| 【発明の名称】 |
固化体容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】上野 勤
【氏名】室川 佳久
【氏名】山下 照雄
【氏名】前川 弘道
【氏名】子安 武志
【氏名】手島 秋雄
【氏名】山田 実
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| 【要約】 |
【課題】蓋体と容器頭部を単一の溶接パスで直接溶着できる固化体容器を提供する。
【解決手段】容器胴部に連なる短筒状の流入管2の上端外周縁部にフランジ3を設けた容器頭部4と、流入管2上端面に当接し且つフランジ3に内接する蓋体5とを備え、容器頭部4及び蓋体5を構成するステンレス鋼の硫黄分含有量を、0.005重量%乃至0.015重量%の範囲に設定し、容器頭部4と蓋体5の溶着により形成される溶接継手部6の溶け込み深さを確保する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器胴部に連通する流入管の先端外周縁部にフランジを設けた容器頭部と、フランジに内接し得る蓋体とを備え、硫黄分含有量が0.005重量%乃至0.015重量%のステンレス鋼を、容器頭部と蓋体の素材に用いたことを特徴とする固化体容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は固化体容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、原子力施設において発生する放射性をガラス固化処理し、崩壊熱が除去されるまで保管することが計画されている。 【0003】図4及び図5はガラス固化処理に用いる固化体容器の一例であり、この固化体容器は、底部が閉塞した長円筒状の容器胴部1と、該容器胴部1の上部に連なる短筒状の流入管2及びその上端外周縁部に設けたフランジ3からなる容器頭部4と、流入管2の上端面に当接し且つフランジ3に内接するように配置される蓋体5とを備えている。 【0004】これらの容器胴部1、流入管2、容器頭部4及び蓋体5の形成素材には、剛性が高く且つ耐腐蝕性に優れたステンレス鋼が用いられる。 【0005】放射性廃液をガラス固化処理する際には、溶融炉内で液状を呈するように加熱保温されている溶融ガラスに放射性廃液を混入し、この放射性廃液を含んだ溶融ガラスを、流入管2から容器胴部1内へ流下させる。 【0006】更に、容器胴部1内の溶融ガラスが自然風冷によって固化した後、蓋体5下面周縁部が流入管2の上端面に接し且つ蓋体5外周面がフランジ3に内接するように蓋体5を配置したうえ、容器頭部4に対して固着する。 【0007】この固着手段としては、蓋体5と容器頭部4とを溶加材を用いたアーク溶接により相互に溶着させる工法や、あるいは、蓋体5と容器頭部4とを溶加材を用いないアーク溶接により相互に溶着させる工法などが考えられるが、溶接対象物である容器胴部1内から放射線が放出されること、並びに溶接を不活性ガス雰囲気で行なうことを考慮すると、蓋体5と容器頭部4とを単一の溶接パスで直接溶着できれば、溶接設備の構造の単純化や、設備の保守点検の容易化が図られる点で望ましい。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、蓋体5及び容器頭部4の模擬体を製作し、溶加材を用いない単一の溶接パスで両部材を溶着させてみると、蓋体5と容器頭部4とを相互に固着する溶接継手部6の溶け込み深さが、図5に示すように、蓋体5の厚さ(約6mm程度)に満たないことがあった。 【0009】そこで、模擬体製作に用いたステンレス鋼(SUS304L)に含まれている元素の割合に着目し、硫黄(S)の重量%を変えて、当該重量%と溶接継手部6の溶け込み深さの関係を調査したところ、溶接継手部6の溶け込み深さは、硫黄分含有量に応じて変化するという知見を得るに至った。 【0010】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、蓋体と容器頭部とを単一の溶接パスで直接溶着できる固化体容器を提供することを目的としている。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の固化体容器では、容器胴部に連通する流入管の先端外周縁部にフランジを設けた容器頭部と、フランジに内接し得る蓋体とを備え、硫黄分含有量が0.005重量%乃至0.015重量%のステンレス鋼を、容器頭部と蓋体の素材に用いている。 【0012】本発明の固化体容器においては、容器頭部及び蓋体を構成するステンレス鋼の硫黄分含有量を、0.005重量%乃至0.015重量%の範囲に設定し、容器頭部と蓋体の溶着により形成される溶接継手部の溶け込み深さを確保する。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図示例とともに説明する。 【0014】図1は本発明の固化体容器の実施の形態の第1の例であり、図中、図4及び図5と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。 【0015】この固化体容器では、容器頭部4及び蓋体5の双方の素材に、硫黄分含有量が0.005重量%に設定されたステンレス鋼を用いている。 【0016】この硫黄分含有量0.005重量%は、JIS規格によるステンレス鋼の硫黄分含有量の許容値(0.030重量%以下)を満たしている。 【0017】蓋体5下面周縁部が流入管2の上端面に当接し且つ蓋体5外周面がフランジ3に内接するように蓋体5を配置したうえ、該蓋体5を容器頭部4に対して単一の溶接パスで直接溶着させ、先に述べたSUS304L(硫黄分含有量0.001重量%)を素材とした例(図5参照)と対比してみると、図1において、蓋体5と容器頭部4の間に形成される溶接継手部6の溶け込み深さは、蓋体5の厚さを超過した状態を呈し、溶接継手部6の溶け込み幅は、図5に示すものよりも縮小する。 【0018】このように、図1に示す固化体容器では、容器頭部4及び蓋体5の素材であるステンレス鋼の硫黄分含有量を0.005重量%に設定し、溶接継手部6の溶け込み深さを確保するので、蓋体5と容器頭部4とを単一の溶接パスによって直接且つ確実に溶着させることができる。 【0019】図2は本発明の固化体容器の実施の形態の第2の例であり、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。 【0020】この固化体容器では、容器頭部4及び蓋体5の双方の素材に、硫黄分含有量が0.015重量%に設定されたステンレス鋼を用いている。 【0021】この硫黄分含有量0.015重量%は、JIS規格によるステンレス鋼の硫黄分含有量の許容値(0.030重量%以下)を満たしている。 【0022】蓋体5下面周縁部が流入管2の上端面に当接し且つ蓋体5外周面がフランジ3に内接するように蓋体5を配置したうえ、該蓋体5を容器頭部4に対して単一の溶接パスで直接溶着させ、図1における例(硫黄分含有量0.005重量%)と対比してみると、図2において、蓋体5と容器頭部4の間に形成される溶接継手部6の溶け込み深さは、図1に示すものよりも更に増大し、また、溶接継手部6の溶け込み幅は、図1に示すものよりも縮小する。 【0023】このように、図2に示す固化体容器では、容器頭部4及び蓋体5の素材であるステンレス鋼の硫黄分含有量を0.015重量%に設定し、溶接継手部6の溶け込み深さを確保するので、蓋体5と容器頭部4とを単一の溶接パスによって直接且つ確実に溶着させることができる。 【0024】図3はステンレス鋼の硫黄分含有量に対する溶け込み深さD及び溶け込み幅Wの関係を示すもので、溶け込み深さDは、硫黄分含有量が0.005重量%未満では、充分な溶け込み深さDを充分に得ることができず、また、硫黄分含有量が0.015重量%近傍を超過すると、溶け込み深さDが変化しなくなる。 【0025】なお、本発明の固化体容器は上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、ステンレス鋼の硫黄分含有量を0.005重量%乃至0.015重量%の範囲で適宜変更すること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更を加え得ることは勿論である。 【0026】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の固化体容器によれば、容器頭部及び蓋体を構成しているステンレス鋼の硫黄分含有量を、0.005重量%乃至0.015重量%の範囲に設定し、容器頭部と蓋体の溶着により形成される溶接継手部の溶け込み深さを確保するので、蓋体と容器頭部とを単一の溶接パスで直接且つ確実に溶着させることができ、溶接設備の構造の単純化や、設備の保守点検の容易化が図られる、という優れた効果を奏し得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000224754 【氏名又は名称】核燃料サイクル開発機構 【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年11月14日(2000.11.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062236 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−148391(P2002−148391A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月22日(2002.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願2000−346437(P2000−346437) |
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