| 【発明の名称】 |
使用済燃料集合体取扱工具 |
| 【発明者】 |
【氏名】住川 清和
【氏名】北川 裕士
|
| 【要約】 |
【課題】原子力発電所等のプール水内で、使用済燃料集合体をクレーンにより垂下して貯蔵ラック枠内に収納または取り出すのに使用する取扱工具に関し、その操作用筒に浸漬付着の汚染水が作業中に飛散して汚染拡大となるのを阻止する。
【解決手段】ピットクレーンホイストの懸垂用端部4で操作部3を垂下し、その固設部3Aを貫通した操作棒3aを昇降操作部3Bの上下動により把持具3fを作動して使用済燃料集合体をプール水W中でロック、アンロック自在で、固設部3Aの基盤3aと把持具3f間には、操作棒3aの外周側に嵌装の操作用筒3dが連設される。上記構成の使用済燃料集合体取扱工具にあって、固設部3Aから操作用筒3dの外周側にあって、上下方向へ伸縮自在な飛散水防止用蛇腹10を垂設し、かつその蛇腹下部10aにはプール水Wに浮上するフロート11を設け、常に浸漬により操作用筒3dに付着した汚染水の飛散を、完全に阻止可能とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作部には固設部と昇降操作部とが具備され、当該操作部の昇降操作部により上下動自在なるよう前記固設部に貫装した操作棒の下端には、開閉用作動子を設けると共に、この操作棒を軸線上に挿通した操作用筒が固設部から下設されて、当該操作用筒の下端には、複数の係止爪腕が開閉動自在なるよう垂装枢支された把持具を設け、前記した昇降操作部が下位配置にあるときは、前記操作棒の前記開閉用作動子の押動により把持具の係止爪腕が開成されて、取扱対象物である燃料集合体に対するラッチ状態となり、同上昇降操作部を上動操作して上位配置とすることによる操作棒の開閉用作動子によって、前記係止爪腕が上記の燃料集合体に対しアンラッチ状態となるようにした使用済燃料集合体取扱工具において、前記の固設部または操作用筒から、当該操作用筒の外周側にあって、上下方向へ伸縮自在である飛散水防止用蛇腹を垂設すると共に、当該飛散水防止用蛇腹の蛇腹下部にはフロートが設けられていることを特徴とする使用済燃料集合体取扱工具。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は原子力発電所等にあって使用される使用済燃料集合体につき、これをプール水内で把持した垂下状態にて、既知の貯蔵ラック枠内に収納したり、これを取り出したりするために使用されている使用済燃料集合体取扱工具に関するものである。 【0002】 【従来の技術】上記従来の使用済燃料集合体取扱工具Uとしては、図3に開示の如きものが多用されており、これは後に詳記する本発明の場合と同じく、プール水Wに設置の使用済燃料ピットクレーン歩廊1上などにおいて、作業者2が操作することになる操作部3を備えており、これは固設部3Aと昇降操作部3Bとによって構成されている。そして上記昇降操作部3Bの昇降操作により、上下動自在な操作棒3aは、固設部3Aにおける基板3bに貫設されており、その下端には操作棒1aよりも大径に形成された開閉用作動子3cが、同一軸線X−X上にあって連設されている。 【0003】さらに、上記の操作棒3aを同上軸線X−X上にあって挿通するようにした操作用筒3dが、上記した固設部3Aの基盤3bから下設されており、この操作用筒3dにおける下端には、複数の係止爪腕3eが開閉自在なるよう垂装枢支されることで把持部3fが構成されている。そして図3の従来例では、操作棒3aの上端が基盤3bの上側まで貫通され、当該上端には把持ハンドル3gが連設されることで前掲昇降操作部3Bが構成されている。 【0004】そして上記昇降操作部3Bが、下降位置に保持されてた状態にあれば、前説の操作棒3aに下設された開閉用作動子3cより、前同把持部3fにおける係止爪腕3eが、外側に向けて開動され、これにより、ここには図示されていない取扱対象物としての使用済燃料集合体に対し、これを把持して垂下状態に保持したまま、所要箇所へ持ち運び自在となるラッチ状態が得られるようにしてある。 【0005】さらに上記ラッチ状態にあって、昇降操作部3Bにおける把持ハンドル3gを握り、所定高位まで引き上げるようにすれば、操作棒3aが上動されることで前記の開閉用作動子3cが上昇し、この結果把持部3fが押動されることにより、前記した使用済燃料集合体の把持が解脱されるアンラッチの状態が得るよう構成されている。なお同図の4は、使用済燃料集合体を垂下して移送するためのピットクレーンホイストの懸垂用端部を示している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来の使用済燃料集合体工具Uによるときは、図3のようにこれをプール水Wから引き上げる際、前説の操作用筒3dには汚染したプール水Wが付着していることから、当該使用済燃料集合体工具Uをピットクレーンホイストの懸垂用端部4により係垂された状態で、水平に所要箇所へ向けて移行させた際、操作用筒3dに付着の汚染したプール水Wが飛散して、前記の使用済燃料ピットクレーン歩廊1その他のプール近辺を汚染することになる。そこで、当該汚染の拡大を防止する必要から、使用済燃料ピットクレーン歩廊1における作業者2が、引き上げ途上における使用済燃料集合体工具Uにつき、図示の如くゴム手袋5を付けて用紙ウエス6によって操作用筒3dの汚染したプール水Wを拭き取るようにしている。この結果当該拭き取り作業に、作業者2が可成りの時間と労力を費やすことになると共に、当然のことながら作業者は危険な作業を強いられることとなり、しかも使用された用紙ウエス6やゴム手袋5は、大量の汚染物として廃棄処理しなければならないのが現況である。 【0007】本発明は上記従来例が有する欠陥を解消しようとするもので、前説の如き従来の使用済燃料集合体工具Uにあって、その操作用筒3dを飛散水防止用蛇腹によって遊嵌すると共に、その下部にはプール水面に浮上するフロートを設けるようにすることで、使用済燃料集合体工具Uがプール水の水面から引き上げられた状態でも、水面内に押し込まれた状態にあっても、常に当該水面上位に存する操作用筒の外周面が、水面に浮上するフロートの存在によって、飛散水防止用蛇腹により被蔽状態が確保されるようにしている。かくして、操作用筒3dから飛散する汚染されたプール水Wが、飛散水防止用蛇腹によって、外界に飛散してしまうことを完全に阻止可能となし、もってプール水の飛散による汚染の拡大を阻止すると共に、汚染された紙ウエスやゴム手袋の発生問題を完全に解消し、かつ作業者の安全を確保しようとするのが、その目的である。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するため操作部には固設部と昇降操作部とが具備され、当該操作部の昇降操作部により上下動自在なるよう前記固設部に貫装した操作棒の下端には、開閉用作動子を設けると共に、この操作棒を軸線上に挿通した操作用筒が固設部から下設されて、当該操作用筒の下端には、複数の係止爪腕が開閉動自在なるよう垂装枢支された把持具を設け、前記した昇降操作部が下位配置にあるときは、前記操作棒の前記開閉用作動子の押動により把持具の係止爪腕が開成されて、取扱対象物である燃料集合体に対するラッチ状態となり、同上昇降操作部を上動操作して上位配置とすることによる操作棒の開閉用作動子によって、前記係止爪腕が上記の燃料集合体に対しアンラッチ状態となるようにした使用済燃料集合体取扱工具において、前記の固設部または操作用筒から、当該操作用筒の外周側にあって、上下方向へ伸縮自在である飛散水防止用蛇腹を垂設すると共に、当該飛散水防止用蛇腹の蛇腹下部にはフロートが設けられていることを特徴とする使用済燃料集合体取扱工具を提供しようとしている。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明に係る使用済燃料集合体取扱工具につき図1と図2とによって詳記するが、その基本的構成は図3によって説示した内容と同じであり、これを同一符号によって開示すれば以下の通りである。すなわち操作部3には固設部3Aと昇降操作3Bとが具備され、当該操作部3の昇降操作により上下動自在なるよう前記固設部3Aに貫装した操作棒3aの下端には、開閉用作動子3cを設ける。さらにこの操作棒3aを軸線X−X上に挿通した操作用筒3dが固設部3Aから下設されて、当該操作用筒3dの下端には、複数の係止爪腕3eが開閉動自在なるよう垂装枢支された把持具3fを設けるようにしてある。そして上記の昇降操作部3Bが下位配置にあるときは、前記操作棒3aの前記開閉用作動子3cによる押動により把持具3fの係止爪腕3eが開成されて、取扱対象物である燃料集合体に対するラッチ状態となり、同上昇降操作部3Bを上動操作して上位配置とすることによる操作棒3aの開閉用作動子3cによって、前同係止爪腕3eが上記の使用済燃料集合体取扱工具に対しアンラッチ状態となるように構成されている。 【0010】さて本発明では上記のようにして構成された使用済燃料集合体取扱工具に、以下の構成が付加されていることになる。すなわち、前記した固設部3Aまたは操作用筒3dから、当該操作用筒3dの外周側にあって、それ自体既知の如く上下方向へ伸縮自在なるよう構成された飛散水防止用蛇腹10を垂設し、しかもこの飛散水防止用蛇腹10の蛇腹下部10aにはフロート11が設けられている。ここで上記した飛散水防止用蛇腹10の蛇腹上部10bを取着すべき箇所として図1、図2(A)に開示の如く固設部3Aを選定した場合には、その基盤3bの下面にビス止め、接着等適宜の手段で取着するのがよく、また操作用筒3dを選定した場合には、当然のことながら図2(B)により理解されるように、基盤3bの近傍下位における操作用筒3dの上部にあって、飛散水防止用蛇腹10の上部10bを、これまた接着とか縛止するといった手段で取着するのがよい。この場合には操作用筒3dの最上箇所に上端周面部3hが露呈することになるが、当該箇所はプール水W中に没入されることがないので、汚染したプール水が飛散する虞はない。 【0011】また、フロート11については、図示例の如く輪状に形成するのが望ましいけれども、もちろん分断状であってもよく、また材質としては合成樹脂による発泡材とか、チューブ状のものを用いることができると共に、その取着箇所として図1(A)、図2(A)のように飛散水防止用蛇腹10の蛇腹下部10aをフロート11上にあって取着するのが望ましいが、図2(B)のように同上蛇腹下部10aがフロート11の中空箇所11aに嵌着しているとか、実際上は当該蛇腹下部10aが多少フロート11の中空箇所11aから延出していても使用することができる。 【0012】本発明は上記のようにして構成されているので、ピットクレーンホイストの懸垂用端部4に係止して吊下した使用済燃料集合体取扱工具を、図1(A)に開示のように深くプールW内に進入させて、前説の通りプールW中にあって燃料集合体をラッチ状態としたりアンラッチ状態とした際には、フロート11は常にプール水Wの水面に浮上することになることから、飛散水防止用蛇腹10は圧縮状体となって縮小され、この結果プール水Wである汚染された水が付着されている操作用筒3dは、当該飛散水防止用蛇腹10によって外界から遮蔽されることになる。 【0013】また、図1(B)に開示の如く吊下状態の使用済燃料集合体取扱工具が前掲図1(A)の状態から引き上げられて、水平移動されるようになった際にあっても、前同様にフロート11は前同水面に浮上するから、プール水W内に浸漬されて濡れた操作用筒3dは、これまた飛散水防止用蛇腹10により隠蔽されて露呈することがないため、汚染したプール水Wの飛散は完全に防止されることになる。 【0014】 【発明の効果】本発明は以上のようにして構成されているから、フロートを付した飛散水防止用蛇腹を前記した適所に伸縮自在なるよう垂設することで、操作用筒を被装してしまい、フロートはプール水の水面に対して追随自在なるよう浮上することから、操作用筒のプール水により濡れた部分が外界に露呈しないので、当該プール水の飛散を、どのような状態下にあっても労せずして防止することが可能となり、従って汚染されたプール水による汚染の拡大を高い信頼性をもって防止し得ることになる。このため、従来の如く操作用筒を拭くための作業員は不要となり、当然のことながら操作用筒を拭いた用紙ウエスとか、作業員の使ったゴム手袋等の廃棄物量を削減することが可能となる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000165697 【氏名又は名称】原子燃料工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090435 【弁理士】 【氏名又は名称】齋藤 義雄
|
| 【公開番号】 |
特開2002−257979(P2002−257979A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月11日(2002.9.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−61127(P2001−61127) |
|