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【発明の名称】 放射性物質貯蔵施設および装荷機
【発明者】 【氏名】齋藤 英俊

【氏名】田辺 雅彦

【氏名】谷中 裕一

【氏名】清水 仁

【氏名】星川 忠洋

【要約】 【課題】放射性物質貯蔵施設での放射性物質の移動において、移動方向が直交する天井クレーンと装荷機を改良して建屋高さを低くし、キャスク保管エリアと貯蔵エリアとの配置を改善して建設コスト低減と作業性向上を図る。

【解決手段】トレーラエリア6とキャスク保管エリア8と貯蔵エリア2を直列に配置して装荷機20を両エリアに走行可能にし、また装荷機自体で放射性物質収納キャスク11を揚重可能とし、装荷機内にキャスクを設置したままキャスク内の放射性物質を貯蔵エリア内の収納管に収納可能とした。これにより、従来のキャスク受入室、天井クレーン等が不要となり、本発明になる装荷機1台のみで、施設内の放射性物質の移動とハンドリングを容易に行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射性物質を収納したキャスクが搬出入されるトレーラエリアと、前記キャスクを一時的に保管するキャスク保管エリアと、前記放射性物質を貯蔵する貯蔵エリアとの少なくとも3つのエリアが、前記放射性物質を装荷する装荷機の直線走行路に沿って直列に配置されてなる放射性物質貯蔵施設。
【請求項2】 前記装荷機は、前記キャスクを揚重して運搬可能な構造を有してなる請求項1に記載の放射性物質貯蔵施設。
【請求項3】 前記貯蔵エリアは、前記放射性物質を冷却するための外気を取り入れる給気口と、前記放射性物質を冷却した外気を放出する排気口とが設けられてなる請求項1または2に記載の放射性物質貯蔵施設。
【請求項4】 請求項1、2または3に記載の放射性物質貯蔵施設に用いられ、前記3つのエリアに沿って走行し、前記キャスクを機内に揚重して、キャスク内の放射性物質を前記貯蔵エリアの収納管に収納する装荷機。
【請求項5】 放射性物質を収納したキャスクを揚重する揚重手段と、前記キャスクを機内の所定位置に設置する設置手段と、前記キャスクを設置して走行路に沿って移動する移動手段と、前記キャスク内の放射性物質収容キャニスタを装荷する装荷手段と、前記放射性物質の遮へい性能および閉じ込め性能を維持する性能維持手段と、前記装荷したキャニスタを貯蔵エリアの収納管に収納する収納手段とを有してなる装荷機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射性物質貯蔵施設および装荷機に係り、特に、放射性物質のハンドリング、移動、貯蔵などに好適で、建設コストの低い貯蔵施設および装荷機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放射性物質を貯蔵する建屋は、特開平6−148382号公報に記載のように、天井クレーンと装荷機の両方の運搬用機材を備えている。
【0003】上記建屋では、放射性物質の貯蔵に次のような手順を踏む必要があった。
【0004】■ 放射性物質の収納されたキャスクを輸送してきたトレーラを、トレーラエリアに進入させる。なお、放射性物質はキャニスタに収容され、数本のキャニスタが一つのキャスクに収納されている。キャスクは全長が5mに及び、1個のキャスクが1台のトレーラで運搬されている。
【0005】■ トレーラエリアにて、天井クレーンを用いてキャスクを吊上げる。
【0006】■ 吊上げたキャスクを、そのまま天井クレーンによりキャスク受入室へ移動させる。
【0007】■ キャスク受入室にて、キャスクに収納されているキャニスタを、キャスク受入室内天井クレーンにより取り出し、キャニスタ準備エリアに移動させる。
【0008】■ 装荷機によりキャニスタを装荷機に装荷する。
【0009】■ キャニスタを装荷した装荷機を貯蔵エリアまで移動させ、貯蔵エリア内の収納管にキャニスタを収納する。
【0010】従来、放射性物質を輸送するためには、既存のTN−12等のキャスクを利用し、コストをなるべく上げることなく運用していた。それらのキャスクは、全長が約5m以上もあり、ハンドリングが非常に困難であった。そのため、上記公知例に示される装荷機により揚重を行うことは、非常に困難であった。
【0011】これらの理由により天井クレーンが2台、装荷機が1台必要であり、かつ、天井クレーンと装荷機とが干渉しないように建屋を設定する必要があるため、建屋高さを高くする必要があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術によると、放射性物質を貯蔵する建屋においては、放射性物質を貯蔵するために必要な貯蔵建屋の高さは、概ね、貯蔵エリアの必要高さ(貯蔵時に安全に貯蔵するために必要な高さ)+ 装荷機の必要高さ(装荷機自体の高さおよび走行時等における余裕高さ)+ 天井クレーンの必要高さ(天井クレーン自体の高さおよび設置、走行等における必要高さ)+ マット厚 + 装荷時にキャスクを挿入するために必要な高さ等により決定される。
【0013】したがって、かなりの質量を有するキャスクを揚重するための天井クレーンの設置費用が必要であり、また、建屋高さが高くなることによる建設費のコスト増が見込まれる。
【0014】また、放射性物質を貯蔵エリアに貯蔵するためには、前記手順を踏む必要があり、以下のように、天井クレーンが2台、装荷機が1台必要であった。
【0015】(1)一方の天井クレーンによリ、トレーラとキャスク受入室との間のキャスク積み下ろしおよび運搬。
【0016】(2)他方の天井クレーンにより、キャスク受入室とキャニスタ準備エリアとの間で、キャニスタの取り出しおよび運搬。
【0017】(3)キャニスタを装荷機内に装荷し、キャニスタ準備エリアと貯蔵エリアとの間を移動して、貯蔵エリアの収納管内に収納する。
【0018】上記、手順を行わざるを得ない理由として、キャスクが大きく、それ自体の質量が大きいということがあげられる。キャスクが大きく、質量が大きいということは、装荷機によってキャスクを揚重したり、移動を行ったり、収納管の中に放射性物質を収納することは、事実上、行うことができなかった。
【0019】本発明の課題は、以上のような状況下で、従来の天井クレーンを廃止して、放射性物質のハンドリングや貯蔵が可能な装荷機を提供し、作業効率を向上させるとともに、建設コストが低く、かつ安全に放射性物質を貯蔵できる放射性物質貯蔵施設を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、従来用いていた天井クレーンおよびキャスク受入室内天井クレーンを用いずに、放射性物質を貯蔵エリア内の収納管に収納することが可能な放射性物質貯蔵施設を創案した。
【0021】そのためには、キャスクを保管するためのキャスク保管エリア、放射性物質を貯蔵施設内に搬出入するトレーラエリア、放射性物質を貯蔵する貯蔵エリアの3つのエリアを直列に配置することにより、それぞれのエリアの上部を装荷機が走行することができるようにした。
【0022】そして、装荷機に放射性物質を収納したキャスクを揚重して機内の所定位置に設置し、さらに、放射性物質を貯蔵する貯蔵エリアへ搬送すること、またはキャスク保管エリアに搬送すること、また、キャスク内の放射性物質を貯蔵エリアの収納管に収納した後、キャスクをキャスク保管エリアまたはトレーラエリアに搬送することなどが可能な装荷機を工夫した。
【0023】以上により、放射性物質を収納したキャスクを装荷機内の所定の位置に設置した状態で、放射性物質を貯蔵する貯蔵エリアの貯蔵セル上で、キャスクの中に収納されていた放射性物質を収容していたキャニスタを、放射性物質遮へい性能および閉じ込め性能を維持したまま、貯蔵エリア内の各収納管に収納することを可能とした。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0025】図1〜図5に、本発明になる放射性物質貯蔵施設を示す。また、図6および図7に、本発明になる装荷機を示す。
【0026】まず、本発明になる放射性物質貯蔵施設の一例について説明する。図1は、本実施形態の放射性物質貯蔵施設において、装荷機が走行するレベルの平面図である。図2は、図1の装荷機走行レベルより低い貯蔵レベルの平面図である。図3〜図5は、それぞれ図2のA−A断面、B−B断面、C−C断面を示す。
【0027】これらの図に示すように、放射性物質貯蔵施設1には、大別すると、次に示すような3つのエリアが設置される。すなわち、放射性物質を収納したキャスク11を搬出入するためのトレーラエリア6、放射性物質の収納の有無に拘らずキャスク11を一時的に保管するキャスク保管エリア8、放射性物質を貯蔵することを目的とする貯蔵エリア2の3つのエリアである。
【0028】また、貯蔵室内の温度を要求温度以上とならないようにするために、外気を取り入れるための給気口9、冷却するために取り入れた外気を貯蔵室から放出するための排気口10が設けられ、その他、貯蔵施設1の運用や管理等に必要な付帯設備室13、階段室12等が、必要に応じて設けられる。
【0029】また、貯蔵エリア2は、放射性物質を貯蔵するための複数の収納管14の重量を支持する床マット24が形成され、遮へいプラグ15および収納管14を固定する床スラブ16と、装荷機20の走行室の天井スラブ17などを有している。
【0030】そして、本発明の特徴の一つは、トレーラエリア6と、キャスク保管エリア8と、放射性物質貯蔵エリア2とを、装荷機20が直線走行できるように直列に配置した点にある。このような配置によって、従来の天井クレーンを省略したものである。
【0031】従来も、放射性物質貯蔵エリアにキャスクを搬送する装荷機が、キャスクからキャニスタを取出すためのキャスク受入室の上部まで走行することは可能であったが、このような施設でキャスク保管エリアを設ける場合、放射性物質を貯蔵する貯蔵エリアに対し、約90度の角度を保った位置に設けざるを得なかった。
【0032】つまり、従来技術において説明した手順(■〜■)によって、放射性物質のハンドリングを行う場合、貯蔵エリアとキャスク保管エリアとを本発明のように直列に配置して、天井クレーンを設置しようとすると、天井クレーンの巾が広がることになり、約90度程度の角度を設けた従来の場合よりも、建設コストがかかることが歴然としているためである。
【0033】キャスク保管エリアとキャスク受入エリアとを配置し、その間を天井クレーンでキャスクを移動させる方式で建設コストを低くするには、放射性物質貯蔵エリアとキャスク保管エリアとを、約90度程度の角度を設けた位置に設定することが望ましい。
【0034】しかし、そのためには、キャスク受入エリアとキャスク保管エリアとの間に設置する天井クレーンが、キャスク受入エリアと貯蔵エリアとの間を走行する装荷機走行路と交差することになり、建屋天井を高くしなければならず、結局、建設コストが高いものとなっていた。また、このような施設配置では敷地条件等に難点が生じるという問題もあった。
【0035】そこで、本発明では、キャスクの搬出入を行うトレーラエリア6、放射性物質貯蔵エリア2、キャスク保管エリア8の3つのエリアを、直線走行する装荷機の直線走行路に沿って直列に配置することにより、施設内の放射性物質の運搬を全て装荷機で行い、従来必要であった天井クレーンを省略できるようにした。
【0036】そのために本発明では、図6および図7に示すように、装荷機およびキャスクに種々の機能を持たせるようにした。まず、装荷機20内にキャスク11を設置して運搬できるようにした。
【0037】そして、装荷機20内のキャスク11と貯蔵エリア2の収納管14との間で、放射性物質を収容したキャニスタ18をやりとりする機能を持たせた。また、キャスク11自体もコンパクト化して、ハンドリングを容易にした。
【0038】すなわち、トレーラエリア2、キャスク保管エリア8、貯蔵エリア2の3つのエリア間で、装荷機20のみによって、キャスク11を自在に運搬することができるようにした。
【0039】例えば、装荷機20内に設置したキャスク11からキャニスタ18を取り出して所定位置に装荷し、収納管14の遮蔽プラグ15を開けてキャニスタ18を収納管14に収納したり、その逆の運搬ができる。
【0040】なお、装荷機20と収納管14との間のキャニスタ18のやりとりは、例えば、装荷機内のキャスク11を遮蔽プラグ15上になるように装荷機を停止し、キャスクの底板と遮蔽プラグの蓋を開けてキャニスタを移動させるようにすることも可能である。
【0041】また、従来の大型キャスクを改善してコンパクトにすることにより、キャニスタを収納したままのキャスクが、トレーラと装荷機との間でそのまま積み下ろし可能となり、直接、トレーラエリアと貯蔵エリアとの間を容易に運搬できるようになる。
【0042】したがって、運搬作業が容易にできるだけでなく、放射性物質収容キャニスタは、貯蔵エリアの収納管との間で出し入れするのみであるから、従来のように、キャスク内のキャニスタを取り出して装荷機に装荷させるキャニスタ準備エリアも廃止できる。
【0043】以下、本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。
【0044】本発明になる装荷機20は、放射性物質を貯蔵する貯蔵施設1において、キャスク11を揚重して装荷機20内の所定位置に設置し、直列に配置したトレーラエリア6、貯蔵エリア2、キャスク保管エリア8の3つのエリア間を往復し、放射性物質を貯蔵エリア2の収納管14に収納した後、空のキャスクをキャスク保管エリア8またはトレーラエリア6に搬送する。
【0045】そして、キャスク11を装荷機20内の所定の位置に設置した状態で、貯蔵エリア2の貯蔵セル3上でキャスク11内に収納されているキャニスタ18を、放射性物質の遮へい性能および閉じ込め性能を維持したまま、貯蔵エリア2内の各収納管14に収納したり、あるいは、逆に収納管14から装荷機20内のキャスク内に取り入れたりできるようにした。
【0046】こうした機能を備えたために、本発明になる装荷機を用いることにより、キャスクからキャニスタを取り出して装荷機に積み換えるなどの従来の作業を省略でき、貯蔵エリアとキャスク保管エリアとトレーラエリアとを直列にした効果をみることができる。
【0047】本発明になる装荷機を用いると、以下に説明する具体的手順で、放射性物質、すなわち、放射性物質を収容したキャニスタや、キャニスタを収納するキャスクなどのハンドリングを、効率的に行うことができる。
【0048】初めに、キャスクに放射性物質を収納してきた場合に、その放射性物質を貯蔵エリアに貯蔵する場合について説明する。
【0049】(1) 放射性物質収容キャニスタ18が収納されたキャスク11を輸送してきたトレーラ7を、トレーラエリア6に進入させる。
【0050】(2) トレーラエリア6にて、本発明になる装荷機20によって、キャスク11を装荷機20内の所定位置に設置する。
【0051】(3) キャスク11を機内に設置した状態で、装荷機20を貯蔵エリア2上に移動させる。
【0052】(4) 貯蔵エリア2の収納管14にキャニスタ18を収めることができる位置に、装荷機20を固定する。
【0053】(5) 装荷機20内でキャスク11内のキャニスタ18を、装荷機20に装荷する。
【0054】(6) 装荷機20に装荷したキャニスタ18を、貯蔵エリア2のそれぞれの収納管14に収納する。
【0055】(7) 放射性物質収容キャニスタ18を取り出したキャスク11は、そのまま装荷機20によりキャスク保管エリア8上に移動される。
【0056】(8) キャスク保管エリア8上の装荷機20により、キャスク11をキャスク保管エリア8内の所定の位置に保管する。場合によっては、トレーラエリア6にてトレーラ7に積載し、貯蔵施設1外に搬出することもある。
【0057】なお、放射性物質を貯蔵エリアの収納管から取り出して、貯蔵施設外へ搬出する場合には、上記手順の逆の手順をとることによって、施設内の放射性物質を施設外に搬出することができる。
【0058】次に、放射性物質収容キャニスタ18を収納したキャスク11を、トレーラ7で貯蔵施設1に搬入し、トレーラエリア6からキャスク保管エリア8に運搬して保管する場合の手順を説明する。
【0059】(1) 放射性物質収容キャニスタ18を収納しているキャスク11を輸送してきたトレーラ7を、トレーラエリア6に進入させる。
【0060】(2) トレーラエリア6にて、本発明になる装荷機20によって、キャスク11を装荷機20内の所定の位置に設置する。
【0061】(3) 装荷機20をキャスク保管エリア8上に移動させる。
【0062】(4) 装荷機20により、キャスク11をキャスク保管エリア8内の所定の位置に保管する。
【0063】キャスク保管エリア8から、放射性物質収容キャニスタ18を貯蔵エリア2に移動し、キャニスタ18を収納管14に貯蔵する場合も、前述したように、装荷機20でキャスク11を貯蔵エリア2に運搬し、トレーラから貯蔵エリアにキャスクを直接運搬してキャニスタを保管する場合と同様の要領で行う。
【0064】したがって、本発明になる放射性物質貯蔵施設および装荷機によれば、従来、必要としていた次の機器類を用いずに、放射性物質を運搬し貯蔵することが可能になる。
【0065】■ 従来、キャスクを揚重するために必要だった天井クレーン。
【0066】■ キャスクの蓋を取り外し、キャスクに収納されていた放射性物質を詰め込んだキャニスタを、キャニスタ準備エリアに搬送するためのキャスク受入室内天井クレーン。
【0067】また、同様に、本発明を用いることにより、従来、必要とされていたキャスク受入室およびキャニスタ準備エリアが不要となり、放射性物質貯蔵施設を有効に利用することが可能になる。
【0068】さらに、天井クレーンを用いる必要がなくなったことにより、貯蔵施設自体の高さが、以下の理由により低くすることが可能になり、建設コストの削減に貢献することができる。
【0069】従来の技術によれば、安全性を考慮して、次に示す内容を積算して貯蔵施設の高さを決定していた。すなわち、貯蔵エリアの必要高さ(貯蔵時に安全に貯蔵するために必要な高さ)+ 装荷機の必要高さ(装荷機自体の高さおよび走行時等における余裕高さ)+ 天井クレーンの必要高さ(天井クレーン自体の高さ、および設置・走行等における必要高さ)+ マット厚により決定されていた。
【0070】しかし、本発明になる貯蔵施設1の高さは、概ね貯蔵エリア2の必要高さ(貯蔵時に安全に貯蔵するために必要な高さ)+ 装荷機20の必要高さ(装荷機20自体の高さおよび走行時等における余裕高さ)+ マット24厚とにより決定されるため、従来の放射性物質の貯蔵施設よりも、建屋高さを低くできるという優れた効果を有している。
【0071】次に、本発明になる装荷機20について、トレーラエリアやキャスク保管エリアからキャスク11を収納して、放射性物質(キャニスタ18)を貯蔵エリア2に貯蔵するまでについて説明する。
【0072】(1) トレーラエリア6またはキャスク保管エリア8において、装荷機20を固定する。
【0073】(2) 通常閉じられている装荷機20の遮へいシャッタ25を開き、キャスク11を揚重する。
【0074】(3) 吊上げたキャスク11を、装荷機20内の所定の位置に設定する。
【0075】(4) 遮へいシャッタ25を閉じる。
【0076】(5) 装荷機20を貯蔵エリア2上に移動し、各収納管14の設置位置に装荷機20を固定する。
【0077】(6) キャスク11の下側の蓋(底板)を外す。
【0078】(7) 装荷機20の通常閉じられている遮へいシャッタ25を開く。
【0079】(8) 収納管14の上部に設置してある遮へいプラグ15を抜き取り、装荷機20内に一時保管する。
【0080】(9) 放射性物質を収納したキャニスタ18を収納管14内に吊りおろす。
【0081】(10) 装荷機20内に一時保管しておいた遮へいプラグ15を、収納管に取り付ける。
【0082】(11) 装荷機20の遮へいシャッタ25を閉じる。
【0083】(12) キャスク11の下側の蓋を閉める。
【0084】(13) 装荷機20を、トレーラエリア6またはキャスク保管エリア8に移動して固定する。
【0085】(14) 装荷機20の遮へいシャッタ25を開き、キャスク11を吊りおろす。
【0086】本発明になる装荷機20は、遮へい機能を有しており、収納管14の上部に取付けてある遮へいプラグ15を取り外したときも、外部に影響を与えることなく安全に作業することが可能である。また、貯蔵エリア2の収納管14は、放射性物質を収納したキャニスタ18を何段か積み上げて保管することが可能な程度の高さを有している。
【0087】本発明の貯蔵施設1について、さらに詳細な説明をすると、図1では、キャスク11の長手方向を地面に対し、垂直にした縦置き方式を示しているが、キャスク11の長手方向を地面と平行にした横置き方式で保管することも可能である。また、キャスク11保管時には、地震時等にも安全にキャスク11を保管できるように、キャスク固定台26等により固定されている。
【0088】貯蔵エリア2においては、装荷機20を貯蔵施設1の最端部の貯蔵エリア2に設定した場合、装荷機20がはみでた状態となる。その状態でマット24まで壁を伸ばすと、貯蔵セル3との間に空き空間が構成されることと、マット24の増大につながるため、装荷機20の稼動範囲に影響を与えずに、装荷機20が収納可能な張り出し構造部を、装荷機20が走行する部分のみに設けるようにした。
【0089】こうして、装荷機が走行する最端部の建屋構造を張り出し構造とすることにより、張り出し構造部の寸法分のマット24量を低減することが可能である。これは、同様にキャスク保管エリア8側の建屋最端部にも該当する。
【0090】この構造は、増設時に非常に有効である。特に、貯蔵エリア側においては、貯蔵セルを等間隔にして、壁、床部材の標準化を図ることで容易に増設が可能である。増設の際、厳しい放射線管理区域である貯蔵セルを、外部に影響を与えることなく増設するために、貯蔵セル上部の装荷機が走行するエリアの外壁のみ撤去することで増設が可能となる。
【0091】これは、同様にキャスク保管エリア側の建屋最端部にも該当し、増設するためにキャスク保管エリア端部の外壁のみ撤去することによって、増設することが可能となる。
【0092】以上説明したように、本発明になる装荷機の実施形態によれば、放射性物質の貯蔵エリアおよびキャスク保管エリア間を自由に往来し、放射性物質を貯蔵することが可能である放射性貯蔵施設を提供することができる。
【0093】また、本発明によると、従来の天井クレーンおよび装荷機が必要だった放射性物質貯蔵施設において、天井クレーンおよびキャスク受入室内の天井クレーンを削減することが可能である。また本発明により、従来、必要とされていたキャスク受入室が不要となり、削除することが可能になり貯蔵施設をより有効に利用することが可能になる。
【0094】さらに、従来の放射性物質貯蔵施設の建屋高さは、貯蔵エリアの必要高さ(貯蔵時に安全に貯蔵するために必要な高さ)+ 装荷機の必要高さ(装荷機自体の高さおよび走行時等における余裕高さ)+ 天井クレーンの必要高さ(天井クレーン自体の高さおよび設置、走行等における必要高さ)+ マット厚により決定されていた。
【0095】この建屋高さが、本発明によって天井クレーンを削除したことにより、概ね貯蔵エリアの必要高さ(貯蔵時に安全に貯蔵するために必要な高さ)+ 装荷機の必要高さ(装荷機自体の高さおよび走行時等における余裕高さ)+ マット厚により決定されることとなったため、建屋高さを低くすることができ、建設コストを削減することが可能になった。
【0096】また、装荷機のみで放射性物質の貯蔵施設内で放射性物質をハンドリングすることが可能になり、ハンドリングが容易になること。遮へい機能を有したキャスクを装荷機内に設置し、放射性物質を収納管に収納することにより、従来の装荷機よりも遮へい性能を削減することが可能になり、装荷機の遮へいに係わるコストを削減することが可能になる。
【0097】
【発明の効果】上述のとおり、本発明によれば、放射性物質貯蔵施設において、従来の天井クレーンが廃止でき、建屋高さを低くして建設コストを低減することができる。また、放射性物質を運搬する装荷機が合理化され、それにより、放射性物質のハンドリングが容易になり、作業効率が向上する。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】591033021
【氏名又は名称】株式会社日立ライフ
【出願日】 平成12年6月26日(2000.6.26)
【代理人】 【識別番号】100066979
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜沼 辰之
【公開番号】 特開2002−6088(P2002−6088A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−190623(P2000−190623)