| 【発明の名称】 |
インターナルポンプ |
| 【発明者】 |
【氏名】川畑 誠二
【氏名】戸谷 哲也
【氏名】菊島 潤
【氏名】林 洋二郎
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| 【要約】 |
【課題】モータ冷却水流路の圧力損失を低減することにより、設備の大型化を招くことなくモータ冷却性能を向上できるインターナルポンプを提供する。
【解決手段】シャフト3の外周側を支持する上部ベアリング10aの外周側をベアリングハウジング13で支持し、上部ベアリング10aの上部にベアリングカバー11を設け、冷却水を、上部ベアリング10aとシャフト3との間の径方向隙間よりなる第1流路部101、ベアリングカバー11とポンプケーシング2との間の隙間よりなる第2流路部102、及びベアリングハウジング13を径方向に貫通して設けた第3流路部103を含む冷却水流路を介し、第3流路部103より高い位置に設けたノズル部14へ導くインターナルポンプにおいて、第1流路部101の下流側から第3流路部103の上流側までの間に、流路面積拡大部を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】原子炉圧力容器底部に設置されたポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内部で前記原子炉圧力容器を貫通するシャフトと、前記原子炉圧力容器内で前記シャフトに固定されるインペラと、前記原子炉圧力容器外に設置され前記シャフトを回転駆動するウェットモータ部と、前記ウェットモータ部上・下にそれぞれ設けられた上・下部ベアリング手段とを備え、かつ、前記上部ベアリング手段は、前記シャフトの外周側を径方向隙間を介し支持し、前記上部ベアリング手段の外周側を、前記ポンプケーシング内周側に設けたベアリングハウジングで支持し、前記上部ベアリング手段の上部にベアリングカバーを設け、前記ウェットモータ下部に設置された補助インペラで前記ウェットモータ部に送り込んだ冷却水を、前記上部ベアリング手段と前記シャフトとの間の前記径方向隙間よりなる第1流路部、前記ベアリングカバーと前記ポンプケーシングとの間の隙間よりなる第2流路部、及び前記ベアリングハウジングを径方向に貫通して設けた第3流路部を含む冷却水流路を介し、前記ポンプケーシングの前記第3流路部より高い位置に設けたノズル部へ導き、このノズル部から前記ポンプケーシング外に設けた熱交換器に循環させるインターナルポンプにおいて、前記第1流路部の下流側部分から前記第3流路部の上流側部分までの間に、流路面積拡大部を設けたことを特徴とするインターナルポンプ。 【請求項2】請求項1記載のインターナルポンプにおいて、前記ベアリングカバーの内周側角部に、テーパ部、丸み部、及び段差部のうち少なくとも1つを設けることにより、前記流路面積拡大部を形成したことを特徴とするインターナルポンプ。 【請求項3】請求項1記載のインターナルポンプにおいて、前記ベアリングカバーを径方向に貫通する貫通孔を設けることにより、前記流路面積拡大部を形成したことを特徴とするインターナルポンプ。 【請求項4】請求項3記載のインターナルポンプにおいて、前記貫通孔は前記ベアリングカバーの周方向に複数個設けられており、かつ、それら貫通孔の大きさを、それぞれの位置と前記ノズル部との距離に応じて複数種類に設定したことを特徴とするインターナルポンプ。 【請求項5】原子炉圧力容器底部に設置されたポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内部で前記原子炉圧力容器を貫通するシャフトと、前記原子炉圧力容器内で前記シャフトに固定されるインペラと、前記原子炉圧力容器外に設置され前記シャフトを回転駆動するウェットモータ部と、前記ウェットモータ部上下に設けられた上・下部ベアリング手段とを備え、かつ、前記上部ベアリング手段は、前記シャフトの外周側を径方向隙間を介し支持し、前記上部ベアリング手段の外周側を、前記ポンプケーシング内周側に設けたベアリングハウジングで支持し、前記上部ベアリング手段の上部にベアリングカバーを設け、前記ウェットモータ下部に設置された補助インペラで前記ウェットモータ部に送り込んだ冷却水を、前記上部ベアリング手段と前記シャフトとの間の前記径方向隙間よりなる第1流路部、前記ベアリングカバーと前記ポンプケーシングとの間の隙間よりなる第2流路部、及び前記ベアリングハウジングを径方向に貫通して設けた第3流路部を含む冷却水流路を介し、前記ポンプケーシングの前記第3流路部より高い位置に設けたノズル部へ導き、このノズル部から前記ポンプケーシング外に設けた熱交換器に循環させるインターナルポンプにおいて、前記第1流路部の上端部に、冷却水の流れを軸方向上向きから径方向外向きに導く導流手段を設けたことを特徴とするインターナルポンプ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉圧力容器の底部に取り付けられ、原子炉冷却材を循環させるウェットモータ型のインターナルポンプに関するものである。 【0002】 【従来の技術】沸騰水型原子力発電所では、原子炉内の炉心に冷却材を供給し、この冷却材が炉心において加熱され発生した蒸気をタービンに導き、発電機を駆動して発電を行う。近年、従来の沸騰水型原子炉をさらに改良したいわゆる改良型沸騰水型原子炉(以下適宜、ABWRという)が提唱されており、このABWRでは、原子炉内の冷却材を循環させるポンプとして原子炉圧力容器の底部に取り付けたインターナルポンプが採用されている。原子炉圧力容器内の冷却材は、圧力容器内の外周側を圧力容器側壁面に沿って下降し、圧力容器内の外周側底部近傍の周方向複数箇所(例えば10箇所)に設けられたインターナルポンプへ吸い込まれた後、加圧されて吐出され、圧力容器下部の下部プレナムから上昇して炉心へと循環される。 【0003】従来のインターナルポンプは、例えば特許第2714020号公報の第1図に記載のように、最上部に位置し回転駆動される羽根車(インペラ)と、この羽根車の下方に位置する固定案内羽根(ディフューザ)とを備えている。羽根車は、圧力容器の底面を貫通するように鉛直方向に立設された回転軸(シャフト)に固定又は連結されており、この回転軸が圧力容器外に設けられたウェットモータ部で駆動されることによって回転する。回転軸の下端には上・下スラスト軸受によって上下方向から回転自在に支持されたスラストディスクが配置されている。また回転軸は、ウェットモータ部の上方及び下方においてそれぞれ上・下ラジアル軸受(ベアリング手段)によって径方向から回転自在に支持されている。 【0004】上記構成において、原子炉冷却材は、上方から羽根車内に流入し、羽根車で加圧された後にディフューザへと導入され、圧力回復した後にディフューザ下方へと流出する。一方このとき、ウェットモータ部内を冷却するモータ冷却水は、スラストディスクが回転することにより補助インペラから吐出された後、ウェットモータ部外周側のモータケーシング(あるいはポンプケーシング、ポンプハウジング)内部を上昇して回転子(モータロータ)及び固定子(モータステータ)を冷却し、さらにポンプケーシング外の配管を介し熱交換器に導かれて冷却される。冷却された冷却水は、配管を介して再び補助インペラへと導入される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のインターナルポンプは、公報中に特に詳細な図示や記載はないが、通常、上部ベアリング手段で前記シャフトの外周側を径方向隙間を介し支持し、その上部ベアリング手段の外周側をポンプケーシング内周側に設けたベアリングハウジングで支持し、上部ベアリング手段の上部にベアリングカバーを設けている。そして、ウェットモータ下部に設置された補助インペラでウェットモータ部に送り込んだ冷却水を、上部ベアリング手段とシャフトとの間の径方向隙間よりなる第1流路部、ベアリングカバーとポンプケーシングとの間の隙間よりなる第2流路部、及びベアリングハウジングを径方向に貫通して設けた第3流路部(貫通孔)を含む冷却水流路を介し、ポンプケーシングの第3流路部より高い位置に設けたノズル部へ導き、このノズル部からポンプケーシング外に設けた熱交換器に循環させる構造となっている。 【0006】これは、以下のような理由による。まず、インターナルポンプは、原子炉圧力容器の底部から突出するように設けられる構造上、シャフトの軸長はなるべく短くするのが有利であり、このためポンプケーシング内の部材は必要最小限の配置スペースにて構成されることになる。このような構成の中で上部ベアリング手段はポンプケーシングの上方部に設けられているため、冷却水が、上部ベアリング手段の内周側とこれに対向するシャフト外周側との間の径方向隙間よりなる第1流路部の上方へ導かれた後、ベアリングカバー上部とポンプケーシングとの間の隙間よりなる第2流路部へ導かれる構造となっている。 【0007】そしてこのとき、それら上部ベアリング手段及びベアリングカバーの同心度を確保するには、固定側であるポンプケーシングから何らかの部材でそれら上部ベアリング手段及びベアリングカバーを支持する必要があり、そのために上部ベアリング手段の外周側にベアリングハウジングを設けている。ベアリングハウジングは、ベアリング手段のすぐ外側においてポンプケーシングの内周側に向かって上方へ突出するリング状フランジ部を備えており、このフランジ部がポンプケーシングに当接して良好な同心度を確保する構造となっている。この場合、このフランジ部が冷却水の流れの妨げとなるため、前述の第2流路部へ導かれてきた冷却水を最終的にポンプケーシングのノズル部に導くためには、このリング状フランジ部の周方向複数箇所に貫通孔を設けて冷却水を通さなければならない。ところが、ノズル部は通常ポンプケーシングの1箇所にのみ設けられるため、それら周方向複数箇所の貫通孔とノズル部の高さを同一位置とした場合、ノズル部に最も近い周方向位置の貫通孔にのみ冷却水流れが集中し、他の貫通孔からはあまりノズル部へ向かって冷却水流れが生じなくなり、冷却水の流れ分布に周方向の偏りが生じて好ましくない。そこで、リング状フランジ部に設ける各貫通孔の位置をノズル部の高さよりも下げることで、一旦冷却水が下方に下がって貫通孔からフランジ部の外周側へと流出した後ノズル部の高さにまで上昇するような流路構造とすることで、冷却水の流れ分布の均一化を図っている。 【0008】以上のような背景より、冷却水は、上部ベアリング手段とシャフトとの間第1流路部→ベアリングカバーとポンプケーシングとの間の第2流路部→ベアリングハウジングを径方向に貫通する第3流路部→第3流路部より高い位置に設けたノズル部というように流れるため、この部分は圧力損失が比較的多くなってモータ冷却水の循環に対して抵抗となる。上記従来技術においては、この流路抵抗の低減について特に配慮はなされていない。 【0009】なお、インターナルポンプは、原子力発電所の運転を左右する最も重要な設備の一つであるため、高い信頼性が要求される。また、一般に、モータ駆動電源の喪失等によるポンプ停止時においても、慣性力によってある程度の期間回転を維持し、原子炉冷却材流量の急激な減少を防止する設計が要求される。特に、近年の設備合理化の傾向に伴い、インターナルポンプの高慣性化のニーズが生じている。 【0010】これに対応するために、例えば、上記特許第2714020号公報の第2図に記載のように、回転子(モータロータ)の上部の回転軸に、ポンプ回転体の慣性モーメントを増加させるためのフライホイールを設け、これによってモータ駆動電源喪失時の回転数低下速度を極力緩やかにする構成が提唱されている。このようなフライホイールを設ける場合には、高慣性化が実現できる一方、フライホイールがモータ冷却水の循環に対して流路抵抗となることから、特に、上記モータ冷却性能の向上は技術課題の1つとなっている。 【0011】また、モータ冷却性能向上のためには熱交換器の容量増加とモータ冷却水量の増加の両方が考えられるが、熱交換器の容量増加は設備の大型化を招き、好ましくない。したがって、モータ冷却水量の増加により、設備の大型化を招かずにモータ冷却性能を向上する方策が望ましい。 【0012】本発明は、上記の事柄に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータ冷却水流路の圧力損失を低減することにより、設備の大型化を招くことなくモータ冷却性能を向上させることができるインターナルポンプを提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成するために、本発明は、原子炉圧力容器底部に設置されたポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内部で前記原子炉圧力容器を貫通するシャフトと、前記原子炉圧力容器内で前記シャフトに固定されるインペラと、前記原子炉圧力容器外に設置され前記シャフトを回転駆動するウェットモータ部と、前記ウェットモータ部上・下にそれぞれ設けられた上・下部ベアリング手段とを備え、かつ、前記上部ベアリング手段は、前記シャフトの外周側を径方向隙間を介し支持し、前記上部ベアリング手段の外周側を、前記ポンプケーシング内周側に設けたベアリングハウジングで支持し、前記上部ベアリング手段の上部にベアリングカバーを設け、前記ウェットモータ下部に設置された補助インペラで前記ウェットモータ部に送り込んだ冷却水を、前記上部ベアリング手段と前記シャフトとの間の前記径方向隙間よりなる第1流路部、前記ベアリングカバーと前記ポンプケーシングとの間の隙間よりなる第2流路部、及び前記ベアリングハウジングを径方向に貫通して設けた第3流路部を含む冷却水流路を介し、前記ポンプケーシングの前記第3流路部より高い位置に設けたノズル部へ導き、このノズル部から前記ポンプケーシング外に設けた熱交換器に循環させるインターナルポンプにおいて、前記第1流路部の下流側部分から前記第3流路部の上流側部分までの間に、流路面積拡大部を設ける。 【0014】シャフト軸長増加を招かず、上部ベアリング手段、ベアリングカバー等の同心度を確保し、かつ冷却水流れ方向分布挙動の均一化を図るために、上部ベアリング手段でシャフトの外周側を径方向隙間を介して支持し、また上部ベアリング手段の外周側をポンプケーシング内周側に設けたベアリングハウジングで支持し、さらに上部ベアリング手段の上部にベアリングカバーを設けた場合、モータ冷却水は、上部ベアリング手段とシャフトとの間第1流路部→ベアリングカバーとポンプケーシングとの間の第2流路部→ベアリングハウジングを径方向に貫通する第3流路部→第3流路部より高い位置に設けたノズル部というように流れるため、冷却水流路は複雑な形状となる結果、圧力損失が比較的多くなってモータ冷却水の循環に対して抵抗となる。 【0015】そこで、本発明においては、第1流路部の下流側から第3流路部の上流側までの間に、ベアリングカバーの内周側角部にテーパ部、丸み部、及び段差部等を設けたり、ベアリングカバーを径方向に貫通する貫通孔を設けたりする等により、流路面積拡大部を形成する。これにより、流路面積が拡大している分、モータ冷却水が通過する際の流路内抵抗を減少しモータ冷却水を滑らかに流すことができるので圧力損失を低減することができる。この圧力損失の低減により補助インペラ揚程特性とケーシング内圧力損失特性との関係により、モータ冷却水流量を増加させることができる。したがって、設備の大型化を招くことなくモータ冷却性能を向上させることができる。 【0016】(2)上記(1)において、好ましくは、前記ベアリングカバーの内周側角部に、テーパ部、丸み部、及び段差部のうち少なくとも1つを設けることにより、前記流路面積拡大部を形成する。 【0017】(3)上記(1)において、また好ましくは、前記ベアリングカバーを径方向に貫通する貫通孔を設けることにより、前記流路面積拡大部を形成する。 【0018】(4)上記(3)において、さらに好ましくは、前記貫通孔は前記ベアリングカバーの周方向に複数個設けられており、かつ、それら貫通孔の大きさを、それぞれの位置と前記ノズル部との距離に応じて複数種類に設定する。 【0019】これにより、例えばノズル部から遠いほど貫通穴の断面積が大きくなるように設定することで、ノズル部から遠い程モータ冷却水が貫通穴を通過する際の抵抗を減少させることができるので、モータ冷却水は周方向により均一に流れるようになる。したがって、モータ冷却水流量をさらに確実に増加させることができる。 【0020】(5)上記目的を達成するために、また本発明は、原子炉圧力容器底部に設置されたポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内部で前記原子炉圧力容器を貫通するシャフトと、前記原子炉圧力容器内で前記シャフトに固定されるインペラと、前記原子炉圧力容器外に設置され前記シャフトを回転駆動するウェットモータ部と、前記ウェットモータ部上下に設けられた上・下部ベアリング手段とを備え、かつ、前記上部ベアリング手段は、前記シャフトの外周側を径方向隙間を介し支持し、前記上部ベアリング手段の外周側を、前記ポンプケーシング内周側に設けたベアリングハウジングで支持し、前記上部ベアリング手段の上部にベアリングカバーを設け、前記ウェットモータ下部に設置された補助インペラで前記ウェットモータ部に送り込んだ冷却水を、前記上部ベアリング手段と前記シャフトとの間の前記径方向隙間よりなる第1流路部、前記ベアリングカバーと前記ポンプケーシングとの間の隙間よりなる第2流路部、及び前記ベアリングハウジングを径方向に貫通して設けた第3流路部を含む冷却水流路を介し、前記ポンプケーシングの前記第3流路部より高い位置に設けたノズル部へ導き、このノズル部から前記ポンプケーシング外に設けた熱交換器に循環させるインターナルポンプにおいて、前記第1流路部の上端部に、冷却水の流れを軸方向上向きから径方向外向きに導く導流手段を設ける。 【0021】モータ冷却水は、上部ベアリング手段とシャフトとの間の第1流路部→ベアリングカバーとポンプケーシングとの間の第2流路部→ベアリングハウジングを径方向に貫通する第3流路部→第3流路部より高い位置に設けたノズル部というように流れるため、冷却水流路が複雑な形状となる結果、圧力損失が比較的多くなってモータ冷却水の循環に対して抵抗となる。特に、第1流路部ではモータ冷却水は上部ベアリング手段とシャフトとの間の隙間を鉛直上向きに流れるが、第2流路部ではベアリングカバーとポンプケーシングとの間を径方向外側へと流れることから流れの転向を伴い、圧力損失を招く結果となる。 【0022】そこで、本発明においては、第1流路部の上端部に、冷却水の流れを軸方向上向きから径方向外向きに導く導流手段を設ける。これにより、上部ベアリング手段とシャフトとの間の径方向隙間の第1流路部を流れてきたモータ冷却水を、滑らかに径方向外側の第2流路部(ベアリングカバーとポンプケーシングとの間の隙間)へ流すことができるので、モータ冷却水が通過する際の流路内抵抗を減少し圧力損失を低減することができる。この圧力損失の低減により補助インペラ揚程特性とケーシング内圧力損失特性との関係により、モータ冷却水流量の増加させることができる。したがって、設備の大型化を招くことなくモータ冷却性能を向上させることができる。 【0023】 【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。 【0024】図1は、本実施形態によるインターナルポンプの全体概略構造を表す縦断面図である。 【0025】これら図1及び図2において、インターナルポンプは、原子炉圧力容器1底部に設置されるポンプケーシング2内部において原子炉圧力容器1を貫通するシャフト3と、原子炉圧力容器内に設置されシャフト3に固定されるインペラ4と、インペラ4下方に位置し原子炉圧力容器1に固定されるディフューザ5と、前記シャフト3を回転駆動するウェットモータ部6を備えている。原子炉圧力容器1内の原子炉冷却材は、インペラ4の回転によってインターナルポンプの上方から吸込まれた後、ディフューザ5を介して吐出され、炉心へ循環される。 【0026】一方、ポンプケーシング2下部に設置されるモータ冷却水入口7から流入したモータ冷却水はポンプケーシング2内部の補助インペラ8で昇圧され、下部軸受スリーブ9bと下部ベアリング10bの間隙を通過後、ウェットモータ部6を冷却する。モータ冷却後、上部軸受スリーブ9aと上部ベアリング(上部ベアリング手段)10aの間隙を流れるモータ冷却水は、上部ベアリング10aの上部付近で流れの向きを変えて、モータ冷却水ノズル14よりモータ冷却水配管15aに流出する。モータ冷却により水温上昇したモータ冷却水は熱交換器16により冷却され、モータ冷却水配管15bを通過してモータ冷却水入口7から再びポンプケーシング2内部に戻る。このような経路で、モータ冷却水はポンプケーシング2内部および熱交換器16を循環する。 【0027】上部のような基本構造及び動作のインターナルポンプにおいて、本実施形態の要部は、上部ベアリング10aの上部付近の構造にある。図2は、図1中X部の詳細構造を表す部分拡大図である。 【0028】この図2及び前述の図1において、上部ベアリング10aは、シャフト3の外周側を径方向隙間を介し支持し、上部ベアリング10aの外周側を、ポンプケーシング2内周側に設けたベアリングハウジング13で支持し、上部ベアリング10aの上部にベアリングカバー11を設けた構造となっている。 【0029】このような構造により、前述のようにウェットモータ部6下部に設置された補助インペラ8でウェットモータ部6に送り込んだ冷却水を、上部ベアリング10aとシャフト3との間の径方向隙間よりなる第1流路部101、ベアリングカバー11とポンプケーシング2との間の隙間よりなる第2流路部102、モータ冷却水を回り込ませるようにベアリングカバー11のケーシング側に形成された流路溝12、及びベアリングハウジング13を径方向に貫通して設けた流出孔(貫通孔)13aよりなる第3流路部103を含む冷却水流路を介し、ポンプケーシング2のうち前記第3流路部103より高い位置に設けたモータ冷却水ノズル(ノズル部)14へ導き、このノズル14からモータ冷却水配管15aに流出してポンプケーシング2外に設けた前記熱交換器16に循環させる。 【0030】そして、本実施形態では、その最も大きな特徴として、モータ冷却水流路を構成するベアリングカバー11のシャフト3側(言い換えれば内周側)上角部をテーパ部11aとしている。なお、ベアリングカバーのテーパ部最大径D2は、上部ベアリング10aの上部にあるポンプケーシング2の内径D1より少なくとも大きくなるように、D1<D2となっている。 【0031】モータ冷却後、上部軸受スリーブ9aと上部ベアリング10aの間隙(=第1流路部101)を通過したモータ冷却水は、ベアリングカバー11のテーパ部11aにより徐々に軸方向上向きの速度成分を減少しながら半径方向外向きの速度成分を増し、これによって従来構造よりも小さな流路内抵抗で流路面積拡大部Aにおいて流れの方向を変えることができる。すなわち、流路面積拡大部Aで流路面積が拡大している分、モータ冷却水が通過する際の流路内抵抗を減少しモータ冷却水を滑らかに流すことができる。したがって、第1流路部101、第2流路部102、流路溝12、及び第3流路部103を含む冷却水流路全体で見ても、圧力損失を低減することができる。これにより、モータ冷却水流量を増加させることができる。 【0032】なお、このとき、ポンプケーシング2の角部20よりもテーパ部外側角部21aが外側にあることにより、流れの向きを変えたモータ冷却水は、領域Bに流れ込むのが抑制されつつよりスムーズにポンプケーシング2とベアリングカバー11上部の間隙(=第2流路部102)に流れ込み、ベアリングカバー11のケーシング側にあけられたモータ冷却水流路溝12を廻り込み、ベアリングハウジング13の流出孔13a(=第3流路部103)を通ってモータ冷却水ノズル14に導かれ、モータ冷却水配管15aに流出する。 【0033】本実施形態は、上記したような冷却水流路圧力損失低減により、モータ冷却水流量を増加させることができるものであるが、このことをさらに具体的に図3を用いて説明する。 【0034】図3は、本実施形態によるモータ冷却水流量の増加を説明するためのモータの特性線図であり、横軸にモータ冷却水流量Q、縦軸に補助インペラ8の全揚程H及びモータ冷却水系(冷却水流路)の圧力損失Rをとって表したものである。 【0035】この図3において、曲線Sが補助インペラ8の性能特性を示し、曲線R1は従来構造のモータ冷却水流路を持つインターナルポンプの場合のモータ冷却水系の圧力損失特性を示し、曲線R2が本実施形態のモータ冷却水流路を持つインターナルポンプの場合のモータ冷却水系の圧力損失特性を示している。 【0036】従来構造において、インターナルポンプ定格運転時の補助インペラ8の運転点は曲線Sと曲線R1との交点P1となり、モータ冷却水流量はQ1となる。一方、本実施形態においては、上述したモータ冷却水流路改善による圧力損失低減によりその圧力損失特性が曲線R2となることから、補助インペラの運転点はP2に移行し、この時のモータ冷却水流量はQ2となり、Q1よりも増加する。このようにして、本実施形態においては、モータ冷却水流路改善に基づき流路内抵抗を減少させ圧力損失を低減させることにより、モータ冷却水流量を増加させることができる。したがって、設備の大型化を招くことなく、モータ冷却性能を向上させることができる。 【0037】なお、上記においては、ベアリングカバーのテーパ部最大径D2と、上部ベアリング10aの上部にあるポンプケーシング2の内径D1との関係が、D1<D2となっていたが、上記本発明の効果を得る限りにおいては、必ずしもこれには限られず、D1≧D2であってもよい。すなわち、少なくとも流路面積拡大部Aが設けられていれば、これが設けられていない従来構造に比べれば、冷却水流路における圧力損失低減を図ることができ、モータ冷却水流量を増加させモータ冷却性能を向上させることができる。 【0038】また、本発明は、上記一実施の形態に限られるものではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、それら各変形例を、順を追って説明する。 【0039】(1)丸み部を設けた構造図4は、この変形例による上部ベアリング10aの上部付近の詳細構造を表す部分拡大図であり、前述の図2に相当する図である。 【0040】図4において、この変形例は、上記本発明の一実施形態のテーパ部11aに代わり、R形状の丸み部11bを設けたものである。このとき、上記と同様、ベアリングカバー11の丸み部の中心径D2は、上部ベアリング10aの上部にあるポンプケーシング2の内径D1より少なくとも大きくなるように、D1<D2となっている。 【0041】本変形例によっても、上記本発明の一実施形態と同様の効果を得る。 【0042】(2)段差部を設けた構造図5は、この変形例による上部ベアリング10aの上部付近の詳細構造を表す部分拡大図であり、前述の図2、図4に相当する図である。 【0043】図5において、この変形例は、上記本発明の一実施形態のテーパ部11aに代わり、ベアリングカバー11のシャフト3側(内周側)上角部に段差部11cを設けたものである。このとき、上記と同様、段差部外径D2は、上部ベアリング10aの上部にあるポンプケーシング2の内径D1より少なくとも大きくなるように、D1<D2となっている。 【0044】本変形例によっても、上記本発明の一実施形態と同様の効果を得る。 【0045】(3)ベアリングカバーの厚さを薄くした構造図6は、この変形例による上部ベアリング10aの上部付近の詳細構造を表す部分拡大図であり、前述の図2、図4等に相当する図である。 【0046】図6において、この変形例は、上記本発明の一実施形態のようにベアリングカバー11にテーパ部11aを設けるのに代わり、ベアリングカバー11の厚さ(軸方向、高さ方向寸法)自体を従来構造よりも薄くする(もしくはベアリングカバー11の厚さを薄くすることなくベアリングカバー11とポンプケーシング2との間隙を拡大してもよい)ことにより、この部分を流路面積拡大部Cとしたものである。 【0047】本変形例によっても、上記本発明の一実施形態と同様の効果を得る。 【0048】(4)ベアリングカバーに貫通孔を設けた構造(その1) 図7は、この変形例による上部ベアリング10aの上部付近の詳細構造を表す部分拡大図であり、前述の図2、図4等に相当する図である。 【0049】図7において、この変形例は、上記本発明の一実施形態のようにベアリングカバー11にテーパ部11aを設けるのに代わり、ベアリングカバー11を径方向に貫通する貫通孔17をベアリングカバー11の周方向複数箇所に設け(但し図7にはモータ冷却水ノズル14に対応する1箇所のみを図示し他は図示省略)モータ冷却水流路のバイパス経路とすることにより、冷却水流路面積を拡大した構造としたものである。 【0050】本変形例によっても、上記本発明の一実施形態と同様の効果を得る。またこの場合、ベアリングカバー11の貫通孔17の断面積の大小により、モータ冷却水流量の調節も可能となる。この考え方をさらに応用すると、周方向複数箇所に設ける各貫通孔17の大きさを、全て同一とせず、異ならせても良い。そのような変形例を次に説明する。 【0051】(5)ベアリングカバーに貫通孔を設けた構造(その1) 図8は、この変形例による上部ベアリング10aの上部付近の詳細構造を表す水平断面図であり、上記図7中Y−Y断面による断面図に相当する図である。 【0052】図8において、この変形例は、上記(4)の変形例のようにベアリングカバー11を径方向に貫通する貫通孔17をベアリングカバー11の周方向複数箇所(この例では6箇所)に設けるとともに、それら貫通孔17の大きさを、それぞれの位置とモータ冷却水ノズル14との距離に応じて複数種類に設定したものである。具体的には、モータ冷却水ノズル14から遠いほど貫通穴17の断面積が大きくなるように、断面積A1,A2,A3,A4(但しA1<A2<A3<A4)の4種類に設定している。これにより、モータ冷却水ノズル14から遠い程、モータ冷却水が貫通穴17を通過する際の抵抗を減少させることができるので、モータ冷却水は周方向により均一に流れるようになる。したがって、モータ冷却水流量をさらに確実に増加させることができる。 【0053】なお、このとき、この変形例では、通常周方向複数個(この例では6個)の分割構造となっている上部ベアリング10aの各ピース間の隙間(溝)tの位置に、上記ベアリングカバー11に設けた貫通穴17の位相を合わせることにより、モータ冷却水の周方向成分速度を抑制するとともにモータ冷却水の一部をより小さな流路内抵抗で貫通穴17に入り込ませるようになっている。但し、上記先述の効果を得る限りにおいては、上部ベアリング10aは分割構造でなくても良いし、貫通孔17と必ずしも位相を合わせなくても良いことは言うまでもない。 【0054】(6)上部ベアリングの位置を下げた構造図9は、この変形例による上部ベアリング10aの上部付近の詳細構造を表す部分拡大図であり、前述の図2、図4等に相当する図である。 【0055】図9において、この変形例は、上記本発明の一実施形態のようにベアリングカバー11にテーパ部11aを設けるのに代わり、ベアリングハウジング13の上部ベアリング10aとの係合部13bの位置を低くすることにより、上部ベアリング10a上端部の高さ方向位置を、冷却水ノズル14の高さ方向位置より下に下げ、これによって上部ベアリング10a上方に流路面積拡大部Eを形成したものである。これに伴い、ベアリングカバー11は、モータ冷却水流路溝12を形成しない構造となっている。 【0056】この変形例によれば、図9中矢印に示すように、モータ冷却水は、上記本発明の一実施形態のようにモータ冷却水流路溝12を回り込むことなく比較的直線的な経路で冷却水ノズル14に達することができる。したがって、本変形例によっても、上記本発明の一実施形態と同様の効果を得ることができる。 【0057】(7)冷却水の流れの向きを変える導流手段を設けた構造図10は、この変形例による上部ベアリング10aの上部付近の詳細構造を表す部分拡大図であり、前述の図2、図4等に相当する図である。 【0058】図10において、この変形例は、上記本発明の一実施形態のようにベアリングカバー11にテーパ部11aを設けるのに代わり、上部軸受スリーブ9aの上端部(言い換えれば第1流路部101の上端部)に、冷却水の流れを軸方向上向きから径方向外向きに導く案内リング(あるいは案内羽根)等の導流手段19を設けたものである。 【0059】この変形例によれば、図10中矢印に示すように、上部軸受スリーブ9aと上部ベアリング10aの間隙(=第1流路部101)を通過したモータ冷却水は、ベアリングカバー11の内周側角部D付近において徐々に軸方向上向きの速度成分を減少し、半径方向外向きの速度成分を増すように滑らかに案内される。このようにしてモータ冷却水はベアリングカバー角部D付近にて流れの方向を変える(=転向する)際、従来構造よりも小さな流路内抵抗でこの部分を通過し、モータ冷却水ノズル14に導かれる。 【0060】本変形例によっても、上記本発明の一実施形態と同様の効果を得ることができる。 【0061】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、第1流路部の下流側部分から第3流路部の上流側部分までの間に流路面積拡大部を形成するので、モータ冷却水が通過する際の流路内抵抗を減少しモータ冷却水を滑らかに流すことができ、圧力損失を低減することができる。これにより、モータ冷却水流量を増加させることができるので、設備の大型化を招くことなくモータ冷却性能を向上させることができる。請求項5記載の発明によれば、第1流路部の上端部に、冷却水の流れを軸方向上向きから径方向外向きに導く導流手段を設けるので、上部ベアリング手段とシャフトとの間の径方向隙間の第1流路部を流れてきたモータ冷却水を、滑らかに径方向外側の第2流路部へ流すことができる。したがって、モータ冷却水が通過する際の流路内抵抗を減少し圧力損失を低減することができ、モータ冷却水流量の増加させることができる。したがって、設備の大型化を招くことなくモータ冷却性能を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成12年12月13日(2000.12.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077816 【弁理士】 【氏名又は名称】春日 讓
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| 【公開番号】 |
特開2002−181983(P2002−181983A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−379323(P2000−379323) |
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