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【発明の名称】 ジルコニウムを含む放射性廃棄物の処理方法及びその装置
【発明者】 【氏名】佐藤 修彰

【氏名】藤野 威男

【氏名】松田 謙治

【要約】 【課題】放射性廃棄物から効果的にジルコニウムを回収することにより、放射性廃棄物の大幅な減容化を図ることができる放射性廃棄物の処理方法及び処理装置を提供する。

【解決手段】ウラン化合物などのアクチニド化合物に対してジルコニウム塩化物が優先的に揮発するように処理温度及び塩素ガス分圧を制御しながら放射性廃棄物を塩化処理するとともに、この塩化処理に先立って、放射性廃棄物を酸化処理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ジルコニウムを含む放射性廃棄物を処理する方法であって、ウラン化合物などのアクチニド化合物に対してジルコニウム塩化物が優先的に揮発するように処理温度及び塩素ガス分圧を制御しながら前記放射性廃棄物を塩化処理する塩化工程を有することを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
【請求項2】 前記塩化工程では、標準気圧よりも低い圧力に塩素ガス分圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物の処理方法。
【請求項3】 前記塩化工程に先立って、前記放射性廃棄物を酸化処理する予備酸化工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射性廃棄物の処理方法。
【請求項4】 前記予備酸化工程では、前記放射性廃棄物に含まれるウラン化合物を八酸化三ウランに転化させることを特徴とする請求項3に記載の放射性廃棄物の処理方法。
【請求項5】 前記塩化工程で揮発した物質を分留してジルコニウム塩化物の純度を高める純化工程を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射性廃棄物の処理方法。
【請求項6】 ジルコニウムを含む放射性廃棄物を処理する装置であって、前記放射性廃棄物を塩化処理する塩化炉と、ウラン化合物などのアクチニド化合物に対してジルコニウム塩化物が優先的に揮発するように塩化炉の処理温度及び塩素ガス分圧を制御する制御装置とを備えることを特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
【請求項7】 前記塩化炉の上流に配され、塩化処理前の前記放射性廃棄物を酸化処理する予備酸化炉を備えることを特徴とする請求項6に記載の放射性廃棄物の処理装置。
【請求項8】 前記予備酸化炉で生成されたアクチニド化合物を分離回収するためのウラン回収装置を備えることを特徴とする請求項7に記載の放射性廃棄物の処理装置。
【請求項9】 ジルコニウム塩化物の純度を高めるために前記塩化炉で揮発した物質を分留する分留装置を備えることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の放射性廃棄物の処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジルコニウムを含む放射性廃棄物を処理する方法及びその装置に関し、特に燃料集合体廃棄物に含まれるジルコニウムを効果的に回収するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所等の核燃料サイクルにおいて発生する放射性廃棄物のひとつに、燃料集合体からの廃棄物(燃料被覆管やチャンネルボックスなど)がある。燃料集合体を構成する部材は、ジルコニウム合金(ジルカロイ2やジルカロイ4)、ステンレス鋼(SUS304)、ニッケル合金(インコネルX750)などが素材として用いられているが、一般に、その大部分(例えば90%前後)がジルコニウム合金からなる。ジルコニウム合金は、融点が高く、活性(例えば熱的に活性)であることから、セラミックるつぼを用いた溶解や、大気中での溶解など、一般的な溶解処理が難しい。こうしたことから、ジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の処理方法としては、従来、エレクトロスラグ法やインキャンメルト法といった特殊な溶融法や、酸化物転換プレス法、HIP及びインキャンプレス法、及びセメント注入固化法など、貯蔵時における廃棄物の減容化や溶出防止を主たる目的としたものが検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料集合体からの廃棄物の発生量は多大であり、貯蔵処分容積の減少要求も高まる傾向にあることから、廃棄物の大幅な減容化が可能な処理方法の確立が望まれている。
【0004】本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、放射性廃棄物から効果的にジルコニウムを回収することにより、放射性廃棄物の大幅な減容化を図ることができる放射性廃棄物の処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】表1に、燃料被覆管(使用済み核燃料が取り出された後のもの)の性状、表2に燃料被覆管を含む燃料集合体廃棄物の代表的な化学組成を示す。これらの表から、燃料集合体廃棄物はジルコニウム(Zr)を多く(例えば約90%)含んでおり、廃棄物からZrを回収することによって、大幅な減容化を図ることが可能であることが分かる。なお、廃棄物に含まれる放射化元素のうち、Zr−95は半減期が64日と短く、Zr−93は極微量であることから、回収したZrの再利用化を図ることも十分に可能である。
【0006】
【表1】

【0007】
【表2】

【0008】そこで、本発明者らは、塩化処理によってZrの回収、及び放射性廃棄物の減容化を図るこれまでの研究をさらに進め、回収するZrの除染率(処理前の汚染物質量/処理後の汚染物質量)を向上させることが可能なプロセスを検討した。ここで、図2にウラン(U)、図3にジルコニウム(Zr)のそれぞれのCl2下でのポテンシャル状態図を示す。
【0009】検討の結果、図2及び図3に示されるように、放射性廃棄物を塩化処理し、Zrをガス状のジルコニウム塩化物(四塩化ジルコニウム;ZrCl4 )にして回収する場合、廃棄物に含まれるウラン化合物などのアクチニド化合物がガス化して、Zrの除染率を低下させる傾向にあることが認められた。すなわち、除染率をより向上させるには、アクチニド化合物に対してZrCl4 が優先的に揮発するように塩化処理時の処理温度及び塩素ガス分圧を制御することが重要であることが分かった。
【0010】ここで、図4にウラン(U)、図5にジルコニウム(Zr)のそれぞれの400℃におけるO2 −Cl2 ポテンシャル状態図を示す。また、図6にそれらを重ね合わせたU及びZrのO2 −Cl2 ポテンシャル状態図を示す。例えば、図5の破線右下の領域において、ZrCl4 はガス相として安定した状態にあることが分かる。このことから、塩化処理の際、標準気圧(1atm=1013.25hPa)よりも低い圧力に塩素ガス(Cl2 )の分圧を制御することにより、より安定的にZrを揮発させることが可能となる。
【0011】また、塩化処理に先立って、放射性廃棄物を酸化処理することにより、ウラン化合物(アクチニド化合物)が固体相(酸化ウラン)としてより安定した状態となる。この場合、放射性廃棄物に含まれるウラン化合物を酸化ウラン中で最も安定な八酸化三ウランに転化させる(UO2 →U38)ことにより、ウラン化合物の揮発をより確実に抑制することが可能となる(図4〜図6参照)。さらに、塩化処理によって揮発した物質を分留し、ジルコニウム塩化物の純度を高めることにより、より除染されたジルコニウムを回収することが可能となる。
【0012】つまり、上記課題を解決するために、本発明では以下の技術が採用される。請求項1に係る発明は、ジルコニウムを含む放射性廃棄物を処理する方法であって、ウラン化合物などのアクチニド化合物に対してジルコニウム塩化物が優先的に揮発するように処理温度及び塩素ガス分圧を制御しながら前記放射性廃棄物を塩化処理する塩化工程を備える技術が採用される。また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の放射性廃棄物の処理方法において、前記塩化工程では、標準気圧よりも低い圧力に塩素ガス分圧を制御する技術が採用される。また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の放射性廃棄物の処理方法において、前記塩化工程に先立って、前記放射性廃棄物を酸化処理する予備酸化工程を有する技術が採用される。また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の放射性廃棄物の処理方法において、前記予備酸化工程では、前記放射性廃棄物に含まれるウラン化合物を八酸化三ウランに転化させる技術が採用される。また、請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射性廃棄物の処理方法において、前記塩化工程で揮発した物質を分留してジルコニウム塩化物の純度を高める純化工程を有する技術が採用される。請求項6に係る発明は、ジルコニウムを含む放射性廃棄物を処理する装置であって、前記放射性廃棄物を塩化処理する塩化炉と、ウラン化合物などのアクチニド化合物に対してジルコニウム塩化物が優先的に揮発するように塩化炉の処理温度及び塩素ガス分圧を制御する制御装置とを備える技術が採用される。また、請求項7に係る発明は、請求項6に記載の放射性廃棄物の処理装置において、前記塩化炉の上流に配され、塩化処理前の前記放射性廃棄物を酸化処理する予備酸化炉を備える技術が採用される。また、請求項8に係る発明は、請求項7に記載の放射性廃棄物の処理装置において、前記予備酸化炉で生成されたアクチニド化合物を分離回収するためのウラン回収装置を備える技術が採用される。また、請求項9に係る発明は、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の放射性廃棄物の処理装置において、ジルコニウム塩化物の純度を高めるために前記塩化炉で揮発した物質を分留する分留装置を備える技術が採用される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る放射性廃棄物の処理方法及びその装置について、図面を参照して説明する。この処理装置は、放射性廃棄物からジルコニウムを回収するものであり、図1に示すように、放射性廃棄物(以後、被処理物と称する)が投入される投入部10、被処理物を酸化処理する予備酸化炉11、被処理物を塩化処理する塩化炉12、及び分留処理を行う分留装置13を主体として構成されている。また、各処理部間には開閉自在なバルブ14〜17がそれぞれ設けられており、制御装置18により、バルブの開閉動作や、各処理部に対する処理温度や炉内ガス圧力など、各処理部の動作を統括的に制御するようになっている。以下、順を追ってこの処理装置における処理プロセスについて説明する。
【0014】[被処理物の投入]投入部10に投入される被処理物は、ここでは、原子力発電所の核燃料サイクルにおいて超ウランアクチニド系核種(TRU核種)や他の放射性核種などで汚染された燃料集合体の構成部材(TRU廃棄物)である。この燃料集合体廃棄物としては、その代表的なものに、チップアンドリーチ法などによって使用済み核燃料が取り出された燃料被覆管(Zr−Hulls)があり、使用済みの燃料被覆管は、所定の長さにせん断された後、廃棄物供給系20によって所定量ずつホッパ等の投入部10内に投入される。なお、前述したように、燃料集合体廃棄物は、ジルコニウム合金(ジルカロイ2やジルカロイ4)など、ジルコニウム(Zr)を多く含んでいる。
【0015】[予備酸化]この処理装置では、後述する塩化処理に先立って、酸化性雰囲気の酸化炉11内で被処理物を加熱処理(予備酸化処理)する。すなわち、不図示のガス供給系によって酸化炉11内に空気(Air)あるいは酸素ガス(O2 )を供給するとともに、制御装置18によって炉内の処理温度を例えば450〜500℃に制御する。
【0016】この酸化処理によって被処理物中に含まれるウラン化合物が固体層として安定的な八酸化三ウラン(U38)に転化する(UO2→U38 ;図6参照)。なお、この酸化ウランを効率的に転化させるために、処理温度は約450℃以上とするのが好ましい。また、Zrは約600℃で酸化されることから、後述する塩化処理を効果的に行うために、処理温度は約500℃以下とするのが望ましい。
【0017】ところで、この酸化処理によって生成した U38 は、その多くが膨張・粉化して被処理物の表面に付着し、その表面からはがれやすくなる。そこで、この処理装置では、酸化炉11内で生成された U38 の少なくとも一部をウラン回収装置21によって分離回収するようになっている。具体的には、ウラン回収装置21は、炉内の被処理物に振動や衝撃を与えて U38 を被処理物から分離させるとともに、分離した U38 を捕集しそれを下段の残渣回収部22に送るように構成されている。なお、 U38 の回収のタイミングは、制御装置18によって制御される。
【0018】こうしたウラン回収装置による U38 の回収によって、後述する塩化処理時におけるウラン化合物の濃度を低下させて、ウラン化合物の混入を抑制することが可能となる。さらに、振動や衝撃によって被処理物(燃料被覆管など)の酸化被膜に亀裂などの損傷を生じさせることにより、後述する塩化処理に伴う塩化反応が促進するという利点も得られる。なお、酸化炉11内で発生する排ガスは排ガス処理設備23によって所定の処理が施される。すなわち、排ガス処理設備23により、例えばジルコニウム合金(ジルカロイ)中に吸蔵されていたトリチウム、あるいは揮発・蒸発した他の放射性元素(Am、Snなど)が確実に処理・捕集され、それらの大気中への散逸・拡散が防止される。なお、この予備酸化工程における酸化処理時間は例えば0.5〜2時間である。
【0019】[塩化]上述した酸化処理後、被処理物を塩化性雰囲気の塩化炉12内で加熱処理(塩化処理)する。すなわち、不図示のガス供給系によって塩化炉12内に例えば窒素ガス+塩素ガス(N2+Cl2)を供給するとともに、制御装置18によって炉内の処理温度と塩素ガス分圧を制御する。このときの処理温度及び塩素ガス分圧は、ウラン化合物などのアクチニド化合物に対してジルコニウム塩化物が優先的に揮発するように予め定められており、ここでは、処理温度が約375〜425℃、塩素ガス分圧が標準気圧(1atm=1013.25hPa)よりも低い圧力(例えば0.5気圧以下)になるように制御される。
【0020】すなわち、炉内で五塩化ウラン(UCl5 (g))が生じることなく、U38(s)及びUOCl3 (s)が安定的に固体相をなし、しかもジルコニウム塩化物として、ガス状の四塩化ジルコニウム(ZrCl4 (g))が安定的に揮発するように、例えば図2〜図6の各状態図から得られる各物質の特性に基づいて、処理温度及び塩素ガス分圧が制御される。ここで、ZrCl4 の沸点は約339℃であり、揮発力の低下を避けるために塩化炉12内の処理温度は約375℃以上とするのが好ましい。さらに、塩化反応は発熱反応であり、局部的に被処理物の温度が500℃以上になって、ガス状のUCl5 (g)が発生し除染率の低下を招く恐れがあることから、処理温度は約425℃以下とするのが望ましい。
【0021】この塩化処理によって揮発塩化物(ZrCl4(g)、SnCl4(g)、FeCl4(g)など)が被処理物から分離され、これらの物質が塩化炉12の上部の排出口から分留装置に流れる。なお、この塩化処理に先立って被処理物中のウラン化合物は U38(s) に転化しているので、上述した処理温度及び塩化ガス分圧での塩化処理において、ウラン化合物に対してジルコニウム塩化物が優先的に揮発し、ウラン塩化物(UCl5 (g))の揮発が抑制される。
【0022】[残渣の格納]塩化炉12において揮発しなかった、 U38(s)、ZrO2(s)、Ni(s)、Cr(s)などの化合物や合金元素は、表2に示したように燃料集合体廃棄物の全重量の10%以下である。これらは放射性核種を含むため、残渣回収部22に送られ、管理貯蔵用の格納ビンに捕集される。
【0023】[純化]分留装置13では、塩化処理によってガス状に揮発した塩化物(ZrCl4 (g)、SnCl4 (g)、FeCl4 (g)など)をトラップ24で捕集するとともに、非鉄精錬分野で一般的に実施されている塩化物分別蒸留法によって塩化物の分留を行う。ここで、各塩化物の沸点及び昇華点を表3に示す。
【0024】
【表3】

【0025】このとき、分留された塩化物のうち再利用可能なもの(特に、ZrCl4 やFeCl4 など)は適宜保管され、次の処理工程に送られる。また、この分留処理により、ジルコニウム塩化物の純度が高められ、ジルコニウムの除染率が高められる。なお、この分留装置13で発生する排ガスは排ガス処理設備25によって所定の処理が施され、ガス中に含まれる放射性元素(Am、Snなど)は確実に処理・捕集されるとともに大気中への散逸・拡散が防止される。
【0026】以上のように、この処理装置による処理プロセスでは、放射性廃棄物の塩化処理に際し、塩化炉12内の処理温度及び塩素ガス分圧を適切に制御することにより、ウラン化合物の揮発を抑制して、放射性の低いジルコニウムを効果的に回収することができる。しかも、放射性廃棄物の塩化処理に先立って、放射性廃棄物を適切な処理温度で酸化処理することにより、ウラン化合物を最も安定な八酸化三ウラン(UO2→ U38)に転化させるので、ウラン化合物の揮発がより確実に抑制される。また、表2に示したように、燃料集合体廃棄物の90%程度はジルコニウム(ジルコニウム合金)からなることから、ジルコニウムを回収することにより、管理・貯蔵すべき廃棄物を大幅に減容化(10%程度以下)することができる。また、回収したジルコニウムに含まれる放射性元素はわずかであり、比較的短期間で崩壊することから、ジルコニウムのリサイクル化も容易に図ることができる。
【0027】
【実施例】Zrの揮発率及び除染率について、本発明に係る処理方法に基づき塩化工程に先立って酸化処理したもの( U38+Zr )と、塩化処理のみのもの(UO2+Zr)とを比較した。この結果を図7に示す。なお、図7のグラフの横軸は塩化処理温度である。この図7から分かるように、Zrの揮発率に差は大きく生じないものの、除染率は、塩化工程に先立って酸化処理したもの( U38 +Zr)のほうが大幅に高くなる。すなわち、塩化処理に先立って、放射性廃棄物を酸化処理することにより、ウラン化合物(アクチニド化合物)をより安定的な固体相とし、塩化処理時におけるウラン化合物の揮発を抑制して、Zrの除染率の向上を図ることができる。
【0028】なお、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ及びプロセスの手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば以下の効果を得ることができる。請求項1及び請求項6に係る放射性廃棄物の処理方法及びその装置では、放射性廃棄物の塩化処理に際して、処理温度及び塩素ガス分圧を制御することにより、除染率の高いジルコニウムを回収することができる。したがって、放射性廃棄物の大幅な減容化を図ることができる。
【0030】また、請求項2に係る放射性廃棄物の処理方法では、塩化処理に際して、標準気圧よりも低い圧力に塩素ガス分圧を制御することにより、ジルコニウム塩化物をより安定的に揮発させて、効果的にジルコニウムを回収することができる。
【0031】また、請求項3及び請求項7に係る放射性廃棄物の処理方法及びその装置では、放射性廃棄物の塩化処理に先立って、放射性廃棄物を酸化処理することにより、アクチニド化合物をより安定した固体相とし、塩化処理時におけるアクチニド化合物の揮発を抑制することができる。
【0032】また、請求項4に係る放射性廃棄物の処理方法では、酸化処理によって、ウラン化合物を最も安定的な八酸化三ウランに転化させることにより、ウラン化合物の揮発をより確実に抑制することができる。
【0033】また、請求項5及び請求項9に係る放射性廃棄物の処理方法及びその装置では、分留処理によってジルコニウム塩化物の純度を高めることにより、より効果的にジルコニウムを回収することができるとともに、ジルコニウムのリサイクル化も容易に図ることができる。
【0034】また、請求項8に係る放射性廃棄物の処理装置では、ウラン回収装置によって予備酸化炉で生成されたアクチニド化合物を分離回収するので、塩化処理時のアクチニド化合物の揮発をさらに抑制し、回収されるジルコニウムの除染率をさらに向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成12年6月19日(2000.6.19)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
【公開番号】 特開2002−6086(P2002−6086A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−183803(P2000−183803)