| 【発明の名称】 |
原子炉格納容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】篠田 泰藏
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| 【要約】 |
【課題】原子炉格納容器の内面に結露が発生することを防止し、もって、原子炉格納容器の劣化を阻止する。
【解決手段】原子炉格納容器1の内部に、その内周面に沿う循環気流Wを送風する送風機12を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原子炉を格納する容器に、前記容器の内周面に沿って気流を循環させることによって、前記容器の内周面の結露発生を防止するようにしたことを特徴とする原子炉格納容器。 【請求項2】 原子炉を格納する容器の内部に、前記容器の内周面に沿う循環気流を送風する送風手段を備えたことを特徴とする原子炉格納容器。 【請求項3】 略円筒状の容器であって、前記容器の任意円筒高さに、円筒内周に沿って前記容器内を循環する気流を発生させる複数の送風手段を、円筒断面中心を中心として互いに回転対称となる位置に配置するようにしたことを特徴とする原子炉格納容器。 【請求項4】 略円筒状の容器の内部であって、前記容器の複数の異なる任意円筒高さのおのおのに、円筒内周に沿って前記容器内を循環する気流を発生させる複数の送風手段を、円筒断面中心を中心として互いに回転対称となる位置に配置するようにしたことを特徴とする原子炉格納容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉格納容器に係り、更に詳しくは、原子炉格納容器の内面に、腐食や錆等の原因となる結露が発生することを阻止することによって、原子炉格納容器の健全性を高めることができる結露防止機能を備えた原子炉格納容器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】原子力発電所では、発電所施設外部への放射性物質の漏れを防止するために、多重構造による放射性物質の閉じ込め機能がその設計に適用されている。 【0003】すなわち、軽水炉の場合を例にとって説明すると、核燃料物質であるウランあるいはプルトニウムを、酸化物の焼結体であるペレットに閉じ込めるのが第1の閉じ込め機能である。次いで、複数のペレットを装填してなり、ジルカロイ等の金属からなる被覆管が第2の閉じ込め機能に相当する。そして、複数の被覆管を正方格子状に束ねてなる燃料集合体を複数装荷した炉心を収納する密封容器である原子炉容器が第3の閉じ込め機能に相当する。更に、この原子炉容器を格納してなる原子炉格納容器が第4の閉じ込め機能に相当する。更にまた、原子炉格納容器の周囲を取り囲むように配置された外部しゃへい壁が第5の閉じ込め機能に相当する。 【0004】このように、原子炉格納容器は、原子力発電所における第4の閉じ込め機能として位置付けられた重要な設備であるために、腐食防止、あるいは防錆することによってその健全性を高めるべくその内面には塗膜処理が施されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に示すように、原子炉格納容器1の内部には、核分裂エネルギーが発生している高温の炉心2を内部に収納している原子炉容器3、および炉心2を冷却する冷却水4が循環する1次冷却ループ5、1次冷却ループ5にその一部として設けられ、1次冷却ループ5内を流れる冷却水4を熱源として2次冷却水9から蒸気10を生成する蒸気発生器6、原子炉容器3の内部を加圧する加圧器7等が設けられている。したがって、原子炉格納容器1の内部は極めて高温多湿であり、原子炉格納容器1の内面は極めて結露しやすい環境にある。なお、図4では、一例として、加圧水型原子力発電所(PWR)に適用されている原子炉格納容器1を用いて説明しているが、例えば沸騰水型原子力発電所(BWR)など、他の型式の原子力発電所に適用されている原子炉格納容器1であってもその内面は極めて結露しやすい環境にあることに相違はない。 【0006】原子炉格納容器1の外部は、その周囲が外部しゃへい壁8によって取り囲まれている。 【0007】このような原子炉格納容器1の内面に一旦結露が発生した場合、万が一、塗膜に損傷やピンホール等があると、結露した水分の一部がこの損傷やピンホールから内部に侵入し、原子炉格納容器1の内面の腐食の進行や、あるいは錆の発生をもたらす。腐食の進行や、錆の発生は、原子炉格納容器1を劣化させる深刻な事象であるので、定期的な検査や、あるいは膜の塗り直しを行うことによって、損傷やピンホールの発生を事前に阻止するようにしている。 【0008】しかしながら、原子炉格納容器1は、高さが約60mにもおよぶ巨大なドーム状の構造物であり、その内面をくまなく検査し、損傷やピンホール等の有無を確認する作業は容易ではないという問題がある。また、膜の塗り直しを行う場合であっても、多大な時間と労力を要するという問題がある。しかも、損傷あるいはピンホール等の有無の確認作業、あるいは膜の塗り直し作業のいずれを行うにしても、被ばく防止の観点から、原子炉の運転を停止した定期点検期間にその作業期間は限定される。このような定期点検期間に行う作業の場合、予定時間内に作業を終えることができないと、運転再開を遅らせることとなり、これは原子力発電所の稼働率の低下をもたらすとともに、電力会社にとって、電力供給計画の修正が余儀なくされるという重大な事態につながるという問題がある。 【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、略円筒状の容器の内部に、円筒内周に沿って容器内を循環する気流を発生させることによって、容器の内面に結露が発生することを防止し、もって、容器の劣化を阻止することが可能な結露防止機能を備えた原子炉格納容器を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。 【0011】すなわち、請求項1の発明では、原子炉を格納する容器に、容器の内周面に沿って気流を循環させることによって、容器の内周面の結露発生を防止する。 【0012】請求項2の発明では、原子炉を格納する容器の内部に、容器の内周面に沿う循環気流を送風する送風手段を備える。 【0013】請求項3の発明では、略円筒状の容器であって、容器の任意円筒高さに、円筒内周に沿って容器内を循環する気流を発生させる複数の送風手段を、円筒断面中心を中心として互いに回転対称となる位置に配置する。 【0014】請求項4の発明では、略円筒状の容器の内部であって、容器の複数の異なる任意円筒高さのおのおのに、円筒内周に沿って容器内を循環する気流を発生させる複数の送風手段を、円筒断面中心を中心として互いに回転対称となる位置に配置する。 【0015】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。 【0016】なお、以下の各実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図4と同一部分については同一符号を付して示すことにする。 【0017】本発明の実施の形態を図1から図3を用いて説明する。 【0018】図1は、本発明の実施の形態に係る原子炉格納容器の一例を示す立断面構成図であって、図4と同様に、PWRに適用されている原子炉格納容器を例としている。 【0019】また、図2は、図1に示す原子炉格納容器のA−A線に沿った断面図である。 【0020】すなわち、本発明の実施の形態に係る原子炉格納容器は、図4に示すような従来技術の原子炉格納容器1の内部に、複数の送風機12を付加して備えた構成としている。この送風機12は、例えば、ファンであって、本発明の実施の形態では、図1に示すように、原子炉格納容器1内のレベルの異なる3つの高さにおいてそれぞれ、複数の送風機12を備えている。図2は、同一高さにおいて4機の送風機12を備えた場合の配置位置を示す断面図である。この場合、同じ高さに備えられた送風機12は、原子炉格納容器1の断面中心Rを中心として回転対称となる位置にそれぞれ配置している。 【0021】すなわち、同じ高さに備えられた各送風機12は、送風機12の中心と原子炉格納容器1の断面中心Rとを結ぶ線mと、隣接する送風機12の中心と原子炉格納容器1の断面中心Rとを結ぶ線mとのなす角度が90°となるように配置している。 【0022】また、各送風機12は、図2に示すように、原子炉格納容器1内の空気bを、送風機12の中心と原子炉格納容器1の断面中心Rとを結ぶ線mに対して直交する同一方向側(例えば、時計回りの方向側)に送風する。このように、各送風機12が協調して同一回転方向に空気bを送風することによって、原子炉格納容器1内に図2に示すように、円筒内周に沿って、例えば、時計回りに循環する気流Wを形成するようにしている。 【0023】この気流Wによって、原子炉格納容器1内の空気が、原子炉格納容器1の内面へ吹き付けられることによって、内面に結露が発生することを阻止するようにしている。 【0024】なお、本発明の実施の形態では、図2に示すように、原子炉格納容器1の同一高さにおいて4機の送風機12を配置した場合を一例として示したが、原子炉格納容器1の同一高さに配置する送風機12の数はこれに限るものではなく、原子炉格納容器1の断面中心Rを中心として互いに回転対称となる位置に配置し、原子炉格納容器1の内部において円筒内周に沿って循環する気流Wを形成することができるのであれば、4機以外の複数であっても構わない。 【0025】図3は、原子炉格納容器1の同一高さに6機の送風機12を配置した場合を示した断面図である。この場合、各送風機12は、送風機12の中心と原子炉格納容器1の断面中心Rとを結ぶ線mと、隣接する送風機12の中心と原子炉格納容器1の断面中心Rとを結ぶ線mとのなす角度が60°となるように配置している。 【0026】また、本発明の実施の形態では、図1に示すように、原子炉格納容器1内のレベルの異なる3つの高さにおいてそれぞれ送風機12を備えているが、レベルの異なる高さは3つに限るものではなく、より多くの異なる高さに備えた方がより効果的である。異なる高さ間の距離については、互いに隣接する高さとの間隔が等間隔であることが効果的であるが、適宜必要な高さに送風機12を備えるようにしても良い。 【0027】次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る原子炉格納容器の作用について説明する。 【0028】すなわち、本発明の実施の形態に係る原子炉格納容器では、複数の送風機12が協調することによって、原子炉格納容器1内に、容器の内周に沿って例えば、時計回りに循環する気流Wが形成される。そして、この気流Wによって、原子炉格納容器1内の空気が、原子炉格納容器1の内面へ吹き付けられることによって、原子炉格納容器1の内面における結露の発生が阻止される。 【0029】上述したように、本発明の実施の形態に係る原子炉格納容器においては、上記のような作用により、原子炉格納容器1の腐食や錆等が阻止され、その劣化が防止される。これによって、原子炉格納容器1の健全性を長期間維持することが可能となる。 【0030】以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、略円筒状の容器の内部に、円筒内周に沿って容器内を循環する気流を発生させることによって、容器の内面に結露が発生することを防止することができる。 【0032】以上により、容器の劣化を阻止することが可能となり、もって、その健全性を長期間維持することが可能な原子炉格納容器を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年5月29日(2001.5.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−350582(P2002−350582A) |
| 【公開日】 |
平成14年12月4日(2002.12.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−160752(P2001−160752) |
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