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【発明の名称】 原子力発電所の気体処理設備および気体処理方法
【発明者】 【氏名】五十川 克士

【氏名】山本 雄司

【氏名】黒田 理知

【要約】 【課題】原子炉停止時、主蒸気隔離弁閉鎖後に原子炉圧力容器内の気体放射性物質を気体廃棄物処理系へ導出する。

【解決手段】原子炉圧力容器1内の気体を原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8および主蒸気ドレン配管9aを介して気体廃棄物処理系19へ導出する。ヘッドスプレイ配管8と主蒸気ドレン配管9aを連絡するバイパス配管30によりヘッドスプレイ配管8内の気体を主蒸気ドレン配管9aに移行させる。ヘッドスプレイ配管の逆止弁13および主蒸気ドレン配管の復水器16にもそれぞれバイパス配管29,31を設置する。また、この主蒸気ドレン配管9aに代えて原子炉隔離時冷却系を用いてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炉心を内包する原子炉圧力容器の上部に設けられた原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルに冷却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、前記原子炉圧力容器内の蒸気をタービンへ導出する主蒸気管と、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と、前記主蒸気管に分岐して設けられ前記気体廃棄物処理系と連絡する主蒸気ドレン配管とを具備する原子力発電所の気体処理設備において、前記原子炉圧力容器内の気体を前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管および前記主蒸気ドレン配管を介して前記気体廃棄物処理系へ導出する気体導出手段を具備することを特徴とする原子力発電所の気体処理設備。
【請求項2】 前記気体導出手段は、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と前記主蒸気ドレン配管とを連絡する第1バイパス手段を具備することを特徴とする請求項1記載の原子力発電所の気体処理設備。
【請求項3】 炉心を内包する原子炉圧力容器の上部に設けられた原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルに冷却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と、原子炉隔離時冷却系配管とこの原子炉隔離時冷却系配管に分岐して設けられ前記気体廃棄物処理系と連絡する原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管を有する原子炉隔離時冷却系とを具備する原子力発電所の気体処理設備において、前記原子炉圧力容器内の気体を前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管および前記原子炉隔離時冷却系を介して前記気体廃棄物処理系へ導出する気体導出手段を具備することを特徴とする原子力発電所の気体処理設備。
【請求項4】 前記気体導出手段は、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、前記原子炉隔離時冷却系配管または前記原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管のいずれかとを連絡する第1バイパス手段を具備することを特徴とする請求項1記載の原子力発電所の気体処理設備。
【請求項5】 前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管に設けられ前記原子炉圧力容器からの流体の導出を阻止する逆止手段と、この逆止手段をバイパスして設けられる第2バイパス手段とを具備することを特徴とする請求項2または4記載の原子力発電所の気体処理設備。
【請求項6】 前記気体導出手段の前記第1バイパス手段の下流側に設けられる復水器と、この復水器をバイパスして設けられる第3バイパス手段とを具備することを特徴とする請求項2または4記載の原子力発電所の気体処理設備。
【請求項7】 前記原子炉圧力容器を囲繞する原子炉格納容器のドライウェルと前記原子炉圧力容器内気相部とを連絡する手段を具備することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の原子力発電所の気体処理設備。
【請求項8】 炉心を内包する原子炉圧力容器内の蒸気をタービンへ導出する主蒸気管に設けられた主蒸気隔離弁を閉止する工程と、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と連絡しかつ前記主蒸気管に分岐して配設される主蒸気ドレン配管に設けられた隔離弁を開く工程とを有し、前記主蒸気ドレン配管を介して前記原子炉圧力容器内の気体を前記気体廃棄物処理系に移送することを特徴とする原子力発電所の気体処理方法。
【請求項9】 炉心を内包する原子炉圧力容器の原子炉圧力容器上蓋ノズルの上部に設けられ原子炉圧力容器上方から冷却水をスプレイする原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルを前記原子炉圧力容器上蓋ノズルから離脱する工程と、導入部および導出部の少なくとも2端を有する気体移送手段の少なくとも1端を、前記原子炉圧力容器を囲繞する原子炉格納容器の外部に設定する工程と、前記原子炉圧力容器上蓋ノズルを介して前記原子炉圧力容器の内部に前記気体移送手段の少なくとも1端を設定する工程とを有することを特徴とする原子力発電所の気体処理方法。
【請求項10】 前記気体移送手段を介して、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系に前記原子炉圧力容器内の気体を移送する工程を有することを特徴とする請求項9記載の原子力発電所の気体処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉心を内包する原子炉圧力容器内に存在する放射性気体廃棄物を処理する原子力発電所の気体処理設備および気体処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の沸騰水型原子力プラントに設けられる原子力発電所の気体処理設備の概略系統図である。ここでは、原子炉格納容器内でサプレッションプールを内包するウェットウェルなどの設備の図示を省略し、原子炉圧力容器と主蒸気管、気体廃棄物処理系等の主要機器のみを示している。
【0003】炉心2を内包する原子炉圧力容器1内には、原子炉冷却水3が存在する。原子炉冷却水3中には、放射性気体廃棄物、例えば炉心2に起因する中性子照射により冷却水3から分解生成される水素ガスや酸素ガス、その反応時に併せて生成される 3H,16N,19O等、また燃料棒より微量に漏洩するKrやXe等の放射性希ガス等が存在する。原子力発電プラントにはこうした放射性気体廃棄物を処理する気体廃棄物処理系が設けられている。
【0004】原子力発電プラントの通常運転中に原子炉圧力容器1内に発生する放射性気体廃棄物は、原子炉圧力容器1に接続する主蒸気管9を経て復水器16に導かれた後、気体廃棄物処理系19で処理される。なお符号18は主蒸気管9の原子炉格納容器5壁との原子炉格納容器貫通部を示す。主蒸気管9には原子炉格納容器貫通部18の上流側および下流側にそれぞれ主蒸気隔離弁17a,17bが設けられている。
【0005】気体廃棄物処理系19は、触媒により酸素と水素の再結合を行う排ガス再結合器20と、排ガス再結合器20の下流側に設けられ再結合により得られた水蒸気を凝縮し除去する気体廃棄物処理系復水器21と、この復水器21の下流側に設けられ排ガス中に残った放射性ガスを長時間保持し放射能を減衰させる気体廃棄物処理系ホールドアップ塔22と、このホールドアップ塔22の下流側に設けられ放射能が減衰された後に気体を大気中に放出する排気筒24と、排気塔24とホールドアップ塔22の間に設けられた排気ポンプ23とから構成される。
【0006】この他にも、再結合器20の上流側に再結合を促進させるために予熱器を設ける、復水器21の下流側に除湿冷却器を設ける、ホールドアップ塔22を活性炭式としてXe等の希ガスを活性炭に吸着させる、あるいはホールドアップ塔22を複数段設ける、といった構成を採ることもできる。こうした気体廃棄物処理系の構成については例えば特開2000−98085号公報に開示されている。
【0007】図7は、図6に示した原子炉圧力容器1の上部を拡大して示した断面図である。原子炉圧力容器上蓋ノズル38の周囲構造について以下説明する。核反応により原子炉圧力容器1内に発生する非凝縮性ガスを原子炉圧力容器1の上部より排出するため、隔離弁12を有する原子炉圧力容器ヘッドベント管7からなる原子炉圧力容器ベント系が設けられている。符号7aは原子炉圧力容器ヘッドベント管フランジを示す。
【0008】さらに、沸騰水型原子炉を停止冷却する際に、蒸気相となっている原子炉圧力容器1の気相部1aを冷却するために、原子炉圧力容器1の上部に位置する原子炉圧力容器上蓋ノズル38に設けられ原子炉圧力容器1内の気相部1aに冷却水をスプレイする原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6と、このヘッドスプレイノズル6に冷却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8とからなる原子炉圧力容器ヘッド冷却系が設けられている。
【0009】符号15は原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8の原子炉格納容器5壁との原子炉格納容器貫通部を示す。原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8には、原子炉格納容器貫通部15を介して、原子炉格納容器5の内側に逆止弁13が、外側に隔離弁14aがそれぞれ設けられている。逆止弁13により、原子炉圧力容器1内の流体の外部への導出を阻止する。
【0010】主蒸気管9の主蒸気隔離弁17a,17bは通常運転中はともに開状態となっており、図示しないタービン発電機に蒸気を供給している。一方、定期検査等のプラント停止時には、原子炉を開放するすなわち原子炉圧力容器1の上蓋を取外す前に、原子炉圧力容器1内の冷却水3の水位を上昇させまた主蒸気管9内の水張りを行うため、主蒸気管9上の主蒸気隔離弁17a,17bを閉状態とする必要がある。この際、主蒸気隔離弁17a,17bを閉鎖して以降、原子炉圧力容器1内の放射性ガスは気体廃棄物処理系19へ移行することができず、原子炉圧力容器1内に蓄積することとなる。
【0011】通常のプラント停止時には、こうして蓄積される気体中の放射性物質は微量である。しかし、燃料リークが伴うようなプラント停止時にはこうした通常の場合に比べて発生する放射性物質の量が多くなるため、主蒸気隔離弁17a,17bが閉鎖されてから原子炉を開放するまでの間に、原子炉圧力容器1内には相対的に多くの放射性物質が蓄積する。よって、蓄積された放射性物質を一度に放出しても影響がない程度となるまで、すなわちある程度時間をかけて放射性物質濃度が十分に低くなるまで原子炉を保持した後に、原子炉を開放、すなわち原子炉圧力容器1の上蓋を取外している。
【0012】また、原子炉圧力容器1の気相部1aと接続しかつ気体廃棄物処理系19と連絡して図示しない原子炉隔離時冷却系配管が配置される。この原子炉隔離時冷却系配管を有する原子炉隔離時冷却系は、タービンや復水器による通常の除熱機能が喪失した場合に、冷却水3を原子炉圧力容器1内に供給し原子炉の崩壊熱を除去する設備として機能する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】原子力発電プラントで原子炉燃料から発生する放射性物質は、通常運転中は気体廃棄物処理系19で連続的に処理されており、ガス中の放射性物質濃度は大気へ放出が可能となる許容範囲内で常に推移している。一方、燃料破損等の燃料リークが伴う場合には、主蒸気隔離弁17a,17bを閉として原子炉圧力容器1の上蓋を開いて原子炉圧力容器1内に蓄積されたガス中の放射性物質を一度に大気に放出しようとすると、放射性物質濃度が大気へ放出が可能となる許容範囲に近いレベルまで高くなることが考えられる。
【0014】仮にこの放射性物質濃度が許容範囲を超えた場合には大気への放出は不可能であり、濃度が低下するまで放出を待機する必要がある。そのため、主蒸気隔離弁17a,17bを閉じた後に、原子炉圧力容器1内に放射性物質があるレベル以上に蓄積されない構成を実現することが、燃料リーク時の対応上重要である。
【0015】本発明はこうした事情に鑑みなされたものであり、その目的は、ガスを大気に放出する原子炉開放までに要する待機時間を短縮すべく、主蒸気隔離弁を閉鎖した後であっても原子炉圧力容器内の放射性物質を連続的に処理することによって、原子炉開放時にガスの大気放出が可能となるレベルまで放射性物質濃度が低い状態とすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、炉心を内包する原子炉圧力容器の上部に設けられた原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルに冷却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、前記原子炉圧力容器内の蒸気をタービンへ導出する主蒸気管と、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と、前記主蒸気管に分岐して設けられ前記気体廃棄物処理系と連絡する主蒸気ドレン配管とを具備する原子力発電所の気体処理設備において、前記原子炉圧力容器内の気体を前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管および前記主蒸気ドレン配管を介して前記気体廃棄物処理系へ導出する気体導出手段を具備することを特徴とする。さらに、前記気体導出手段は、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と前記主蒸気ドレン配管とを連絡する第1バイパス手段を具備することを特徴とする。
【0017】また、本発明では、炉心を内包する原子炉圧力容器の上部に設けられた原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルに冷却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と、原子炉隔離時冷却系配管とこの原子炉隔離時冷却系配管に分岐して設けられ前記気体廃棄物処理系と連絡する原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管を有する原子炉隔離時冷却系とを具備する原子力発電所の気体処理設備において、前記原子炉圧力容器内の気体を前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管および前記原子炉隔離時冷却系を介して前記気体廃棄物処理系へ導出する気体導出手段を具備することを特徴とする。さらに、前記気体導出手段は、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、前記原子炉隔離時冷却系配管または前記原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管のいずれかとを連絡する第1バイパス手段を具備することを特徴とする。
【0018】この構成により、主蒸気管に設けられた主蒸気隔離弁を閉鎖した状態であっても、主蒸気隔離弁の下流側以降の主蒸気管と独立して設けられる気体導出手段によって、原子炉圧力容器内の気体を気体廃棄物処理系に導出し処理することで、原子炉圧力容器内に放射性物質が堆積しその濃度が上昇するのを抑制することができる。
【0019】さらに、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管に設けられ前記原子炉圧力容器からの流体の導出を阻止する逆止手段と、この逆止手段をバイパスして設けられる第2バイパス手段とを具備することを特徴とする。これにより、原子炉圧力容器内に上方から冷却水をスプレイする際の原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管の機能を有しつつ、原子炉圧力容器内の気体を気体廃棄物処理系に移送する場合にはこの原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管の一部を流用することで、系統の簡素化、合理化を図りかつ上記目的を達成することができる。
【0020】さらに、前記気体導出手段の前記第1バイパス手段の下流側に設けられる復水器と、この復水器をバイパスして設けられる第3バイパス手段とを具備することを特徴とする。これにより、通常運転時に復水器により実現される水蒸気の冷却凝縮によるタービン効率の改善という機能を有しつつ、原子炉圧力容器内の気体を気体廃棄物処理系に移送する場合にはこの復水器内への放射性物質の流入を阻止するバイパスを行うことで、復水器の周辺については既設の系統を流用することができるから、系統の簡素化、合理化を図りかつ上記目的を達成することができる。
【0021】さらに、前記原子炉圧力容器を囲繞する原子炉格納容器のドライウェルと前記原子炉圧力容器内気相部とを連絡する手段を具備することを特徴とする。例えば、原子炉圧力容器ヘッドベント管やあるいは水位計計装配管等を流用して、原子炉圧力容器の内外を連絡させる。これにより、必要に応じてこの手段から原子炉圧力容器気相部内に気体を導入することにより、気体導出手段により原子炉圧力容器気相部に蓄積された放射性物質を効率良く気体廃棄物処理系へと導出することができる。また、必要に応じてこの連絡ルートから原子炉圧力容器内に気体を流入させ原子炉圧力容器内を加圧することで、原子炉圧力容器気相部に蓄積された放射性物質をより効率良く気体廃棄物処理系へと導出することができる。
【0022】また、本発明では、原子力発電所の気体処理方法であって、炉心を内包する原子炉圧力容器内の蒸気をタービンへ導出する主蒸気管に設けられた主蒸気隔離弁を閉止する工程と、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と連絡しかつ前記主蒸気管に分岐して配設される主蒸気ドレン配管に設けられた隔離弁を開く工程とを有し、前記主蒸気ドレン配管を介して前記原子炉圧力容器内の気体を前記気体廃棄物処理系に移送することを特徴とする。
【0023】この構成により、主蒸気管に設けられた主蒸気隔離弁を閉鎖した状態であっても、既設系統の流用によって原子炉圧力容器内の気体を気体廃棄物処理系に導出し処理することが実現できる。
【0024】また、本発明では、原子力発電所の気体処理方法であって、炉心を内包する原子炉圧力容器の原子炉圧力容器上蓋ノズルの上部に設けられ原子炉圧力容器上方から冷却水をスプレイする原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルを前記原子炉圧力容器上蓋ノズルから離脱する工程と、導入部および導出部の少なくとも2端を有する気体移送手段の少なくとも1端を前記原子炉圧力容器を囲繞する原子炉格納容器の外部に設定する工程と、前記原子炉圧力容器上蓋ノズルを介して前記原子炉圧力容器の内部に前記気体移送手段の少なくとも1端を設定する工程とを有することを特徴とする。さらに、前記気体移送手段を介して、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系に前記原子炉圧力容器内の気体を移送する工程を有することを特徴とする。
【0025】この構成により、主蒸気管に設けられた主蒸気隔離弁を閉鎖した状態であっても、原子炉圧力容器気相部から直接、気体移送手段を介して、原子炉圧力容器内の気体を気体廃棄物処理系に導出し処理することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第1の実施の形態に係る原子力発電所の気体処理装置の概略系統図である。図5に示した従来の技術と同様の構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0028】本実施の形態は、従来の原子力発電所の系統に対してバイパス手段を仮設あるいは本設で新たに設けることによって、運転停止時でかつ原子炉を解放する前に主蒸気隔離弁17a,17bを閉鎖したままで原子炉圧力容器1内に蓄積される気体を気体廃棄物処理系19へ導く構成を実現している。
【0029】従来の原子力発電所の系統として、本実施の形態では、主蒸気管9と分岐して設けられる主蒸気ドレン配管9aを活用する。主蒸気ドレン配管9aは、主蒸気管9とドライウェル4内で分岐して設けられ、原子炉格納容器5壁との原子炉格納容器貫通部28の上流側すなわちドライウェル4内および下流側すなわち原子炉格納容器5外にそれぞれ隔離弁26a,26bを有している。また主蒸気ドレン配管9aは、隔離弁26bの下流側では復水器16を介して気体廃棄物処理系19に気体を導くよう構成され、また復水器16の前後に隔離弁27a,27bをそれぞれ有している。
【0030】本実施の形態では、隔離弁14a,14b間の原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8と隔離弁26a,26b間の主蒸気ドレン配管9aとを連絡する第1バイパス配管30を設ける。また、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8上の逆止弁13をバイパスして第2バイパス配管29を設ける。また、また、主蒸気ドレン配管9a上の復水器16および隔離弁27a,27bをバイパスする第3バイパス配管31を設ける。
【0031】なお、これらのバイパス配管29,30,31は、仮設として以下詳述する原子炉圧力容器1内の気体を外部に放出する際に設けるものとしている。この際、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8上で逆止弁13の前後に設けられるフランジ32a,32bに第2バイパス配管29を設ける。また、主蒸気ドレン配管9a上で隔離弁33a,33bと復水器16の設置位置の前後に設けられるフランジ33a,33bに第3バイパス配管31を設けることとする。
【0032】本実施の形態の作用について説明する。原子炉圧力容器1内に発生し気相部1aに蓄積された放射性物質は、原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6を通って原子炉圧力容器1外へ導かれる。この際、通常は逆止弁13の作用により原子炉圧力容器1の内部から外部への流体の移動は抑制されているが、本実施の形態では、第2バイパス配管29を介して逆止弁13をバイパスして原子炉圧力容器1の外部に放射性物質が移行する。
【0033】原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8は図示しない冷却水源と接続しているため、この原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8内の放射性物質の移行流路を変更する必要がある。よって、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8の隔離弁14aを開とし、隔離弁14bを閉とする。また、主蒸気ドレン配管9aの隔離弁26aを閉とし、隔離弁26bを開とする。これにより、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8内の気体は第1バイパス配管30を介して主蒸気ドレン配管9a内に移行される。
【0034】また、このとき、主蒸気ドレン配管9aの隔離弁26bを開とするとともに隔離弁27a,27bを閉とする。これにより、主蒸気ドレン配管9aに導入される気体は、第3バイパス配管31を介して、復水器16をバイパスして気体廃棄物処理系19に導かれる。この気体は、気体廃棄物処理系19において、排ガス再結合器20および復水器21を介して、気体廃棄物処理系ホールドアップ塔22内に導かれ保持された後、放射能が減衰された状態で排気ポンプ23を介して排気筒24により大気に放出される。
【0035】この構成により、原子炉圧力容器1の気相部1aから既存の設備を適用しつつ簡易な構成で気体導出ルートを形成することにより、原子炉圧力容器1内の放射性物質を容易に気体廃棄物処理系19に移行させることができる。特に、主蒸気隔離弁17a,17bが閉鎖された場合であっても、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系および主蒸気ドレン配管9aを介して、原子炉圧力容器1内の放射性物質を気体廃棄物処理系19へ導出し処理を行うことができる。
【0036】なお、本実施の形態においては、原子炉圧力容器1の上部に設けられる原子炉圧力容器ヘッドベント管7の隔離弁12を開とすることで、原子炉圧力容器1の気相部1aとドライウェル4とを連絡する気体流路を形成するのが好適である。気体流路を形成することにより、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8および上述した各バイパス配管等を介して気体を気体廃棄物処理系19へと導出することがより容易に実現できる。
【0037】この原子炉圧力容器ヘッドベント管7による気体流路は、必ずしも必須の構成ではないが、気体廃棄物処理系19の排気ポンプ23の容量等によって決まる気体廃棄物処理系19の吸込能力がさほど高くない場合には特に有効であり、原子炉圧力容器1内の気体が円滑に気体廃棄物処理系19に導出されるための助けとなる。
【0038】また、本実施の形態においては、必要に応じて、原子炉圧力容器ヘッドベント管7を通して、外部から原子炉圧力容器1内に気体を移送して原子炉圧力容器1内を加圧する操作を、原子炉圧力容器1内の気体を気体廃棄物処理系19へ導出する過程で並行して行うことも考えられる。原子炉圧力容器1内に気体を移送する方法としては、隔離弁12を常時開として連続的に気体を原子炉圧力容器1内に流入させる方法と、隔離弁12を開として気体を流入させ原子炉圧力容器1内を高圧とした後にいったん隔離弁12を閉じてある程度の気体が気体廃棄物処理系19へ導出されるのを待って再度隔離弁12を開とする方法などがある。これにより、原子炉圧力容器1内の気体状の放射性物質をより早期にかつ確実に気体廃棄物処理系19へと移行させることができる。
【0039】あるいは、本実施の形態においては、原子炉圧力容器1内に張られた原子炉冷却水3の水位Lを上昇させるあるいは下降させる操作、すなわち原子炉水位制御を並行して行うことも考えられる。原子炉水位制御には、復水補給水系(MUWC)により冷却水3を注入する、あるいは原子炉水浄化系(CUW)により冷却水3を排出する方法などがある。これにより、原子炉圧力容器1内の放射性物質をより早期にかつ確実に気体廃棄物処理系19へと移行させることができる。
【0040】なお、本実施の形態におけるバイパス配管29,30,31は、ともに、原子炉停止時に、原子炉開放前すなわち原子炉圧力容器1の上蓋を取外す前に原子炉内の気体を処理する設備として仮設で設けることとしたが、例えばこれらのバイパス配管29,30,31のうち少なくとも一つを本設として設けることとしてもよい。また、これらのバイパス配管29,30,31に隔離弁を設ける構成も考えられる。特に、バイパス配管を本設で設ける場合には、通常運転時などバイパス配管を使用しないときにはこのバイパス配管の隔離弁を閉とすることで、必要なときにバイパスを行うことができる。
【0041】また、バイパス配管29,30,31を構成する配管の少なくとも一部にホース等の他の気体を移送する手段を適用し、配管の代用とすることも可能である。
【0042】さらに、本実施の形態における第3バイパス配管31は、隔離弁27bと気体廃棄物処理系19との間でフランジすなわち接続部33bにより主蒸気ドレン配管9aに連絡しているが、第3バイパス配管31の下流側端部と主蒸気ドレン配管9aとの接続部33bの位置としては、図示した場合以外に、例えば、気体廃棄物処理系ホールドアップ塔22上あるいはホールドアップ塔22の入口部、または復水器21の入口部とする構成が考えられる。あるいは、気体廃棄物処理系19に図示しない除湿冷却器を設けた場合にはこの除湿冷却器の入口部に設けるとしてもよい。この場合、隔離弁27bは、気体廃棄物処理系19内の接続部33bより上流側に配置される弁によって併用する構成としてもよい。
【0043】図2は、本実施の形態の変形例に係る原子力発電所の気体処理装置の概略系統図である。図1に示した気体処理装置と同様の構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0044】図2に示した気体処理装置は、図1に示し上述した構成において、第2バイパス配管29の気体導入側のフランジ32aの位置を変更している。すなわち、原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6から原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8を取外すとともに、原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6に対して直接フランジ32aを介して第1バイパス配管29を接続する構成をとっている。すなわち、例えば、図7に示した原子炉ヘッドスプレイノズルフランジ39に直接第2バイパス配管29を接続する。この構成によっても、上述と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】(第2の実施の形態)図3は、本発明の第2の実施の形態に係る原子力発電所の気体処理装置の概略系統図である。図1に示した気体処理装置と同様の構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0046】本実施の形態では、原子炉圧力容器1内の気体を気体廃棄物処理系19へ導くためのバイパス流路として、第1の実施の形態において用いた主蒸気ドレン配管9aに代えて、かつ原子炉圧力容器1の気相部1aと接続する原子炉隔離時冷却系配管11と分岐して設けられ、気体廃棄物処理系19と連絡する原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aを用いている。なお、符号34は、原子炉隔離時冷却系配管11の原子炉格納容器5壁との原子炉格納容器貫通部を示す。
【0047】原子炉隔離時冷却系を構成する原子炉隔離時冷却系配管11には、原子炉格納容器5の内部に隔離弁17aが、外部に隔離弁17b,17cが設けられている。また、原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aは隔離弁17bと17cの間で原子炉隔離時冷却系配管11に分岐して設けられ、隔離弁17dを有し、また復水器16を介して気体廃棄物処理系19に連絡している。復水器16の前後には隔離弁27a,27bが設けられている。
【0048】本実施の形態では、第1の実施の形態で原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8に設けた第2バイパス配管29を使用する。さらに、第1バイパス配管35が、隔離弁14a,14b間の原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8と、隔離弁17a,17b間の原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aとを連絡するように設けられる。また、第3バイパス配管36が、原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11a上の復水器16および隔離弁27a,27bをバイパスするように設けられる。また、第3バイパス配管36は原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aとフランジ37a,37bを介して連絡している。
【0049】本実施の形態の作用について説明する。原子炉圧力容器1内に発生し気相部1aに蓄積された放射性物質は、原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6から原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8を通り、また第2バイパス配管29を介して逆止弁13をバイパスして、原子炉格納容器1の外部へ移行する。このとき、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8の隔離弁14aを開とし隔離弁14bを閉とし、また、原子炉隔離時冷却系配管11の隔離弁17a,17cを閉として隔離弁17bを開とする。また、原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aの隔離弁17dを開とし、復水器16の前後の隔離弁27a,27bを閉とする。
【0050】これにより、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8内の気体は第1バイパス配管35を介して原子炉隔離時冷却系配管11内に移行される。また、原子炉隔離時冷却系配管11に導入される気体は、開状態の隔離弁17dを介して原子炉隔離時冷却系ベント配管11a内に導かれ、また第3バイパス配管36を介して復水器16をバイパスして気体廃棄物処理系19に導かれる。
【0051】この構成により、原子炉圧力容器1の気相部1aから既存の設備を適用しつつ簡易な構成で気体導出ルートを形成することにより、原子炉圧力容器1内の放射性物質を容易に気体廃棄物処理系19に移行させることができる。特に、主蒸気隔離弁17a,17bおよび原子炉隔離時冷却系配管11の隔離弁17cが閉鎖された場合であっても、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系および原子炉隔離時冷却系を介して原子炉圧力容器1内の放射性物質を気体廃棄物処理系19へ導出し処理を行うことができる。
【0052】ここで、第1バイパス配管35の下流側端部は、原子炉隔離時冷却系配管11の隔離弁17a,17bと連絡するよう設定したが、これに限らず、第1バイパス配管35の下流側端部を原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aに対して直接連絡するように、例えば隔離弁17dの直ぐ上流側あるいは下流側に連絡するように設定してもよい。この場合も、上述と同様の作用効果を得ることができる。
【0053】なお、本実施の形態においては、原子炉圧力容器1の気相部1aとドライウェル4とを連絡して設けられている水位計計装配管10を用いて原子炉圧力容器1内の気体の導出を促進させるのが好適である。すなわち、水位計計装配管10に設けられた隔離弁25を開として、気相部1aからドライウェル4への気体の移行流路を形成することにより、原子炉圧力容器1内の放射性物質を容易に気体廃棄物処理系19へ移行させることができる。
【0054】また、本実施の形態においては、原子炉圧力容器1の気相部に設けられドライウェル4と連絡する水位計計装配管10上の隔離弁25を開とすることで、原子炉圧力容器1の気相部とドライウェル4とを連絡する気体流路を形成するのが好適である。気体流路を形成することにより、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8および上述した各バイパス配管等を介して気体を気体廃棄物処理系19へと導出することがより容易に実現できる。
【0055】この水位計計装配管10は、圧力差によって水位を検出するために設けられるものである。水位計計装配管15の隔離弁25を開とすることで形成される気体流路は、必ずしも必須の構成ではないが、気体廃棄物処理系19の排気ポンプ23の容量等によって決まる気体廃棄物処理系19の吸込能力がさほど高くない場合には特に有効であり、原子炉圧力容器1内の気体が円滑に気体廃棄物処理系19に導出されるための助けとなる。
【0056】また、本実施の形態においては、必要に応じて、水位計計装配管107を通して、外部から原子炉圧力容器1内に気体を移送して原子炉圧力容器1内を加圧する操作を、原子炉圧力容器1内の気体を気体廃棄物処理系19へ導出する過程で並行して行うことも考えられる。
【0057】原子炉圧力容器1内に気体を移送する方法としては、隔離弁25を常時開として連続的に気体を原子炉圧力容器1内に流入させる方法と、隔離弁25を開として気体を流入させ原子炉圧力容器1内を高圧とした後にいったん隔離弁25を閉じてある程度の気体が気体廃棄物処理系19へ導出されるのを待って、再度隔離弁25を開とする方法などがある。これにより、原子炉圧力容器1内の気体状の放射性物質をより早期にかつ確実に気体廃棄物処理系19へと移行させることができる。
【0058】なお、本実施の形態においては、第1の実施の形態において詳述した構成、例えばバイパス配管を本設とする、第3バイパス配管36と原子炉隔離時冷却系配管11との接続点を変更する、などのさまざまな変形例を考慮することができる。
【0059】(第3の実施の形態)図4は、本発明の第3の実施の形態に係る原子力発電所の気体処理装置の概略系統図である。図1に示した気体処理装置と同様の構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0060】本実施の形態では、原子炉圧力容器1内の気体を気体廃棄物処理系19へ導くためのバイパス流路として、第1の実施の形態において原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8および主蒸気ドレン配管9aを用いて原子炉圧力容器1内の気体を気体廃棄物処理系19に導出していたものを、主蒸気ドレン配管9aのみを用いて導出する構成としたものである。
【0061】すなわち、第1の実施の形態における第1バイパス配管30および第2バイパス配管29を適用することなく、主蒸気ドレン配管9aの復水器16をバイパスする第3バイパス配管31のみを設ける。
【0062】主蒸気管9の隔離弁17a,17bを閉とするとともに主蒸気ドレン配管9aの隔離弁26aおよび26bをともに開とする。また、復水器16の上流側および下流側の隔離弁27a,27bを閉とする。これにより、主蒸気ドレン配管9aを介して原子炉圧力容器1内の気体が気体廃棄物処理系19に移行される。
【0063】本実施の形態によれば、主蒸気管9内の原子炉圧力容器1との接続部付近を放射性物質が流通するという点を除けば、上記第1の実施の形態とほぼ同様の効果を奏する。また、第1の実施の形態と比較して、バイパス配管の物量や設置に要する時間を低減することができる。
【0064】さらに、本実施の形態の変形例として、図3に示した原子炉隔離時冷却系を活用して、隔離弁17a,17b,17dを開とし隔離弁17cを閉として、原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aを介して、原子炉圧力容器1内の気体を直接気体廃棄物処理系19へ導出する構成をとることもできる。この場合は、上記第2の実施の形態とほぼ同様の効果を奏する。また、第2の実施の形態と比較して、バイパス配管の物量や設置に要する時間を低減することができる。
【0065】(第4の実施の形態)図5は、本発明の第4の実施の形態に係る原子力発電所の気体処理装置の主要部を拡大して示した断面図であり、原子炉圧力容器1の上部に位置する原子炉圧力容器上蓋ノズル38の周囲を示している。
【0066】本実施の形態は、放射性物質が蓄積される原子炉圧力容器1、気体放射性物質を処理する気体廃棄物処理系19等の設備からなる、図6に示されるような原子力発電所に適用される。
【0067】本実施の形態では、図7に示される原子炉圧力容器上蓋ノズル38の上方に配設される原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6、原子炉圧力容器ヘッドベント管7を取り外して、気体導出ホース40を原子炉圧力容器上蓋ノズル38から直接原子炉圧力容器1の気相部1aに挿入している。
【0068】この気体導出ホース40は仮設として設けられるものであり、図示しない原子炉建屋内オペレーティングフロア、オペレーティングフロア階段部、主蒸気トンネル室内を経由して、原子炉格納容器5の外部、例えばタービン建屋内へ引き回して設けられ、その他端は、気体廃棄物処理系19のホールドアップ塔22入口部配管部に連絡する配管に接続されている。気体導出ホース40の接続部としては、気体廃棄物処理系19のホールドアップ塔22上、ホールドアップ塔22の入口部、気体廃棄物処理系復水器21の入口部、あるいは気体廃棄物処理系19の除湿冷却器の入口部のうちのいずれかとするのが好適である。
【0069】本実施の形態による作用について説明する。原子炉圧力容器1内で発生した放射性物質は、原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6を取り外した後に原子炉圧力容器上蓋ノズル38より原子炉圧力容器1内の気相部1aに挿入される気体導出ホース40を通って原子炉圧力容器1外へ導出される。気体導出ホース40により原子炉圧力容器1外へ導き出された放射性物質は、最終的には気体廃棄物処理系19のホールドアップ塔22で処理される。
【0070】また、本実施の形態の第1変形例として、上述した気体導出ホース40として2つのホースを併設することが考えられる。すなわち、この場合、原子炉圧力容器1内で発生した放射性物質は原子炉圧力容器上蓋ノズル38より原子炉圧力容器1内気相部に挿入される第1の気体導出ホース40を通って原子炉圧力容器1外へ導出される。この場合の第1の気体導出ホース40は、原子炉建屋内オペレーティングフロア、オペレーティングフロア階段部を経由して、主蒸気トンネル室内で原子炉格納容器5の外側に位置する主蒸気ドレン配管9aに接続するものとする。
【0071】第1の気体導出ホース40により原子炉圧力容器1外へ導き出された放射性物質は、第1の気体導出ホース40を通り主蒸気ドレン配管9a内に導かれる。ここで、図示しない第2の気体導出ホースは、図1に示される主蒸気ドレン配管9aに設けられる復水器16をバイパスする手段として設けられる。すなわち、第2の気体導出ホースは、主蒸気ドレン配管9aの復水器16の上流側に一端が接続され、他端が例えば気体廃棄物処理系19のホールドアップ塔22上あるいはホールドアップ塔22に繋がる配管に接続されるよう設定されるものとする。あるいは、第2の気体導出ホースの下流側の接続部として、気体廃棄物処理系19の復水器21または除湿冷却器の入口部としてもよい。
【0072】あるいは、この本実施の形態の第2変形例として、上記本実施の形態の第1変形例における第1の気体導出ホース40の下流側を、原子炉建屋内で原子炉格納容器5の外側に位置する原子炉隔離時冷却系配管11に接続し、かつ、第2の気体導出ホースの上流側を、原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11の復水器16の上流側とする構成が考えられる。他の構成は上記第1変形例と同様である。
【0073】こうした変形例によっても、上述した本実施の形態と同様の作用を得ることができる。
【0074】なお、以上各実施の形態において詳述したそれぞれの構成は、適宜異なる実施の形態で組み合わせて適用することが可能である。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、主蒸気隔離弁閉鎖後も、原子炉圧力容器内の放射性物質を気体廃棄物処理系へと容易に導出し連続的に処理することができるから、原子炉圧力容器内の放射性物質の濃度を大気開放可能な濃度とすることができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【代理人】 【識別番号】100083161
【弁理士】
【氏名又は名称】外川 英明
【公開番号】 特開2002−6084(P2002−6084A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−188861(P2000−188861)