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【発明の名称】 ターンテーブル式核燃料粉末製造装置および当該装置を収めるセル
【発明者】 【氏名】田中 健哉

【氏名】田中 皓

【氏名】吉村 忠宏

【氏名】宗片 英樹

【氏名】浦 治男

【要約】 【課題】被処理物を保持する複数の保持容器の移動時に互いに干渉することを防ぎ、装置が複雑化することを抑制して必要とされる保守作業を容易化する。

【解決手段】機器設置用架台11に複数の処理部、脱硝処理部12、粗砕処理部13、焙焼処理部14、還元処理部15、排出処理部16を備え、各処理部12,13,14,15,16の下方に被処理物を保持する保持容器18を搬送する搬送装置17を設けた。搬送装置17を、複数の保持容器18などが載置されたターンテーブル21と、ターンテーブル21上の保持容器18を回転駆動する容器回転装置22と、ターンテーブル21を昇降駆動する昇降装置23と、ターンテーブル21を回転駆動する旋回装置24とで構成した。ターンテーブル式核燃料粉末製造装置10は、ターンテーブル21の回転に伴い保持容器18が各処理部12,13,14,15,16間を順次回転移動することを特徴とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 硝酸塩を含む被処理物を脱硝する脱硝処理部と、脱硝後の前記被処理物を粗砕する粗砕処理部と、粗砕後の前記被処理物を焙焼する焙焼処理部と、焙焼後の前記被処理物を還元する還元処理部と、還元後の前記被処理物を外部に排出する排出処理部とを備え、回転軸線周りに回転可能とされたターンテーブル上に前記被処理物を保持する複数の保持容器を備え、前記各保持容器は前記ターンテーブルの回転に伴って前記各処理部間を順次移動することを特徴とするターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項2】 前記各保持容器は前記ターンテーブル上において所定の多角形の頂点に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項3】 前記保持容器の下部に接続可能とされて前記保持容器を中心軸線周りに回転駆動する容器回転手段と、前記容器回転手段を昇降駆動して前記容器回転手段と前記保持容器との接続および離脱を行う昇降手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項4】 前記各保持容器を前記各処理部間にて移動させる際に、前記容器回転手段および前記昇降手段を自動的に稼働することを特徴とする請求項3に記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項5】 前記ターンテーブルに接続されて前記ターンテーブルを前記回転軸線周りに回転駆動する旋回手段と、前記旋回手段により回転駆動される前記ターンテーブルと、前記ターンテーブルを昇降駆動する昇降装置との間に設けられた旋回ベアリングとを備えたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項6】 前記昇降装置は、シザーリフト、自動油圧ジャッキ、ラックアンドピニオンのうちの何れかを備えたことを特徴とする請求項5に記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項7】 前記各保持容器の位置を検知する位置センサーを備え、前記位置センサーからの検知信号に基づいて前記容器回転手段および前記旋回手段を稼働して、所定位置に前記各保持容器を配置することを特徴とする請求項5または請求項6の何れかに記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項8】 前記各保持容器を前記各処理部間にて移動させる際に、前記各処理部の下方に前記各保持容器を配置した状態で前記容器回転手段および前記旋回手段を稼働して前記所定位置に前記各保持容器を配置して、前記昇降装置により鉛直方向下方から前記各保持容器を前記各処理部内へ挿入する際に、前記昇降手段により前記保持容器と前記容器回転手段との接続を解除することを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項9】 前記ターンテーブルと前記昇降装置とは一体化されて配置されていることを特徴とする請求項3または請求項4の何れかに記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置。
【請求項10】 請求項1から請求項9の何れかに記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセルであって、前記セルの内部において前記各処理部は前記ターンテーブルの上方で前記各保持容器と対をなすようにして所定の多角形の頂点に配置されたことを特徴とするターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子力関連施設の核燃料製造工程等に使用されるターンテーブル式核燃料粉末製造装置およびターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセルに関する。
【0002】
【従来の技術】原子力関連施設では、二酸化ウラン・二酸化プルトニウム混合酸化物等の核燃料用酸化物を得るために、先ず、硝酸ウラニルや硝酸プルトニウム等の硝酸塩混合溶液を脱硝装置にてマイクロ波を照射することによって脱硝する。次に、脱硝装置にて得られた脱硝体を粗砕装置に移して粗砕し、更に、生成された粉体を粉砕装置から焙焼装置に移して加熱することで焙焼処理を施す。次に、焙焼装置にて得られた焙焼体を還元装置に移し、例えば水素雰囲気中において還元して核燃料用酸化物を得る。次に、この核燃料用酸化物を粉砕装置にて粉砕し、生成した粉末を充填装置により粉末缶に充填する。
【0003】以下に、上記従来技術の一例に係る脱硝・焙焼・還元システムについて図7を参照しながら説明する。図7は従来技術の一例に係る脱硝・焙焼・還元システム1の構成図である。この脱硝・焙焼・還元システム1は、例えばグローブボックス(図示略)内を直線移動する複数の台及び台車2及び2’と、各台車2に載置されて被処理物を保持する保持容器3と、保持容器3内の被処理物に各種の処理を行う複数の処理部、例えば脱硝処理部4および粗砕処理部5および焙焼・還元処理部6および排出処理部7とを備えて構成されている。各処理部4〜7は直線状に配置され、各処理部4〜7を順次移動する複数の台及び台車2及び2’に対して、移動方向と交差する方向の両側からグローブ作業が行われるようになっている。
【0004】例えば、再処理工場から移送された硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液とが混合されて混合溶液が生成され、この混合溶液が保持容器3に供給される。混合溶液を保持する保持容器3は台及び台車2及び2’に載置されて脱硝処理部4に移動させられて、例えばマイクロ波照射等によって脱硝処理が行われる。次に、脱硝処理後の脱硝体を保持する保持容器3は粗砕処理部5に移動させられて、脱硝体の粗砕処理が行われる。次に、粗砕によって生成された粉末は、例えば還元炉を兼ねた焙焼炉を備えた焙焼・還元処理部6に移動させられ、ヒータ等によって焙焼処理が行われる。そして、焙焼処理後の粉末には水素雰囲気中において還元処理が行われる。次に、還元処理後の粉末を保持する保持容器3は排出処理部7に移動させられて、成形工程を行う他の装置へ排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技術の一例に係る脱硝・焙焼・還元システム1においては、グローブボックス内での作業員による直接操作や直接保守が前提となっているため、台及び台車2及び2’の両側からグローブ作業を行うように設定されたグローブボックス内部は幅の狭い形状となっている。これにより、保持容器3が載置された台車2の移動は、直線移動や直線移動を組み合わせた矩形移動となるように設定されている。しかしながら、このような脱硝・焙焼・還元システム1においては、複数の台及び台車2及び2’の自動走行を制御するために、必要となるリミットスイッチ等の個数が増大したり制御システムが複雑化してしまい、システムの保守が頻繁に必要となったり煩雑な手間がかかるという問題が生じる。この場合、グローブ作業によってリミットスイッチ等の微細な部品類を取り扱う必要があるため、作業員に対する作業上、被爆上の負担が大きくなる恐れがある。
【0006】さらに、より放射能が高い被処理物を扱う場合には、例えばセル等の密閉空間内においてマニュピレータ等の遠隔操作装置を用いてシステムの保守作業を行う必要があり、リミットスイッチ等の微細な部品類の交換作業等は、より一層、困難になるという問題が生じる。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、被処理物を保持する複数の保持容器を各処理部間で移動させる際に、保持容器同士が互いに干渉することを防止しながら確実に移動させることができると共に、装置が複雑化することを防いで必要とされる保守作業を容易化することが可能なターンテーブル式核燃料粉末製造装置およびターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置は、硝酸塩を含む被処理物を脱硝する脱硝処理部と、脱硝後の前記被処理物を粗砕する粗砕処理部と、粗砕後の前記被処理物を焙焼する焙焼処理部と、焙焼後の前記被処理物を還元する還元処理部と、還元後の前記被処理物を外部に排出する排出処理部とを備え、回転軸線周りに回転可能とされたターンテーブル上に前記被処理物を保持する複数の保持容器を備え、前記各保持容器は前記ターンテーブルの回転に伴って前記各処理部間を順次移動することを特徴としている。
【0008】上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、ターンテーブルに載置された複数の保持容器は、ターンテーブルの回転に伴って各処理部を順次移動する。このため、ターンテーブルを回転駆動する例えばモータ等の駆動装置を備えるだけで装置を構成することができ、ターンテーブル上に複数の保持容器を載置した場合であっても、各保持容器が互いに干渉すること無しに確実に移動させることができる。しかも、保持容器を移動させる際にはターンテーブルの回転駆動を制御するだけで良いため制御装置を単純化することができ、装置の保守作業に要する煩雑な手間を省くことが可能となり、作業員に対する作業上、被爆上の負担を軽減することが可能となる。
【0009】さらに、請求項2に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置では、前記各保持容器は前記ターンテーブル上において所定の多角形の頂点に配置されたことを特徴としている。上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、例えばターンテーブル上において形成された適宜の多角形の各頂点が、ターンテーブルの回転軸線に対する同心円上に位置するように設定して、これらの各頂点の位置に保持容器を配置する。これにより、ターンテーブルを所定の角度だけ回転駆動するだけで、各保持容器が順次入れ替わるように移動させることができる。
【0010】さらに、請求項3に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置は、前記保持容器の下部に接続可能とされて前記保持容器を中心軸線周りに回転駆動する容器回転手段と、前記容器回転手段を昇降駆動して前記容器回転手段と前記保持容器との接続および離脱を行う昇降手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、ターンテーブル上に載置された保持容器を回転駆動する容器回転手段によって保持容器の位置を調整することができ、位置調整後の保持容器を各処理部内に挿入することができる。さらに、昇降手段によって容器回転手段と保持容器との接続および離脱を行うことができ、例えば保持容器を各処理部内に挿入する際には容器回転手段と保持容器との接続状態を解除することで保持容器を所定位置に固定することができる。
【0012】さらに、請求項4に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置は、前記各保持容器を前記各処理部間にて移動させる際に、前記容器回転手段および前記昇降手段を自動的に稼働することを特徴としている。上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、ターンテーブル上に載置された保持容器を各処理部に対して挿入および離脱する際には、先ず、昇降手段により容器回転手段を各保持容器の下部に接続させた状態で、容器回転手段により保持容器の位置調整を行う。次に、位置調整後の保持容器を各処理部に挿入する際には、昇降手段により容器回転手段と各保持容器との接続状態を解除する。これにより、位置調整後の各保持容器を固定して各処理部に挿入することができ、保持容器に保持された被処理物に対して円滑に各処理を行うことができる。なお、この保持容器の位置調整は脱硝処理部における保持容器の挿入の際のみ実施しても良い。
【0013】さらに、請求項5に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置は、前記ターンテーブルに接続されて前記ターンテーブルを前記回転軸線周りに回転駆動する旋回手段と、前記旋回手段により回転駆動される前記ターンテーブルと、前記ターンテーブルを昇降駆動する昇降装置との間に設けられた旋回ベアリングとを備えたことを特徴としている。
【0014】上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、旋回手段によってターンテーブルを回転駆動することで、ターンテーブル上に載置された複数の保持容器を、各処理部に移動させることができる。ここで、ターンテーブルを昇降駆動する昇降装置とターンテーブルとの間に旋回ベアリング設けることで、昇降装置とは独立して、ターンテーブルを回転駆動することができる。
【0015】さらに、請求項6に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置では、前記昇降装置は、シザーリフト、自動油圧ジャッキ、ラックアンドピニオンのうちの何れかを備えたことを特徴としている。上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、昇降装置であるシザーリフト、自動油圧ジャッキ、ラックアンドピニオン等の何れかを、ターンテーブルを回転駆動する旋回手段と連動して制御することで円滑に各処理を行うことができる。
【0016】さらに、請求項7に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置は、前記各保持容器の位置を検知する位置センサーを備え、前記位置センサーからの検知信号に基づいて前記容器回転手段および前記旋回手段を稼働して、所定位置に前記各保持容器を配置することを特徴としている。上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、位置センサーからの検知信号に基づいて、容器回転手段および旋回手段を回転駆動して保持容器を所定位置に配置した後に、昇降装置により各保持容器を各処理部に挿入する。これにより、各保持容器を確実に所定位置に配置することができ、各処理を円滑に行うことができる。
【0017】さらに、請求項8に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置は、前記各保持容器を前記各処理部間にて移動させる際に、前記各処理部の下方に前記各保持容器を配置した状態で前記容器回転手段および前記旋回手段を稼働して前記所定位置に前記各保持容器を配置して、前記昇降装置により鉛直方向下方から前記各保持容器を前記各処理部内へ挿入する際に、前記昇降手段により前記保持容器と前記容器回転手段との接続を解除することを特徴としている。
【0018】上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、昇降装置によるターンテーブルの昇降動作に伴って、例えばターンテーブルが下降した状態では保持容器と容器回転手段とが接続されて保持容器の位置調整が可能とされ、逆にターンテーブルが上昇させられて保持容器が各処理部に挿入される場合には、保持容器と容器回転手段との接続状態が解除されて所定位置に保持容器を固定することができる。これにより、各処理部に挿入された保持容器に対して円滑な処理を行うことが可能となる。
【0019】さらに、請求項9に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置では、前記ターンテーブルと前記昇降装置とは一体化されて配置されていることを特徴としている。上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、ターンテーブルと昇降装置とが一体化されていることで、装置の構成が複雑化することを防止して、装置に対する保守作業等に煩雑な手間がかかることを防ぐことができる。
【0020】また、請求項10に記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセルは、請求項1から請求項9の何れかに記載のターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセルであって、前記セルの内部において前記各処理部は前記ターンテーブルの上方で前記各保持容器と対をなすようにして所定の多角形の頂点に配置されたことを特徴としている。上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセルによれば、例えばターンテーブル上に載置された各保持容器と対をなすようにして各処理部が配置されることによって、ターンテーブルを所定の角度だけ回転駆動するだけで、各保持容器を各処理部に対して順次入れ替わるように移動させることができ、円滑な処理が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置および該ターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセルの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係わるターンテーブル式核燃料粉末製造装置10の構成を示す要部破断斜視図であり、図2は図1に示すターンテーブル21を鉛直方向上方から見た図であり、図3は図2に示すA−A線断面図であり、図4は図3に示すB−B線断面図であり、図5は図3に示す旋回装置24近傍を拡大して示す図であり、図6は図1に示すターンテーブル式核燃料粉末製造装置10の側面図である。
【0022】本実施の形態に係るターンテーブル式核燃料粉末製造装置10は、例えば内部を密閉状態に維持可能なセル(建家)内に設けられており、機器設置用架台(架構)11に備えられた複数の処理部、例えば脱硝処理部12および粗砕処理部13および焙焼処理部14および還元処理部15および排出処理部16と、各処理部12,13,14,15,16の鉛直方向下方に設けられた搬送装置17とを備えて構成され、例えば再処理工場から移送される硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液からMOXペレットを製造するまでの工程において、成型処理が施される粉末を生成するまでの処理を行う。すなわち、例えば硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液とが混合されてPu富化度すなわちPuの含有率およびPuの同位体組成等が所定の値となるように設定された混合溶液が、脱硝処理部12にて搬送装置17により搬送される保持容器18に供給され、保持容器18が各処理部13,14,15,16を順次移動させられて各処理が施される。
【0023】脱硝処理部12は、例えばマイクロ波脱硝装置からなり、保持容器18の外部からマイクロ波を照射することによって、保持容器18を透過したマイクロ波が混合溶液を加熱し、例えば多数の気孔を有する発泡状態に固化した脱硝体が形成される。粗砕処理部13は、保持容器18内の脱硝体を粗砕する。ここでは、例えば軸線周りに回転させられたスクリュー等が、保持容器18の上方から下降させられ、保持容器18内の脱硝体を粗砕して粉末を形成する。なお、粗砕処理部13は例えば予焙焼用のヒータ等を備えていても良く、このヒータにより粉末の例えば揮発性成分の除去等を行う。
【0024】焙焼処理部14は、例えばヒータ等を備えており、空気雰囲気中において、ヒータにより保持容器18を外部から加熱することによって焙焼処理が施される。還元処理部15は、焙焼処理部14と同様に例えばヒータ等を備えていると共に、例えば水素ガス等の還元性ガスの供給器を備えており、保持容器18内の粉末を還元性ガス雰囲気中で還元処理する。排出処理部16は、例えばバルブ開閉装置19を備えており、適宜の粉末缶(図示略)の上端開口部において保持容器18下端に設けられたバルブを開くことによって、粉末缶に粉末を排出する。
【0025】図1から図6に示すように、搬送装置17は、例えば、ターンテーブル21と、容器回転装置22と、昇降装置23と、旋回装置24とを備えて構成されている。例えば図2に示すように、ターンテーブル21は略円環板状に形成されており、ターンテーブル21上には回転軸線Oを中心とする所定の同心円周上に所定の間隔を置いて複数(例えば6個)の保持容器18などが配置されている。各保持容器18は回転軸線Oと平行な中心軸線P周りに回転可能とされており、例えば図3に示すように、ターンテーブル21を厚さ方向に貫通してターンテーブル21の下面から突出する係合部材31が、保持容器18の下部に接続されている。
【0026】容器回転装置22は、例えばターンテーブル21の下面から突出する係合部材31に係合して保持容器18を回転駆動するものであって、例えば図1および図3に示すように、ターンテーブル21の下方でセル内の底部に固定された昇降装置23に備えられている。そして、容器回転装置22は、図6に示すように、保持容器18を中心軸線P周りに回転駆動する回転モータ32と、回転モータ32を昇降駆動して回転モータ32と係合部材31との係合および離脱を行う昇降モータ33とを備えて構成されている。すなわち、例えば昇降モータ33によって回転モータ32が上昇させられて、保持容器18の下部に接続された係合部材31に係合されると、回転モータ33によって保持容器18の回転駆動が可能となり、逆に、昇降モータ33によって回転モータ32が下降させられて、回転モータ33と係合部材31との接続状態が解除されると、保持容器18が所定位置に固定される。さらに、容器回転装置22は、保持容器18の位置を検知する位置センサー(図示略)を備えており、この位置センサーから出力される検知信号に基づいて搬送装置17の動作が制御されている。
【0027】昇降装置23は、セル内の底部に固定された、例えばシザーリフトからなり、ターンテーブル21を昇降駆動する。なお、昇降装置23はシザーリフトに限定されず、その他の装置、例えば自動油圧ジャッキ、ラックアンドピニオン等であっても良い。旋回装置24は、ターンテーブル21を回転軸線O周りに回転駆動するものであって、図5に示すように、ターンテーブル21の下方において、昇降装置23の上部に備えられている。そして、旋回装置24は、ターンテーブル21を回転軸線O周りに回転駆動する旋回モータ41と、旋回ベアリング42aとを備えて構成されている。ここで、ターンテーブル21の下面には略円環状の外歯歯車43が回転軸線Oと同軸に設けられており、旋回モータ41の回転軸41aに備えられた外歯歯車44によって回転軸線O周りに回転駆動させられるようになっている。さらに、外観略円板状の旋回ベアリング42aは昇降装置23および旋回モータ41に固定されており、旋回ベアリング42aの外周部がターンテーブル21に備えられた外歯歯車43の内周面43Aに当接するように配置されている。すなわち、ターンテーブル21に備えられた外歯歯車43は、旋回モータ41の外歯歯車44と旋回ベアリング42aとによって両側から挟み込まれるようにして配置され、旋回モータ41によって回転駆動される際に、昇降装置23に対して回転可能となるようにされている。
【0028】本実施の形態によるターンテーブル式核燃料粉末製造装置10は上記構成を備えており、以下に、このターンテーブル式核燃料粉末製造装置10の動作について説明する。先ず、例えば位置センサーからの検知信号に基づいて、旋回装置24の旋回モータ41によってターンテーブル21を回転駆動して、適宜の保持容器18が容器回転装置22の上方に位置するように設定する。
【0029】次に、容器回転装置22において、昇降モータ33によって回転モータ32を上昇させて、保持容器18の下部に備えられた係合部材31に回転モータ32を係合する。そして、例えば位置センサーからの検知信号に基づいて、回転モータ32によって保持容器18を中心軸線P周りに回転駆動して保持容器18の位置調整を行う。この後、昇降モータ32によって回転モータ32を下降させて、回転モータ32と係合部材31との接続状態を解除して保持容器18の位置を固定する。次に、昇降装置23によってターンテーブル21を上昇させて、この保持容器18を脱硝処理部12に挿入して、保持容器18に被処理物、例えば硝酸プルトニウム溶液と硝酸ウラニル溶液との混合溶液を供給して脱硝処理を行う。この後、昇降装置23による昇降駆動と旋回装置24による回転駆動とを繰り返して、保持容器18を、順次、各処理部12,13,14,15,16へ移動させて、保持容器18内に保持された被処理物に対して各処理を行う。
【0030】上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置10によれば、ターンテーブル21に載置された複数の保持容器18などは、ターンテーブル21の回転に伴って各処理部12,13,14,15,16を順次移動する。これにより、ターンテーブル21上に複数の保持容器18などを載置した場合であっても、各保持容器18同士が互いに干渉すること無しに確実に各処理部12,13,14,15,16を移動させることができる。しかも、回転装置22によって保持容器18を所定位置に配置した後には、昇降装置23および旋回装置24を作動させるだけで保持容器18(複数)を各処理部12,13,14,15,16間で移動させることができ、制御装置等の装置構成を単純化することができ、装置の保守作業に要する煩雑な手間を省くことが可能となり、作業員に対する作業上、被爆上の負担を軽減することが可能となる。
【0031】また、上記構成のターンテーブル式核燃料粉末製造装置10を収めるセルによれば、ターンテーブル21上に載置された各保持容器18(複数)と対をなすようにして各処理部12,13,14,15,16が配置されることによって、ターンテーブル12を所定の角度だけ回転駆動するだけで、各保持容器18(複数)を各処理部12,13,14,15,16に対して順次入れ替わるように移動させることができ、円滑な処理が可能となる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、ターンテーブル上に複数の保持容器を載置した場合であっても、各保持容器が互いに干渉すること無しに確実に移動させることができる。しかも、保持容器を移動させる際にはターンテーブルの回転駆動を制御するだけで良いため制御装置を単純化することができ、装置の保守作業に要する煩雑な手間を省くことが可能となり、作業員に対する作業上、被爆上の負担を軽減することが可能となる。さらに、請求項2記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、ターンテーブルを所定の角度だけ回転駆動するだけで、各保持容器が順次入れ替わるように移動させることができる。さらに、請求項3記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、容器回転手段によって保持容器の位置を調整することができ、位置調整後の保持容器を各処理部内に挿入することができ、円滑な処理が可能となる。さらに、昇降手段によって容器回転手段を昇降駆動することによって、各保持容器と容器回転手段との接続および離脱を行うことができ、保持容器を各処理部内に挿入する際に、位置調整後の保持容器を所定位置に固定することができる。
【0033】さらに、請求項4記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、旋回手段によってターンテーブルを回転駆動することで、ターンテーブル上に載置された複数の保持容器を各処理部に移動させることができる。ここで、ターンテーブルを昇降駆動する昇降装置とターンテーブルとの間に旋回ベアリング設けることで、昇降装置とは独立して、ターンテーブルを回転駆動することができる。さらに、請求項5記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、保持容器に保持された被処理物に対して円滑に各処理を行うことができる。さらに、請求項6記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、昇降装置であるシザーリフト、自動油圧ジャッキ、ラックアンドピニオン等の何れかを、ターンテーブルを回転駆動する旋回手段と連動して制御することで円滑に各処理を行うことができる。
【0034】さらに、請求項7記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、各保持容器を確実に所定位置に配置することができ、各処理を円滑に行うことができる。さらに、請求項8記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、例えば昇降装置によるターンテーブルの昇降駆動に連動して各保持容器の位置調整および固定を行うことができ、保持容器の移動および固定を容易かつ確実に行うことができる。さらに、請求項9記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置によれば、ターンテーブルと昇降装置とが一体化されていることで、装置の構成が複雑化することを防止して、装置に対する保守作業等に煩雑な手間がかかることを防ぐことができる。また、請求項10記載の本発明のターンテーブル式核燃料粉末製造装置を収めるセルによれば、ターンテーブルを所定の角度だけ回転駆動するだけで、各保持容器を各処理部に対して順次入れ替わるように移動させることができ、円滑な処理が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【識別番号】000224754
【氏名又は名称】核燃料サイクル開発機構
【出願日】 平成13年3月1日(2001.3.1)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2002−257981(P2002−257981A)
【公開日】 平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願番号】 特願2001−57178(P2001−57178)