロック装置6のプッシュボタン6cが取外し台7の上面に押されることで、ポール6bが引き込まれてキーパーリング4から離脱させられるため、しかる後、固化体容器1を吊り上げることによって、汚染防止キャップ5が取外し台7上に取り残されることになって、固化体容器1の底部から脱装される。 【0017】次に、図2(イ)(ロ)は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)に示したキーパーリング4とプッシュロック装置6との組み合わせに代えて、固化体容器1の凹部2の周壁面に、上記キーパーリング4を部分的に等間隔で切り欠いた構造となる如く、部分的に内方へ張り出すようにキーパープレート8を周方向に複数個所取り付け、且つ該キーパープレート8の取付位置に対応させて、汚染防止キャップ5の底板部5bの隆起縁部に、該汚染防止キャップ5を固化体容器1の底部に嵌めて回すことにより上記キーパープレート8の上面に係合させるようにした係合片9を外向きに設けたものである。 【0018】図2(イ)(ロ)に示すように構成した場合、固化体容器1の下端部への汚染防止キャップ5の着脱作業は、図2(イ)において、二点鎖線で示すように、ターンテーブル10上で行うようにする。すなわち、装着作業は、ターンテーブル10上に汚染防止キャップ5を上向きにセットしておいた状態で、キーパープレート8と係合片9との位相がずれるようにして、固化体容器1を吊り下すようにし、この際、固化体容器1の荷重を汚染防止キャップ5に掛ける前にターンテーブル10を所要角度だけ回転させることにより、係合片9を図2(ロ)の実線の位置から二点鎖線の位置へと移動させて上記キーパープレート8と係合片9の位相を一致させることで、キーパープレート8に係合片9を係合させるようにする。脱装作業も、同様にターンテーブル10の回転操作で、キーパープレート8と係合片9との位相をずらすようにすることによって行うことができる。 【0019】なお、上記実施の形態におけるプッシュロック装置6の数や、キーパープレート8と係合片9との組み合わせ数は、少なくとも周方向で180°対向する2個所にあればよいが、3個所以上とすることは任意であること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。 【0020】 【発明の効果】以上述べた如く、本発明の固化体容器の汚染防止装置によれば、固化体容器底部の周辺部が最も深くなるように底面にドーム状の凹部を形成し、該凹部の周壁面に、内方へ所要量張り出すようにキーパーリングを取り付け、更に、底板部に上記キーパーリングに係合、離脱させるためのプッシュロック装置を周方向に所要間隔を隔てて複数個装備させ且つ周辺部を上記固化体容器の底部周辺部に沿う形状とした汚染防止キャップを、固化体容器の底部に着脱自在に装着するようにした構成としてあるので、固化体容器を汚染防止キャップ上に吊り下すだけで固化体容器の下端部に汚染防止キャップを遠隔にて簡単に装着することができ、したがって、ガラスの収容作業時に固化体容器の底面が台車に直接触れることがなくて、汚染を防止することができ、又、汚染防止キャップを装着した状態のまま取外し台上に載せるだけでプッシュロック装置を解除できるので、脱装作業を遠隔にて容易に行うことができ、更に、凹部のキーパーリングと汚染防止キャップのプッシュロック装置との組み合わせに代えて、凹部の周壁面に、部分的に内方へ張り出すようにキーパープレートを周方向に複数個取り付け、且つ汚染防止キャップの底板部に、上記キーパープレートの上面に係合させるための係合片を、該キーパープレートに対応させて複数個設けた構成とすることにより、固化体容器と汚染防止キャップとの相対的な回転操作だけで汚染防止キャップの着脱作業を行うことができる、等の優れた効果を発揮する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年1月17日(2001.1.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087527 【弁理士】 【氏名又は名称】坂本 光雄
|
| 【公開番号】 |
特開2002−214389(P2002−214389A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月31日(2002.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−9328(P2001−9328) |
|