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【発明の名称】 キャスク接続カラー
【発明者】 【氏名】岡田 京

【要約】 【課題】放射線遮蔽性の向上を図り得るキャスク接続カラーを提供する。

【解決手段】貯蔵キャスク3に接続可能なキャスク接続筒22と、輸送容器2の開口端部が挿入される容器接続筒23と、両接続筒22,23間に介在して同軸上に連なる扉収納体24と、キャスク接続筒22から容器接続筒23への見通しを遮る位置と遮らない位置に設定され得るように扉収納体24内に配置した遮蔽扉25とを備え、輸送容器2から蓋体を取り外す際に、遮蔽扉25を両接続筒22,23の見通しを遮らない位置に設定し、蓋体を扉収納体24のキャスク接続筒22側まで移動させた後に、遮蔽扉25を両接続筒22,23の見通しを遮る位置に設定して、輸送容器2内方から容器接続筒23外部への放射線の漏洩を抑止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 端部が貯蔵キャスクの開口端に接続され得る略筒状のキャスク接続筒と、該キャスク接続筒に対して同軸に位置し且つ端部に輸送容器の開口端寄り部分が挿入される容器接続筒と、キャスク接続筒の反貯蔵キャスク接続端及び容器接続筒の反容器接続端の双方に連なる中空構造の扉収納体と、キャスク接続筒から容器接続筒への見通しを遮る位置と遮らない位置とに設定され得るように扉収納体内に配置した遮蔽扉とを備え、両接続筒及び扉収納体に、キャスク接続筒端部から扉収納体を経て容器接続筒端部へ縦通する蓋体取り扱い治具用のスリットを形成したことを特徴とするキャスク接続カラー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャスク接続カラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、図9に示すように、原子力発電所などで発生する使用済み燃料を金属製のキャニスタ1に封入し、該キャニスタ1を輸送容器2に内装して保管施設へ搬送し、更に、輸送容器2から貯蔵キャスク3へキャニスタ1を移載して、崩壊熱が除去されるまでの間、乾式保管(風冷保管)することが検討されている。
【0003】輸送容器2は、キャニスタ1が一端から内部へ挿入され得る金属製の容器本体4と、該容器本体4の一端開口部に嵌入され得る蓋体5とを備えている。
【0004】容器本体4の底部には、容器底面からキャニスタ1が挿入される収納空間6へ貫通する孔7が穿設され、該孔7には、プラグ8が嵌入されている。
【0005】貯蔵キャスク3は、キャニスタ1が一端から内部へ挿入され得る鉄筋コンクリート構造のキャスク本体9と、該キャスク本体9の一端開口部に嵌入され得る蓋体10とを備えている。
【0006】また、輸送容器2から貯蔵キャスク3へのキャニスタ1の移載には、図9及び図10に示すようなキャスク接続カラー11を用いる。
【0007】このキャスク接続カラー11は、端部がキャスク本体9の開口端に接続され得る略筒状のキャスク接続筒12と、該キャスク接続筒12に同軸に連なり且つ端部に容器本体4の開口端寄り部分が挿入される容器接続筒13とによって構成されている。
【0008】これら両接続筒12,13には、キャスク接続筒12端部から容器接続筒13端部へ縦通するスリット14と、該スリット14に沿って延びる角溝14aとが形成されている。
【0009】また、スリット14には、輸送容器2の蓋体5及び貯蔵キャスク3の蓋体10の取り付け及び取り外しに使用する蓋体取り扱い治具15が移動可能に嵌合するようになっている。
【0010】蓋体取り扱い治具15は、角溝14a上面を転動可能なローラ35を装着した移動体36と、該移動体36からスリット14を経てキャスク接続カラー11の内方へ延び且つ各蓋体5,10の外面に着脱自在にボルト締結可能な治具本体37とで構成されている。
【0011】輸送容器2から貯蔵キャスク3へキャニスタ1を移載する際には、図11に示すように、容器接続筒13に輸送容器2の開口端寄り部分を挿入したうえ、スリット14に嵌合した蓋体取り扱い治具15を輸送容器2側へ移動させて蓋体5に締結する。
【0012】次いで、容器本体4に対する蓋体5の締結を解除し、図12に示すように、蓋体取り扱い治具15をスリット14に沿って移動させ、蓋体取り扱い治具15及び蓋体5をキャスク接続筒12から取り外し、予め蓋体10(図9参照)を取り外しておいたキャスク本体9の開口端にキャスク接続筒12を、図13に示すように締結する。
【0013】更に、容器本体4からプラグ8を取り外すとともに、当該容器本体4の底部に押し出し装置16の取付基板17を直ちに装着したうえ、図14に示すように、押し出し装置16のロッド18をシリンダ(図示せず)によって貯蔵キャスク3側へ押し出して、容器本体4内のキャニスタ1を、キャスク接続カラー11の容器接続筒13及びキャスク接続筒12を介してキャスク本体9内へ移載する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9乃至図14に示すキャスク接続カラー11では、輸送容器2の蓋体5を取り外してからキャスク接続筒12をキャスク本体9へ締結するまでは、短時間ではあるものの、キャニスタ1端面より放出される放射線を遮蔽できなくなる。
【0015】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、キャスク接続における放射線遮蔽性の向上を図り得るキャスク接続カラーを提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のキャスク接続カラーでは、端部が貯蔵キャスクの開口端に接続され得る略筒状のキャスク接続筒と、該キャスク接続筒に対して同軸に位置し且つ端部に輸送容器の開口端寄り部分が挿入される容器接続筒と、キャスク接続筒の反貯蔵キャスク接続端及び容器接続筒の反容器接続端の双方に連なる中空構造の扉収納体と、キャスク接続筒から容器接続筒への見通しを遮る位置と遮らない位置とに設定され得るように扉収納体内に配置した遮蔽扉とを備え、両接続筒及び扉収納体に、キャスク接続筒端部から扉収納体を経て容器接続筒端部へ縦通する蓋体取り扱い治具用のスリットを形成している。
【0017】本発明のキャスク接続カラーにおいては、容器接続筒に開口端寄り部分を挿入した輸送容器から蓋体を取り外す際に、遮蔽扉をキャスク接続筒から容器接続筒への見通しを遮らない位置に設定し、蓋体を扉収納体よりもキャスク接続筒側まで移動させた後に、遮蔽扉をキャスク接続筒から容器接続筒への見通しを遮る位置に設定して、輸送容器内方から容器接続筒外部への放射線の漏洩を抑止する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【0019】図1乃至図8は本発明のキャスク接続カラーの実施の形態の一例を示すもので、図中、図9乃至図14と同一の符号を付したものは同一物を表している。
【0020】このキャスク接続カラー21は、同軸に位置するキャスク接続筒22及び容器接続筒23と、両接続筒22,23の間に介在する扉収納体24と、扉収納体24内に配置した左右の遮蔽扉25とを備えている。
【0021】キャスク接続筒22は、一側端部に貯蔵キャスク3のキャスク本体9開口端がボルト締結可能なフランジ26が形成され、他側端部が扉収納体24に連なっている。
【0022】容器接続筒23は、一側端部に輸送容器2の開口端寄り部分が挿入可能な形状を有し、他側端部が扉収納体24に連なっている。
【0023】扉収納体24は、キャニスタ1が挿通し得るように両接続筒22,23に連通し且つ左右の遮蔽扉25をキャスク接続筒22から容器接続筒23への見通しを遮る位置に保持し得る開口24aと、該開口24aに連なり且つ各遮蔽扉25をキャスク接続筒22から容器接続筒23への遮らない位置に保持し得る空間27とを有する中空構造である。
【0024】また、扉収納体24の容器接続筒23寄り部分には、左右の遮蔽扉25ごとに扉駆動用モータ28を内装したケーシング30が設けられており、この扉駆動用モータ28の出力軸に嵌設したピニオン29は、前記の空間27の内方に突出している。
【0025】各遮蔽扉25の容器接続筒23寄り部分には、前記のピニオン29に噛合するラック31が設けられており、各扉駆動用モータ28を作動させると、ピニオン29の回転方向に応じて遮蔽扉25が互いに近接あるいは離反し、キャスク接続筒22から容器接続筒23への見通しを遮る位置(開口24a閉止位置)と遮らない位置(開口24a開放位置)とに設定されるように構成されている。
【0026】更に、前記のキャスク接続筒22、容器接続筒23、及び扉収納体24には、キャスク接続筒22端部から扉収納体24を経て容器接続筒23端部へ、それぞれの上部を縦通するスリット32と、該スリット32に沿って延びる各溝34とが形成されている。
【0027】輸送容器2から貯蔵キャスク3へキャニスタ1を移載する際には、各扉駆動用モータ28を作動させて左右の遮蔽扉25を、キャスク接続筒22から容器接続筒23への見通しを遮らない位置に移動させる。
【0028】その後、図4に示すように、キャスク接続カラー21の容器接続筒23に輸送容器2の開口端寄り部分を挿入したうえ、スリット32に嵌合した蓋体取り扱い治具15を輸送容器2側へ移動させて蓋体5に締結する。
【0029】次いで、容器本体4に対する蓋体5の締結を解除し、図5に示すように、蓋体取り扱い治具15をスリット32に沿って扉収納体24のキャスク接続筒22側まで移動させた後、図6に示すように、扉駆動用モータ28を作動させて左右の遮蔽扉25を、キャスク接続筒22から容器接続筒23への見通しを遮る位置に移動させたうえ、蓋体取り扱い治具15及び蓋体5をキャスク接続筒22から取り外す。
【0030】上述の蓋体取り扱い治具15の移動及び取り外し作業は、クレーンなどの吊り具(図示せず)を、蓋体取り扱い治具15の移動体36(図10参照)に連結して行なう。
【0031】更に、図7及び図8に示すように、予め蓋体10を取り外しておいたキャスク本体9の開口端にキャスク接続筒22のフランジ26を締結したうえ、扉駆動用モータ28を作動させて左右の遮蔽扉25を、キャスク接続筒22から容器接続筒23への見通しを遮らない位置に移動させる。
【0032】この状態で容器本体4からプラグ8を取り外すとともに、当該容器本体4の底部に押し出し装置16の取付基板17を直ちに装着し、この押し出し装置16のロッド18をシリンダ(図示せず)によって貯蔵キャスク3側へ押圧し、容器本体4内のキャニスタ1を、キャスク接続カラー21の容器接続筒23、扉収納体24、及びキャスク接続筒22を介してキャスク本体9内へ移載する。
【0033】このように、キャスク接続カラー21では、容器接続筒23に開口端寄り部分を挿入した輸送容器2から蓋体5を取り外す際に、遮蔽扉25をキャスク接続筒22から容器接続筒23への見通しを遮らない位置に設定し、蓋体5を扉収納体24よりもキャスク接続筒22側まで移動させた後、遮蔽扉25をキャスク接続筒22から容器接続筒23への見通しを遮る位置に設定するので、キャスク接続筒22をキャスク本体9へ締結するまでの間、キャニスタ1端面から放出される放射線を遮蔽扉25によって完全に遮断することができる。
【0034】なお、本発明のキャスク接続カラーは上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のキャスク接続カラーによれば、容器接続筒に開口端寄り部分を挿入した輸送容器から蓋体を取り外す際に、遮蔽扉をキャスク接続筒から容器接続筒への見通しを遮らない位置に設定し、蓋体を扉収納体よりもキャスク接続筒側まで移動させた後に、遮蔽扉をキャスク接続筒から容器接続筒への見通しを遮る位置に設定して、輸送容器内方から容器接続筒外部への放射線の漏洩を抑止するので、放射線遮蔽性の向上が図られる、という優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成12年7月27日(2000.7.27)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2002−40193(P2002−40193A)
【公開日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願番号】 特願2000−226921(P2000−226921)