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【発明の名称】 炉心内核計装検出器集合体、および原子炉出力監視装置
【発明者】 【氏名】北薗 秀亨

【氏名】柚木 彰

【要約】 【課題】原子炉の三次元的な中性子束分布を常時監視できる原子炉出力監視装置を提供する。

【解決手段】検出器集合体に、固定式中性子検出器、移動式中性子検出器、およびガンマサーモ検出器を軸方向に配置する。ガンマサーモ検出器によって固定式中性子検出器を補完でき、3次元的な原子炉の出力分布の監視が容易になる。また、移動式中性子検出器によってガンマサーモ検出器の校正が容易に行え、校正用ヒータが不要になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の軸方向の異なる位置に設置された複数の固定式中性子検出器と、前記複数の固定式中性子検出器と前記所定の軸方向の略同一の位置に設置された複数のガンマサーモ検出器と、前記所定の軸方向を移動して、前記複数の固定式中性子検出器および前記複数のガンマサーモ検出器を校正できる移動式中性子検出器と、を具備することを特徴とする炉心内核計装検出器集合体。
【請求項2】 前記複数の固定式中性子検出器とは前記所定の軸方向の異なる位置に設置された複数のガンマサーモ検出器をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の炉心内核計装検出器集合体。
【請求項3】 前記ガンマサーモ検出器が、校正用のヒータを有しないことを特徴とする請求項1記載の炉心内核計装検出器集合体。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炉心内核計装検出器集合体と、前記ガンマサーモ検出器からの出力信号を中性子の検出値に変換する信号変換部とを具備することを特徴とする原子炉出力監視装置。
【請求項5】 前記信号変換部が、前記移動式中性子検出器の測定結果に基づき、前記ガンマサーモ検出器の出力信号を中性子の検出値に対応する値に変換する変換テーブルを有することを特徴とする請求項4記載の原子炉出力監視装置。
【請求項6】 原子炉の出力分布を監視する出力分布監視部をさらに具備することを特徴とする請求項4記載の原子炉出力監視装置。
【請求項7】 前記ガンマサーモ検出器の出力信号から変換された中性子の検出値と前記固定式中性子検出器の出力信号に基づく中性子の検出値とを比較して、検出値間の相違が所定の値よりも大きいときに該ガンマサーモ検出器と該固定式中性子検出器のいずれかが劣化したと判定する検出器劣化判定部を有することを特徴とする請求項4記載の原子炉出力監視装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉の炉内出力を測定する炉心内核計装検出器集合体、および原子炉の炉内出力状態を監視する原子炉出力監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉出力監視装置には、固定式の中性子検出器と燃料棒の軸方向に移動可能な移動式の中性子検出器が用いられている。図6に従来の原子炉出力監視装置を表す。図6に示すように従来の原子炉出力監視装置は、中性子を測定する複数のLPRM検出器111と、LPRM検出器111からの信号を処理する信号処理ユニット112と、信号処理ユニット112からの信号を出力するインターフェイスユニット113、そして燃焼度分布等を計算する計算機114から構成されている。燃料棒の軸方向の中性子束測定のため、計算機114には、移動して中性子を測定するTIP(可動インコア・プローブ・モニタ)検出器121とTIP検出器121からの信号を処理する信号処理ユニット122と信号処理ユニットからの信号を出力するインターフェイスユニット123が、さらに接続されている。
【0003】図7(A)、(B)は、LPRM検出器111を収容するLPRM集合体116の縦断面、横断面の状態を表す模式図である。また、図7(C)に示すようにLPRM集合体116は原子炉の燃料棒軸方向に沿って炉心内に複数挿入される。その結果、LPRM検出器111は、炉心の軸方向および半径方向のポイントに配置される。信号処理ユニット112は、それぞれのLPRM検出器111からの炉心軸方向および半径方向の局部出力信号に基づき、原子炉内での平均出力信号を出力する。TIP検出器115はTIP校正管内117内を移動し、中性子束分布の測定以外に、LPRM検出器111の校正にも使用される。
【0004】原子炉出力監視装置には、上記のTIP検出器121を用いたTIPシステム以外に、固定式のガンマサーモメータ(熱電対温度計、以下GT検出器という)を用いてLPRM検出器111の校正を行うGTシステムがある。これは、図6のTIP検出器121、信号処理ユニット112、インターフェイスユニット113、計算機114を、図8のようなGT検出器131、信号処理ユニット132、インターフェイスユニット133、計算機134、校正用ヒータ135に置き換えたものである(例えば、特開平9−211136号参照)。
【0005】GT検出器131は、炉心内のガンマ線による発熱から生じた電位差を出力する。信号処理ユニット132は、GT検出器131が出力した電位差を温度差に、温度差をさらにガンマ線発熱量に変換するとともに校正用ヒータを制御する。インターフェイスユニット133は、信号処理ユニット132からの出力信号を計算機134等に出力する。計算機134は、ガンマ線発熱量をさらに中性子束量に変換して原子炉内の出力を計算する。なお、校正用ヒータ135はGT検出器131を校正するための熱源である。
【0006】図9(A)、(B)はそれぞれ、GT検出器131の構造を表した部分斜視図、縦断面図である。図9(A)、(B)に示すように、GT検出器131は校正用ヒータ135と共に、GT(ガンマサーモ)検出管136内に収容されている。GT検出器131は、断熱部137で囲まれた高温側接点138と断熱部137で囲まれていない低温側接点139を有する熱電対の組から構成され、高温側接点138と低温側接点139の温度差を電圧に変換して出力する。
【0007】図10(A)、(B)は、GT検出器131を収容するLPRM集合体116の縦断面図および横断面図であり、GT検出器131の配置例を示す。それぞれのGT検出器131は、LPRM検出器111と共にLPRM集合体116内に収容され、原子炉の炉心内に配置される。そして、GT検出器131は、LPRM検出器111と対応する炉心内軸方向高さに配置され、LPRM検出器111の校正に使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】LPRM検出器111は、ある程度の大きさを有し、軸方向、半径方向のいずれについても測定箇所が限定される。従って、従来の原子炉出力監視装置では、原子炉内の三次元的な中性子束分布を常時監視することは困難であった。このため、原子燃料の効率的な燃焼を実現する制御棒挿入パターンを時間的に連続して決定することも困難となる。
【0009】本発明は、このような課題を解決するために、原子炉の三次元的な中性子束分布を常時監視できる原子炉出力監視装置を提供することを目的とする。また、本発明は感度校正が容易な原子炉出力監視装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、時間応答速度が速く、しかも信頼性の高い原子炉出力監視装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成するために本明に係る炉心内核計装検出器集合体は、所定の軸方向の異なる位置に設置された複数の固定式中性子検出器と、前記複数の固定式中性子検出器と前記所定の軸方向の略同一の位置に位置に設置された複数のガンマサーモ検出器と、前記所定の軸方向を移動して、前記複数の固定式中性子検出器および前記複数のガンマサーモ検出器を校正できる移動式中性子検出器と、を具備することを特徴とする。固定式中性子検出器とガンマサーモ検出器との双方で原子炉の出力を測定できる。このため、信頼性の高い測定が可能となる。
【0011】ここで、前記複数の固定式中性子検出器とは前記所定の軸方向の異なる位置に設置された複数のガンマサーモ検出器をさらに具備してもよい。ガンマサーモ検出器は、固定式中性子検出器よりも小型であり、軸方向に多数配置できる。この結果、例えば制御棒引き抜きの際等の軸方向における原子炉の出力変化をきめ細かく監視することが可能となる。
【0012】また、前記ガンマサーモ検出器が、校正用のヒータを有しなくてもよい。ガンマサーモ検出器は、移動式中性子検出器によって校正できるため、校正用のヒータを省略できる。この結果、ガンマサーモ検出器をより小型化して多数配置することが可能となる。また、ガンマサーモ検出器の小型化は、熱容量の低下による応答速度の向上をもたらす。
【0013】(2)本発明に係る原子炉出力監視装置は、前記(1)記載の炉心内核計装検出器集合体と、前記ガンマサーモ検出器からの出力信号を中性子の検出値に変換する信号変換部とを具備することを特徴とする。ガンマサーモ検出器からの出力信号を中性子の検出値に変換して、原子炉の出力を監視できる。
【0014】信号変換部による信号の変換は、例えば前記移動式中性子検出器の測定結果に基づき、前記ガンマサーモ検出器の出力信号を中性子の検出値に対応する値に変換する変換テーブルを用いて行える。移動式中性子検出器の測定結果を用いることで、例えばヒータを用いるより正確な校正が可能となる。ここで、出力分布監視部をさらに具備し、炉心内核計装検出器集合体の測定結果に基づき原子炉の出力分布を監視してもよい。ガンマサーモ検出器の3次元的な配置によって、原子炉の出力分布を3次元的に監視できる。
【0015】さらに、前記ガンマサーモ検出器の出力信号から変換された中性子の検出値と前記固定式中性子検出器の出力信号に基づく中性子の検出値とを比較して、検出値間の相違が所定の値よりも大きいときに該ガンマサーモ検出器と該固定式中性子検出器のいずれかが劣化したと判定する検出器劣化判定部を有してもよい。検出器の劣化が自動的に発見されるので、測定データの信頼性が高い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る原子炉出力監視装置10の構成例を示すブロック図である。LPRM集合体(炉心内核計装検出器集合体)20内に、固定式中性子検出器としての複数のLPRM(Local Power Range Monitor:局部出力モニタ)検出器30、移動式中性子検出器としてのTIP(Traveling In−Core Prove)検出器40、ガンマサーモ検出器としての複数のGT検出器50が配置されている。複数のLPRM検出器30、TIP検出器40、複数のGT検出器50のそれぞれは、信号処理ユニット61、62、63およびインターフェイスユニット71、72、73を介して計算機(コンピュータ)80に接続されている。
【0017】LPRM検出器30とTIP検出器40はいずれも中性子線を検出し、GT検出器50はガンマ線を検出する。信号処理ユニット61〜63はそれぞれ、LPRM検出器30、TIP検出器40、GT検出器50からの信号を処理し、測定結果を出力する。このとき、信号処理ユニット61〜63は炉心軸方向および半径方向の各局部出力に基づき、平均出力を表す信号を出力できる。インターフェイスユニット71〜73はそれぞれ、信号処理ユニット61〜63からの出力信号を計算機80に出力する。計算機80は、燃焼度分布等を計算する。
【0018】計算機80は、信号変換部81、出力分布監視部82、GT校正部83、検出器劣化判定部84、入出力部85を備えている。信号変換部81は、ガンマ線発熱量の信号を原子炉内の出力に変換する。出力分布監視部82は、原子炉の3次元的な出力分布を監視する。GT校正部83は、GT検出器50の校正を行う。検出器劣化判定部84は、LPRM検出器30、GT検出器50の劣化の有無を判定する。入出力部85は、例えばマウス、キーボード等の入力機器、CRT、LCD等の表示装置、ハードディスク等の記録装置である。
【0019】LPRM集合体20は、原子炉の燃料棒の軸方向に沿って、半径方向からみて異なる位置に挿入される。その結果、計算機80には、LPRM検出器30、およびGT検出器50からの原子炉内の3次元的な測定結果に係る信号が入力される。図2(A)、(B)はそれぞれ、LPRM集合体20を軸方向および半径方向に切断した状態を表した模式的な断面図である。LPRM集合体20の中心軸上にTIP検出器40が配置され。その周りにLPRM検出器30、とGT検出器50がいずれも複数配置されている。複数のLPRM検出器30は、軸方向に互いに異なった高さになるように配置されている。また、複数のGT検出器50は、LPRM検出器30とほぼ同一の高さになるように配置されている他、LPRM検出器30とは異なる高さにも配置されている。
【0020】GT検出器50とLPRM検出器30が、ほぼ同一の高さになるように配置され、LPRM検出器30とGT検出器50の双方で原子炉の出力を監視できるので、信頼性が向上する。また、GT検出器50がLPRM検出器30とは異なる高さにも配置されていることから、軸の高さ方向の測定に関しGT検出器50がLPRM検出器30を補完できる。GT検出器50は、LPRM検出器30と比較して、構造的に簡単であり小型化し易い。このため、LPRM集合体20の同一ストリング内に多数ののGT検出器50を容易に配置でき、従来に比べ多数の測定点での局所出力の測定が可能となる。この結果、燃料棒の軸方向に対し細かな出力分布の測定が可能となる。
【0021】TIP検出器40は、軸方向から見て、GT検出器50とLPRM検出器30がそれぞれ設置された高さに移動できる。このため、TIP検出器40によって、GT検出器50とLPRM検出器30それぞれを校正できる。このように、GT検出器50は、TIP検出器40によって感度校正を行えるため、従来のようなヒータを用いた感度校正を必要としない。このため、GT検出器50のさらなる小型化および応答速度の向上が可能となる。
【0022】通常LPRM検出器30として用いられるのは、電離箱型検出器でLPRM検出器30の外壁内面に核分裂物質(ウラン)が塗布され、外壁と中心電極との間に高電圧を印加したものである。LPRM検出器30内は電離ガス、例えばArが封入されている。このような電離箱型形式のLPRM検出器30においては、後につながる増幅器、波高弁別フィルター等の電子回路の特性が経時的に変化し、いわゆるドリフト現象を生じる。さらにLPRM検出器30の外壁内面に塗布したウランのU235量の減少によっても中性子検出感度が変化する。なお、TIP検出器40は、TIP駆動機構が必要であるため、多数箇所を同時に測定するのが困難である。
【0023】沸騰水型原子炉等の原子炉では原子炉圧力容器内の炉心に装荷される核燃料の核分裂量に比例してγ線が発生し、発生したγ線束でGT検出器50の構造体を加熱する。この加熱量はγ線束に比例し、γ線束は近傍の核分裂量に比例する。GT検出器50は、センサ部を構成するステンレスなどの構造材が、原子炉内の放射線(特にガンマ線)の吸収や非弾性散乱によってエネルギーを吸収して発熱し、発生した熱が外部の冷却材へ流出する際に形成される温度分布を熱電対などにより測定する。したがって、GT検出器50は核分裂電離箱と異なり、中性子吸収反応を伴わないので原理的にはセンサ感度の劣化が生じない。
【0024】図3は、GT検出器50の構造を表した部分斜視図、および縦断面図である。GT検出器50はGT(ガンマサーモ)検出管51内に収容されている。GT検出管51はカバーチューブ52とコアチューブ53の二重構造で校正される。GT検出器50が、断熱部54で囲まれた高温側接点55と断熱部54で囲まれていない低温側接点56を有する熱電対の組から構成される点は、従来と同様である。なお、ガンマ線による発熱は、例えばコアチューブ53から生じる。ここで、GT検出器50は、従来例に示した校正用ヒータを備えず、GT検出管51に1つのみ収納されている。もし校正用ヒータがあれば、省スペース等のために校正用ヒータの周囲に複数のGT検出器50を設置する必要性が大きくなる。
【0025】このように、単一のGT検出器50をGT検出管51に設置することが容易になり、GT検出器50全体のさらなる小型化が可能となる。その結果、GT検出器50一個当たりの熱容量が小さくなるので、時間応答が速くなる。また、GT検出器50は、TIP検出器40によって、従来のようにヒータを用いるよりも精度良く校正できる。 ヒータで校正できるのは、発生熱量と熱電対の電圧上昇(温度差)の関係に留まり、ガンマ線の照射量と電圧上昇の直接的な関係は校正できない。TIP検出器40を用いることで、中性子線の発生量(原子炉の出力に対応)と熱電対の電圧上昇(温度差)との関連を求められる。
【0026】信号処理ユニット63は、GT検出器50から出力された電位差の信号を温度差、さらにはガンマ線の発熱量の信号に変換して出力する。そして、信号変換部81は、信号処理ユニット63から出力されたガンマ線発熱量の信号をガンマ線の強度、中性子束値、さらには燃焼度等原子炉の局所的な出力(例えば、GT検出器50が配置された制御棒周辺の出力)の信号に変換する。この変換の際に、ガンマ線強度と中性子線強度の対応関係を表した変換テーブルが用いられる。なお、変換テーブルの作成方法は後述する。
【0027】信号変換部81から出力された原子炉の出力信号は、出力分布監視部82に入力されて常時監視される。このとき、LPRM検出器30からの中性子束の測定信号も信号変換部81によって原子炉の局所的な出力に変換され、出力分布監視部82による監視の対象となる。出力分布監視部82は、原子炉の3次元的な出力を表示装置により表示し、記録装置により記録する他、出力分布の解析、出力分布が所定の範囲から逸脱したときの警告等を行う。このように、本実施形態ではGT検出器50を用いて、原子炉の3次元的な出力の監視を常時行える。
【0028】LPRM集合体20内に複数のGT検出器50を軸方向の異なる高さに配置していることから、例えば燃料棒の軸方向に対し、出力分布を細かく監視できる。燃料棒の軸方向に対してGT検出器50を多数配置することで、制御棒引抜きの際の出力変化を連続的に監視できる。即ち、TIP検出器40を用いなくても燃料棒の軸方向に対し、出力分布を細かく監視でき、制御棒引き抜きなどの際の軸方向の出力変化を監視して、素早く制御棒挿入パターンを変更できる。したがって、燃料の効率的燃焼が可能となる【0029】図4は、GT校正部83によるGT検出器の校正の手順を表すフロー図である。TIP検出器40をGT検出器50とLPRM集合体20の軸方向からみて同一の高さに移動させて、TIP検出器40およびGT検出器50で同時に原子炉内を測定する。この結果、GT検出器50からのガンマ線束の測定結果とTIPによる中性子束の測定結果が得られる。この測定結果に基づいて、信号変換部81の変換テーブルを書き換えることで、GT検出器50の校正を行える。この校正は、GT検出器50からのガンマ線束の測定結果とTIPによる中性子束の測定結果が比例するとして行えばよい。さらに、異なる量のガンマ線束や中性子束をTIP検出器40およびGT検出器50によって測定してもよい。GT検出器50の感度校正をTIP検出器40で行うことで、ヒータを用いた校正よりも精度良く校正できる。
【0030】図5は、検出器劣化判定部84によるLPRM検出器30とGT検出器50の劣化判定の手順を表すフロー図である。図5に示すようにLPRM検出器30から得られた中性子束の測定結果とGT検出器50から得られた中性子束の測定結果を比較する(ステップS21)。この相違が所定の値よりも大きければ、LPRM検出器30またはGT検出器50いずれかの劣化と判断し(ステップS22)、必要に応じて音声または画像による警告を発する。測定結果間の相違が所定の値よりも小さければ測定結果は有効なものと判断する(ステップS23)。
【0031】この比較はLPRM集合体20の軸方向において同一の高さにあるLPRM検出器30とGT検出器50を用いて行うものとし、またGT検出器50は信号変換部81によってガンマ線発熱量から中性子束量に変換するものとする。所定の値としては例えば、20%、50%を採用できる。また、この測定結果の相違に応じて異なった対応を行わせることもできる。検出器劣化判定部84により検出器の劣化がすぐに分かるため、例えばLPRM検出器30およびGT検出器50をTIP検出器40により校正することで測定データの信頼性を常に確保できる。
【0032】(その他の実施形態)本発明は上記の実施形態には限られず、拡張変更が可能である。そして、拡張変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施形態では、固定式のGT検出器を使用したが、これに代えてまたはこれに加えて軸方向に移動可動なGT検出器を用いることもできる。このとき、LPRM集合体毎、あるいは複数のLPRM集合体毎に、一個または複数個の移動式GT検出器を設置できる。この移動式GT検出器は、放射線に常時暴露しないようにすることができるから検出器としての信頼性が高く、校正用の基準検出器として使用できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、原子炉の三次元的な中性子束分布を常時監視できる原子炉出力監視装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【代理人】 【識別番号】100077849
【弁理士】
【氏名又は名称】須山 佐一
【公開番号】 特開2002−341083(P2002−341083A)
【公開日】 平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願番号】 特願2001−145442(P2001−145442)