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【発明の名称】 産業廃棄物収納用の放熱性ドラム缶
【発明者】 【氏名】吉永 行雄

【要約】 【課題】産業廃棄物や放射性廃棄物等の収納容器となるドラム缶が、放熱性が高く、かつ積み重ねても安定して保管することができる産業廃棄物収納用の放熱性ドラム缶に関する。

【解決手段】ドラム缶1は、容体2の上部に注入口3付き上板4と、下部に底板5を一体に容体2に固定して成るドラム缶1であるが、そのドラム缶1を形成する上板4の上縁5三ケ所には、縁部を内側に曲げて成る曲げ片7による凹部8を形成し、さらに下縁6aの三ケ所に設ける凹部8は、前記と反対に下縁6aを外側に曲げた曲げ片7による凹部8を、下縁6a部に複数個を設けた放熱性のドラム缶1を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄物を収納するドラム缶であって、ドラム缶の上板面に注入口を有する縁部に、複数個の凹部を設けた構成を特徴とする産業廃棄物収納用の放熱性ドラム缶。
【請求項2】 ドラム缶の縁部に設ける凹部が、縁部を曲げ形成して成る請求項1に記載する産業廃棄物収納用の放熱性ドラム缶。
【請求項3】 廃棄物を収納するドラム缶が、容体と蓋が分離組み合わされるものであって、該蓋の縁部と容体下部の縁部に、複数個の凹部を設けた構成である産業廃棄物収納用の放熱性ドラム缶。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、産業廃棄物や放射性廃棄物等の収納容器となるドラム缶が、放熱性が高く、かつ積み重ねても安定して保管することができる産業廃棄物収納用の放熱性ドラム缶に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、産業廃棄物や放射性廃棄物などを収納する容器として、ドラム缶を利用することは一般的に行われている。また、そのドラム缶においては、蓋体の一部に小さな注入口が設けられた蓋体が、容体に一体に固定されて成るタイプと、他方、容体の径と同じ大きさの蓋体が分離組み合わせられるタイプの収納用ドラム缶が提供されており、収納する内容物などに応じて、二つのタイプのドラム缶のいずれかを選んで産業廃棄物や放射性廃棄物用等の収納容器としている。
【0003】以上のようなドラム缶に収納された廃棄物は、さらにその内容物によって保管方法や処理方法も異なり、まず液状の廃棄物は、容体に蓋の一部に注入口が設けられた蓋と、収納容器となる容体が一体に固定されたタイプのドラム缶を用いて収納している。他方、固形状や放射性廃棄物を固化した廃棄物などは、容体と蓋が分離するタイプのドラム缶に収納する方法が採用されている。
【0004】以上のように産業廃棄物や放射性廃棄物を収納したドラム缶は、特定の保管場所に搬送された後に一定期間は整理保管されるが、通常、限られたスペースに多くのドラム缶を保管するためには、廃棄物が納められたドラム缶を2個ないし3個を積み重ねて保管する方法が一般的に行われている。さらに一定期間の保管後は、内容物に応じて、それぞれの処理場に運ばれて処理されている。また放射性廃棄物用のドラム缶においては、前記するタイプ以外に、放射線の遮蔽手段を組み合わせたタイプのドラム缶の技術も開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】産業廃棄物や放射性廃棄物は、以上のようなドラム缶に収納されたものが特定の場所で長期間保管された後に、順次処理する方法が採られている。しかしドラム缶に収納されているとは言え、内容物によっては熱を発生することもあり、また積み重ねたドラム缶の間に湿気がこもることによる腐食で、ドラム缶の耐久性が落ちたりして内容物が漏れる事故なども発生している。その場合、単なる通常の廃棄物の場合は特に危険ではないが、特に放射性廃棄物の場合は熱がこもったり、汚染物が漏れたりすることは大変危険でもあるので、絶対に避けなければならないことである。しかしそれに対応する効果的な放熱性や耐久性が高く、かつ安価なドラム缶は未だ提供されていないのが現状である。
【0006】加えて、従来のいずれのドラム缶も、縁は幅の狭い縁が形成されたタイプのみであるので、積み重ねる場合は、それぞれのドラム缶の縁どうしがズレたりしないようにして慎重に積み重ねる必要があり、それを怠ると長期間の保管時に起こる地震や振動等による揺れによって、積み重ねたドラム缶が落下して崩れたり、また崩れた際に内容物が漏れたりする危険もあるドラム缶であり、これは放射線の遮蔽手段を講じたドラム缶においても同様である。しかし前記するような放熱を生ずる物質でも収納可能で、かつ積み重ねても安定する形態のドラム缶が求められいるが、現状において未だ提供されていないなどの不便や欠点があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような従来のドラム缶がもつ不便や欠点を解消して、発熱等の危険要素もある廃棄物でも、効果的にして安全に収納保管することができる、廃棄物用ドラム缶を提供するものである。その目的を果たすドラム缶とするために、本発明によるドラム缶は、注入口付き蓋と容体が一体に固定されたタイプのドラム缶はもとより、容体と蓋が分離組み合わせられるタイプいずれを問わないものである。まずその構成は、ドラム缶の上下に形成される縁において、上部の縁の3ケ所を内側に曲げ、下部の縁の3ケ所は外側にそれぞれ曲げ形成して成る、曲げ凹部を複数個設けたドラム缶を構成することで、ドラム缶を積み重ねた際に、ドラム缶の縁と縁の間に一定の大きさの空隙部を形成することにより、積み重ねたドラム缶の放熱性を高いものとし、かつ積み重ねても安定することが可能な、産業廃棄物収納用のドラム缶を構成する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における放熱性を有するドラム缶1の基本形態は、従来見られるタイプとそれほど変わらないが、そのドラム缶1を構成する上縁6と下縁6aに設けた曲げ片7により、凹部8を複数個設けたドラム缶1を形成しているので、保管時に際して、図6に示すように積み重ねた場合、床面やドラム缶1の積み重ね目には、縁部の凹部8による空隙部Aが複数個形成されるため、空気の通風が良くなる。その結果、ドラム缶1の下部及び積み重ね部の放熱効果は一層高まるとともに、湿気がこもる心配も無いドラム缶1を可能とする。
【0009】加えて、ドラム缶1の下部及び上下に設けた外向きの曲げ片7は、容体2の周囲より多少外側に突き出ているので、ドラム缶1を積み重ねた場合、安定して積み重ねられるので、仮に地震などで多少ズレたりしても崩れたりしにくい効果もあるドラム缶1となる。
【0010】
【実施例】実施例1本発明による、実施例1のドラム缶を図1に示す斜視図と図2のドラム缶の上面部を示す拡大斜視図、図3のドラム缶の底面部を示す拡大斜視図、図6に示すドラム缶の積み重ね状態を示す正面図を参照して説明する。実施例1のドラム缶1は、容体2の上部に注入口3付き上板4と、下部に底板5を一体にして容体2に固定して成るドラム缶1であるが、そのドラム缶1を形成する上板4側の上縁6の三ケ所には、縁部を内側に曲げた曲げ片7による凹部8を形成し、さらに底板5の下縁6a三ケ所に設ける凹部8は、前記と反対に下縁6aを外側に曲げた曲げ片7による凹部8を下縁6a部に複数個を設けて、実施例1のドラム缶1を構成する。
【0011】実施例2実施例2のドラム缶を図4に示す斜視図を参照して説明する。実施例2のドラム缶1は、前記した実施例1と同様の注入口3付き上板4と底板5が、容体2に一体に固定して成るドラム缶1であり、まず、上板4の上縁6には、三ケ所の縁部を内側に曲げた曲げ片7による凹部8を設け、さらに、それらの間には、外側に曲げて成る曲げ片7を交互に設けた凹部8を設けて、合わせて6か所の凹部8を形成している。さらに下部の底板5周部の下縁6aには、前記の上板4に設けたと同様に、下縁6aを内向きと外向きの曲げ片7を交互に設けて成る凹部8を六ケ所に設けて、実施例2のドラム缶1を構成する。
【0012】実施例3実施例3のドラム缶を図5の要部を示す分解斜視図を参照して説明する実施例3に示すドラム缶1aは、実施例1及び2に示したタイプと異なり、容体2の径と同じ大きさの蓋9が容体2と分離組み合わせ式のドラム缶1aを採用しており、このタイプのドラム缶1aの蓋9周部の上縁6に設ける凹部8は、前記した実施例1と同様に、上縁6の三ケ所を内側に曲げた曲げ片7による凹部8を設けた蓋9が、容体2に組み合わされるものとしている。尚、前記した容体2の下部は省略して図示しないが、前記した実施例1と同様に、容体2の下縁6aには、前記した蓋9の曲げ片7と反対に、外側に下縁6aを曲げて成る曲げ片7による凹部8を三か所に設けて、実施例3のドラム缶1aを構成する。
【0013】本発明の実施例は以上のような構成であるが、実施例3に示す凹部8は上部及び下部(下部は省略)のいずれにも、三ケ所に凹部8を設けたタイプを図示しているが、実施例2タイプのように、内側向き外側向きの曲げ片7を交互に六ケ所設けたタイプでも構わない。また凹部8は縁部を曲げ形成したものであるが、縁部をカットして成る凹部でも差し支えないものであり、いずれも特に限定するものではない。
【0014】
【発明の効果】本発明による産業廃棄物収納用のドラム缶は、以上のような構成としたものであるので、次に示すような長所や効果を提供できる。まず収納容器とするドラム缶の形態は、従来見られるようなドラム缶であるが、そのドラム缶の上縁は内側に、下縁は外側にそれぞれ曲げ形成した放熱凹部を複数個設けたドラム缶を構成しているので、床面に置いてもドラム缶の底縁に設けた、複数個の放熱凹部から空気の流入が可能となる。したがって、仮に収納した廃棄物による発熱が生じても、高い放熱効果により熱がこもる心配が無いこはもとより、湿気もこもる心配が無い廃棄物収納用のドラム缶である。さらに、上下の縁に内外交互に複数個の凹部を設けたタイプは、その放熱効果も一層高くなる収納容器であるので、例え複数個のドラム缶を積み重ねても、それぞれの積み重ね部分に位置する空隙部による放熱効果が増し、ドラム缶の放熱冷却効果を得ることができる、従来には見られない廃棄物用の放熱性ドラム缶となる。
【0015】加えて、採用するドラム缶も液状の廃棄物を収納できるタイプ以外に、ドラム缶と同じ大きさの蓋が着脱分離できるタイプにも、複数個の放熱凹部を備えているので、固形状の廃棄物や放射性汚染部材等の収納にも対応することも可能な、機能的にして扱い易い廃棄物収納容器である。加えて、その構成も従来のドラム缶と変わらないシンプルな形態であるので、安価に供給することもできる産業廃棄物収納用の放熱性ドラム缶である。
【出願人】 【識別番号】599006948
【氏名又は名称】吉永 行雄
【出願日】 平成12年11月10日(2000.11.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−148392(P2002−148392A)
【公開日】 平成14年5月22日(2002.5.22)
【出願番号】 特願2000−382948(P2000−382948)