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【発明の名称】 ケーブルの壁貫通装置
【発明者】 【氏名】吉村 一郎

【氏名】小田 直敬

【氏名】福武 豊

【要約】 【課題】重量物を扱う必要がなく設置,操作性がよく、放射線のストリーミングがなく、ケーブルの曲げ半径分の操作エリアを必要とすることのないケーブルの壁貫通装置を提供する。

【解決手段】所定のエリアを隔離する壁2を貫通して設けられた案内管3と、この案内管3に嵌装されケーブル4,6を挿通されて放射線遮へい機能を有する遮へい栓8,9,10とを備えた構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高放射線エリアと周辺エリアとを隔離する壁を貫通して設けられた案内管と、この案内管内に設けられケーブルを通される孔を持ち、かつ放射線遮へい機能を有する遮へい栓とを備えたことを特徴とするケーブルの壁貫通装置。
【請求項2】 案内管は内部に長手方向の段差を有し、遮へい栓は前記段差に合わせて外径の異なる複数の栓を長さ方向に連ねた形状としたことを特徴とする請求項1記載のケーブルの壁貫通装置。
【請求項3】 遮へい栓は、径方向に分割された半割構造であることを特徴とする請求項2記載のケーブルの壁貫通装置。
【請求項4】 隣接する遮へい栓の半割部は所定の角度ずらして案内管内に嵌装されていることを特徴とする請求項3記載のケーブルの壁貫通装置。
【請求項5】 遮へい栓は隣接する栓とのずれを防止するピンを設けられていることを特徴とする請求項4記載のケーブルの壁貫通装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力施設等におけるケーブルの壁貫通装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力施設において隔離された高放射線エリアに配置された測定対象物の測定を行うためには、隔離されたエリアの測定対象物まで検出器を挿出入するための案内管を設置し、隔離されたエリアからの放射線を遮へいするために、案内管出口(壁側)に放射線レベルに見合った大きさの遮へい構造物を設置している。
【0003】すなわち、図3に示すように、隔離された高放射線エリア1を囲む壁2を貫通する案内管3があり、案内管3には図面左方に設置され図示されていない検出器に接続された耐放射線性のMIケーブル4が挿通されている。MIケーブルは絶縁体にセラミックを使い、ステンレス外被のケーブルである。
【0004】MIケーブル4は案内管3の出口以降でコネクタ5によって通常のソフトケーブル6に接続されている。さらに、案内管3の出口には、隔離されたエリア1から案内管3を通して放出される放射線のストリーミングを遮へいするために遮へい構造物7を設置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の従来のケーブルの壁貫通装置においては、遮へい構造物7は重量があり、設置,操作性において問題が多い。また案内管3の出口において遮へい構造物7を設置するためのエリアを大きくとる必要があり、建築上のコスト高の要因となる。また、遮へい構造物7を取り外したとき、案内管3を通しての放射線のストリーミングがあり、作業員が被ばくする可能性がある。さらに、耐放射線性を得るためにMIケーブルのような曲げ半径の大きいケーブルを使用する場合、曲げ半径分の操作エリアが必要になる。
【0006】そこで本発明は、重量物を扱う必要がなく設置,操作性がよく、放射線のストリーミングがなく、ケーブルの曲げ半径分の操作エリアを必要とすることのないケーブルの壁貫通装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、高放射線エリアと周辺エリアとを隔離する壁を貫通して設けられた案内管と、この案内管内に設けられケーブルを通される孔を持ち、かつ放射線遮へい機能を有する遮へい栓とを備えた構成とする。
【0008】本発明のケーブルの壁貫通装置は、遮へい栓によって放射線のストリーミングが防止されるので、壁外部において遮へい構造物やMIケーブルを用いる必要がなく、コンパクトで扱いやすい。
【0009】請求項2の発明は、案内管は内部に長手方向の段差を有し、遮へい栓は前記段差に合わせて外径の異なる複数の栓を長さ方向に連ねた形状とした構成とする。本発明によれば、遮へい栓が長さ方向に分割されているので扱いやすいとともに、案内管および遮へい栓の段差部によって放射線の直線的なストリーミングを防ぐことができる。
【0010】請求項3の発明は、遮へい栓は、径方向に分割された半割構造である構成とする。本発明によれば、遮へい栓にケーブルが挿通しやすく取扱い性がよい。
【0011】請求項4の発明は、隣接する遮へい栓の半割部は所定の角度ずらして案内管内に嵌装されている構成とする。本発明によれば、遮へい栓の半割れ部からの放射線の直線的なストリーミングを防ぐことができる。
【0012】請求項5の発明は、遮へい栓は隣接する栓とのずれを防止するピンを設けられている構成とする。この発明によれば、隣接する遮へい栓の半割れ部のずれ角度が所定値に保たれ、放射線のストリーミングを防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態のケーブルの壁貫通装置を図1および図2を参照して説明する。図2は図1(a)のII部拡大図である。上記従来の図3と同一部分には同一符号を付す。すなわち、図示されていない隔離された高放射線エリアを囲む壁2を貫通する案内管3の中に第1,第2,第3の遮へい栓8,9,10を設ける。
【0014】案内管3の内部に段差を設け、この段差に合わせて、第1,第2,第3の遮へい栓8,9,10をそれぞれ半割構造にしてある。半割構造の遮へい栓8,9,10は分割部分を90°ずつずらして設置する。遮へい栓8,9,10には誤設置防止のためのピン11を設け、案内管3内への設置時にピン11に合わせて接続していく。
【0015】また、案内管3の壁2からの出口にフランジ12とケーブルクランプ13を設ける。さらに、案内管3のほぼ中央、第2の遮へい栓9内にコネクタ5を収納して、MIケーブル4とソフトケーブル6を接続する。
【0016】このような構成の本実施の形態のケーブルの壁貫通装置においては、案内管3内に遮へい栓8,9,10を収納し、案内管3出口に従来設けられた遮へい構造物7を不要とし案内管3出口を広くすることにより、案内管3の出口エリアにおける作業性を向上させることができる。
【0017】案内管3に段差を設け、遮へい栓8,9,10は段差に合わせた分割型であるので、遮へい栓8,9,10の案内管3内への設置を容易に行うことができる。案内管3に段差を設けたので、隔離されたエリアから案内管3を通しての放射線のストリーミングを防ぐことができる。
【0018】遮へい栓8,9,10は半割構造であるので、軽量化し、案内管3内への設置を容易に行うことができる。案内管3の出口のフランジ12にケーブルクランプ13を設けたので、案内管3内でのケーブルの移動を防止することができる。遮へい栓8,9,10を中性子遮へい材とγ線遮へい材等を選定することにより、隔離されたエリアからの各種放射線のストリーミングを防ぐことができる。
【0019】案内管3に収納した遮へい栓9内にMIケーブル4とソフトケーブル6を接続するコネクタ5を収納することにより、案内管3出口のケーブルの曲げ半径をとる必要がなく、案内管の出口エリアをクリアし、作業エリアを広くすることにより、案内管の出口エリアにおける作業性を向上させることができる。
【0020】なお、遮へい栓の段数は、遮へい栓の大きさや重さ、放射線の強度等にしたがって適宜増減する。また、案内管3に収納した遮へい栓8,9,10内のケーブル4,6に螺旋状等の曲げを入れることにより、高放射線エリアからケーブルと遮へい栓との間隙を通る直線的な放射線のストリーミングを防ぐことができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、重量物を扱う必要がなく設置,操作性がよく、放射線のストリーミングがなく、ケーブルの曲げ半径分の操作エリアを必要とすることのないケーブルの壁貫通装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000221018
【氏名又は名称】東芝エンジニアリング株式会社
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成12年6月26日(2000.6.26)
【代理人】 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外1名)
【公開番号】 特開2002−6082(P2002−6082A)
【公開日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【出願番号】 特願2000−191198(P2000−191198)