| 【発明の名称】 |
原子炉冷却材浄化系漏洩検出システム |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 啓嗣
【氏名】弓立 忠弘
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| 【要約】 |
【課題】減圧沸騰を起こさずに、冷却材の漏洩を検出すること。
【解決手段】入口配管14、戻り配管16、排出配管18にそれぞれ超音波流量計22、24、26を設置し、各超音波流量計22、24、26から各配管内に照射された超音波を基に炉水の流量を計測し、超音波流量計22の計測値から超音波流量計24、26の計測値を差流量演算回路34においてそれぞれ減算し、この減算によって得られた値が判定値以上になったときに警報発生回路36から漏洩信号を出力する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原子炉から冷却材を導入して浄化し浄化された冷却材を前記原子炉に戻す原子炉冷却材浄化系のうち冷却材が流れる流路中の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する流量計と、前記流量計の計測値が判定値以上になったときに漏洩信号を出力する漏洩検出器とを備えてなる原子炉冷却材浄化系漏洩検出システム。 【請求項2】 原子炉から入口配管を介して冷却材を導入して浄化し浄化された冷却材を戻り配管を介して前記原子炉に戻す原子炉冷却材浄化系のうち前記入口配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第1の流量計と、前記戻り配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第2の流量計と、前記第1の流量計の計測値と前記第2の流量計の計測値との差が判定値以上になったときに漏洩信号を出力する漏洩検出器とを備えてなる原子炉冷却材浄化系漏洩検出システム。 【請求項3】 原子炉から入口配管を介して冷却材を導入して浄化し浄化された冷却材を戻り配管を介して前記原子炉に戻す原子炉冷却材浄化系のうち前記入口配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第1の流量計と、前記戻り配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第2の流量計と、前記戻り配管から分岐された排出配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第3の流量計と、前記第1の流量計の計測値から前記第2の流量計の計測値と前記第3の流量計の計測値をそれぞれ減算して得られた値が判定値以上になったときに漏洩信号を出力する漏洩検出器とを備えてなる原子炉冷却材浄化系漏洩検出システム。 【請求項4】 請求項1、2または3のうちいずれか1項に記載の原子炉冷却材浄化系漏洩検出システムにおいて、前記流量計は超音波流量計で構成されてなることを特徴とする原子炉冷却材浄化系漏洩検出システム。 【請求項5】 請求項4に記載の原子炉冷却材浄化系漏洩検出システムにおいて、前記流量計は、冷却材の流路を間にして相対向して配置されて超音波の授受を行う一対の超音波受発信素子と、前記一対の超音波受発信素子のうち一方の超音波受発信素子から他方の超音波受発信素子に発信される超音波の伝播時間と前記他方の超音波受発信素子から前記一方の超音波受発信素子に発信される超音波の伝播時間との伝播時間差を計測する時間計測器と、前記時間計測器の計測値から冷却材の流速を求めるともに前記流速と冷却材の流路の断面積とを乗算して流量を演算する演算器とから構成されてなることを特徴とする原子炉冷却材浄化系漏洩検出システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、漏洩検出システムに係り、特に、原子力発電所の原子炉冷却材浄化系(CUW)における冷却材の漏洩を検出するに好適な原子炉冷却材浄化系漏洩検出システムに関する。 【0002】 【従来の技術】原子力発電所における原子炉には、原子炉内で発生した蒸気をタービンに供給し、タービンから排出された蒸気を復水器に供給し、復水器から排出される水をポンプを介して原子炉に戻す系が設けられているとともに、復水器から出力される水の一部を原子炉内の制御棒に供給する系(制御棒駆動系)が設けられている。さらに、原子炉には、原子炉から入口配管を介して冷却材(炉水)を導入して浄化し、浄化された冷却材を戻り配管を介して原子炉に戻す原子炉冷却材浄化系が設けられている。 【0003】この原子炉冷却材浄化系は、溶解性および不溶解性の不純物を除去することによって、炉水を連続的に浄化することを目的として、原子炉の圧力容器より取り出した炉水を、低温型原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩装置のイオン交換樹脂で浄化し、浄化された炉水を再び原子炉の圧力容器に戻すように構成されている。この原子炉冷却材浄化系を運転するに際しては、原子炉起動時には、蒸気が復水器に流れるようになるまでは、温度上昇による炉水の体積膨張分と制御棒駆動系からの注入分を、ろ過脱塩装置の出口側に接続された低電導度廃液収集層(LCW)またはサプレッションプール(S/P)に放出し、原子炉停止時には、炉水を原子炉圧力容器の頂部からスプレイすることにより、原子炉の圧力容器を冷却することが行われている。 【0004】また、原子炉冷却材浄化系には放射性物質を含む炉水が流れるようになっているので、この炉水が浄化系から漏れたときには安全性に支障をきたすため、炉水いわゆる冷却材の漏洩を検出するシステムが採用されている。冷却材の漏洩を検出するシステムを設置するに際しては、従来、原子炉の圧力容器から炉水を導入する入口配管、ろ過脱塩装置の出力側から分岐されてサプレッションプールに接続された排出配管およびろ過脱塩装置によって浄化された炉水を原子炉圧力容器に戻す戻り配管にそれぞれ絞り部を形成し、各絞り部に、各絞り部の上流側と下流側の圧力差を基に流量を検出する差圧式流量検出器を設置し、各差圧式流量検出器の流量指示値を基に差流量演算回路により、系統への流入量と系統からの流出量との差を演算し、流入量と流出量との差が判定値を超えたときには漏洩として検出する構成が採用されている。また各流量検出器の指示値は、各流量計の近くに設置された温度計による温度指示値を基に温度補正回路にて補正されるようになっている。またこのシステムでは、計測値を安全保護系の隔離論理に用いるために、制御系が4系統に冗長化された構成となっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、各配管に絞り部を設けているため、配管内で流体の減圧沸騰が発生するのを防止するように、流量計の発生差圧および設置場所を計画する必要がある。すなわち、原子炉停止時に、炉水を原子炉圧力容器の頂部からスプレイすることによって原子炉圧力容器を冷却することが行われているが、この圧力容器スプレイ時に、原子炉内の炉水は大気圧で飽和状態となる。このときの炉水がそのまま配管内の絞り部に供給されると、圧力低下により絞り部で減圧沸騰を起こす可能性がある。このため、従来技術では、各絞り部に差圧式流量検出器を設置するにも、流体の減圧沸騰を防止するために、差圧式流量検出器の絞り部における発生差圧が差圧式流量検出器の設置場所における静水頭差(圧力容器内の水面と差圧式流量検出器の設置場所における水位との差)による圧力以下となるように、流量計の発生差圧および設置場所を計画する必要がある。 【0006】一方、原子力発電所を設計するに際しては、建屋をコンパクト化に改良することが求められており、このため、差圧式流量検出器の静水頭差も小さくすることが求められている。 【0007】しかし、漏洩検出システムでは、冷却材の漏洩を検出したときには、安全保護系の隔離弁(入口配管および戻り配管に設けられた制御弁)を閉じるように構成されているため、高精度の流量計測が必要とされている。このため、差圧式流量検出器を用いて冷却材の漏洩を検出するには、発生差圧を大きくする必要があり、可能な限り静水頭差を大きくすることが要求され、このことが建屋のコンパクト化を計画する上で障害となっている。 【0008】また、漏洩検出システムは、プラント起動時から停止時まで使用されるようになっているが、プラント起動時・停止時とプラント運転中では、冷却材浄化系内の流体の温度が異なる。ところが、差圧式流量計は、ある一定温度での設計条件で設計されているので、差圧式流量計を漏洩検出システムに用いるためには、温度の変化に合わせて計測値を補正する必要がある。従って、差圧式流量計を用いて漏洩検出システムを構成するためには、差圧式流量計の他に、温度計、温度補正回路を設置する必要があり、しかもこれらのスペースも確保する必要があり、建屋のコンパクト化を計画する上で障害となっている。 【0009】本発明の課題は、減圧沸騰を起こさずに、冷却材の漏洩を検出することができる原子炉冷却材浄化系漏洩検出システムを提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は、原子炉から冷却材を導入して浄化し浄化された冷却材を前記原子炉に戻す原子炉冷却材浄化系のうち冷却材が流れる流路中の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する流量計と、前記流量計の計測値が判定値以上になったときに漏洩信号を出力する漏洩検出器とを備えてなる原子炉冷却材浄化系漏洩検出システムを構成したものである。 【0011】前記漏洩検出システムを構成するに際しては、流量計として、原子炉から入口配管を介して冷却材を導入して浄化し浄化された冷却材を戻り配管を介して前記原子炉に戻す原子炉冷却材浄化系のうち前記入口配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第1の流量計と、前記戻り配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第2の流量計を用い、漏洩検出器として、前記第1の流量計の計測値と前記第2の流量計の計測値との差が判定値以上になったときに漏洩信号を出力する漏洩検出器を用いることができる。 【0012】さらに、漏洩検出システムを構成するに際しては、流量計として、原子炉から入口配管を介して冷却材を導入して浄化し浄化された冷却材を戻り配管を介して前記原子炉に戻す原子炉冷却材浄化系のうち前記入口配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第1の流量計と、前記戻り配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第2の流量計と、前記戻り配管から分岐された排出配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第3の流量計を用い、漏洩検出器として、前記第1の流量計の計測値から前記第2の流量計の計測値と前記第3の流量計の計測値をそれぞれ減算して得られた値が判定値以上になったときに漏洩信号を出力する漏洩検出器を用いることができる。 【0013】また、流量計を構成するに際しては、超音波流量計を用いることができ、超音波流量計を構成するに際しては、以下のように構成することができる。 【0014】超音波流量計は、冷却材の流路を間にして相対向して配置されて超音波の授受を行う一対の超音波受発信素子と、前記一対の超音波受発信素子のうち一方の超音波受発信素子から他方の超音波受発信素子に発信される超音波の伝播時間と前記他方の超音波受発信素子から前記一方の超音波受発信素子に発信される超音波の伝播時間との伝播時間差を計測する時間計測器と、前記時間計測器の計測値から冷却材の流速を求めるともに前記流速と冷却材の流路の断面積とを乗算して流量を演算する演算器とから構成されてなる。 【0015】前記した手段によれば、流量計として、冷却材が流れる流路(配管)中の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する流量計を用いているため、配管内部に絞り部を設置したり、流量計設置場所での静水頭差を考慮する必要がなく、原子炉建屋をコンパクトに設計することが可能になる。さらに流量計として超音波流量計を用いた場合、超音波流量計は、流体中の音速が流体の温度によって変化する性質を用いて、流体の伝播時間の平均値から流体の温度を演算することができ、しかも、音速と流体の温度との関係は、例えば、日本機械学会の蒸気表における音速−温度−圧力の関係式を用いて得ることができる。すなわち、流量は温度に関連づけて求められるため、冷却材の温度が変化しても温度補正が不要となり、温度計・温度補正回路を削除することができる。従って、温度計・温度補正回路を設置するためのスペースを考慮する必要がなく、温度計、温度補正回路を設置するときよりも建屋をコンパクトに設計することが可能になる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す原子炉冷却材浄化系漏洩検出システムの全体構成図である。図1において、原子力発電所の原子炉格納容器10内には原子炉圧力容器12が格納されており、原子炉圧力容器12には、原子炉内で発生した蒸気をタービン(図示省略)に送給し、タービンからの蒸気を復水器(図示省略)に送給し、復水器で得られた水をポンプを介して原子炉に戻す系の他に、原子炉冷却材浄化系が設けられている。 【0017】原子炉冷却材浄化系(CUW)は、冷却材(炉水)の流路を構成する入口配管14、戻り配管16、排出配管18を備えており、入口配管14、戻り配管16の一端がそれぞれ原子炉圧力容器12に接続され、他端がそれぞれ低温型原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩装置20に接続され、排出配管18の一端が戻り配管16の管路途中に接続され、他端が低電導度廃液収集層(LCW)またはサプレッションプール(S/P)に接続されている。さらに入口配管14、戻り配管16、排出配管18の管路途中には伝播時間差式の超音波流量計22、24、26が設置されている。また入口配管14と戻り配管16の管路途中には再生熱交換器28が設置されており、入口配管14の管路途中には非再生熱交換器30、ポンプ32が設置されている。 【0018】超音波流量計22、24、26は、流量検出器22a、24a、26a、流量変換器盤22b、24b、26bを備えて構成されており、各流量検出器22a、24a、26aはそれぞれ流量変換器盤22b、24b、26bを介して差流量演算回路34に接続され、差流量演算回路34は警報発生回路36に接続されている。 【0019】超音波流量計22は、入口配管14内の冷却材(炉水)の流速を基に冷却材の流量を計測する第1の流量計として構成され、超音波流量計24は、戻り配管16内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第2の流量計として構成され、超音波流量計26は、排出配管内の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する第3の流量計として構成されている。 【0020】差流量演算回路34は、超音波流量計22の計測値から超音波流量計24の計測値と超音波流量計26の計測値をそれぞれ減算し、減算して得られた値を警報発生回路36に出力するようになっている。警報発生回路36は、差流量演算回路34の演算によって得られた値と判定値とを比較し、差流量演算回路34の演算により得られた値が判定値以上になったときに漏洩信号を出力するようになっている。すなわち、差流量演算回路34、警報発生回路36は漏洩検出器として構成されている。 【0021】なお、図1では単一の制御系についてのみ図示してあるが、実際には、制御系は物理的、電気的に独立な4区分の冗長系で構成されており、4重系の各警報発生回路36の出力は、漏洩検出系の論理回路に供給されている。そして、この論理回路において、例えば、2 out of 4の論理により、4系統(4区分)のうち2系統(2区分)以上から漏洩信号が出力された場合に、原子炉冷却材浄化系(CUW)と原子炉圧力容器12とを分離するために、入口配管14と戻り配管16の端部に設けられた隔離弁(図示省略)に隔離信号を与えて各隔離弁を閉じる制御を行うための信号が生成されるようになっている。 【0022】上記構成において、原子炉の通常運転時には、原子炉圧力容器12内の高温の漏水をろ過脱塩装置20において浄化するために、原子炉圧力容器12内の炉水は、入口配管14を介して再生熱交換器28内に導入され、この再生熱交換器28において、ろ過脱塩装置20から戻り配管16を介して原子炉圧力容器12へ戻される低温の浄化された炉水と熱交換されて冷却される。その後、冷却された炉水は、非再生熱交換器30において、この非再生熱交換器30に供給される原子炉補機冷却水によって、ろ過脱塩装置20で使用可能な温度まで冷却される。そして冷却された炉水はポンプ32によって昇圧された後、ろ過脱塩装置20内に導入され、このろ過脱塩装置20内のイオン交換樹脂によって浄化される。そして浄化された炉水は、戻り配管16を介して再生熱交換器28側に送られ、再生熱交換器28において圧力容器12から取り出された高温の炉水と熱交換されて加熱され、加熱された炉水は戻り配管16を介して原子炉圧力容器12に戻される。 【0023】一方、原子炉の起動時には、蒸気が復水器(図示省略)に流れるようになるまでは、温度上昇による炉水の体積膨張分と制御棒駆動系からの注水分が排出配管18を介して低電導度廃液収集層またはサプレッションプールに放出される。 【0024】また原子炉の停止時には、炉水が原子炉圧力容器12の頂部からスプレイされることにより原子炉圧力容器12の冷却が行われる。 【0025】このような運転が行われている過程で、原子炉冷却材浄化系における炉水の漏洩が各超音波流量計22、24、26によって監視されている。各超音波流量計22、24、26によって炉水の漏洩を監視するに際しては、各超音波流量計22、24、26には、図2に示すような構成が採用されている。 【0026】すなわち、各超音波流量計22、24、26は、流量検出器22a、24a、26aとして、一対の超音波受発信素子38、40を備えており、流量変換器盤22b、24b、26bとして、時間計測部42と流量演算部44を備えて構成されている。 【0027】各超音波受発信素子38、40は、入口配管14、戻り配管16または排出配管18の外部に、配管内の炉水の流れに対して、上流、下流に分かれて相対向して設置されており、各超音波受発信素子38、40はそれぞれ時間計測部42に接続されている。そして各超音波受発信素子38、40は、時間計測部42から超音波を受けたときに、この超音波を配管内に照射し、互いに超音波の授受を行うようになっている。 【0028】ここで、上流側に配置された超音波受発信素38から発信された超音波が下流側の超音波受発信素子40に受信されるまでに要する伝播時間をtABとし、下流側の超音波受発信素子40から発信された超音波が上流側の超音波受発信素子38で受信されるまでに要する伝播時間をtBAとすると、伝播時間tABは次の数1で表され、伝播時間tBAは数2で表される。 【0029】 【数1】
【0030】 【数2】
ここで、Dは配管の内径、θは流体中の超音波の伝播角度(鉛直線を基準とした超音波の伝播方向)、Cは音速、Vは流体速度、tnは超音波が流体以外の部分(配管の壁、信号線)を伝播するに要する時間を示す。 【0031】各超音波受発信素子38、40からそれぞ超音波を照射した場合、各超音波の伝播時間は、配管内の流速に応じて差が生じる。すなわち、下流側の超音波受発信素子40から出射された超音波は、流速に逆らうようにして伝播するため、上流側の超音波受発信素子38より出射された超音波よりも伝播速度が遅くなり、両者の間には伝播時間差Δtが生じる。 【0032】この伝播時間差Δtは時間計測部42において、次の数3によって算出される。 【0033】 【数3】
伝播時間差Δtが求められると、流量演算部44において次の数4にしたがって流体流速Vが求められる。 【0034】 【数4】
ここで、音速Cは、静止流体中の伝播時間(流れが0のときの伝播時間)t0が、t0=(tAB+tBA)/2で近似できることから、次の数5によって求められる。 【0035】 【数5】
流量演算部44においては、流体流速Vに配管の断面積を乗じて流量を演算する処理が行われる。すなわち、時間計測部42は時間計測器として構成され、流量演算部44は演算器として構成されている。 【0036】また各超音波流量計22、24、26においては、流体中の音速Cが流体(炉水)の温度Tによって変化する性質を用い、例えば、伝播時間の平均値tmより流体の温度を演算することができる。 【0037】すなわち、流体中の音速Cは、伝播時間の平均値tmより、次の数6で与えられる。 【0038】 【数6】
ここで、音速Cと流体の温度Tの関数関係は、例えば、日本機械学会の蒸気表に示されている音速−温度−圧力の関係式を用いて決定することができる。このため、数6により求められた音速Cより流体の温度Tを演算することができるので、各配管内の炉水の温度が変化しても、音速Cが温度の関数として求められる。従って、音速が求まれば、温度が決定されるので、流量を求める際、温度による補正を行う必要がない。 【0039】このように、本実施形態においては、原子炉冷却材浄化系における炉水の漏洩を検出するに際して、配管に絞り部を設けることなく、各配管に設けられた超音波流量計22、24、26の計測値を基に漏洩を検出するようにしているので、減圧沸騰が起こることなく、しかも静水頭差を考慮することなく、炉水の漏洩を検出することができ、静水頭差を考慮せず、各超音波流量計22、24、26の設置場所を原子炉の水位に近づけることが可能になり、原子力発電所の建屋のコンパクト化に寄与することができる。 【0040】また、温度による補正が不要となるため、炉水の漏洩を検出するに際して、温度補正用の機器を設置することが不要となり、温度計のメンテナンスなどのために確保されていたスペースを削減したり、温度計などの設置個所が不要となり、全体的にコンパクト化を図ることができる。 【0041】また、前記実施形態においては、3つの超音波流量計22、24、26を用いるものについて述べたが、炉水を排出配管18側に排出しないときには、2つの超音波流量計22、24の計測値を基に、すなわち、両者の計測値の差が判定値以上になったときに、炉水の漏洩を検出することができる。 【0042】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、流量計として、冷却材が流れる流路(配管)中の冷却材の流速を基に冷却材の流量を計測する流量計を用いているため、配管内部に絞り部を設置したり、流量計設置場所での静水頭差を考慮する必要がなく、原子炉建屋をコンパクトに設計することが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成13年5月21日(2001.5.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098017 【弁理士】 【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
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| 【公開番号】 |
特開2002−341081(P2002−341081A) |
| 【公開日】 |
平成14年11月27日(2002.11.27) |
| 【出願番号】 |
特願2001−150805(P2001−150805) |
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