| 【発明の名称】 |
原子炉監視試験片保持装置とその固定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】森 敦史
【氏名】佐伯 綾一
【氏名】金澤 寧
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| 【要約】 |
【課題】試験片ホルダを原子炉から容易に取り出すことのできる原子炉監視試験片保持装置を提供する。
【解決手段】遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した試験片保持装置は固定板を有しており、この固定板を介してせん断部を有するせん断ボルトを用いて所定位置に固定し、前記ボルトの周辺を局部的にタック溶接して当該ボルトの回転を防止するように構成しているので、原子炉の上部にある燃料交換機の上あるいは作業床から相当(約20m)離れた下方の原子炉の炉内に設置された原子炉監視試験片保持装置の一部に設けられたボルトを操作治具により回転させるとタック溶接が外れ、ボルトのせん断部が切断されるので、フックを用いて炉外へ容易に取り出すことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した原子炉監視試験片保持装置の固定方法において、前記原子炉監視試験片保持装置は固定板を有し、当該固定板を介してせん断部を有するせん断ボルトを用いて所定位置に固定し、当該ボルトの周辺を局部的にタック溶接して必要時でない場合における当該ボルトの回転を防止することを特徴とする原子炉監視試験片保持装置の固定方法。 【請求項2】 原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した原子炉監視試験片保持装置において、前記試験片保持装置は固定板を有し、当該固定板を介してせん断部を有するせん断ボルトを用いて所定位置に固定し、当該ボルトの周辺を局部的にタック溶接して当該ボルトの回転を防止することを特徴とする原子炉監視試験片保持装置。 【請求項3】 前記せん断ボルトは、ボルト頭、ボルト座、断面を細くしたせん断部及びネジ部が一体的に結合され、前記ボルト座はボルト頭の横断面より突出した円形又は多角形のつば状又は棒状であり、当該つば状の周辺部又は棒状端部を前記固定板に局所的にタック溶接され、かつ前記ボルト頭の側面に凹部を有することを特徴とする請求項2記載の原子炉監視試験片保持装置。 【請求項4】 原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した原子炉監視試験片保持装置において、前記試験片保持装置は固定板とフックを有し、当該固定板が局所的にタック溶接されて所定位置に固定されると共に、前記固定板と前記フックは前記タック溶接を引き離すために必要な強度を充分越える強度を有する構成としたことを特徴とする原子炉監視試験片保持装置。 【請求項5】 前記固定板は長尺状であり、少なくとも1ケのフックは前記固定板の端部に設けられ、かつ前記少なくとも1ケの端部に設けられたフックより内側で局所的にタック溶接されたことを特徴とする請求項4記載の原子炉監視試験片保持装置。 【請求項6】 前記固定板は長尺状であり、前記フックを前記固定板から離間した位置に設けて、前記固定板の端部あるいは前記フックと前記端部の間で局所的にタック溶接されていることを特徴とする請求項4記載の原子炉監視試験片保持装置。 【請求項7】 原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した試験片ホルダと、前記試験片ホルダを保持するブラケットとからなる原子炉監視試験片保持装置において、前記ブラケットはその軸方向及び周方向に前記試験片ホルダを挿入する内側に向かって突出する複数のディンプリングを有し、前記ディンプリングが前記試験片ホルダを前記ブラケット内部の所定位置に保持し、前記ホルダと前記ブラケット内面との間に原子炉冷却水が流れる間隙を形成したことを特徴とする原子炉監視試験片保持装置。 【請求項8】 前記試験片ホルダは試料を収納するパイプ状ホルダ部とハンドル部及び把持部とからなり、取り出し治具のフックが係合する位置が前記パイプ状ホルダの軸心と一致するように構成されたことを特徴とする請求項7記載の原子炉監視試験片保持装置。 【請求項9】 原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取出される原子炉監視試験片を収納した試験片ホルダと前記試験片ホルダを保持するブラケットからなる原子炉監視試験片保持装置において、前記試験片ホルダは照射試験片用ブラケットに収納保持され、放射線ドジメータ用ホルダはドジメータ試料を収納するパイプ状ホルダ部とハンドル部とで構成され、前記ハンドル部の下部は前記ブラケットに溶接などにより固着された下部サポートにタック溶接され、前記ハンドル部の上部は前記ブラケットに溶接などにより固着された上部サポートにタック溶接され、更に前記ハンドル部上端部には上方から回転力を伝えるボルト状部が形成されていることを特徴とする原子炉監視試験片保持装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は原子炉の炉内に監視試験片を設置する原子炉監視試験片保持装置及びその固定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】原子炉構造材は非常に強い中性子やガンマ線等の放射線に照射されている。一般の構造材の機械的性質は放射線の照射量、特に中性子線の照射量に伴って劣化することが知られている。従って放射線の照射量の蓄積に伴い原子炉構造材の健全性も低下する可能性がある。また、原子炉は高温高圧で運転されるため、原子炉を構成する原子炉圧力容器は放射線照射下で十分な健全性を残したまま寿命を終えるように設計されている。 【0003】現実には、原子炉は設計のみでなく、その設計の妥当性を実際に経時的に確認しながら運転が続けられている。設計の妥当性を実際に経時的に確認する方法として、「原子炉健全性監視試験片」が原子炉内の適切な場所に設置された原子炉監視試験片ホルダに収納されており、中性子線などの放射線に、例えば加速的に照射されて放射線照射の影響を調べる方法がとられている。試験片と放射線、特に中性子の照射量を測定するドジメータ(照射量測定試料)がそれであり、定期的に停止して原子炉を検査する(定期検査、定検ともいう)期間に試験片とドジメータが取り出される。ドジメータとしては従来から殆どの場合中性子を検出するものが用いられているので、ドジメータをニュートロンドジメータと呼ぶことにする。たまにはガンマ線を検出するものが用いられることもある。なお、以下の説明で試験片とドジメータの両者の一方又は両者を合せて単に試験片という。 【0004】試験片を収納した試験片ホルダは通常水深約20メートルに設置してある原子炉監視試験片保持装置に収納してあり、試験片ホルダの取り出し作業では原子炉の上方にある床あるいは燃料交換機の上から取り出すことになる。従来、試験片ホルダを原子炉から取り出すには多くの時間がかかっており、このため定検期間が延び、原子炉の稼働率低下を招いていた。 【0005】能率的な取り出し作業を行うためには適切な装置だけでなく、試験片とそのホルダとの固着やかじりなどを生じさせないような工夫が必要であり、従来、そのような工夫は必ずしも満足なものとは言えなかった。例えば微量の鉄錆などにより、試験片やホルダを固定しているネジが固着したり、あるいは炉水の流れが停滞して鉄錆が蓄積したりするという構造上の問題が残されていた。このため、固着した試験片やホルダを取り外すため大掛かりなボルト切断用の放電加工装置や遠隔把持装置が必要であった。 【0006】従来用いられてきた試験片用ホルダの構造とその取付け方法の具体例を、図10〜図15を用いて詳細に説明する。図10は原子炉外周付近の一部縦断面図、図11は図10のB−B矢視図、図12は図10のC−C矢視図である。 【0007】図に示すように、箱型の加速照射試験片用ホルダ(試験片ホルダという)1はボルトを用いて上部格子板6に固定されている。また、原子炉圧力容器4の内壁面で炉心中央高さ付近に、ニュートロンドジメータホルダ(ドジメータホルダという)2と、照射試験片用ホルダ(照射試験片ホルダという)3が取り付けられている。照射試験片ホルダ3を保持収納するブラケット10は圧力容器壁面の肉盛座(壁面に例えば溶接で3〜5mm程度の高さに盛り上げた平らな座面)8の3ケ所で溶接などにより固定されている。このブラケット10の側面にはドジメータを収納したドジメータホルダ2を収納するドジメータ用ブラケット9が溶接などにより固定されている。ドジメータホルダ2はドジメータ用ブラケット9の中に挿入保持される。5はシュラウド、7は燃料である。 【0008】図13は図11の試験片ホルダの斜視図である。図に示すように、試験片ホルダ1は両端が厚い金属板で補強されており、接続板13を介して固定板11に一体的に固定され、固定板11は左右2本の止めネジ12により上部格子板6に固定されている。止めネジ12は周方向の1ないし2ケ所においてタック溶接(取り外し時にトルクを掛けることにより簡単に切断できる程度に行う溶接)15を行って、原子炉運転中にネジが緩んで試験片ホルダ1が位置ずれなどを起こさないように配慮されている。このような構造の場合、上部格子板6と止めネジ12とが共にステンレス鋼製であるため、1〜2年後に取り出すとき、鉄錆などで固着してネジ12にトルクを掛けてもかじってしまい動かなくなる場合が時々生じていた。14はフックである。 【0009】図14(A)は図12のドジメータホルダとそれを収納保持しているブラケットの斜視図である。ドジメータホルダ2はドジメータ用ブラケット9の保持部16に挿入保持されており、ドジメータホルダ2の上端部2aはガイド部17の一部を立ち上げて構成された保持部16aによって保持されている。 【0010】図14(B)はドジメータホルダの側面図、図14(C)は図(B)のドジメータホルダの下端部の斜視図である。下端部はパイプ状のホルダ18となっており、主として高速中性子と反応して放射化し、その強度が中性子照射量の増加と共に増加する例えば鉄、銅、ニッケルなどのようなドジメータがこのホルダ18の中に収納されている。 【0011】原子炉の健全性監視用試験片とドジメータとが相俟って、「放射線照射量と原子炉材料の機械的特性との相関」に関する貴重なデータが取得される。下端部18のパイプ状ホルダはハンドル部19の下端と下部プラグ18aとによって全周溶接などによって密封されている。パイプ状ホルダの直径を例えば10mmに設計すると、原子炉運転中の位置ずれや振動防止等の関係から、ブラケットの内径は10.5ないし11mm程度とされ、またパイプ状ホルダの上端部は例えば製造上理由から9ないし9.5mmとなる。原子炉冷却水は図14において上から下へ流れるため、ごく微量ながら冷却水に含まれている鉄錆などが僅かな隙間に詰まる可能性がある。このようにしてドジメータホルダ2は原子炉定検中に上方へ引き抜こうとしても引き抜けなくなってしまう可能性が無しと言えなかった。 【0012】この様にして固着したドジメータホルダ2をブラケット9から取り外すためには、半自動制御の把持装置、かじりや固着部分を切断する放電加工装置などの大掛かりな装置が必要とされていた。一方この様な問題が発生しなければ、図15に示すような把持部を備えた棒状の取り外し治具43を用いて容易に原子炉の深い場所から取り外すことができる。同図(A)は取り外し治具の正面図、同図(B)は同側面図である。この取り外し治具の全長は4m程度であり、通常燃料交換機の一部に取り付けてあるホイストなどで吊り下げて使用される。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、試験片ホルダを原子炉から容易に取り出すことのできる原子炉監視試験片保持装置及びその固定方法を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した原子炉監視試験片保持装置の固定方法において、前記原子炉監視試験片保持装置は固定板を有し、当該固定板を介してせん断部を有するせん断ボルトを用いて所定位置に固定し、当該ボルトの周辺を局部的にタック溶接して必要時でない場合における当該ボルトの回転を防止することを特徴とする。 【0015】請求項2記載の発明は、原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した原子炉監視試験片保持装置において、前記試験片保持装置は固定板を有し、当該固定板を介してせん断部を有するせん断ボルトを用いて所定位置に固定し、当該ボルトの周辺を局部的にタック溶接して当該ボルトの回転を防止することを特徴とする。 【0016】請求項3記載の発明は、前記せん断ボルトは、ボルト頭、ボルト座、断面を細くしたせん断部及びネジ部が一体的に結合され、前記ボルト座はボルト頭の横断面より突出した円形又は多角形のつば状又は棒状であり、当該つば状の周辺部又は棒状端部を前記固定板に局所的にタック溶接され、かつ前記ボルト頭の側面に凹部を有することを特徴とする。 【0017】請求項1ないし請求項3記載の発明によれば、上方即ち原子炉の上部にある燃料交換機の上あるいは作業床から相当(約20m)離れた下方の原子炉の炉内に設置された原子炉監視試験片保持装置の一部に設けられたボルトを操作治具により回転させるとタック溶接が外れ、ボルトのせん断部が切断されるので、フックを用いて炉外へ取り出すことができる。 【0018】請求項4記載の発明は、原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した原子炉監視試験片保持装置において、前記試験片保持装置は固定板とフックを有し、当該固定板が局所的にタック溶接されて所定位置に固定されると共に、前記固定板と前記フックは前記タック溶接を引き離すために必要な強度を充分越える強度を有する構成としたことを特徴とする。 【0019】請求項5記載の発明は、請求項4記載の原子炉監視試験片保持装置において、前記固定板は長尺状であり、少なくとも1ケのフックは前記固定板の端部に設けられ、かつ前記少なくとも1ケの端部に設けられたフックより内側で局所的にタック溶接されたことを特徴とする。 【0020】請求項6記載の発明は、請求項4記載の原子炉監視試験片保持装置において、前記固定板は長尺状であり、前記フックを前記固定板の端部から離間した位置に設けて、固定板の端部あるいはフックと前記端部の間で局所的にタック溶接されていることを特徴とする。 【0021】請求項4ないし請求項6記載の発明によれば、固定板とフックが十分な強度を有すると共に、例えばテコの原理を効果的に用いているため、タック溶接が容易に取れ、フックを用いて炉外へ取り出すことができる。 【0022】請求項7記載の発明は、原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した試験片ホルダと、前記試験片ホルダを保持するブラケットからなる原子炉監視試験片保持装置において、前記ブラケットはその軸方向及び周方向に前記試験片ホルダを挿入する内側に向かって突出する複数のディンプリングを有し、前記ディンプリングが前記試験片ホルダを前記ブラケット内部の所定位置に保持し、前記ホルダと前記ブラケット内面との間に原子炉冷却水が流れる間隙を形成したことを特徴とする。 【0023】請求項8記載の発明は、請求項7記載の原子炉監視試験片保持装置において、前記試験片ホルダは試料を収納するパイプ状ホルダ部とハンドル部及び把持部とからなり、取り出し治具のフックが係合する位置が前記パイプ状ホルダの軸心と一致するように構成されたことを特徴とする。 【0024】請求項7及び請求項8記載の発明によれば、試験片ホルダと試験片ホルダを保持するブラケット内面との間に間隙を形成して原子炉冷却水が流れるようにしたので、原子炉冷却水に僅かながら含まれる鉄錆のようなものが間隙に沈積することが殆どなくなり、固着現象が起こりにくい。さらに引き抜き時の試験片ホルダの変形が生じない構造を提供すると共に、上方から回転力を与えて万一の固着の時にも容易に取り外しができる。 【0025】請求項9記載の発明は、原子炉の炉内に設置し、遠隔操作で炉内から取り出される原子炉監視試験片を収納した試験片ホルダと前記試験片ホルダを保持するブラケットからなる原子炉監視試験片保持装置において、前記試験片ホルダは照射試験片用ブラケットに収納保持され、放射線ドジメータ用ホルダはドジメータ試料を収納するパイプ状ホルダ部とハンドル部とで構成され、前記ハンドル部の下部は前記ブラケットに溶接などにより固着された下部サポートにタック溶接され、前記ハンドル部の上部は前記ブラケットに溶接などにより固着された上部サポートにタック溶接され、更に前記ハンドル部上端部には上方から回転力を伝えるボルト状部が形成されていることを特徴とする。 【0026】請求項9記載の発明によれば、放射線ドジメータ用ホルダ頂部のボルト状の部分で上方から回転力を加えられると、タック溶接部が外れ、放射線ドジメータ用ホルダはボルト状部分を掴んで炉外へ持ち上げることができる。 【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる原子炉監視試験片保持装置とその固定方法の実施の形態を図に基づき説明する。図1は本発明の第1実施形態(請求項1ないし請求項3対応)である試験片ホルダの斜視図である。 【0028】図に示すように、試験片ホルダ1は、その両端に一体となるように構成した固定板11と、上部に取り外し時に把持するフック22と、固定板11を上部格子板6に設置固定するせん断用ボルト21とを備えており、このボルト21が原子炉の運転中に緩まないように1個所以上をタック溶接15で回り止めされている。 【0029】図2は図1のせん断ボルト部分の側面図である。上部格子板6に加工してあるネジ穴にせん断用ボルト21で固定板11を固定する。ボルト21の回り止めとして少なくとも1個所のタック溶接15を行ない、取り外し時には、ボルト21の頭にトルクを負荷することでタック溶接15を切断できるよう、試験片ホルダ1を設置する前に溶接の条件を決めておく。なお、本図では例示的にタック溶接15を2個所で施した場合を示している。 【0030】図3はせん断用ボルトの構造図であり、同図(A)は側面図、同図(B)はその斜視図である。ボルト21の頭の下にはボルト座23を設け、タック溶接を行うときこのボルト座23の一部を溶加材なしでアーク熱で溶かすことにより溶接を容易にできるように工夫されている。このボルト座23は取り外し時にトルクを掛けたときに、溶接部に大きなトルク荷重がかかるようにボルト頭(六角柱や四角柱もしくは円柱で二面幅を加工した形状)の外接円の直径より大きく設計されており、板厚も溶接しやすいように座の全体か、その先端部分のみを1mm〜3mm厚さに設計している。このボルト座23は円盤状である必要はなく、同図(C)に示すように六角形23aでもよく、あるいは四角形又は円筒状の二面を平らにしたものなどでもその機能を果たすことができる。 【0031】ボルト21の首下のネジ部に移る軸部分は、せん断部24として細く製作されており、取り外し時のトルクによりタック溶接と一緒に破断するように設計されている。 【0032】せん断用ボルト21の側面には凹部25を有し、凹部25と嵌め合う凸部を有する操作治具によりせん断用ボルト21を取り外した際に、せん断用ボルト21が操作治具から脱落し炉内に脱落することを防止するように設計されている。 【0033】図4は本発明の第2実施形態(請求項4及び請求項5対応)である試験片ホルダの斜視図である。本実施形態では、試験片ホルダ1の底に当たる部分は固定板26として厚い板を一体で構成し、この固定板26の両端に取り外し時に荷重を掛けて、引き上げるためのフック28を取付けている。 【0034】試験片ホルダ1を取付ける場合はフック28からなるべく離れた位置の固定板に1ないし4個所ほどのタック溶接27を行って上部格子板6に固定する。図では前面に2個所溶接した状態を示してあり、固定のバランス上、反対側に1〜2個所を追加して溶接してもよい。取り外すときは両端のフック28を把持して上方向に荷重を掛けるとき、片方ずつ持ち上げるとテコの原理で溶接部にモーメント力が作用して容易にタック溶接部を破断することができる。また、試験片ホルダ1の取付けの前に、同じ寸法の固定板とフックのついたモデルで、タック溶接を行ない破断試験を行うことにより確実な施工条件を設定できる。さらに、条件を決める場合、タック溶接点数(1ないし4個所)や大きさ、位置が制約条件ではなく、運転中のホルダの固定条件と破断時の荷重との関係から任意に溶接量を決めることができる。 【0035】図5は本発明の第2実施形態(請求項4及び請求項6対応)の変形例の試験片ホルダの斜視図である。本変形例では、試験片ホルダ1の設置場所が他の機器との干渉や、溶接のし難さを考慮して、固定板26の両端にタック溶接29を行っている。この場合フック30が両端にあると十分なモーメント力が溶接部に負荷しないので、フック30の位置を固定板26の両端より内側に設けて小さな上方向の荷重を掛けることで溶接を容易に切断できるように構成する。 【0036】また、固定板26は荷重を掛けるとき、試験片ホルダ1全体が変形しないように板厚を厚くしているが、タック溶接する部分のみ局部的に薄くしたり、薄い板厚の突き出し部を設けて、この部分を溶接のアーク熱で溶かすことで、溶加材なしで容易に溶接できるように構成することも可能である。 【0037】図6は本発明の第3実施形態(請求項7対応)であるニュートロンドジメータホルダの保持部の構成図であり、同図(A)は斜視図、同図(B)はその一部断面図である。 【0038】図に示すように、保持部31に所々、ディンプリング32という凹みをつけて内側に突き出している。この突き出し量は、同図(B)に示すように、図中矢印で示したR寸法がニュートロンドジメータホルダの外径と同じか、僅かに小さくしてある。保持部31の内径は従来よりも広げて、原子炉の冷却材の流速により鉄錆が溜まらないように設計されており、さらに、カルマン渦による流体振動やポンプのベーン通過周波数により共振しないように、このディンプリング32により支持するためである。保持部31は一般にステンレス鋼で製作するため、ディンプリング32がばねの役目をしてニュートロンホルダを保持することができる。ディンプリングの数は保持部の同一断面に対向して2個所に設け、軸方向の他の断面位置では方位を例えば90度ずらして、同じように2個所のディンプリングを設ける。 軸方向異なる3つ以上の断面に、対向するディンプリングを設けて、ニュートロンドジメータホルダを保持する。 【0039】図7は本発明の第3の実施形態(請求項8対応)の変形例であるニュートロンドジメータホルダの一部を示す斜視図である。図に示すように、ニュートロンドジメータホルダのハンドル部34の外径(S寸法)をパイプ状ホルダ33の外径(T寸法)と略同じ寸法とし、接続部はハンドル部34の先端をホルダ33のパイプの内径に合わせて加工し、これを差し込んで全周溶接35する。このハンドル部34先端の加工部分は、鉄錆が溜まらないように溶接のビードで埋めた後、加工してS,T寸法と略同じ寸法にして段差をなくし、取り外しやすい構造としている。 【0040】従来のニュートロンドジメータホルダの収納用ブラケットは図14に示すとおり、内径10mm前後のパイプ状の保持部(パイプ状ホルダ18)を有するが、この内径とニュートロンドジメータホルダ2のハンドル部19の外径(約10mm)との隙間が僅かしかなかったため、ここに鉄錆などが堆積してニュートロンドジメータホルダ2のハンドル部19が保持部に固着してしまうという現象が生じ、ニュートロンドジメータホルダの把持部を掴んで引き上げようとしても計画した荷重では引き上げられなくなる。図7の構成により、ニュートロンドジメータホルダが固着するのを防止し取り外しを容易に行うことができる。 【0041】図8は本発明の第3の実施形態(請求項8対応)の他の変形例であるニュートロンドジメータホルダの上端部の側面図である。図に示すように、ハンドル部34の上部は、上方向に引き上げるとき(従来は図15に示す取り外し治具43を使っている)、荷重がハンドル部34及びパイプ状ホルダ33の軸芯と同芯に作用するように、把持部の上部の円弧の中心をハンドル部及びパイプ状ホルダの芯と一致して成形する。上部の円弧状の把持部は、逆三角形やひし形形状に代えても本実施の形態の目的を果たすことができる。 【0042】従来のニュートロンドジメータホルダは図14(B)に示すとおり、試験片を入れるパイプ状ホルダ部分18の外径よりハンドル部19の外径が細くなっているため、取り外すときにこの段差と、ここに溜まった鉄錆により、ニュートロンドジメータホルダを保持部から抜きにくくしているが、本発明は上記のような構造であるので、取り外しやすいものである。 【0043】図9は本発明の第4実施形態(請求項9対応)の構成図であり、同図(A)は照射式試験片用ブラケットの斜視図、同図(B)はニュートロンドジメータホルダの取付け状態を示す斜視図である。 【0044】同図(A)に示すように、上部サポート37と下部サポート38を溶接などにより照射試験片用ブラケット10の側面に取付ける。 このサポートは半円弧状の切り欠きを有し、図のように上部の切り欠き位置と下部の切り欠き位置をずらしてある。同図(B)に示す六角ボルト頭、もしくはトルクを伝達できる形状(多角形のブロックや円筒状のものの両サイドを平らに加工したもの)を上部に備え、ハンドル部とパイプ状ホルダは図7に示すように同じ外径にした構造のニュートロンドジメータホルダを、このサポート37,38に取り付け、サポートの上側からタック溶接により固定する。取り外し時には、六角ボルト頭などの形状をもつ上部に遠隔操作用レンチをおき、同時にハンドル部との段差部を把持してトルクを掛け、タック溶接を切断してから上部へ引き上げる。このときサポートの円弧状切り欠き部がずらしてあることにより、ハンドル部の残った下部サポートとのタック溶接金属が上部のサポートと干渉しないようにする。約10mm径のニュートロンドジメータホルダの場合、ハンドル部に残るタック溶接の周方向長さが僅か数mmであることから、上下サポートの円弧状切り欠き部のずらし量は60度から90度あれば足りる。この場合に下部サポートの形状は、タック溶接の位置のずれも考慮して設定すれば円弧状のリングでもよい。また上下サポートの高さはニュートロンドジメータホルダがカルマン渦による流体振動やポンプによるベーン通過周波数により共振しないように固定位置を決めればよい。 【0045】 【発明の効果】以上説明したように、本発明により監視試験片保持装置とその固定方法が従来より簡単容易となり、原子炉運転後、定期検査時に取り外すとき、複雑な切断装置や自動の把持具を用いずに、簡単な取り外し治具によりトルクを掛けたり、上方向の荷重を掛けることにより固定部のタック溶接を破断して取り外すことができる。これにより、原子炉の定期検査期間を短縮し、さらには原子炉の稼動率を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成12年12月14日(2000.12.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087332 【弁理士】 【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−181985(P2002−181985A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−380295(P2000−380295) |
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