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【発明の名称】 エアロック装置
【発明者】 【氏名】井上 佳久

【要約】 【課題】機器搬出入用の台車が通過可能なエアロック装置を提供する。

【解決手段】胴部12内に、バルクヘッド31開口下縁から胴部12長手方向へ略水平に延びる固定通路体35と、外側扉体34の開閉範囲の下方に位置する通路支持体36を常設し、扉体33,34を開放した状態で、バルクヘッド32開口下縁から固定通路体35の上面へ略水平に連なる仮設通路体37を配置し、バルクヘッド31開口下縁から床面27へ連なる内側仮設通路体38と、バルクヘッド32開口下縁から床面28へ連なる外側仮設通路体39を配置することによって、格納容器本体2外方からドライウエル7へ連なる通路面42,40,41を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一端が格納容器本体内方のドライウエルに連通し且つ他端が格納容器本体外方に連通する胴部と、開口を中央部に有し且つ胴部の一端部分に内接して固着した内側バルクヘッドと、開口を中央部に有し且つ胴部の他端部分に内接して固着した外側バルクヘッドと、バルクヘッドごとにドライウエル側に配置され且つ一側縁部を当該バルクヘッドに枢支した内側扉体及び外側扉体と、胴部内に常設され且つ上面が内側バルクヘッドの開口下縁から胴部長手方向中間部分へ略水平に延びる固定通路体と、胴部内に常設され且つ上面が外側扉体の開閉範囲の下方に位置する通路支持体と、該通路支持体上に搭載したときに上面が外側バルクヘッドの開口下縁から固定通路体の上面へ略水平に連なる仮設通路体とを備えたことを特徴とするエアロック装置。
【請求項2】 上面が内側バルクヘッドの開口下縁からドライウエルの床面へ連なる内側仮設通路体を備えた請求項1に記載のエアロック装置。
【請求項3】 上面が外側バルクヘッドの開口下縁から格納容器本体外方の床面へ連なる外側仮設通路体を備えた請求項1及び請求項2に記載のエアロック装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエアロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3はコンクリート製原子炉格納容器の一例であり、この原子炉格納容器は、基礎1に立設された中空構造の格納容器本体2と、該格納容器本体2内方に位置するように基礎1に立設され且つ上部に原子炉圧力容器3を支持するペデスタル4と、前記の格納容器本体2内周面の上下方向中間部からペデスタル4外周面に向かって略水平に延びるダイヤフラムフロア5と、格納容器本体2上端開口部を閉止するトップヘッド6とを備え、格納容器本体2、ペデスタル4、及びダイヤフラムフロア5を、鉄筋コンクリート構造によって一体的に形成させている。
【0003】ダイヤフラムフロア5上面、格納容器本体2内周面、及びトップヘッド6下面によって囲まれるドライウエル7には、原子炉圧力容器3に接続される配管8や機器などが配置され、基礎1上面、格納容器本体2内周面、ペデスタル4外周面、及びダイヤフラムフロア5下面により囲まれるサプレッションチェンバ9には、水10が貯留されている。
【0004】格納容器本体2の側壁部分には、定期検査時に作業者が格納容器本体2外部とドライウエル7の間を行き来するためのエアロック装置11と、ドライウエル7に対する機器の搬出入を行うためのハッチ22とが設けられている。
【0005】図4はエアロック装置11の一例を示すものであり、このエアロック装置11は、格納容器本体2(図3参照)側壁部分を貫通する円筒状の胴部12と、作業者が通行可能な開口を中央部に有し且つ胴部12のドライウエル7(図3参照)寄り部分に内接して固着したバルクヘッド13と、該バルクヘッド13と同形状で胴部12の格納容器本体2外方寄り部分に内接して固着したバルクヘッド14と、バルクヘッド13,14のドライウエル7側に配置され且つ一側縁部が吊軸15,16を介して当該バルクヘッド13,14に枢支された扉体17,18と、これら扉体17,18を作動させる扉開閉機構とを備えている。
【0006】扉開閉機構は、バルクヘッド13,14に付帯して胴部12外方から操作可能なハンドル19,20と、胴部12内で操作可能なハンドル21とを有し、ギヤ、軸など機械的手段によって、各ハンドル19,20,21の回転を扉体17,18へ伝達し、当該扉体17,18を開閉させるようになっている。
【0007】図5はハッチ22の一例を示すものであり、このハッチ22は、格納容器本体2側壁部分を貫通し且つ種々の機器が通過可能な内径を有する胴部23と、該胴部23の格納容器本体2外方寄り端部に同軸に固着され且つ肉厚が倍増されたエンド部材24と、該エンド部材24にボルト締結されて胴部23の格納容器本体2外方寄り端部を閉塞する鏡板25とを備えている。
【0008】ハッチ22を開放する場合には、鏡板25上方に設置されているホイスト26によって鏡板25の荷重を支持したうえ、エンド部材24に対する鏡板25のボルト締結を解除し、ホイスト26の横行作動により、鏡板25をエンド部材24に正対する位置から側方へ移動させる。
【0009】このハッチ22の開閉にあたっては、大重量の鏡板25を移動させる作業や、鏡板25とエンド部材24との気密性を確認する作業が伴うので、ドライウエル7に対して比較的小型の機器だけを搬出入する場合に、ハッチ22を開閉することは得策ではない。
【0010】そこで、エアロック装置11を介してドライウエル7に対する機器の搬出入を行うことが検討されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バルクヘッド13,14の開口下縁は、ドライウエル7側の床面27、胴部12の内底面、及び格納容器本体2外方の床面28よりも高く、段差を形成しているため、機器の搬出入に用いる台車が、エアロック装置11を通過できない。
【0012】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、機器搬出入用の台車が通過可能なエアロック装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載のエアロック装置では、一端が格納容器本体内方のドライウエルに連通し且つ他端が格納容器本体外方に連通する胴部と、開口を中央部に有し且つ胴部の一端部分に内接して固着した内側バルクヘッドと、開口を中央部に有し且つ胴部の他端部分に内接して固着した外側バルクヘッドと、バルクヘッドごとにドライウエル側に配置され且つ一側縁部を当該バルクヘッドに枢支した内側扉体及び外側扉体と、胴部内に常設され且つ上面が内側バルクヘッドの開口下縁から胴部長手方向中間部分へ略水平に延びる固定通路体と、胴部内に常設され且つ上面が外側扉体の開閉範囲の下方に位置する通路支持体と、該通路支持体上に搭載したときに上面が外側バルクヘッドの開口下縁から固定通路体の上面へ略水平に連なる仮設通路体とを備えている。
【0014】また、本発明の請求項2に記載のエアロック装置では、上面が内側バルクヘッドの開口下縁からドライウエルの床面へ連なる内側仮設通路体を備えている。
【0015】更に、本発明の請求項3に記載のエアロック装置では、上面が外側バルクヘッドの開口下縁から格納容器本体外方の床面へ連なる外側仮設通路体を備えている。
【0016】本発明の請求項1乃至請求項3に記載のエアロック装置のいずれにおいても、外側扉体と内側扉体との双方を開放させた状態で、通路支持体上に仮設通路体を搭載して、当該仮設通路体及び固定通路体の双方の上面により両バルクヘッドの下縁に略水平に連なった通路面を形成させ、機器搬出入用の台車が胴部内を通過できるようにする。
【0017】また、本発明の請求項2に記載のエアロック装置においては、ドライウエルの床面に内側仮設通路体を配置して、ドライウエルの床面から胴部内の固定通路体の上面に連なった通路面を形成させ、胴部内とドライウエル内との間での台車の行き来を容易にする。
【0018】更に、本発明の請求項3に記載のエアロック装置においては、格納容器本体外方の床面に外側仮設通路体を配置して、格納容器本体外方の床面から胴部内の仮設通路体の上面に連なった通路面を形成させ、胴部内と格納容器本体外方との間での台車の行き来を容易にする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【0020】図1及び図2は本発明のエアロック装置の実施の形態の一例であり、図中、図4と同一の符号を付したものは同一物を表している。
【0021】このエアロック装置30は、格納容器本体2(図3参照)側壁部分を貫通する円筒状の胴部12と、作業者が通行可能な開口を中央部に有し且つ胴部12のドライウエル7(図3参照)寄り部分に内接して固着した内側バルクヘッド31と、該内側バルクヘッド31と同形状で胴部12の格納容器本体2外方寄り部分に内接して固着した外側バルクヘッド32と、各バルクヘッド31,32のドライウエル7側に配置され且つ一側縁部が吊軸15,16を介して当該各バルクヘッド31,32に枢支された内側扉体33、及び外側扉体34と、これら各扉体33,34を作動させる扉開閉機構と、胴部12内に常設した固定通路体35及び通路支持体36と、台車通過時に使用する仮設通路体37、内側仮設通路体38及び外側仮設通路体39とを備えている。
【0022】固定通路体35は、上面が内側バルクヘッド31の開口下縁から胴部12長手方向へ略水平に延び、外側扉体34の開閉範囲の直近に達している。
【0023】通路支持体36は、上面が外側扉体34の開閉範囲の下方に位置し、外側扉体34の下端部に接触しないようになっている。
【0024】仮設通路体37は、通路支持体36上に搭載すると、上面が外側バルクヘッド32の開口下縁から固定通路体35の上面へ略水平に連なるようになっている。
【0025】内側仮設通路体38は、ドライウエル7に配置すると、上面が内側バルクヘッド31の開口下縁から床面27へ連なるように、また、外側仮設通路体39は、格納容器本体2外方に配置すると、上面が外側バルクヘッド32の開口下縁から床面28へ連なるようになっている。
【0026】図1及び図2に示すエアロック装置30では、外側扉体34と内側扉体33の双方を開放した状態で、通路支持体36に仮設通路体37を搭載して、両通路体35,37の上面によりバルクヘッド31,32の開口下縁に略水平に連なる通路面40を形成し、機器搬出入用の台車が胴部12内を通過できるようにする。
【0027】また、ドライウエル7に内側仮設通路体38を配置して、床面27から前記の固定通路体35の上面に連なる通路面41を形成し、胴部12内とドライウエル7との間での台車の行き来を容易にする。
【0028】更に、格納容器本体2外方に外側仮設通路体39を配置して、床面28から前記の仮設通路体37の上面に連なる通路面42を形成し、胴部12内と格納容器本体2外方との間での台車の行き来を容易にする。
【0029】更にまた、通常時には、仮設通路体37、内側仮設通路体38、及び外側仮設通路体39を取り外して、外側扉体34、内側扉体33が閉止できるようにする。
【0030】なお、本発明のエアロック装置は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のエアロック装置によれば、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【0032】(1)本発明の請求項1乃至請求項3に記載のエアロック装置のいずれにおいても、外側扉体と内側扉体との双方を開放させた状態で、通路支持体上に仮設通路体を搭載して、当該仮設通路体及び固定通路体の双方の上面により両バルクヘッドの下縁に略水平に連なった通路面を形成させるので、機器搬出入用の台車が胴部内を通過できる。
【0033】(2)本発明の請求項2に記載のエアロック装置においては、ドライウエルの床面に内側仮設通路体を配置して、ドライウエルの床面から胴部内の固定通路体の上面に連なった通路面を形成させるので、胴部内とドライウエル内との間での台車の行き来を容易にできる。
【0034】(3)本発明の請求項3に記載のエアロック装置においては、格納容器本体外方の床面に外側仮設通路体を配置して、格納容器本体外方の床面から胴部内の仮設通路体の上面に連なった通路面を形成させるので、胴部内と格納容器本体外方との間での台車の行き来を容易にできる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成13年5月21日(2001.5.21)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2002−341078(P2002−341078A)
【公開日】 平成14年11月27日(2002.11.27)
【出願番号】 特願2001−151467(P2001−151467)