| 【発明の名称】 |
ライナ構造とそのライナ構造を用いた原子炉格納容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 彩子
【氏名】南波 茂
【氏名】猪狩 務
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、コンクリート壁のライナ構造の製造作業量を軽減することを目的としたものである。
【解決手段】ライナ11の一方の面にライナアンカ10を縦に施工し、ライナ11の他方の面にフラットバー14を横に施工し、前記ライナアンカ10とフラットバー14で縦横に補強された前記ライナ11を型枠として鉄筋コンクリート壁のコンクリートを打設して前記ライナアンカ10をコンクリート壁に埋設してライナを前記コンクリート壁に施工し、その後に必要に応じてフラットバー11をライナ14から撤去する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ライナと、前記ライナの一方の面に相互に交差しないように取付けられた複数の第1の補強部材と、前記一方の面とは反対の前記ライナの他方の面に相互に交差しないように取付けられた複数の第2の補強部材とを備え、前記第1と前記第2の各補強部材は前記ライナを挟んで交差しているライナ構造。 【請求項2】請求項1において、第1の補強部材が縦方向に伸びるライナアンカであり、第2の補強部材が水平方向に伸びるフラットバーであるライナ構造。 【請求項3】請求項2において、ライナの貫通部に設けられたフランジプレートと前記ライナとに渡って前記フラットバーが固定設置されているライナ構造。 【請求項4】コンクリート壁と、相互に交差しないように前記コンクリート壁に埋設設置された複数の第1の補強部材と、前記複数の第1の補強部材に一方の面が取付けられたライナと、前記ライナの他方の面に相互に交差しないように取付けられて前記第1の補強部材とは前記ライナを挟んで交差している第2の補強部材とを備えたライナ構造を用いた原子炉格納容器。 【請求項5】請求項4において、第1の補強部材が縦方向に伸びるライナアンカであり、第2の補強部材が水平方向に伸びるフラットバーであるライナ構造を用いた原子炉格納容器。 【請求項6】請求項5において、ライナの貫通部に設けられたフランジプレートと前記ライナとに渡って前記フラットバーが固定設置されているライナ構造を用いた原子炉格納容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート壁に施されるライナの構造に関し、特には原子炉格納容器のコンクリート壁に適用して好適なものに係わる。 【0002】 【従来の技術】原子炉格納容器のコンクリート壁に施されるライナの構造はコンクリートに埋設される縦横の補強材を前記ライナのコンクリート側の面(外表面)に施されていた。その例が、特開2000−180579号公報に記載されている。 【0003】そのライナの補強を強化する目的で特開昭58−117492号公報には、前記ライナの反コンクリート側の面(内表面)にも縦横の補強材又は縦横の一方の補強材が施されることが記載されている。 【0004】いずれの場合も、ライナの構造はコンクリートに埋設される縦横の補強材を前記ライナのコンクリート側の面(外表面)に施されていた。そのライナの外表面に縦方向(垂直方向)に施されるのはライナアンカと称せられるTの字型の断面を備えた型鋼材(T型鋼)であり、横方向(水平方向)に配されるのはフラットバーと称せられる平板鋼材である。 【0005】鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器の建設は、まず底の鉄筋コンクリートを打設し、その上にサプレッションチェンバの底部ライナを張り、これと平行して周囲のライナを取付けてゆく。次に鉄筋を配置し、外側のコンクリート枠を取付け、コンクリートを打設する。 【0006】原子力発電時には、原子炉圧力容器の一次格納施設として原子炉格納容器が原子炉建屋内に設けられている。この原子炉格納容器据付段階における鉄筋の組立後のコンクリート打設に際しては、外側は、木製等の型枠を用い、内側は、型枠を兼ねて直接内壁のライナを用いる。ライナには、垂直にライナアンカ部材及び水平にフラットバーの補強部材が具備される。 【0007】フラットバーにはコンクリート打設時に空気が溜まらぬよう適当なピッチで穴が開けられている。側壁にはさらに複数の貫通部が貫通状態に配される。その貫通部は図5に示すように筒状の中空構造物であるスリーブ15をフランジプレート16に備えた構成を備え、そのフランジプレート16がライナに溶接固定されることで装備される。 【0008】ライナアンカやフラットバー14はライナからフランジプレート16に渡って、図5に示すように施されて、貫通部の剛性を高めている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上述したフラットバーは、外側のライナアンカを分断してライナに施工されており、交差部分に溶接を施さねばならない上に、フラットバーにコンクリート打設時に空気が溜まらぬよう適当なピッチで空気抜きの穴を開けなければならず、作業量が多い。 【0010】また、貫通部においては、図5のように、フランジプレートのコンクリート側の面と中空構造物間に施されたガセットプレート17との干渉を避けるためにライナアンカやフラットバーがスリーブ15の近くまでフラットバー14を配設することが出来ないので、ライナアンカやフラットバーによる補強度合いが小さい。 【0011】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、コンクリート壁のライナ構造の作業量を減少させることを目的としている。他の目的は、貫通部における補強強化にある。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、従来ライナの外表面に平面交差して施される各補強材をライナを挟んで立体交差させて前記ライナに設け、立体的ではあるものの各補強材が交差しているので、従来の補強材を交差して組む場合と同等の補強機能を発揮する上、各補強材が共通の面内で交差しないように成るのでライナ構造の製造作業量が軽減される。 【0013】また、横方向の補強材はライナの内表面側に集中させて外表面側でのコンクリート打設時の空気抜きを補強材に格別な作業を施すことなく行えるようにした。 【0014】また、コンクリート壁側のライナ面に施される補強部材が縦の補強部材であり、その補強部材がライナアンカとされてライナのコンクリート壁へのアンカ作用が期待できるようにした。 【0015】また、ライナの貫通部の補強に際して、ライナの内表面に移設して施した横の補強材をガセットプレートの干渉を気にせずにスリーブ側に延長して接近させて横の補強材による補強領域を拡大してライナの貫通部の補強強化に寄与させたものである。 【0016】これらのライナ構造は原子炉格納容器のコンクリート壁に施工されて用いられる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。原子力発電所の原子炉建屋1には、図2のように、原子炉格納容器2が原子炉一次系の破損事故において炉心から漏出した放射性物質を外部に放出させないように原子炉圧力容器3の一次格納施設として設けられている。 【0018】沸騰水型原子炉格納容器2は、ドライウェル4のゾーンとサプレッションチェンバ5のゾーンから構成されている。そのドライウェル4は、円筒状のドライウェル側壁6(シェル壁),トップスラブ7(天井壁),ダイヤフラムフロア8及び自立型の鋼製部であるドライウェル上鏡9,原子炉格納容器本体の円筒状の基礎の内周面及び格納容器底面で囲われて構成されている。 【0019】そのドライウェル4を構成するトップスラブ7とドライウェル側壁6(シェル部)は、T型鋼のライナアンカ10を介して鋼製のライナ11を内張りした鉄筋コンクリート製躯体である。そのライナ11の内表面にはフラットバー14が施されている。 【0020】その一例として、ドライウェル側壁6について示せば、図3及び図4に示す通りである。即ち、縦(垂直)にされたライナアンカ10は湾曲したライナ11の外表面(鉄筋コンクリート壁13側の面)へ溶接され、横(水平)にされたフラットバー14は逆の内表面(反鉄筋コンクリート壁13側の面)へ溶接される。このように、ライナ11は縦横のライナアンカ10とフラットバー14で補強された溶接組立体の構成を持つ。そのライナアンカ10は鉄筋コンクリート壁13のコンクリート内に埋設され、ライナ11が鉄筋コンクリート壁13から剥がれないようにしている。サプレッションチェンバ4を構成するサプレッションチェンバ側壁12もドライウェル側壁6と同様である。トップスラブ7も同様に水平なライナ11の上面、即ちトップスラブ7の鉄筋コンクリート壁側の面にライナアンカ10が水平に溶接施工され、反対の面にフラットバー14がライナアンカ10とは直交する水平方向に向けて溶接施工されている。 【0021】このようにして、トップスラブ7及びドライウェル側壁6並びにサプレッションチェンバ側壁12は、鉄筋コンクリート壁13部が耐圧,耐震及び遮蔽の機能を発揮出来るように、ライナアンカ10を鉄筋コンクリート壁13内に埋設するように施工して、鉄筋コンクリート壁13表面をライナ11でライニングして漏洩防止の機能を有している。 【0022】ライナ11及びライナアンカ10には、鉄筋コンクリート製格納容器躯体の耐圧,耐震の強度部材としての機能は要求されていないが、原子炉格納容器建設時のコンクリート壁のコンクリート打設枠として用いられるため、この打設圧を支持できる設計がなされている。 【0023】立設状態のコンクリート壁13の内部に補強のための鉄筋が埋設されるとともに、ライナ11の外表面に、垂直方向に配されるライナアンカ10が、コンクリート壁13に埋設された状態で形成されるが、これらに以下の技術が付加される。 【0024】ライナ11の内表面に水平方向のフラットバー14が2段以上配設される。ライナ11の内表面に配設したことにより、コンクリート打設時にフラットバー14下面に空気がたまらないようにするための穴を開ける必要がなく、作業工程を削減できる。 【0025】ライナアンカ10とフラットバー14が共通の面内で交差しないので、フラットバー14の配置のためにライナアンカ10を途中で分断する必要がなく、ライナアンカ10の切断作業工数及び溶接量が低減でき、作業工程を削減できる。 【0026】図4のように、貫通部でスリーブ15がライナ11,鉄筋コンクリート壁13を貫通している。貫通部ではスリーブ15がフランジプレート16に装備され、そのフランジプレート16がライナ11に溶接で接続される。そのスリーブ15とフランジプレート16のコンクリート壁13側の面との間には、ガセットプレート17が溶接接合される。 【0027】フランジプレート16の反コンクリート壁側の面では、貫通部の剛性を高めるために図5に示すようにライナ側から延長されたフラットバー14と重なった状態になっている。フラットバー14をライナ11の内表面に配設したことにより、ガセットプレート17との干渉を避けて補強領域を拡大出来る。 【0028】ライナアンカ10は先に述べたように、分断されないので、従来の倍以上の長さで用いることが可能となり、市販のT型鋼の購入品に対して切断工程を削減することができる。さらに鉄筋コンクリート壁のコンクリート打設後、その打設荷重に耐えるように用いられたフラットバー14は不要と成るので、不要となったフラットバー14はライナ11から取り除かれて再利用が可能となる。また、フラットバー14を鉄筋コンクリート壁のコンクリート打設後もライナ11から取り除かずに、そのフラットバー14をプラントごとの使用条件に応じてサポートをとったり、ものをおく場所としても利用できる。 【0029】以上説明したように、本発明の実施例によれば、水平方向フラットバーがライナの内表面に配されることにより、コンクリート打設時にフラットバーに空気がたまらないようにするための穴を開ける必要がなく、作業工程を削減できる。また、ライナの外表面に垂直方向に配されるライナアンカが分断されずに垂直方向に1本にすることができるので、ライナアンカの切断作業工数及び溶接量の低減をはかることができる。また、ライナアンカやフラットバーを部分的に除去した状態でライナに配される貫通部のフランジプレートはガセットプレートとの干渉がないためにスリーブの近くまでフラットバーを配設することができ、貫通部の剛性を強化できる。 【0030】鉄筋コンクリート壁のコンクリート打設後においては、フラットバーはコンクリート製原子炉格納容器の強度部材とならないため、ライナから取り除き、鋼材として再利用することができる。また、ライナに取り付けたままとしておいても、コンクリート製原子炉格納容器内側に設置される配管等のサポートとしても利用することが可能である。 【0031】このように、本発明の実施例によれば、ライナ11へ互いに異方向に施した補強材であるライナアンカ10とフラットバー14が共通の面内で交差しないので、補強材の分断作業や交差部位での溶接作業が軽減される。 【0032】また、縦横の補強材の内の横(水平)な補強材であるフラットバー14が鉄筋コンクリート壁13内に存在しないので、鉄筋コンクリート壁13のコンクリート打設時における空気抜きが円滑に行われ、フラットバー14に空気抜き穴を設ける作業が必要無くなる。 【0033】また、ライナアンカ10が鉄筋コンクリート壁13内にTの字状に食い込んでいるのでライナ11の補強と共にコンクリート壁13からの剥がれを抑制することが出来る。 【0034】また、貫通部におけるフランジプレート16のフラットバー14による補強領域をスリーブ15に近接出来る位置まで拡大出来るので、フラットバー14による貫通部の補強が強化出来る。 【0035】また、本発明のライナ構造を採用した原子炉格納容器は互いに角度を成して施した補強材としてのライナアンカ10とフラットバー14が共通の面内で交差しないので、ライナアンカ10の分断作業や交差部位での溶接作業が軽減され、原子炉格納容器の建設工程が短縮出来る。 【0036】また、フランジプレート16のフラットバー14による補強領域をスリーブ15に近接出来る位置まで拡大したライナ構造を採用した原子炉格納容器では、スリーブ15が貫通する原子炉格納容器の貫通部の補強を強化出来る。 【0037】 【発明の効果】本発明のライナ構造によれば、補強材が平面交差する事がないのでライナ構造の製作作業量を減少させることが出来る。また、そのライナ構造を採用した本発明の原子炉格納容器によれば、その原子炉格納容器の建設工程を短縮出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】390023928 【氏名又は名称】日立エンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月18日(2000.12.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−181982(P2002−181982A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−383070(P2000−383070) |
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