| 【発明の名称】 |
防錆方法およびこれを適用したプラント |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 喜之
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| 【要約】 |
【課題】機器を構成している金属物質の溶出を阻止し、錆の発生量を低減する。
【解決手段】水ループ41に設けられた各機器(例えば、配管、蒸気発生器44、高圧タービン49、湿分分離加熱器50、低圧タービン51、復水器46、脱気器47)の少なくとも一部分に、光や放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、物質が塗布された光触媒物質塗布面に光または放射線を照射し、各機器を帯電させることによって、各機器を構成している金属が水ループ41内へ溶出することを阻止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水ループに設けられた機器の少なくとも一部分に、光または放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、前記物質が塗布された塗布面に光または放射線を照射するようにしたことを特徴とする防錆方法。 【請求項2】 水ループに設けられた機器の少なくとも一部分に、光または放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、前記物質が塗布された塗布面に光または放射線を照射し、前記機器を負に帯電させることによって、前記機器を構成している金属が前記水ループ内へ溶出することを阻止するようにしたことを特徴とする防錆方法。 【請求項3】 複数の伝熱管を備え、前記伝熱管の内部の第1の流体と、前記伝熱管の外部の第2の流体との熱交換を行う熱交換器の少なくとも一部分に、光または放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、前記物質が塗布された塗布面に光または放射線を照射し、前記熱交換器を負に帯電させることによって、前記熱交換器を構成している金属が前記第1の流体および前記第2の流体へ溶出することを阻止するようにしたことを特徴とする防錆方法。 【請求項4】 水ループを形成する配管の少なくとも一部分に、光または放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、前記物質が塗布された塗布面に光または放射線を照射し、前記配管を負に帯電させることによって、前記配管を構成している金属が前記水ループ内へ溶出することを阻止するようにしたことを特徴とする防錆方法。 【請求項5】 前記光触媒物質が、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、セレン化カドミウム(CdSe)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ガリウムリン(GaP)から選ばれた1種または2種以上の化合物からなることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の防錆方法。 【請求項6】 少なくとも水ループを備えてなり、前記水ループに設けられた機器に、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の防錆方法を適用したことを特徴とするプラント。 【請求項7】 水ループと前記水ループに設けられた機器とを備えてなるプラントにおいて、光の照射により電子を発生する光触媒物質が表面に塗布され、前記水ループに設けられた機器に電気的に接続された受光パネルを備え、前記受光パネルが太陽光線を受光した場合には、前記受光パネル、および前記受光パネルに電気的に接続された前記機器を負に帯電させることによって、前記機器を構成している金属が前記水ループ内へ溶出することを阻止するようにしたことを特徴とするプラント。 【請求項8】 前記光触媒物質が、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、セレン化カドミウム(CdSe)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ガリウムリン(GaP)から選ばれた1種または2種以上の化合物からなることを特徴とする請求項7に記載のプラント。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、防錆方法およびこれを適用したプラントに係り、更に詳しくは、防錆処置を施す対象機器に、光または放射線が照射されると電子を発生する光触媒物質を塗布し、この塗布面に光または放射線を照射することによって対象機器を負に帯電させ、対象機器からの金属の溶出を阻止する防錆方法、およびこの防錆方法を対象機器に適用したプラントに関するものである。 【0002】 【従来の技術】原子力や火力による発電プラント、熱を発生させている発熱プラント、あるいは化学プラントにおいては、水ループが用いられている。このような水ループは、発電プラントや発熱プラントにおいてはボイラ(原子力プラントの場合、原子炉や蒸気発生器に相当)を冷却するための冷却水の循環ループとして、化学プラントの場合においては化学反応等によって発熱した部位を冷却する冷却水の循環ループとして一般的に用いられている。更にこのような水ループには、水ループ内に水を循環させるためのポンプや、水ループ内を循環する水との熱交換を行う熱交換器等多くの機器が配置されている。 【0003】図3は、この種の水ループが適用されたプラントの一例を示す図であって、加圧水型原子力プラントに適用されている水ループを示す図である。 【0004】図3に示すように、加圧水型原子力プラントでは、1次冷却水ループ40の他に、2次冷却水ループ41が設けられている。 【0005】1次冷却水ループ40は、核分裂連鎖反応が引き起こされている原子炉を収納した原子炉圧力容器42に冷却水を供給するループであって、このループ内において1次冷却水を循環させるためのポンプ43が備えられている。このポンプ43によって、1次冷却水が1次冷却水ループ40内を循環する。この1次冷却水ループ40は、原子炉圧力容器42、蒸気発生器44に導かれており、これによって、原子炉で発生した熱が、1次冷却水ループ40を循環する1次冷却水によって除去される。更に、1次冷却水は、原子炉において加熱された後に、蒸気発生器44に導かれる。そして、蒸気発生器44において、2次冷却水ループ41内を循環する2次冷却水によって冷却され、再び原子炉圧力容器42側に導かれる。 【0006】一方、2次冷却水ループ41内の2次冷却水は、蒸気発生器44を介してからタービン設備45側に導かれており、これによって、1次冷却水ループ40内を循環する1次冷却水が、蒸気発生器44において2次冷却水ループ41内を循環する2次冷却水によって冷却される一方、2次冷却水ループ41内を循環する2次冷却水は、蒸気発生器44において加熱され蒸気となってタービン設備45に導かれる。 【0007】タービン設備45に導かれた蒸気は、高圧タービン49に導入され、この高圧タービン49の回転に供される一方、一部の蒸気は高圧タービン49をバイパスし、湿分分離加熱器50を介して低圧タービン51に導入され、この低圧タービン51の回転に供される。これら高圧タービン49および低圧タービン51の回転力が発電機52に伝達されることによって発電される。 【0008】高圧タービン49の回転に供された蒸気は、直接または脱気器47において脱気された後主給水ポンプ48によって駆動され再び蒸気発生器44側に再び導かれることによって2次冷却水ループ41内を循環する。また、低圧タービン51の回転に供された蒸気は復水器46において復水されて水となり、更に脱気器47において脱気された後に主給水ポンプ48によって駆動され蒸気発生器44側に導かれることによって2次冷却水ループ41内を循環する。 【0009】上述したような1次冷却水ループ40を形成する配管や、1次冷却水ループ40に配置されている原子炉圧力容器42、ポンプ43、および2次冷却水ループ41を形成する配管や、2次冷却水ループ41に配置されている蒸気発生器44、高圧タービン49、湿分分離加熱器50、低圧タービン51、復水器46、脱気器47は主に炭素鋼が材料として用いられている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような水ループが用いられているプラントでは、上述したように、水ループに配置されている各機器は、主に炭素鋼を材料として製造されているために、錆による腐食の問題が発生する。 【0011】錆が生じるメカニズムとしては、図4に示すように、炭素鋼でできた配管、タービン設備45のケーシング、湿分分離加熱器50、復水器46、脱気器47などから、その成分が冷却水にイオン(例えば、Fe2+、Fe3+)として溶け出したものが錆となることや、また配管、タービン設備45のケーシング、湿分分離加熱器50、復水器46、脱気器47自体が酸化して(例えば、Fe2O3、Fe3O4)錆びる場合がある。 【0012】冷却水に溶けた錆はループ内を循環するうちに、例えば、図5に示すように、蒸気発生器44の伝熱管54や、管支持板55、あるいは管板56に付着する。この付着物を以下「スラッジ」と称する。スラッジ58は、図6に示すように、伝熱管54からの熱によって濃縮し、濃縮したスラッジ58のまわりに更に冷却水中の錆が堆積することによって成長する。このようにスラッジ58が付着して成長することによって、スラッジ58が付着している面に粒界腐食割れや、応力腐食割れなどが発生するという問題がある。 【0013】また、スラッジ58が積層してゆくと、図5に示すように、伝熱管54と管支持板55との隙間60が閉塞され、冷却材の流れが阻害されるという問題がある。 【0014】上述したようなイオンの溶け出しおよび酸化は、配管、タービン設備45のケーシング、湿分分離加熱器50、復水器46、脱気器47等といった対象機器自体を負に帯電し、その還元力によって阻止することができることが知られている。 【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、水ループに設けられた機器の少なくとも一部分に、光や放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、塗布面に光または放射線を照射することによって、機器全体を負に帯電し、もって、機器を構成している金属物質の溶出を阻止することによって錆の発生量を低減することが可能な防錆方法、およびこの防錆方法を適用したプラントを提供することを目的とする。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。 【0017】すなわち、請求項1の発明では、水ループに設けられた機器の少なくとも一部分に、光または放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、物質が塗布された塗布面に光または放射線を照射する。 【0018】請求項2の発明では、水ループに設けられた機器の少なくとも一部分に、光または放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、物質が塗布された塗布面に光または放射線を照射し、機器を負に帯電させることによって、機器を構成している金属が水ループ内へ溶出することを阻止する。 【0019】請求項3の発明では、複数の伝熱管を備え、伝熱管の内部の第1の流体と、伝熱管の外部の第2の流体との熱交換を行う熱交換器の少なくとも一部分に、光または放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、物質が塗布された塗布面に光または放射線を照射し、熱交換器を負に帯電させることによって、熱交換器を構成している金属が第1の流体および第2の流体へ溶出することを阻止する。 【0020】請求項4の発明では、水ループを形成する配管の少なくとも一部分に、光または放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、物質が塗布された塗布面に光または放射線を照射し、配管を負に帯電させることによって、配管を構成している金属が水ループ内へ溶出することを阻止する。 【0021】請求項5の発明では、請求項1乃至4のうちいずれか1項の発明の防錆方法において、光触媒物質が、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、セレン化カドミウム(CdSe)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ガリウムリン(GaP)から選ばれた1種または2種以上の化合物からなる。 【0022】請求項6の発明では、少なくとも水ループを備えてなり、水ループに設けられた機器に、請求項1乃至5のうちいずれか1項の発明の防錆方法を適用する。 【0023】請求項7の発明では、水ループと水ループに設けられた機器とを備えてなるプラントにおいて、光の照射により電子を発生する光触媒物質が表面に塗布され、水ループに設けられた機器に電気的に接続された受光パネルを備え、受光パネルが太陽光線を受光した場合には、受光パネル、および受光パネルに電気的に接続された機器を負に帯電させることによって、機器を構成している金属が水ループ内へ溶出することを阻止する。 【0024】請求項8の発明では、請求項7の発明のプラントにおいて、光触媒物質が、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、セレン化カドミウム(CdSe)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ガリウムリン(GaP)から選ばれた1種または2種以上の化合物からなる。 【0025】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。 【0026】なお、以下の各実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図3から図6と同一部分については同一符号を付して示すことにする。 【0027】(第1の実施の形態)第1の実施の形態を図1を用いて説明する。 【0028】図1は、第1の実施の形態に係る防錆方法を説明するための図であって、この防錆方法を蒸気発生器44に適用した例である。 【0029】この蒸気発生器44は、たとえば加圧水型原子力プラントに用いられるものであって、図5に示すように、内部に多数備えた伝熱管54を介して、伝熱管54の内部を流れる1次冷却水から、伝熱管54の外側を流れる2次冷却水への熱交換を行い、2次冷却水を蒸発させることによって蒸気を発生するものであって、主に炭素鋼で製造されている。 【0030】このような蒸気発生器44の任意の表面に光触媒物質を塗布し、光触媒物質塗布面3を設け、さらに光源1を用いて、この光触媒物質塗布面3に可視光または紫外線を照射する。 【0031】光触媒物質としては、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化チタン(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、セレン化カドミウム(CdSe)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ガリウムリン(GaP)から選ばれた1種または2種以上の化合物を用いる。これら光触媒物質は、紫外線や可視光などの光が照射されると、電子を発生することが知られている(日本実業出版社「光触媒のしくみ」藤嶋昭、橋本和仁、渡部俊也著)。 【0032】したがって、図1に示すように、蒸気発生器44の任意の表面に光触媒物質塗布面3を設け、光源1から光触媒物質塗布面3に、可視光または紫外線を照射すると、光触媒物資塗布面3に電子が発生する。蒸気発生器44は、炭素鋼で構成されており導電性であるので、光触媒物質塗布面3で発生した電子は、蒸気発生器44全体に移動し、蒸気発生器44全体が負に帯電する。 【0033】このように蒸気発生器44全体が負に帯電すると、その還元力によって、蒸気発生器44を構成している炭素鋼等の金属から、イオンが1次冷却水および2次冷却水に溶出しないようになる。また、伝熱管54の外表面など2次冷却水と接している部分、および伝熱管54の内面など1次冷却水と接している部分の酸化も抑制される。 【0034】これによって、蒸気発生器44における錆の発生が阻止され、伝熱管54の粒界腐食割れや、応力腐食割れを防止することができる。また、スラッジ58の量も低減するので、伝熱管54と管支持板55との隙間60の閉塞による2次冷却材の流れ阻害の発生も阻止することができる。 【0035】したがって、図3に示すように、蒸気発生器44のみならず、配管、タービン設備45の湿分分離加熱器50、復水器46、脱気器47等といった水ループを形成している主な機器を、上述したような方法によって防錆処理することによって、加圧水型原子力プラントの信頼性、安全性および運転効率の向上に資することが可能となる。 【0036】なお、上述したように、光触媒物質は、紫外線や可視光のみならず、放射線の照射によっても電子を発生する。したがって、たとえば、蒸気発生器44を原子炉圧力容器42の内部に備えた場合には、原子炉圧力容器42内の放射線によって照射され、電子を発生するようになるので、光源1を省略することが可能である。 【0037】また、上述したような光触媒物質の表面を、銅または銀の被膜でコーティングした場合には、紫外線や可視光、あるいは放射線によって照射されなくても電子を発生するので、この場合にも、光源1を省略することが可能である。 【0038】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態を図2を用いて説明する。 【0039】図2は、第2の実施の形態に係るプラントの構成例を示す概念図であって、第1の実施の形態の防錆方法を加圧水型原子力プラントに適用した例である。 【0040】すなわち、本実施の形態に係る防錆方法を適用した加圧水型原子力プラントは、既存のプラント構成に、光触媒パネル4と、屋内照明5とを付加した構成としている。更に、加圧水型原子力プラントに適用した箇所を例に説明すると、蒸気発生器44、2次冷却水ループ41を形成している配管、タービン設備45といった水ループに設けられた主な機器の任意の表面部分に、第1の実施の形態で説明したような光触媒物質が塗布された光触媒物質塗布面3を設けている。 【0041】光触媒パネル4は、太陽6から発せられる太陽光を受光するパネルであって、その受光面に第1の実施の形態で説明したような光触媒物質を塗布しており、この受光面は、太陽光を受光すると電子を発生する。 【0042】更に光触媒パネル4は、電気ケーブル8によって蒸気発生器44と、電気ケーブル9によって2次冷却水ループ41の配管と、電気ケーブル10によってタービン設備45と、それぞれ電気的に接続している。 【0043】このような光触媒パネル4は、太陽光を受光可能な日中においては、太陽光を受光して電子を発生し、この電子を、各電気ケーブル8,9,10を介して、それぞれの電気ケーブル8,9,10が接続している蒸気発生器44、2次冷却水ループ41の配管、タービン設備45に供給する。 【0044】屋内照明5は、原子炉格納容器7およびタービン設備45の内部におのおの設置し、光触媒パネル4が太陽光を受光できない場合には、可視光または紫外線を発して照明する。原子炉格納容器7の内部の屋内照明5(#1)は、蒸気発生器44に設けられた光触媒物質塗布面3(#1,#2)、および2次冷却水ループ41の配管に設けられた光触媒物質塗布面3(#3)に可視光または紫外線を照射する。一方、タービン設備45の内部の屋内照明5(#2)は、高圧タービン49および低圧タービン51等に設けられた光触媒物質塗布面3(#4)に可視光または紫外線を照射する。 【0045】以上のように構成した本実施の形態に係る防錆方法を適用した加圧水型原子力プラントでは、太陽光を受光可能な日中においては、光触媒パネル4によって太陽光が受光される。光触媒パネル4が太陽光を受光すると、電子が発生し、更にこの電子は、各電気ケーブル8,9,10を介して、それぞれの電気ケーブル8,9,10が接続している蒸気発生器44、2次冷却水ループ41の配管、タービン設備45の高圧タービン49および低圧タービン51、更には湿分分離加熱器50、復水器46、脱気器47等といった水ループを形成している主な機器に供給される。これによって、蒸気発生器44、2次冷却水ループ41の配管、高圧タービン49および低圧タービン51等は負に帯電する。 【0046】一方、太陽光を受光できない夜間などにおいては、各屋内照明5が点灯され、各光触媒物質塗布面3が紫外線または可視光で照射される。各光触媒物質塗布面3が紫外線または可視光で照射されると、電子が発生し、この電子によって各光触媒物質塗布面3が設けられている蒸気発生器44、2次冷却水ループ41の配管、高圧タービン49および低圧タービン51等に供給される。これによって、蒸気発生器44、2次冷却水ループ41の配管、高圧タービン49および低圧タービン51等は負に帯電する。 【0047】このように各機器が負に帯電すると、その還元力によって、各機器を構成している金属から冷却水へのイオンの溶出が阻止される。また、各機器において冷却水と接している部分の酸化も抑制される。 【0048】これによって、各機器における錆の発生が阻止され、粒界腐食割れや、応力腐食割れを防止することができる。また、スラッジ58の量も低減するので、冷却材の流れ阻害の発生も阻止され、もって、加圧水型原子力プラントの信頼性、安全性および運転効率の向上に資することが可能となる。 【0049】なお、本実施の形態では、加圧水型原子力プラントに防錆方法を適用した場合を例に説明したが、このような防錆方法を他の工業プラントに適用できることも明らかである。 【0050】以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。 【0051】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、水ループに設けられた機器の少なくとも一部分に、光や放射線の照射により電子を発生する光触媒物質が含まれた物質を塗布し、塗布面に光または放射線を照射することによって、機器全体を負に帯電することができる。 【0052】以上により、機器を構成している金属物質の溶出を阻止し、もって、錆の発生量を低減することができる防錆方法、およびこの防錆方法を適用したプラントを実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月17日(2001.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−341086(P2002−341086A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月27日(2002.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−148009(P2001−148009) |
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