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【発明の名称】 ガス中トリチウムの除去処理システム
【発明者】 【氏名】栗田 晃一

【氏名】岡 寛

【要約】 【課題】核融合装置などから出る排ガスからトリチウムを効率よく、低コストで除去する。

【解決手段】トリチウム除去システム20は、トリチウムを含む被処理ガス21をフィルタ3を通して受け入れるハニカム構造触媒塔25と、ハニカム構造触媒塔25からの被処理ガスをクーラ11を介して受け入れる乾燥塔13とを有し、ハニカム構造触媒塔25に充填されたハニカム構造触媒は、金属製ハニカム構造担体を有し、これに付設された電源が接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トリチウムを含む被処理ガスをフィルタを通して受け入れるハニカム構造触媒塔と、同触媒塔からの被処理ガスを受け入れる乾燥塔とを有し、前記触媒塔のハニカム構造触媒はハニカム構造担体を有することを特徴とするガス中トリチウムの除去処理システム。
【請求項2】 前記ハニカム構造担体は金属製であり、同担体に接続されて通電する電源が前記ハニカム構造触媒塔に付設されていることを特徴とする請求項1記載のガス中トリチウムの除去処理システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性物質であるトリチウムを効率よく除去する装置に関し、特に核融合装置や加速器等に付設されるトリチウムの除去処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】核融合装置や加速器等では、放射性物質であるトリチウム(三重水素)が取り扱われる。例えば、核融合装置では、融合反応であるDT反応の燃料物質として使用される傾向にあるが、トリチウムの比放射能は比較的高いから取扱には細心の注意が必要である。そして、装置の運転時ゃメインテナンス時に排出されるガス中にはトリチウムが含まれることから、環境にトリチウムを放出しないために、トリチウム除去システムが使用される。トリチウム除去システムとして種々なものが提案され(特開平7−181294号等)、又は開発されているが、代表的な触媒酸化/水分吸着プロセスの基本的な構成及び機能を以下に説明する。
【0003】図3を参照するに、トリチウムを含有する被処理ガス1は、ポンプ又はブロワ5によりフィルタ3を通して導入され、ヒータ7に送られる。被処理ガス1中の伴流固形異物などはフィルタ3により除去される。そして、被処理ガス1中のトリチウムを含む水素同位体は、触媒酸化反応器9において同様に被処理ガス1中に含まれる酸素と反応し、水分に変換される。前述のヒータ7による予熱は、酸化反応の促進に寄与する。水分を含む被処理ガスはクーラ11により冷却され、そしてその水分は、乾燥塔13において吸着材に吸着されて除去される。トリチウムは水分の中に入っており、水分の除去によりトリチウムを含まなくなった清浄ガス15は安全であり、大気17へ放出される。乾燥塔13内の吸着材に捕集された水分は、放射性物質であるトリチウムを含んでいるから、吸着材ごと放射性固体廃棄物として処分されるか、吸着塔の再生操作により水の状態で放射性廃液として取り扱われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述のような従来のトリチウム除去システムにおいて使用される触媒酸化反応器9には、アルミナなどの粒子に貴金属触媒を担持したペレット触媒(粒状触媒)の充填塔が用いられてきたが、このペレット触媒には次のような問題があった。即ち、第一に、処理ガスと触媒の接触面積が小さいため、ペレット触媒の充填量が多くなり、大型の反応器を必要とする。この大型化を避けようとすると、反応温度を高温にする必要があり、このためには相当の出力のヒータを必要とする。第二に、ガスの流動に伴うペレット触媒の擦り合わせによる触媒の剥離が起こり、触媒性能の早期の劣化が生じて更なる処分を必要とする廃棄触媒量が増大する。第三に、被処理ガスにメタンなどの炭化水素を含む場合、十分な酸化反応を確保するために処理温度を常温より高くする必要がある。而して、触媒としてアルミナ担体触媒を使用しているため、熱伝導が悪く、十分な適切な酸化反応を行うためにヒータを使用して被処理ガスを予熱する必要があった。このため、予熱ヒータなどを必要とし、製作コストや運転コストの増大があった。従って、本発明の課題は、設備の製作コストや運転コストが小さく、トリチウムを安全且つ効率よく除去できるシステムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するため、本発明によれば、ガス中トリチウムの除去処理システムは、トリチウムを含む被処理ガスをフィルタを通して受け入れるハニカム構造触媒塔と、同触媒塔からの被処理ガスをクーラを通して受け入れる乾燥塔とを有し、前記触媒塔のハニカム構造触媒は金属製ハニカム構造担体を有し、同担体を加熱する電源が付設される。被処理ガスを流すため、システムの系内に適宜ブロワ乃至ガス駆動手段を配設するのが好適である。又、被処理ガスにメタンなどの炭化水素を含まない場合は、ハニカム構造触媒塔に付設する電源及び乾燥塔の上流側のクーラも省略しても良い。
【0006】
【発明の実施の形態】以下添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。尚、全図にわたり、同一部分には同一の符号を付している。先ず図1を参照するに、トリチウム及びメタンなどの炭化水素を含む被処理ガス21は、トリチウム除去システム20のポンプ23の駆動力によりフィルタ3を介して系内に取り込むようになっている。ポンプ23に連絡してハニカム構造触媒塔25が設けられ、ポンプ23によって送られる被処理ガス21を受け入れられるようになっている。ハニカム構造触媒塔25の触媒は、金属製のハニカム構造担体に貴金属触媒を担持させたもので、ハニカム構造担体の蜂巣状穴には、効率よくガスが流れるからガスと触媒との接触面積は大きくなっている。そして更に、ハニカム構造担体は電流が流れるように電源に接続されていて、そこを流れる電流の抵抗熱が発生するようになっている。このように、触媒自体をヒータとして利用しているから、構造は単純でコンパクトになっている。ハニカム構造触媒塔25のガス出口はクーラ11を介して乾燥塔13に連絡し、乾燥塔13の出口は大気に開放されている。
【0007】被処理ガス21は炭化水素を含んでいるため、十分な酸化反応を行うためには処理温度を常温より高くする必要があるが、ハニカム構造触媒塔25のハニカム構造触媒は、その金属製担体に通電することにより加熱され、昇温して良好な酸化反応が行われ、トリチウムを含む水素同位体は酸素で酸化され水分に変わる。このような水分を含むガスは、クーラ11により冷却され、乾燥塔13に送られる。そして、乾燥塔13において、充填された吸着材が前記水分を吸着する。水分が吸着され、放射性物質であるトリチウムを含まなくなった清浄ガス15は大気17の中に放出される。
【0008】尚前述の実施形態においては、炭化水素を含むガスを処理したが、トリチウムを含む被処理ガスが、メタンなどの炭化水素を含まない場合には、図2に示すトリチウム除去システム30のように、装置を更に簡単化して良い。前述の実施形態に係るトリチウム除去システム20との相違点を説明すれば、トリチウム除去システム30のハニカム構造触媒塔33は、ハニカム構造触媒を内蔵し、被処理ガス31中のトリチウムなどの水素同位体を酸化反応により水分に変える。ハニカム構造触媒は、担体がハニカム構造となっていて、担持する触媒と被処理ガスとが良好に接触し、十分な酸化反応を確保が確保される。担体は、金属製でも非金属性でも良く、これに接続される電源は有しない。トリチウムが水分になったガスは、同様に乾燥塔13に入り、同様にここで水分が吸着され、除去される。尚、酸化反応に伴う発熱量が有意でなく、無視できる場合にはクーラ11も省略しても良い。
【0009】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、トリチウム含有ガスからトリチウムを除去するに際し、酸化反応を行う触媒塔の触媒として、ハニカム構造触媒を使用するので、ガスと触媒との接触面積が十分確保され、ガスの予熱や触媒塔の加熱などが必要なく、効率よく除去を行うことができると共に、そのシステム構成も簡単化され、資本コストなどを低減できる。又、被処理ガスの含有成分によって、被処理ガスの温度上昇が必要な場合にも、ハニカム構造触媒の担体を金属製として、これを触媒塔に付設した電源により直接加熱するので、予熱ヒータなどの設置も必要とせず、設備費の上昇を最小限に抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成12年9月18日(2000.9.18)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外5名)
【公開番号】 特開2002−90497(P2002−90497A)
【公開日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願番号】 特願2000−281669(P2000−281669)