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【発明の名称】 燃料クレーン自動位置決め装置
【発明者】 【氏名】村田 直史

【氏名】前川 明寛

【氏名】前田 達志

【氏名】曽田 大輔

【要約】 【課題】本発明は位置決め穴にガイドピンを全自動で嵌め合せ、燃料集合体、燃料移送クレーンを自動的に連結できる燃料クレーン自動位置装置に関する。従来ガイドピンの位置決め穴への嵌合せは人手によっていたが、作業が困難であり正確な位置決め難しく、吊り上げ途中で外れる等の不具合があった。本発明はこの不具合を解消する装置の提供を課題とする。

【解決手段】本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、位置決め穴にガイドピンを挿入出来る位置に、グリッパを自動的に配置する燃料クレーン自動位置決め装置に、グリッパの粗位置決め制御手段、精位置決め制御手段を備え、ガイドピン、位置決め穴の相対位置が大のとき、粗位置決め制御手段で燃料移送クレーンを移動させ、相対位置を小にした後、精位置決め制御手段でクレーンを制御し、ガイドピンを位置決め穴位置に配置するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 燃料集合体の上方に連結された上方ノズルに穿設された位置決め穴に、燃料移送クレーンから吊り下されたグリッパから垂下されたガイドピンを挿入出来る位置に、前記グリッパを自動的に配置するための燃料クレーン自動位置決め装置において、前記グリッパの粗位置決め制御手段と精位置決め制御手段とを備え、前記ガイドピンと前記位置決め穴との相対位置が大きくづれているときは、前記粗位置決め制御手段により前記ガイドピンと前記位置決め穴との相対位置を小さくし、相対位置が小さくなった後前記精位置決め制御手段により、前記ガイドピンを前記位置決め穴に配置するようにしたことを特徴とする燃料クレーン自動位置決め装置。
【請求項2】 前記粗位置決め制御手段が、前記燃料集合体の配置データとレゾルバからのグリッパ実位置信号とで作成された、グリッパ粗位置目標軌道信号により前記燃料移送クレーンを移動させるとともに前記グリッパ実位置信号をフィードバックすることにより、前記グリッパ粗位置目標軌道信号を修正する変位制御部からなり、前記精位置決め制御手段が前記グリッパと前記位置決め穴位置との相対位置を検出し、精位置補正信号を作成し、前記グリッパ粗位置目標軌道信号を修正した精位置データ信号により前記燃料移送クレーンを移動させる移動量決定部からなることを特徴とする請求項1の燃料クレーン自動位置決め装置。
【請求項3】 前記精位置補正信号を作成する前記グリッパと前記位置決め穴位置との相対位置を検出し、前記移動量決定部に距離信号を出力する外界センサが、大きい相対位置検出に好適なセンサと、小さい相対位置検出に好適な複数のセンサとからなることを特徴とする請求項2の燃料クレーン自動位置決め装置。
【請求項4】 前記粗位置決め制御手段が、同列に並んでいる前記燃料集合体を把持するときの前記精位置データ信号を基に、前記燃料集合体の配置ずれの傾向を求め、前記グリッパ粗位置目標軌道信号を修正するようにしていることを特徴とする請求項1の燃料クレーン自動位置決め装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料集合体上端に連結された鋼製の正方形の上部ノズルの枠体の対角上に穿設された位置決め穴に、燃料移送クレーンから上部ノズル鉛直上方に吊り下したグリッパの下端から垂下させたガイドピンを嵌め合せて位置決めを行い、グリッパに設けられた開閉する爪で上部ノズルとグリッパとを係合させて燃料集合体を吊り上げるために、自動的に位置決め穴位置にガイドピンを移動させる燃料クレーン自動位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所で使用される核物質を充填した燃料棒の取替え作業は、例えば、17本×17本の燃料棒を集合させた燃料集合体上部に連結された上部ノズルの枠体の対角に上方に開口させた位置決め穴直上に、上部ノズルと係合させる連結用の爪を下端に設けたフィンガー及び位置決めに嵌合され上部ノズルとの位置合せを行うガイドピン等が具備されたグリッパを燃料移送クレーンから吊り降ろし、ガイドピンを位置決め穴に挿入して、上部ノズルとグリッパとの位置合せを行った後、爪を上部ノズルに設けた連結穴に係合させて、燃料クレーンで吊り上げて燃料集合体を原子炉容器内から取り出すようにしている。
【0003】即ち、図7に示すように、原子炉格納容器1内の原子炉キャビティ2底面に設けられた原子炉容器4内に設置され、約4mの長さのステンレスチューブ製の図8に示す燃料棒5に充填された核物質に核反応を起させ、高温、高圧の発電を行う蒸気を発生させる燃料集合体3は、縦・横に17本×17本、又は14本×14の約4mの長さ燃料棒5と核反応速度を制御するスパイダー等を燃料棒5の間に適宜配置したものからなる。
【0004】このような燃料集合体3は、全体形状が箱体をなすように縦,横に並べられ、例えば、100体以上からなる燃料集合ユニット10にされて、漲水された原子炉キャビティ2内の底面を掘り下げて区画された原子炉容器4内に収容されて稼動させるようにしている。
【0005】このような燃料集合体3のうち、反応が終了した燃料棒5又は微小な変形が生じた燃料棒5を含む等、燃料棒5を取替える必要のある燃料集合体3、又は原子炉容器4内の配置位置の違いにより生じる核燃料の反応速度に差が生じるのを防止するために、燃料集合ユニット10内での配置を変える必要のある燃料集合体3は、原子炉容器4内に収容されている燃料集合ユニット10から個別に取り出し、原子炉格納容器1外の使用済燃料ピット6、キャスクピット又は除染場に移し、新燃料貯蔵庫9に保管されている新規の燃料集合体3と取り替えられ、若しくは燃料棒5の取り替えを行い、若しくは変形を修正した燃料棒5を再装填した燃料集合体3は再び燃料集合ユニット10の規定位置に移すことが行われている。
【0006】このために、約25mの水面下に燃料集合体3が設置される原子炉格納容器1内の水面上方には走行レール11が敷設されると共に、この走行レール11上を走行する燃料移送クレーン12が設けられ、特に、原子炉格納容器1内では縦横(X,Y方向)に自在に走行でき、移送を行う燃料集合体3の略鉛直上方に移動できるようにしている。また、原子炉格納容器1外に設置されたキャスクピット7の略同じ高さの上方にも、走行レール11′、燃料移送クレーン12′を設け、原子炉格納容器1の側壁に設けた燃料移送管13から燃料集合体3を外部へ取り出し、又は外部から内部へ搬入できるようにしている。
【0007】また、燃料移送管13で外部へ取り出され、又は外部から内部へ搬入された燃料集合体3を、燃料移送管13内を通過させる姿勢と燃料移送クレーン12、12′で吊り下げる姿勢にするために、燃料移送装置14を設けるようにしている。また、図8(a)に示すように、燃料移送クレーン12には鋼製のマストチューブ15が鉛直方向(Z方向)に昇降可能に設けられており、このマストチューブ15の下端部には吊り上げ金具28を介して、グリッパチューブ16が装着されている。
【0008】また、燃料集合体3を燃料集合ユニット10から抜き出し、又は挿入するために、所定の燃料集合体の直上に垂下されるグリッパチューブ16の下端に取り付けられ、グリッパチューブ16の下端に取り付けられた円形の上部プレート23の軸心部に穿設された穴を貫通し、自在に燃料移送クレーン12に設けた駆動装置により昇降できるようにしたインナチューブ25下端には、グリッパ17が取り付けられている。このグリッパ17を下降させることにより、グリッパ17から垂設したガイドピン18を、燃料集合体3の上部に設けた上部ノズル20の枠体39の対角上に設けた位置決め穴33に嵌合せするようにしている。
【0009】即ち、上部プレート23を貫通し上下動するインナチューブ25の下端部12には、グリッパ17上端に設けられた円形の下部プレート26の中央にあけられた孔を自在に下降できるようにし、グリッパ17全体と共に下降させるようにしたガイドピン18を設け、位置決め穴33に嵌合せるようにしている。なお、同図において、29はグリッパーチューブ16上昇時、燃料移送クレーン12との衝突を防止するためのリミットスイッチ、30は連結部材27を押し下げ、リンク機構によりフィンガー22下端部を拡開するエアシリンダー24に空気を供給するための空気供給室、31はガイドキーである。
【0010】一方、前述したように、ステンレス管からなり内部に核反応物質を充填した燃料棒5を、縦,横に17本づつ配置した燃料集合体3の上方には、グリッド19を介して上述した鋼製の上部ノズル20が連結されている。この上部ノズル20は、図9に示すように正方形の枠体39と枠体内に張設された板体42からなり、枠体39の上端部四隅には、グリッパ17と上部ノズル20との結合時、ガイドピン小径部38を自在に昇降させるガイドピン大径部40下端が当接し、間隔を一定にするための間隔保持材32が立設されている。
【0011】この間隔保持材32のうち、対角に配置された2本の間隔保持材32には、上述したように、下降して来るガイドピン小径部38を挿入するための位置決め穴33が穿設され、上記ガイドピン小径部38をこの位置決め穴21に嵌め合せ、さらに、グリッパ17をマストチューブで下降させることにより、上部ノズル20とグリッパ17とが、図8(c)で示す状態になったときエアシリンダ24の駆動により、フィンガー22の枢支点間に連結されている連結部材27を押し下げることにより、フィンガー22の下端部が外側に押し拡げられることにより、グリッパ17と上部ノズル20とが、フィンガー22下端に設けられた爪により係合し、グリッパ17と上部ノズル20とは連結される。
【0012】また、ガイドピン18上方のガイドピン大径部40は、上部プレート23と下部プレート26の間に設けられ、軸心方向と平行に配設されたスリーブ41内部を自在に上下動すると共に、ガイドピン大径部40上端部外周との間にはスプリングが巻回されており、このスプリングがガイドピン18を常時下方に押し付けるように作用し、ガイドピン18のスプリングによる下方への押し付けにより、図8(c)に示す上部ノズル20とグリッパ17との連結状態が、安定して保持されるようにしている。
【0013】また、図8(c)に示す連結状態を解除するためには、ガイドピン18上方に巻回されているスプリングの押し付力に抗して、インナチューブ25を若干引き上げ、インナチューブ25を回動させることにより、フィンガー22の爪21が上部ノズル20と係合している孔と周方向位置からずらされることにより、フィンガー22下端の爪21が上部ノズル20の係合部から引き離され、爪21による連結を解除した後、マストチューブ15を上昇させることにより、グリッパ17と上部ノズル20との係合を解除することができる。
【0014】さらに、図9に示すように、上部ノズル20には、四隅に立設された間隔保持材32の隣接部、即ち枠体39からなる上部ノズル20の枠体39上方には、グリッド19の上端部に設けた前述した板体42を被覆する蓋34を上方から押付け保持するため、直角三角形状にされ、頂部に押圧のため水平面が形成され、高さ方向に設けた垂直部材が枠体39中に挿入され、蓋34を押圧するリーフスプリング35が設けられている。
【0015】なお、図9において、図9(a)は平面図、図9(b)は側面図、図9(c)は底面図であり、図9(a)、図9(c)に示すように、リーフスプリング35がその上方に配置される上部ノズル20の枠体39の内部には、燃料棒5を燃料集合体3の所定位置に挿入するための燃料棒挿入孔36が、縦、横に17個(相当)、核反応速度を制御するための図示省略したスパイダーを挿入制御するためのスパイダー挿入孔37が穿設された板体42が配設され、その上方に蓋34を設け前述したようにリーフスプリング35で固定するようにしている。
【0016】従来の燃料集合体3を把持して吊り上げ、所定の位置に移送するために、燃料移送クレーン12と燃料集合体とを連結するグリッパ17および上部ノズル20は、上述の様に構成されているために、グリッパ17の下部プレート26から垂下されているガイドピン18の小径部38が、間隔保持材32に穿設されている位置決め穴33内に設計値で規定された長さ、具体的にはガイドピン18の大径部40下端が位置決め穴33の開口に接するまで挿入されている限り、燃料移送クレーン12上の操作員の操作によるマストチューブ15の昇降により、燃料集合体3は鉛直方向に昇降し、昇降する燃料集合体3の周辺に配置されている他の燃料集合体3、又は原子炉容器4等に衝突して破損させるようなこともなく、燃料集合体3の移送はスムーズに行うことができる。
【0017】このように燃料集合体3の掴み方は、図8(c)に示すように、燃料集合体3の上部に連結されている上部ノズル20の枠体39の対角線上に穿設されている位置決め穴33の鉛直上方に、グリッパーチューブ16下端部に設けたグリッパ17を案内し、グリッパ17から垂下されているガイドピン小径部を位置決め穴33に嵌め合せ、ガイドピン大径部40に穿設されたスリーブ内部に設けられた、スプリングが常に押付けて摺動する構造の下方の小径部38を下降させることにより、ガイドピン18の下端を位置決め穴33の底面に着底させた後、エアシリンダ24の回動で下降する連結部材27により、フィンガ22下端部を拡開させることにより、爪21が上部ノズル20に設けた係合部に噛み合うことにより、上部ノズル20とグリッパ17、換言すれば、燃料集合体3とマストチューブ15とは確実に連結され、燃料移送クレーン12に設置された駆動装置によりマストチューブ15を昇降させることにより、燃料集合体3も昇降できる構造にされている。
【0018】しかしながら、上述した上部ノズル検出装置を使用したこの作業では、燃料集合体3の掴み損ねが発生することがあり、その原因としては、上部ノズル20とグリッパ17との位置決め不良に起因するものが多く、即ち、従来位置決めでは、キャビティフロアから双眼鏡で25m水面下の目視確認等で行っており、このため、燃料集合体3の位置によりグリッパ17のガイドピン18が上部ノズル20の位置決め穴33に、正確に嵌め合わされた状態であるか否かの確認は、オペレータが目視で最終的に行う困難な状態でなされており、このために作業者の経験による判断で燃料集合体3を掴み、吊り上げるために発生する燃料集合体3の掴み損いが生じることがある。
【0019】即ち、この燃料集合体3の掴み損いは、昇降時又は移送時にグリッパ17と上部ノズル20との係合が外れる最悪の状態が生じ、若しくは昇降姿勢を崩して昇降を行う燃料集合体3は勿論のこと、燃料集合ユニット10の他の燃料集合体3又は原子炉容器等の損傷に連がり、しかも作業員が接近できない場所で起ることが多いために、このようなトラブルが絶対にない様にする必要があり、燃料集合体3の移送に当っては経験豊富なオペレータを必要とし、しかも、作業員が近付くことができない場所でガイドピン18を設計値で規定された長さ位置決め穴33に挿入するための微妙な操作が必要となり、燃料集合体3の移送には多大な時間を必要とすると共に、燃料移送クレーンのオペレータに荷重な負担を課すことになる不具合があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の燃料集合体を吊り上げるときに生じていた上述した不具合、即ち、ガイドピンが位置決め穴位置に正確に、しかも、所定長さ挿入された状態であるか否かの確認が困難で、燃料集合体の掴み損いによって生じる不具合、移送クレーンの操作に熟練オペレータを必要とする不具合、さらには、燃料集合体の吊り上げ移送に長時間を要する不具合を解消するために、従来人の手でおこなわれていた作業を全自動化することで、燃料集合体の吊り上げ時に生じる燃料集合体の掴み損いを確実に防止でき、また、吊り上げ作業時間が短縮され、さらには経験豊富な作業者が不要となるため人件費を低減することができ、また被爆の危険性から完全に解放できる燃料クレーン自動位置決め装置を提供することを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、次の手段とした。
【0022】(1)燃料集合体の上方に連結された上方ノズルに穿設された位置決め穴に、燃料移送クレーンから吊り下されたグリッパから垂下されたガイドピンを挿入出来る位置に、グリッパを自動的に配置するための燃料クレーン自動位置決め装置において、グリッパの粗位置決め制御手段と精位置決め制御手段とを備え、ガイドピンと位置決め穴との相対位置が大きくずれているときは、粗位置決め制御手段により燃料クレーンを移動させ、ガイドピンと位置決め穴との相対位置を小さくしたのち、精位置決め制御手段により燃料クレーンを移動させ、ガイドピンを位置決め穴に嵌め合わせることができるように正確に配置するようにした。
【0023】(a)これにより、従来人手で行われていたガイドピンと位置決め穴との嵌め合いを、全自動化することができる。また、嵌め合いの為の位置決め作業の前半は、干渉物がないため粗位置決め制御手段により、燃料移送クレーンを高速で移動させることができ作業時間を短縮できるとともに、位置決め作業の後半は、精位置決め制御手段により燃料移送クレーンを微速移動させて、ガイドピンを嵌め合いを行う位置決め穴に正確に位置決めすることができる。
【0024】また、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、上述(1)の手段に加え次の手段とした。
【0025】(2)粗位置決め制御手段が、燃料集合体の配置データと、レゾルバからのグリッパ実位置信号とで作成されたグリッパ粗位置目標軌道信号により燃料移送クレーンを移動させるとともに、グリッパ実位置信号をフィードバックすることにより、グリッパ粗位置目標軌道信号を修正する変位制御部からなり、精位置決め制御手段がグリッパと位置決め穴位置との相対位置を検出し、精位置補正信号を作成し、この精位置補正信号によりグリッパ粗位置目標軌道信号を修正した、精位置データ信号により燃料移送クレーンを移動させる移動量決定部からなるものとした。
【0026】(b)これにより、上述(a)に加え、グリッパ位置信号をフィードバックして修正されたグリッパ粗位置目標軌道信号で、燃料移送クレーンがグリッパ粗位置に移動され、ガイドピンと位置決め穴との相対位置を示す画像等により、数値情報にされた精位置補正信号により、グリッパ粗位置目標軌道信号を修正した精位置データ信号により燃料移送クレーンをグリッパ精位置まで自動的に移動させるので、作業時間がより短縮できるとともに、グリッパのより精度の高い位置決めができるようになる。
【0027】また、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、上述(2)の手段に加え、次の手段とした。
【0028】(3)精位置補正信号を作成するグリッパと位置決め穴位置との相対位置を検出し、移動量決定部に距離信号を出力する外界センサが、大きい相対位置検出に好適なセンサと、小さい相対位置検出に好適な複数のセンサとからなるものとした。
【0029】一例として、外界センサには視野範囲が大きいものの精度的には劣るTVカメラ、視野範囲及び精度が通常のものにされているTVカメラ、視野範囲は劣るものの精度的には優れた超音波センサ等を、目的に応じて使用することが好ましい。すなわち、大きい相対位置における位置決めをするときには、視野範囲が大きいTVカメラを使用し、小さい相対位置における位置決めをするときには、画像精度に優れた超音波センサを使用し、中間段階では通常のTVカメラを使用して位置決めすることが好ましい。さらには、グリッパとガイドピンとの相対距離に応じて、センサの使用に重み付けをして使用するようにすればより好ましいものとなる。
【0030】(c)これにより、上述(b)に加え、複数センサを使用することによりグリッパ位置の検出誤差をさらに低減することができ、グリッパとガイドピンとの位置合わせ精度を上げることができる。また、複数センサから得られた距離信号のうち小さい信号を採用することにより、燃料移送クレーンで移動させられるグリッパが、位置決め穴の位置を通り過ぎることがなくなり、迅速なグリッパと位置決め穴との嵌め合わせができようになる。さらに、検出特性の異なるセンサを採用することにより、グリッパ若しくはガイドピンの何れかがセンサの視野外に位置する場合においても、視野の大きいセンサの使用により対応が容易になり作業効率が向上する。
【0031】また、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、上述(2)の手段に加え次の手段とした。
【0032】(4)粗位置決め制御手段が、同列に並んでいる燃料集合体を把持するときの精位置データ信号を基に燃料集合体の配置ずれの傾向を推測し、この推定にもとづき、グリッパ粗位置目標軌道信号を修正するものにした。なお、グリッパ粗位置目標軌道信号の修正には、燃料集合体の配置ずれの精位置データ信号の算術平均値を採用するようにしても良い。
【0033】(d)これにより、上述(b)に加え、粗位置決め開始時にガイドピンは、出来るだけ位置決め穴に近づけておくことができ、粗位置決め制御に要する時間を短くでき、作業効率が向上する。また、上述(3)の手段と同様にグリッパ若しくはガイドピンの何れかがセンサの視野外に位置する場合においても、視野外補正の実施回数を低減することができ、ガイドピンの位置決め穴への嵌合時間を短縮でき作業効率が向上する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、図7〜9に示す部材と同一部材には、同一符号を付して説明は省略する。
【0035】図1は本発明の燃料クレーン自動位置決め装置の実施の第1形態を示すグリッパ位置決め装置の制御構成を示すブロック図、図2はグリッパ位置決め装置の制御フローを示す図である。図1において、50はグリッパ目標軌道信号、51はグリッパ目標指令信号、52はグリッパ変位制御部がインタロック制御も行えるものにされている。
【0036】53はクレーン12の走行、グリッパ17を昇降させる駆動装置としてのモータ、54はグリッパ17の昇降量を検出するレゾルバ(エンコーダ)である。55は燃料集合体3吊り上げ時の荷重を計測すると共に、グリッパ17と上部ノズル21とを係合させるときはガイドピン18が正常に位置決め穴33に挿入されているか否かを検出するロードセルである。
【0037】即ち、ロードセル55は、図3に示すように吊り上げ金具28に一端が繋着され、レゾルバ54に巻回されて、他端が構造物に繋着されたワイヤー49の途中に介装されており、グリッパ17のガイドピン18が上部ノズル20の位置決め穴33に未挿入の場合には、図3(b)に示すように、一定の総荷重信号61を出力するが、挿入された場合には、一定の総荷重信号61以下になるため、総荷重信号61を常時グリッパ変位制御部52で常時検出しておくことにより、ガイドピン18が正常に位置決め穴33に挿入されているかどうかの異常監視をすることができる。
【0038】また、56はグリッパ17と燃料集合体3の連結位置(上部ノズル20)との相対位置を検出する外界センサ、57はセンサ56からの検出信号を入力し、ガイドピン18と位置決め穴33との間の距離を検出し距離信号58を出力する演算部である。58は外界センサ57からの距離信号58を入力し精位置補正信号59を出力する移動量決定部、62はレゾルバ54の回転から算出されクレーン変位制御部52に出力されるグリッパ位置信号である。このように、クレーングリッパ位置決め装置の制御装置は構成され、燃料集合体3の配置データにより燃料集合体3把持のためのグリッパ17の粗位置を決定し、クレーン12を移動させる。
【0039】さらに、グリッパ17のガイドピン18と位置決め穴33との距離を外界センサ56(TVカメラ)から入力された信号により演算部57(TVカメラ)により決定し、決定された距離信号58を入力した移動量決定部59で決定された精位置補正信号60によりグリッパ17の精位置を決定して変位制御する。
【0040】即ち、図2の制御フローに示すように、1)燃料集合体3の配置データを基にグリッパ粗目標位置信号(Xr ,Yr ,Zr )を導出、さらにグリッパ17を吊り下すレゾルバ54の回転によるエンコーダ信号からグリッパ実位置(x,y,z)を検出して、両者から目標軌道信号50(xr (t),yr (t),Zr (t))を自動作成する。
【0041】〔粗位置決め制御〕
2)目標軌道信号50(xr (t),yr (t),Zr (t))に応じてクレーン12を駆動し、レゾルバ54の回転から検出されるグリッパ実位置(x(t),y(t),z(t))を用いて位置フィードバックを実施して、粗目標位置(Xr ,Yr ,Zr )までグリッパを到達させる。 〔粗位置決め制御〕
3)TVカメラからなる外界センサ56の画像検出により燃料集合体3の上部に連結された上部ノズル20に設けられた位置決め穴33位置を検出し、ガイドピン18との相対的な位置関係(xc ,yc ,zc )を導出して位置フィードバックを実施し、(xc ,yC ,zC )→(0,0,0)にするようにグリッパを到達させ,ガイドピン18を位置決め穴33に挿入させる。
【0042】〔精位置決め制御〕
4)また、グリッパ17上部に取り付けられているロードセル55からグリッパ17に加わる荷重を検知、ガイドピン18が正常に位置決め穴33に挿入されているか異常監視する。 〔精位置決め制御〕
5)また、TVカメラ画像検出によりZ軸周りの回転θを検出、θが嵌め合いに支障をきたさない程度に充分小さいか監視する。 〔精位置決め制御〕
このように、粗位置決め制御と精位置決め制御を併用して行うことにより、a)従来人の手によって行われてきた、ガイドピン18と位置決め穴33との嵌め合いを全自動化することにより、経験豊富な作業員が不要になる。
【0043】b)位置決め制御前半は干渉物が介在しないために、粗位置決め制御を適用することにより、高速でグリッパ17を移動することができる。即ち、位置決め制御前半では作業時間の短縮が可能になる。
【0044】c)精位置決めには外界センサ56(TVカメラ)を使用して画像による位置検出を実施することにより、ガイドピン18と位置決め穴33との相対位置を数値情報として取りこむことができるので精度の高い位置決めが可能になる。
【0045】d)図5(c)に示すように、総荷重信号61と、ガイドピン18が位置決め穴33に正常挿入される場合の正規データとを常時比較することで、自動的に正常挿入の可否を判断することができる。
【0046】次に、図4は本発明の燃料クレーン自動位置決め装置の実施の第2形態を示すグリッパ位置決め装置の制御構成を示すブロック図である。
【0047】本実施の形態のグリッパ位置決め装置においては、粗位置決めセンサとしては、実施の第1形態と同様のクレーン12のレゾルバ54を使用すると共に、外界センサ56として、TVカメラ、超音波センサ、レーザセンサ等の複数センサを使用して、ガイドピン18と図5(a)に示すように縦・横に配設された燃料集合体3のうちの吊り上げを行う燃料集合体3の位置決め穴33との相対位置をそれぞれ検出し、各センサから出力された距離信号64のうち小さい値を採用し、移動量決定部59に出力するようにしている。
【0048】本実施の形態の燃料クレーン位置決め装置では、外界センサ56として複数センサを使用することによりTVカメラ等による外界センサ56による検出誤差がさらに低減し、移動量決定部59ではさらに精度の高い精位置補正信号が得られ、グリッパ17(ガイドピン18)と位置決め穴33との間の相対距離を、より精度の高いものにできる。さらに、外界センサ56から出力される複数センサから出力された距離信号63のうちの小さい値を採用することにより、グリッパ17が動きすぎて位置決め穴33を通りすぎることがなくなり、迅速なガイドピン18と位置決め穴33の嵌め合いが可能になる。
【0049】また、外界センサ56に設ける複数センサとしては、図5(b)に示すように、大きな計測視野範囲は計測できるが、精度が劣るTVカメラ■、計測視野範囲、計測精度共に中程度のTVカメラ■、計測視野範囲は狭いが、計測精度において秀れる超音波センサ■、又は直進性に秀れ計測精度がより向上するレーザセンサ等を計測段階で使い分けるようにすることが好ましい。
【0050】また、グリッパ精位置補正信号60に応じて、図5(d)に示すようにTVカメラ■、TVカメラ■、超音波センサ■の使用範囲に重み付けを行い距離信号64を検出し、移動量決定部59に各センサからの距離信号64を出力するようにしてもよい。又は図5(e)に示すように、グリッパ精位置補正信号60に応じてセンサーを使い分けて距離信号64検出し、移動量決定部59に各センサからの距離信号64を出力するようにしても良い。
【0051】次に、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置の実施の第3形態について説明する。
【0052】本実施の形態においては、粗位置決めによりグリッパ17が位置決め穴33付近に近づいて精位置決めを開始する際に、ガイドピン18か位置決め穴33のいずれかがTVカメラ等からなる外界センサ56の視野外に位置して、ガイドピン18と位置決め穴33の相対位置が検出できない場合に、TVカメラ■等の視野範囲の大きい副次センサにより、ガイドピン18および位置決め穴33のおおまかな位置を検出して、ガイドピンと位置決め穴33の両者がTVカメラ等外界センサ56の視野内に入るようグリッパ17の位置制御をするようにした。
【0053】本実施の形態の燃料クレーン自動位置決め装置によれば、粗位置決め制御開始時に、ガイドピン18か位置決め穴33のいずれかが、TVカメラ等の外界センサ57又は63の視野外に位置して相対位置が検出できない場合にも対応可能になり、より迅速なガイドピン18と位置決め穴33の嵌め合いが可能になる。
【0054】さらに、本発明の燃料クレーン自動決め装置の実施の第4形態としてグリッパ位置決め装置の制御について図6にもとづき説明する。
【0055】本実施の形態では、同列に並んでいる燃料集合体3把持時の精位置データをもとに、燃料集合体3の配置ずれの傾向をつかみ、その傾向から粗位置決め位置を推定して補正するようにした。即ち、図6に示すように、配置された燃料集合体3の精位置データがNo.1燃料集合体3では2mm、No.2燃料集合体3では3mm、No.3燃料集合体3では1mmであった場合、No.4燃料集合体3を把持する際には、(2+3+1)/3=2mmの算術平均値を使って、粗位置補正を実施するように粗決め手段の補正に精位置の平均値を適用するようにした。一例として平均値の適用事例を述べたが、最小二乗方等による推定を利用して配置ずれ傾向を掴むようにしても良い。
【0056】このように、同列に並んでいる燃料集合体3を把持する際に、精位置データをもとに燃料集合体3の配置ずれ傾向をつかみ、新たに把持する燃料集合体の粗位置決め位置を補正するようにしたことにより、実施の第3形態で行うようにした視野外補正の実施回数の低減が可能となる。また、精位置決め開始時になるべくガイドピン18と位置決め穴33とを、できるだけ近づけておくことにより精位置決め制御に要する時間の低減が可能になる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、燃料集合体上方の上方ノズルに穿設された位置決め穴にグリッパから垂下されたガイドピンを挿入出来る位置に、グリッパを自動的に配置する燃料移送クレーン自動位置決め装置において、グリッパの粗位置決め制御手段と精位置決め制御手段とを備え、ガイドピンと位置決め穴との相対位置が大きいときは、粗位置決め制御手段で燃料移送クレーンを移動させ、ガイドピンと位置決め穴との相対位置を小さくし、精位置決め制御手段で燃料移送クレーンを移動させ、ガイドピンを位置決め穴に配置するようにした。
【0058】これにより、ガイドピンと位置決め穴とのはめあいが全自動化でき、嵌合い作業の前半は、粗位置決め制御手段で燃料移送クレーンを高速で移動でき作業時間を短縮でき、作業の後半は、精位置決め制御手段で燃料移送クレーンを移動させ、ガイドピンを嵌合う位置決め穴に正確に位置決めできる。
【0059】また、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、粗位置決め制御手段が、燃料集合体の配置データと、レゾルバからのグリッパ実位置信号とで作成したグリッパ粗位置目標軌道信号により、燃料移送クレーンを移動させ、グリッパ実位置信号をフィードバックし、グリッパ粗位置目標軌道信号を修正する変位制御部からなり、精位置決め制御手段がグリッパと位置決め穴位置との相対位置を検出し、精位置補正信号を作成し、グリッパ粗位置目標軌道信号を修正した精位置データ信号で燃料移送クレーンを移動させる移動量決定部からなるものとした。
【0060】これにより、グリッパ実位置信号をフィードバックして得られたグリッパ指令信号で燃料移送クレーンがグリッパ粗位置に移動され、さらに、ガイドピンと位置決め穴との相対位置を示す画像等により、数値情報にされた精位置補正信号により、グリッパ粗位置目標軌道信号を修正した精位置データ信号で燃料移送クレーンをグリッパ精位置まで移動させるので、作業時間がより短縮できグリッパのより精度の高い位置決めができるようになる。
【0061】また、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、精位置補正信号を作成するグリッパと位置決め穴位置との相対位置を検出し、移動量決定部に距離信号を出力する外界センサが、大きい相対位置検出するセンサと小さい相対位置検出する複数のセンサとからなるものとした。
【0062】これにより、複数センサの使用によりグリッパ位置の検出誤差をさらに低減でき、グリッパとガイドピンとの位置合わせ精度を上げることができる。また、複数センサから得られる距離信号の小さい信号を採用することにより、移動するグリッパの位置決め穴位置を通過することがなくなり、迅速なグリッパと位置決め穴との嵌め合わせができる。さらに、検出特性の異なるセンサの採用により、グリッパ、ガイドピンの何れかが視野外に位置する場合でも、大視野のセンサ使用で対応が容易になり作業効率が向上する。
【0063】また、本発明の燃料クレーン自動位置決め装置は、粗位置決め制御手段が、同列に並べた燃料集合体を把持するときの精位置データ信号を基にした、燃料集合体の配置ずれの傾向からグリッパ粗位置目標軌道信号を修正するものにした。
【0064】これにより、精位置決め開始時、ガイドピンを出来るだけ位置決め穴に近ずけておくことができ、精位置決め制御に要する時間を短くでき、作業効率が向上する。また、グリッパ、ガイドピンの何れかがセンサの視野外に位置するときでも、視野外補正の実施回数を低減でき、ガイドピンの位置決め穴への嵌合時間を短縮でき作業効率が向上する。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成13年1月18日(2001.1.18)
【代理人】 【識別番号】100069246
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 新 (外1名)
【公開番号】 特開2002−214384(P2002−214384A)
【公開日】 平成14年7月31日(2002.7.31)
【出願番号】 特願2001−10741(P2001−10741)