| 【発明の名称】 |
放射性廃棄物の減容装置およびその運転方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】清水 明夫
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| 【要約】 |
【課題】大量の樹脂等の放射性廃棄物の連続処理が可能で、二次放射性廃棄物の発生も少なく、メンテナンスも容易なものを得る。
【解決手段】処理容器1の内部に酸素を供給し、ドライポンプ9により排気して低圧酸素雰囲気とし、下端のヒーター2上に被処理物収納容器3から被処理物を投入して加熱処理するものにおいて、高温の酸素プラズマを発生して処理容器1の内部へと供給するプラズマ発生手段5を付設し、被処理物20の酸化反応を促進する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】原子力施設内で発生する可燃性または難燃性の放射性廃棄物の減容装置で、ほぼ鉛直に配された処理容器と、その下端に配されたヒーターと、被処理用の放射性廃棄物投入手段と、少なくとも一つの酸素導入手段と、少なくとも一つのプラズマ発生手段と、排気手段とを備えてなり、酸素導入手段によって処理容器の内部に酸素を導入し、プラズマ発生手段により導入した前記の酸素を高温に加熱するとともに、排気手段により排気して低気圧酸素雰囲気とし、放射性廃棄物投入手段によってヒーター上に投入した放射性廃棄物をヒーターにより加熱して加熱分解する放射性廃棄物の減容装置において、前記のプラズマ発生手段が、石英管と該石英管に同軸に巻かれた誘導コイルとを備えてなり、石英管に酸素を供給し、誘導コイルに高周波電力を供給して酸素プラズマを発生する手段であることを特徴とする放射性廃棄物の減容装置。 【請求項2】請求項1に記載の放射性廃棄物の減容装置において、放射性廃棄物を加熱するヒータの外径と、処理容器のヒータに接する側面の内径がほぼ等しく、かつ、これらが連結されていることを特徴とする減容装置。 【請求項3】請求項1または2に記載の放射性廃棄物の減容装置において、酸素導入手段の少なくとも一つが、導入された酸素が処理容器の下端に配されたヒーターの方向に向かう流れを形成するように構成された燃焼酸素ノズルであることを特徴とする減容装置。 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の放射性廃棄物の減容装置において、酸素導入手段の少なくとも一つが、導入された酸素が処理容器内部において旋回流を形成するように構成された旋回流形成ノズルであることを特徴とする減容装置。 【請求項5】請求項4に記載の放射性廃棄物の減容装置において、処理容器内部を排気する排気手段に連結される排気口が、旋回流形成ノズルにより処理容器内に形成された旋回ガス流の中心軸上の上方に設けられていることを特徴とする減容装置。 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の放射性廃棄物の減容装置において、処理容器と処理容器内部を排気する排気手段との間に高周波誘導結合型プラズマ式の2次燃焼室が設けられていることを特徴とする減容装置。 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載の放射性廃棄物の減容装置において、処理容器の側壁に処理容器内部の温度を検知する温度監視センサーを少なくとも一つ設けたことを特徴とする減容装置。 【請求項8】請求項1乃至6のいずれかに記載の放射性廃棄物の減容装置において、装置の排気手段に排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段を少なくとも一つ設けたことを特徴とする減容装置。 【請求項9】請求項1乃至6のいずれかに記載の放射性廃棄物の減容装置において、装置の排気手段に排ガス中の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度測定手段を少なくとも一つ設けたことを特徴とする減容装置。 【請求項10】断続的に放射性廃棄物を投入しつつ特許請求項1乃至9のいずれかに記載の放射性廃棄物の減容装置を連続的に減容運転することを特徴とする減容装置の運転方法。 【請求項11】温度監視センサで検知された温度が、上昇した後、下降に転じ、所定の温度レベルに低下したとき放射性廃棄物を投入する方法を用いて、請求項7に記載の放射性廃棄物の減容装置を連続的に減容運転することを特徴とする減容装置の運転方法。 【請求項12】酸素濃度測定手段によって検知された酸素濃度によって酸素導入手段より供給する酸素量を調整しつつ請求項8に記載の放射性廃棄物の減容装置を運転することを特徴とする減容装置の運転方法。 【請求項13】二酸化炭素濃度測定手段によって検知された二酸化炭素ガス濃度が、上昇した後、下降に転じ、所定の濃度レベルに低下したとき放射性廃棄物を投入する方法を用いて、請求項9に記載の放射性廃棄物の減容装置を連続的に減容運転することを特徴とする減容装置の運転方法。 【請求項14】高周波誘導結合型プラズマ式の2次燃焼室の圧力を 600 Pa以上に設定して請求項6に記載の放射性廃棄物の減容装置を運転することを特徴する減容装置の運転方法。 【請求項15】請求項10乃至14に記載の減容装置の運転方法において、減容処理工程において、処理容器の内部の圧力を 0.005乃至 0.05 MPa 、好ましくは 0.01 乃至0.02 MPaに調整して減容運転することを特徴する運転方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原子力施設内で発生する可燃性または難燃性の放射性廃棄物の減容装置、特に放射性廃棄物を加熱分解するとともに酸素をプラズマ加熱して酸化反応を促進して減容する装置、およびその運転方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の放射性廃棄物の減容処理には、バーナを利用した焼却法、不燃ガス中で高温に加熱して分解する熱分解法、過酸化水素を用いた酸化分解法等が使用され、あるいは適用が検討されている。これらの減容処理法のうち、焼却法は、燃料燃焼炎で空気を高温にして樹脂を燃焼し、灰化減容する方法である。熱分解法は、ガス化成分と固体成分に分離し、放射性核種を含まないガス成分を焼却して減容するものである。また、酸化分解法は、過酸化水素と触媒を用いて樹脂成分を水と二酸化炭素に分解して分離し、減容するものである。この他、これらの方法とは趣を異にする方法として、低気圧下において酸素プラズマで樹脂を酸化分解し、灰化減容する方法の検討もなされている。また、特願2000−127020号に記載されているがごときプラズマ式燃焼処理方法も提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の減容処理法のうち、焼却法においては、適用が比較的線量の低い樹脂に限定されるという基本的な問題がある。また比較的線量の低い樹脂に適用する場合においても、樹脂が燃焼して発生するガスに加えて、高温空気を得るための燃料燃焼用バーナのからの燃焼排ガスが発生し、さらに不完全燃焼防止のための二次燃焼用の高温空気を導入することが必要となるため、処理装置全体から発生する排気ガス量は膨大となる。従って、この焼却法では大規模な排ガス処理装置を設置することが必要になるという問題がある。また、処理される樹脂が高カロリであるため、焼却炉の炉壁材が高温に曝されて損傷しやすく、頻繁に補修することが必要となるので、二次放射性廃棄物が多くなり、同時にメンテナンス費用も大きくなるという問題がある。 【0004】また、熱分解法においては、熱分解に伴って放射性核種を含有する多量のタール質成分のミストが発生するので、処理装置の後段に大容量のフィルタを備える必要があり、システムが大形化するという問題がある。また、前述のフィルタは目詰まりしやすく頻繁に交換する必要があるため、多量の二次放射性廃棄物が生じるとともに、多額のメンテナンス費用を要するという問題がある。 【0005】また、従来のプラズマ焼却法では、反応処理圧力を 0.001 MPa前後の比較的低い圧力に保持する必要があるため、処理能力を大きくするためには排気能力の大きな真空ポンプを使用する必要があり、この真空ポンプの排気能力によって処理能力が事実上制限されるという問題点があった。また、特に可燃性放射性廃棄物などはかさ比重が小さいので、バッチ式の焼却炉では1度に多量に廃棄物を供給してもその処理重量は小さく、処理能力の向上が困難であった。 【0006】本発明は上記のごとき従来技術の問題点を考慮してなされたもので、本発明の目的は、排気系の真空ポンプの所要排気能力が従来のプラズマ式処理装置の真空ポンプに比べて大幅に低減され、あるいは、同容量でも処理速度が飛躍的に増大して、かつ連続的に処理可能となり、さらには、二次放射性廃棄物の発生も少なく、メンテナンス費も低減される放射性廃棄物の減容装置、ならびにその運転方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明においては、原子力施設内で発生する可燃性または難燃性の放射性廃棄物の減容装置で、ほぼ鉛直に配された処理容器と、その下端に配されたヒーターと、被処理用の放射性廃棄物投入手段と、少なくとも一つの酸素導入手段と、少なくとも一つのプラズマ発生手段と、排気手段とを備えてなり、酸素導入手段によって処理容器の内部に酸素を導入し、プラズマ発生手段により酸素を高温に加熱するとともに、排気手段により排気して低気圧酸素雰囲気とし、放射性廃棄物投入手段によってヒーター上に投入した放射性廃棄物をヒーターにより加熱して加熱分解する放射性廃棄物の減容装置において、(1)上記のプラズマ発生手段を、石英管とこの石英管に同軸に巻かれた誘導コイルを備えるものとし、石英管に酸素を供給し、誘導コイルに高周波電力を供給して酸素プラズマを発生するものとする。 【0008】(2)また、上記(1)において、放射性廃棄物を加熱するヒータの外径と処理容器のヒータに接する側面の内径をほぼ等しくし、かつこれらを連結して被処理物の放射性廃棄物がこぼれない構造とする。 (3)また、上記(1)または(2)において、酸素導入手段の少なくとも一つを、導入された酸素が処理容器の下端に連結されたヒーターの方向に向かう流れを形成する燃焼酸素供給ノズルとする。 【0009】(4)また、上記(1)〜(3)において、酸素導入手段の少なくとも一つを、導入された酸素が処理容器内部において旋回流をなす様に構成された旋回流形成ノズルとする。 (5)さらに上記(4)において、処理容器内部を排気する排気手段に連結される排気口を、旋回流形成ノズルにより形成された旋回ガス流の中心軸上の上方に設けることとする。 【0010】(6)また、上記(1)〜(5)において、処理容器と処理容器内部を排気する排気手段との間に高周波誘導結合型プラズマ式の2次燃焼室が設けられていることを特徴とする減容装置。 (7)また、上記(1)〜(6)において、処理容器の側壁に処理容器内部の温度を検知する温度監視センサを少なくとも一つ設けることとする。 【0011】(8)あるいは、上記(1)〜(6)において、装置の排気手段に排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段を少なくとも一つ設けることとする。 (9)あるいは、上記(1)〜(6)において、装置の排気手段に排ガス中の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度測定手段を少なくとも一つ設けることとする。 【0012】(10)また、断続的に放射性廃棄物を投入しつつ、上記(1)〜(6)の減容装置を連続的に減容運転することとする。 (11)また、温度監視センサで検知された温度が、上昇した後、下降に転じ、所定の温度レベルに低下したとき放射性廃棄物を投入する方法を用いて、上記(7)の減容装置を連続的に減容運転することとする。 【0013】(12)また、酸素濃度測定手段によって検知された酸素濃度によって酸素導入手段により供給する酸素量を調整しつつ、上記(8)の減容装置を連続的に減容運転することとする。 (13)また、二酸化炭素濃度測定手段によって検知された二酸化炭素ガス濃度が、上昇した後、下降に転じ、所定の濃度レベルに低下したとき放射性廃棄物を投入する方法を用いて、上記(9)の減容装置を連続的に減容運転することとする。 【0014】(14)また、高周波誘導結合型プラズマ式の2次燃焼室の圧力を 600 Pa 以上に設定して上記(6)の放射性廃棄物の減容装置を運転することとする。 (15)また、(10)〜(14)の運転に際して、処理容器の内部の圧力を0.005乃至 0.05 MPa 、好ましくは 0.01 乃至 0.02 MPa に調整して減容運転することとする。 【0015】前述のように、従来のプラズマ焼却法を用いた処理装置では、安定にプラズマを立てられる限界は、0.003 MPa 以下であり、反応処理圧力は 0.001 MPa前後に限られていた。これに対して、本発明者による実験結果により、上記(1)のごとく、石英管内に酸素を導入し、この石英管に同軸に巻かれた誘導コイルに高周波電力を供給して酸素プラズマを発生するプラズマ発生手段、すなわち、トーチ型のプラズマ源を用いて、処理容器の内部に酸素プラズマの旋回流を導入することによって、処理容器の内部圧力が 0.03 MPa 以上の高い圧力であっても充分安定してプラズマを立てられることが明らかとなった。したがって、従来の約 10 倍の高い圧力で安定に高温酸素を供給して処理することが可能となり、酸素の供給ガス量が同一のとき排気系の真空ポンプの所要排気能力は約 1/10 で済むこととなった。また、これとは逆に、同一の排気能力の真空ポンプで約 10 倍の供給ガスを流す大量処理に対応できることとなった。また、供給ガス量を約 10 倍にすることができるので、同一処理量であれば処理速度は約 10 倍となり、処理時間が大幅に短縮される。 【0016】また、上記(2)のごとくとすれば、被処理物の漏出が防止される。また、上記(3)のごとく燃焼酸素供給ノズルを組み込めば、ヒータ上部に投入された被処理物へと効果的に酸素が供給され、被処理物が燃焼される。また、上記(4)のごとく旋回流形成ノズルを組み込めば、酸素プラズマ加熱手段より導入された酸素プラズマの旋回流が追加加速される。 【0017】また、上記(5)のごとく処理容器内部を排気する排気手段に連結される排気口を配置すれば、旋回流に伴った巻き上がった微粒子はサイクロン作用によって分離離脱し落下する。また、上記(6)のごとく処理容器と処理容器内部を排気する排気手段との間に高周波誘導結合型プラズマ式の2次燃焼室を設ければ、排ガス中に含まれる微量の未燃焼ガスを燃焼させることができる。 【0018】また、上記(7)のごとく温度監視センサを設ければ、処理容器内部の燃焼状態の知見が得られる。したがって、上記(11)のごとき効率的な減容運転が可能となる。また、上記(8)のごとく排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段を設ければ処理容器内部の燃焼状態の知見が得られる。したがって、上記(12)のごとき効率的な減容運転が可能となる。 【0019】また、上記(9)のごとく排ガス中の二酸化炭素濃度を測定する二酸化炭素濃度測定手段を設ければ、処理容器内部の燃焼状態の知見が得られる。したがって、上記(13)のごとき効率的な減容運転が可能となる。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の放射性廃棄物の減容装置の一実施例を示す構成図である。図において、1は金属製の円筒状の処理容器、2は、処理容器1の下端に気密に連結された被処理物加熱用のヒーターである。3は、処理用の放射性廃棄物を収納する被処理物収納用器で、被処理物を処理容器1の内部に投入するためのロードロック式投入口31と被処理物収納用器の内部を真空廃棄するための排気装置32が付設されている。また、4は、処理容器1の下端に連結されたヒーター2の方向へと酸素を導入する燃焼酸素供給ノズルであり、5は、処理容器1の内部に高温の酸素プラズマを供給するプラズマ発生手段、6は、処理容器1の内部において旋回流をなす様に酸素を導入する旋回流形成ノズルである。 【0021】このうち、プラズマ発生手段5は、図2に示した横断面図に見られるように、二重の石英管5aの間に冷却水を流して冷却し、石英管5aの内部で 30 l/minの軸方向ガスと 20 l/minの旋回ガスを形成するよう石英管5aの一端に設けられたフランジより酸素が導入されている。この石英管5aの外側には水冷式の誘導コイル5bが石英管5aと同軸に5ターン巻かれており、この誘導コイル5bに 13.56 MHzの高周波電力を供給することによって石英管5aの内部の酸素がプラズマ化され、約 2 kW の電力が供給される。高周波電力が直接酸素ガスを加熱するので他にエネルギーロスが少なく、効率よく高温酸素を生成することができる。図2に見られるように、このプラズマ発生手段5は石英管5aの中心軸が処理容器1の中心軸を外れた外周近傍となるよう連結されており、プラズマ発生手段5で生じた約 2000 ℃の高温の酸素プラズマが処理容器1の内部に旋回流として導入され、被処理物の酸化反応の促進に寄与する。 【0022】処理容器1は、上端の排気口7に連結された排気系によって排気され、所定の圧力に維持される。本実施例の減容装置では、排気速度 80 m3/hのドライポンプ9が組み込まれており、処理容器1の内部圧力が 0.02 MPa となるようにコンダクタンスバルブ10を用いて制御されている。なお、処理容器1内で酸化反応が行われている場合、処理容器1内にはガス流による被処理物の小片や粒状の放射性核種を含んだ物質が舞い上がる。このため、図1に示した処理容器1の天井部分に周辺から旋回ガスを流す酸素供給口を配置して、サイクロン効果によって排気口7の付近には粒状物質は取り込まないよう工夫されている。しかしながら排気口7からの未燃焼ガス成分の流出を皆無にすることはできないので、図1に示したごとく、排気口7と排気系との間に高周波誘導結合型プラズマ式の2次燃焼室11が設けられている。この2次燃焼室11では、未燃焼ガスや酸素ガスがプラズマ中の電子と衝突し活性化して酸化反応をさせる仕組みになっている。電子に衝突されてイオン化する分子の寿命は 1μs程度であるので、この2次燃焼室11内の排ガス速度を 1 m/s、イオン化率を0.01 %とすれば、プラズマ長がほぼ 10 mmですべての分子が平均1回プラズマ化することになる。したがって、この2次燃焼室11内にプラズマ長が数十 mmのプラズマを発生させることによって、容易に 99 %以上の分子をイオン化させることができる。イオン化した未燃焼ガスと酸素は容易に酸化反応を起こすので、この2次燃焼室11を通すことによって排ガスをほぼ完全燃焼させることができる。 【0023】なお、図1に示した実施例の構成では、処理容器1の上端のサイクロンで分離できなかった微粒子を後段に設置したサイクロン8で捕集するシステムが採用されている。このサイクロン8の後段には、前述のようにドライポンプ9が配され、処理容器1を排気している。ドライポンプ9から排出される排気ガスには、放射性核種移行率として10-6程度の低濃度放射性物質が含まれるので、ドライポンプ9の後段にはこれらの粒子状の核種を完全にフィルタリングするための図示しない可燃性プレフィルタと HEPA フィルタが組み込まれている。また、被処理物20にイオウや窒素原子が含まれている場合には、酸化反応によりSOX やNOX が発生するため、排ガスの無害化装置として小型のスクラバを介して大気に放出するシステムが採用される。 【0024】本構成の放射性廃棄物の減容装置において、処理容器1の下端に連結されたヒーター2を約 500℃に加熱しておき、ロードロック式投入口31を開けて被処理物収納容器3に収納された可燃性・難燃性の被処理物20を約 1l 処理容器内のヒーター2の上に投入する。投入された被処理物20は、ヒーター2の上で可燃性ガスを放出し、酸素ガスと混合され、上記のプラズマ発生手段5より供給される高温酸素プラズマの助けを借りて完全燃焼が進行する。時間とともに徐々に可燃ガス放出量が増え、図1中に点線で示したごとき主酸化反応領域21が上方へと拡大する。さらに時間が経過し、燃焼が進行して燃焼量が減少すると、可燃ガスの放出量も減少し、主酸化反応領域21が下方へと後退する。 【0025】このため、図3に示したごとく、処理容器1の壁面に温度監視センサ22を組み込み、その測定信号を温度監視装置23で監視すれば、燃焼量が増して主酸化反応領域21が上方へと拡大すると、温度監視センサ22の測定温度が上昇し、燃焼量が減少して主酸化反応領域21が下方へと後退すると、温度監視センサ22の測定温度が低下することとなる。したがって、温度監視センサ22の測定信号を温度監視装置23で監視し、上昇した温度が下降を始めて所定の温度まで下降した時点で、被処理物投入操作装置25に制御信号を送り、被処理物収納容器3から新たに被処理物20を投入する運転方法を採れば、被処理物20の減容処理を、連続して、熱暴走を防ぎつつ効率的に行うことができる。図4は、このように温度監視センサ22の測定信号をもとに被処理物20を断続的に投入して処理した場合の温度監視センサ22の測定信号の時間変化を示す特性図である。図に見られるように、温度が上昇した後、下降に転じ、点線で示した所定の温度まで下降した時点で新規に投入する信号が発され、これに基づいて新たに被処理物20を投入する操作が繰り返されている。もちろん、被処理物20の性状がある程度均質なものであれば、断続的に投入するタイミングをあらかじめ求めた時間間隔に選定して定期的に行うこととしてもよい。 【0026】上記の運転方法では処理容器1の壁面温度を監視して被処理物20の投入タイミングを決定する方法を用いたが、酸素投入量と排ガス中の酸素濃度、二酸化炭素濃度から、酸素消費量および二酸化炭素発生量を割り出し、二酸化炭素発生量の減少や、酸素消費量の減少信号で被処理物の投入タイミングを決定する運転方法を採ることもできる。図5は、排ガス中の二酸化炭素濃度を測定して、被処理物20の投入操作を制御する運転方法を示すもので、燃焼量が増して主酸化反応領域21が上方へと拡大すると、濃度センサ26で測定される二酸化炭素濃度が上昇し、燃焼量が減少して主酸化反応領域21が下方へと後退すると二酸化炭素濃度が下がることを利用したものである。図6に示した特性は、酸素供給量一定の場合の二酸化炭素濃度の測定値と被処理物20の新規投入のタイミングを示したものである。二酸化炭素濃度が下降を始め、点線で示した所定濃度に達したとき、濃度監視装置27から被処理物投入操作装置25へと新規に被処理物20を投入する信号が発せられている。 【0027】さらに、本構成では、燃焼反応が増大した場合など酸素濃度が低くなりすぎた時には、濃度監視装置27から酸素流量制御装置24へと制御信号を送り、酸素供給量を一時的に増やす処置が行われる。また、低カロリーの被処理物20を投入して酸化反応が最高潮の時の二酸化炭素発生量が装置能力に比べて小さい場合は、投入量を増やすこともできる。 【0028】本構成の減容装置において、上記の様に被処理物を断続的に供給すると、被処理物は減容され重量も減少する。たとえば、可燃物の紙や綿などのセルロース系物質は 98 %の重量が減少して投入量の 1/50 程度になる。難燃物のイオン交換樹脂ならば、投入量の約 1/2となる。セルロース系の可燃物のみを処理する場合は、例えば、1日8時間運転後、酸化反応の終了を待って、図1には図示されていない搬出機構から残さが回収される。 【0029】難燃物を含む被処理物20を処理する場合には、被処理物20を断続的に投入し、例えば総量で 50 l 投入して酸化反応を終了させたのち、ヒータ温度をさらに 700℃まで上昇させるとともに、燃焼酸素供給ノズル4からの酸素供給量を増大させて酸化反応を促進させ、一定時間経過後、ヒータ温度を下げ、酸素の供給を遮断し、窒素ガスを注入して処理容器1の内部を大気圧に復帰させて反応を強制終了させる方法が採られる。本構成の減容装置は、この様に反応時間によって被処理物の減容率を制御することが可能であり、イオン交換樹脂においては、初期投入量の 1/5から 1/20 までの範囲に減容すると、後工程でセメント固化する場合に好適な残さ性状となる。もちろん、反応を時間で制御する方法のほかに、二酸化炭素濃度を積分した総二酸化炭素発生量と重量減少量がほぼ比例する関係に着目して、総二酸化炭素発生量によって反応を終了させるタイミングを決定しても良い。 【0030】 【発明の効果】上述のごとく、本発明によれば、放射性廃棄物の減容装置を請求項1のごとく構成することとしたので、排ガス量が極小化され、処理容器の内部圧力が 0.01 MPa 以上と従来の約 10 倍の高い圧力においても充分安定してプラズマを立てられることとなった。したがって、従来装置に用いられていた排気系の真空ポンプを用いても処理能力が約 10 倍に増大し、多量の放射性廃棄物の減容処理が可能な放射性廃棄物の減容装置が得られることとなった。 【0031】また、本構成の減容装置では、放射性核種が固形残さに内包化して処理されるので、核種の大気や一般環境への散逸が抑制される装置が得られ、また、単純構造が採用でき、補修・メンテナンスが極めて容易で且つ2次廃棄物も少ない装置が得られる。さらに、請求項2〜9のごとく構成することとしたので、放射性廃棄物がより効果的に減容処理される減容装置が構成され、さらには、請求項10〜15のごとき運転方法によって減容処理を行うこととしたので、断続的に放射性廃棄物を投入しながら連続的に減容処理できることとなり、効率的に減容処理できることとなった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月19日(2000.12.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088339 【弁理士】 【氏名又は名称】篠部 正治
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| 【公開番号】 |
特開2002−181994(P2002−181994A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−384676(P2000−384676) |
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