| 【発明の名称】 |
熱成層発生部位限定構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】室屋 格
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| 【要約】 |
【課題】高温流体と低温流体との間の熱成層を管の一部分にのみ発生させる。
【解決手段】本発明は、第一の温度の流体が流れる第一の配管と、この第一の配管に接続され、内部に第二の温度の流体が満たされた第二の配管とを備えた配管系において、前記第二の配管を、前記第一の配管から前記第二の配管に流入する第一の温度の流体により第二の配管内に発生する、第一の温度の流体と第二の温度の流体との境界部が第二の配管内の特定の部位のみに発生する形状に形成した、配管の熱成層発生部位限定構造に関する。底部が下方を向いているU字形状部分を前記第二の管の前記一部分に設けることにより、前記温度境界層を前記U字形状部分にのみ形成させることもできる。前記第二の管の前記U字形状部分の肉厚を前記第二の管の残りの部分の肉厚よりも小さくすることもできる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第一の温度の流体が流れる第一の配管と、該第一の配管に接続され、内部に第二の温度の流体が満たされた第二の配管とを備えた配管系において、前記第二の配管を、前記第一の配管から前記第二の配管に流入する第一の温度の流体により第二の配管内に発生する、第一の温度の流体と第二の温度の流体との境界部が第二の配管内の特定の部位のみに発生する形状に形成した、配管の熱成層発生部位限定構造。 【請求項2】 前記第二の配管の前記特定の部位をU字形状に形成した請求項1に記載の熱成層発生部位限定構造。 【請求項3】 前記第二の配管の前記特定の部位の肉厚を前記第二の配管の残りの部分の肉厚よりも小さくするようにした請求項1または2に記載の熱成層発生部位限定構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高温流体および低温流体が流れる管、特に原子力プラントの管において熱成層が発生する部位を限定する熱成層発生部位限定構造に関する。 【0002】 【従来の技術】プラント、特に原子力プラントにおいては、多数の管が使用されている。これら管は、例えば直径が約0.76m(30インチ)である母管と、例えば直径が0.05m(2インチ)から0.30m(12インチ)である枝管とを含んでいる。通常、このような管の内部には、高温流体、例えば高温の水、または低温流体、例えば低温の水が流れており、これら流体の温度は、これら流体を含む管の用途に応じて異なっている。 【0003】図1は従来技術におけるプラント等の配管を示している。母管51が例えばほぼ水平方向に配置されており、この母管51から枝管52が分岐していてほぼ水平方向に延びている。母管51には高温流体53が流れており、枝管52は低温流体54を包含している。図1に示すように、母管51内の高温流体53の一部は開口部58を通って枝管52内に流入して、この流入速度に応じて定まる流入距離だけ枝管52内に進入する。このように、高温流体53は枝管52内を開口部58から特定の流入距離だけ進入するので、この位置において高温流体53と低温流体54とが接触することにより、これら流体の間の界面に温度の境界層59が形成される。このように高温流体と低温流体との間に形成される境界層を熱成層と呼ぶ。前述した流入距離は高温流体の流入速度に応じて定まるが、高温流体の流入速度が変化していて、従って流入距離を特定することができない場合には、熱成層の発生箇所を特定することは困難である。熱成層が発生すると、高温側では膨張するように応力が生じると共に低温側では収縮するように応力が生ずる。従って、管が変形すると共に、このような応力が繰り返し生ずることにより疲労が発生して管が破損する場合がある。さらに、境界層においては高サイクルの微小な温度変動が発生することにより、高サイクルの温度変動が生ずる。従って、境界層において疲労により管が破損する場合がある。それゆえ、流入距離を特定することができない場合には、熱成層の発生により管が破損する箇所を特定するのが困難である。 【0004】特開平第2−143000号公開公報は、このような熱成層の発生を防止するようにした配管系を開示している。この配管系は高温流体と低温流体とを混合させることにより、熱成層が発生して配管が変形または損傷するのを妨げている。しかしながら、特定のプラントにおいてはこのような配管系を設置するのが物理的に困難である場合があり、この場合には熱成層の発生を避けることができない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】流体が管内に流入する流入距離はこの流体の流速に応じて定まるが、流速が特定できない場合には熱成層の発生箇所は管内に広範囲にわたって移動するので、熱成層発生部位を特定することは困難である。従って、管の寿命を調査する場合には、配管系全体にわたって管の温度をモニタリング、すなわち温度測定を多数回にわたって行う必要がある。しかしながら、原子力プラントなどにおける配管系においては配管系の寿命に関する調査を省略することができず、このような手間と時間とを必要とする調査を避けるためには、熱成層発生部位を管の一部分にのみ限定することが望ましい。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、第一の温度の流体が流れる第一の配管と、この第一の配管に接続され、内部に第二の温度の流体が満たされた第二の配管とを備えた配管系において、前記第二の配管を、前記第一の配管から前記第二の配管に流入する第一の温度の流体により第二の配管内に発生する、第一の温度の流体と第二の温度の流体との境界部が第二の配管内の特定の部位のみに発生する形状に形成した、配管の熱成層発生部位限定構造に関する。熱成層とは、高温流体と低温流体との間に形成される温度の境界層である。前記第二の配管の前記特定の部位をU字形状に形成することにより、前記熱成層発生部位をU字形状部分にのみ限定することができる。特定の部位の形状は、U字形状以外の形状、例えば管の一部を蛇行させた蛇行形状にすることもできる。前記第二の配管の前記特定の部位の肉厚を前記第二の配管の残りの部分の肉厚よりも小さくすることもできる。 【0007】 【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図2において、枝管12が母管11から分岐しており、枝管12には弁15が設けられている。母管11内には高温流体13が流れていて枝管12は低温流体14を包含している。前述した従来技術と同様に、母管11内の高温流体13の一部は開口部18を通って枝管12内に流入して、高温流体13の流入速度に応じて定まる流入距離だけ枝管12内に進入する。しかしながら、図2の場合には、弁15がこの流入距離よりも高温流体13の流れに関して上流の位置に設けられており、弁15によって高温流体13を低温流体14から隔離することができる。従ってこれら流体は接触しないので熱成層は発生しない。それゆえ、熱成層による応力が発生しないので、枝管12は損傷、例えば亀裂を生じることがない。前述したように枝管12に沿ってみた母管11から弁15までの長さは、高温流体13の流入速度から算出した流入距離よりも小さい。 【0008】本実施形態はこの流入距離が分かっていて枝管12内に常に高温流体13を流す必要がない場合に採用される。高温流体13を枝管12内に流す必要があって高温流体13の枝管12内への流入距離を特定することができない場合、従って熱成層の発生箇所を特定できない場合には、後述する実施形態を採用する。 【0009】図3は本発明の一つの実施形態を示している。母管11から枝管12が分岐しており、母管11内には高温流体13が流れていて枝管12は低温流体14を含んでいる。母管11内の高温流体13の一部は枝管12内に流入していて、枝管12内の低温流体14に接触して熱成層19が発生している。本実施形態では、この熱成層19は枝管12に形成されたU字形状部分16において発生している。図示されるように、U字形状部分16はこのU字形状部分16の底部が、例えば下方を向くように配置されている。U字形状部分16は、熱成層19をこのU字形状部分16の領域に発生させるのに十分な寸法でもって形成されている。 【0010】このように熱成層19が発生する領域をU字形状部分16の領域に限定することにより、枝管が変形または損傷、例えば亀裂が生ずる領域をU字形状部分16の領域のみに限定することができる。従って、配管系全体の温度をモニタリングする必要はなく、温度をモニタリングする箇所をこのU字形状部分16のみに限定することができる。さらに、枝管の温度をモニタリングすることにより、枝管に加えられる応力の変動状態を算出して枝管の検査期間を決定することもできる。当然のことながら、このU字形状部分を他の形状、例えば管の一部分を蛇行させた蛇行形状にして、熱成層形成領域を限定することもできる。 【0011】さらに、図4に示すように、枝管12のU字形状部分16の肉厚を、枝管12の残りの部分の肉厚よりも小さくすることができる。すなわち、外径D1を有する枝管12の厚さ部分を例えば削り出すことにより、U字形状部分16の外径をD1からD2まで小さくすることができる。当然のことながら、外径D2は枝管12の内径D3よりも大きい。このように枝管12、すなわちU字形状部分16を機械加工して肉厚の小さい部分を形成することにより、変形または損傷箇所をこの部分に限定することができるので、従って、温度をモニタリングする箇所をこの肉厚の小さい部分のみにさらに集中的に限定することができる。 【0012】 【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、高温流体および低温流体が流れる管、特に原子力プラントの管において熱成層発生部位を限定することにより、温度をモニタリングする箇所をこの特定の部位のみにすることができるという共通の効果を奏する。さらに、請求項2に記載の発明によれば、熱成層発生部位を特定の部位のみに集中的に限定することができるという特別の効果を奏しうる。さらに、請求項3に記載の発明によれば、熱成層発生部位を肉厚の小さい部分にさらに集中的に限定することができるという特別の効果を奏しうる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−181989(P2002−181989A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−377522(P2000−377522) |
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