| 【発明の名称】 |
原子力施設の開口部開閉構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷 雄太郎
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| 【要約】 |
【課題】開口部に対する開閉が容易であり、またロボット等の挿入を簡便に行う。
【解決手段】原子力施設の床9上に設けられた遮蔽壁1に開口部2が形成され、開口部2に嵌合する遮蔽部材15により開口部2を開閉する。開口部2の下端は床9により形成され、遮蔽部材15は床9上を転動する転動部材18を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原子力施設の床上に設けられた遮蔽壁に開口部が形成され、該開口部に嵌合する遮蔽部材により前記開口部を開閉する構造であって、前記開口部の下端は、前記床により形成され、前記遮蔽部材は、前記床上を転動する転動部材を有することを特徴とする原子力施設の開口部開閉構造。 【請求項2】 請求項1記載の原子力施設の開口部開閉構造において、前記開口部は、前記遮蔽壁の外側に形成された孔部と、該孔部に連通し前記遮蔽壁を貫通する貫通孔と、該貫通孔と前記孔部との間に形成された段部とを有し、前記遮蔽部材は、前記貫通孔に嵌合する嵌合部と、前記段部に係合し、且つ前記孔部に嵌合する係合部とを有することを特徴とする原子力施設の開口部開閉構造。 【請求項3】 請求項1または2記載の原子力施設の開口部開閉構造において、前記遮蔽部材には、前記床との間の隙間を遮蔽する補助遮蔽体が付設されていることを特徴とする原子力施設の開口部開閉構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原子力施設の遮蔽壁に観察用や補修用に設けられた開口部に対する開閉構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、原子力施設において高放射線領域は、遮蔽壁で囲まれて放射線が漏洩しない構造になっている。この遮蔽壁には、高放射線領域における観察用や補修用にロボット等を挿入するための開口部が設けられているが、通常時はプラグ等により開口部を遮蔽している。 【0003】図3および図4に、原子力施設の遮蔽壁1に設けられた開口部2の開閉構造の一例を示す。図3はプラグ3により開口部2を遮蔽する方式であり、図4はスライド式遮蔽扉4により開口部2を遮蔽する方式である。プラグ式の開口部2は、貫通孔5と、段部6を介してメンテナンス側に開口するテーパ孔7とから構成されており、プラグ3には貫通孔5に嵌合する軸部3aと、テーパ孔7に嵌合するテーパ部3bとが形成されている。このように、軸部3aとテーパ部3bとに段差を付けることによって貫通孔5と軸部3aとの間に隙間があった場合でも、この隙間を通った放射線をテーパ部3bで遮蔽することができ、安全性を確保することができる。 【0004】一方、スライド式の開口部2は、段部が設けられていない貫通孔8で構成されており、この貫通孔8よりも大きな側面を有する遮蔽扉4は、下端部において遮蔽壁1の外側の床9に遮蔽壁1に沿って形成された溝10に移動自在に挿入される。そして、遮蔽扉4が溝10に沿ってスライドすることで、開口部2を開閉できる構造になっている。なお、どちらの構造でも、開口部2に対する遮蔽を解除した際の安全性確保のために、補助遮蔽壁11が設けられている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような従来の原子力施設の開口部開閉構造には、以下のような問題が存在する。プラグ式の開閉構造の場合、プラグ3を宙に浮かせた状態で開口部2に挿入するため、開口部2(特に貫通孔5)に挿入する際の調芯が非常に難しく、特に遠隔操作を行う場合は困難を極め作業が煩雑であった。また、開口部2に段部6が形成されているため、点検用ロボットの挿入が非常に困難であるという問題があった。 【0006】一方、スライド式の開閉構造の場合、溝10が存在するために点検用ロボットの挿入時に橋が必要になったり、ロボットに工夫を施す必要があり、やはり作業が煩雑になるという問題があった。 【0007】本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、開口部に対する開閉が容易であり、またロボット等の挿入を簡便に行える原子力施設の開口部開閉構造を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。請求項1記載の原子力施設の開口部開閉構造は、原子力施設の床上に設けられた遮蔽壁に開口部が形成され、該開口部に嵌合する遮蔽部材により前記開口部を開閉する構造であって、前記開口部の下端部は、前記床により形成され、前記遮蔽部材は、前記床上を転動する転動部材を有することを特徴とするものである。 【0009】従って、本発明の原子力施設の開口部開閉構造では、転動部材を床上で転動させることで遮蔽部材を移動できるので、開口部を容易に開閉することができる。また、転動部材は床を転動するので、溝等を形成する必要がなく床を平滑にでき、ロボット等を容易に挿入することができる。 【0010】また、請求項2記載の原子力施設の開口部開閉構造は、請求項1記載の原子力施設の開口部開閉構造において、前記開口部は、前記遮蔽壁の外側に形成された孔部と、該孔部に連通し前記遮蔽壁を貫通する貫通孔と、該貫通孔と前記孔部との間に形成された段部とを有し、前記遮蔽部材は、前記貫通孔に嵌合する嵌合部と、前記段部に係合し、且つ前記孔部に嵌合する係合部とを有することを特徴とするものである。 【0011】従って、本発明の原子力施設の開口部開閉構造では、開口部を遮蔽部材で遮蔽したときに遮蔽部材の嵌合部と開口部の貫通孔との間に隙間があった場合でも、隙間を通った放射線を係合部で遮蔽することができ、安全性を向上させることができる。 【0012】そして、請求項3記載の原子力施設の開口部開閉構造は、請求項1または2記載の原子力施設の開口部開閉構造において、前記遮蔽部材には、前記床との間の隙間を遮蔽する補助遮蔽体が付設されていることを特徴とするものである。 【0013】従って、本発明の原子力施設の開口部開閉構造では、遮蔽部材と床との間に隙間があった場合でも、隙間を通った放射線を補助遮蔽体で遮断することができ、安全性を一層向上させることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の原子力施設の開口部開閉構造の実施の形態を、図1および図2を参照して説明する。ここでは、遮蔽壁の放射線領域側を内側と称し、メンテナンス側を外側と称するものとする。なお、これらの図において、従来例として示した図3および図4と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。 【0015】図1に、開口部2が形成された原子力施設における遮蔽壁1と、この開口部2を開閉するためのプラグ(遮蔽部材)15を示す。開口部2は、遮蔽壁1の外側に形成された凹部(孔部)12と、この凹部12に連通し遮蔽壁1を貫通する貫通孔13と、これら凹部12と貫通孔13との間に形成された段部14とから構成されている。貫通孔13は、正面視矩形のロ字状を呈しており、その下端は床9により形成されている。また、凹部12は、貫通孔13の上端側および左右両端側に形成されており、従って段部14も貫通孔13の上側および左右両側の三辺に沿って形成されている。そして、凹部12および貫通孔13を構成する壁面は、遮蔽壁1の壁面に対して垂直に形成されている(すなわち、凹部12および貫通孔13を構成する壁面は、水平面または鉛直面で形成される)。 【0016】プラグ15は、貫通孔13に嵌合する嵌合部16と、凹部12に嵌合し、且つ段部14に係合する係合部17とから構成されており、係合部17は、段部14が形成された位置に対応して、嵌合部16の上端側および図2に示すように、左右両側においても嵌合部16よりも突出するように形成されている。また、係合部17の下端部近傍には、床9上を転動する車輪(転動部材)18が設けられている。図2に示すように、車輪18は、プラグ15の幅方向両側に、且つ進行方向(転動方向)に間隔をあけて合計4つ設けられている。 【0017】また、係合部17のメンテナンス側(すなわち嵌合部16と逆側)の面には、アイボルト等の把持具19と補助遮蔽体20とが取り付けられている。把持具19は、係合部17の幅方向ほぼ中央に位置して取り付けられている。補助遮蔽体20は、係合部17の幅方向全域に亘って当接するように(図2参照)、且つ床9に当接するように係合部17の下端部側に取り付けられている。また、補助遮蔽体20は、幅方向中央側に切欠29が形成され、把持具19を用いての操作が容易な構成になっている。さらに、補助遮蔽体20は、係合部17に対して取り外し及び移動自在な構成になっている。 【0018】上記の構成のプラグ15により開口部2を開閉する動作について説明する。図1(a)は、プラグ15を開口部2に嵌合させて、開口部2を遮蔽した(閉じた)図である。この図に示すように、貫通孔13に対しては嵌合部16が嵌合することで遮蔽するが、貫通孔13と嵌合部16との間に隙間があった場合は、隙間を通った放射線を係合部17が遮蔽する。また、床9とプラグ15との間に隙間がある場合は、この隙間を通った放射線を補助遮蔽体20が遮蔽する。 【0019】そして、ロボット等の挿入のために開口部2を開く際には、把持具19を用いてプラグ15を引くと車輪18が床9上を転がり、図1(b)に示すように、遮蔽壁1から離間する。このようにして、開口部2が開放され、この開口部2を介してロボットを挿入できる。また、開口部2を遮蔽する際には、上記と逆にプラグ15を押して車輪18を転動させる。これにより、プラグ15が開口部2に嵌合して遮蔽することになる。 【0020】本実施の形態の原子力施設の開口部開閉構造では、プラグ15が車輪18により床9上を転動するので、遠隔操作であっても開口部2に対する遮蔽・開放作業を容易に行うことができる。また、車輪18が床9を転がるだけなので、溝等を設ける必要がなく床9を平滑にしておけるので、開口部2を介してのロボット等の挿入も簡便に行うことができる。しかも、このプラグ15では、係合部17および補助遮蔽体20により、貫通孔13との隙間、および床9との隙間を通った放射線を遮蔽することができ、安全性の向上も実現している。 【0021】さらに、本実施の形態では、プラグ15が水平に移動するので、開口部2を形成する面(及びプラグ15を構成する面)をテーパではなく、水平または鉛直にすることができ、遮蔽壁1の構築が容易になるとともに、プラグ15の製作が容易になる。 【0022】なお、上記実施の形態において、プラグ15に車輪18を設ける構成としたが、床9上を転動するものであれば、他の転動部材を用いてもよい。 【0023】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る原子力施設の開口部開閉構造は、開口部の下端が床により形成され、遮蔽部材の転動部材が床上を転動する構成となっている。これにより、この原子力施設の開口部開閉構造では、遠隔操作であっても開口部に対する遮蔽・開放作業を容易に行うことができるとともに、床を平滑にしておけるので、開口部を介してのロボット等の挿入も簡便に行うことができるという効果を奏する。 【0024】請求項2に係る原子力施設の開口部開閉構造は、遮蔽部材の係合部が開口部の段部に係合する構成となっている。これにより、この原子力施設の開口部開閉構造では、遮蔽部材と貫通孔との間に隙間がある場合でも放射線を遮蔽することができ安全性が向上するという効果が得られる。 【0025】請求項3に係る原子力施設の開口部開閉構造は、遮蔽部材に床との間の隙間を遮蔽する補助遮蔽体が付設される構成となっている。これにより、この原子力施設の開口部開閉構造では、遮蔽部材と床との間に隙間がある場合でも放射線を遮蔽することができ安全性が向上するという効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年1月18日(2001.1.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−214387(P2002−214387A) |
| 【公開日】 |
平成14年7月31日(2002.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2001−10547(P2001−10547) |
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