| 【発明の名称】 |
配管のシール工法および閉鎖構造ならびにその空気抜き管 |
| 【発明者】 |
【氏名】清藤 弘志
【氏名】向山 素
【氏名】石井 浩亀
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| 【要約】 |
【課題】スリーブとそれに挿入した配管との間隙にモルタルを充填してシールする際に、モルタル中に残留する空気を効率よく外部に排出する。
【解決手段】壁1に固定したスリーブ2の両端部と配管3の外周面の間を閉鎖体4で閉鎖し、少なくとも一方の閉鎖体4を貫通して間隙上部に空気抜き管8を挿入し、モルタル充填と共に間隙に存在する空気を空気抜き管8から外部に強制的に排出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スリーブ2とそれを貫通する配管3の間隙にモルタルを充填してシールする工法において、スリーブ2の両端部と配管3の外周面の間を閉鎖体4で閉鎖し、少なくとも一方の閉鎖体4を貫通して前記間隙上部に空気抜き管8を挿入し、モルタル充填と共に間隙に存在する空気を空気抜き管8から外部に強制的に排出することを特徴とする配管のシール工法。 【請求項2】 空気抜き管8に空気吸引装置20を接続し、間隙に存在する空気を吸引して外部に排出する請求項1に記載の配管のシール工法。 【請求項3】 閉鎖体4が2つ割のフランジにより構成され、その分割面の一端側がヒンジ4aで結合され、他端側が締結具4bで着脱自在に締結するようにした請求項1または請求項2に記載の配管のシール工法。 【請求項4】 スリーブ2とそれを貫通する配管3の間隙にモルタルを充填する際に、スリーブ2の両端部と配管3の外周面の間を閉鎖するための閉鎖構造15であって、分割面の一端側がヒンジ4aで結合され、他端側が締結具4bで着脱自在に締結された2つ割のフランジにより構成される閉鎖体4と、その閉塞体4に隣接して、前記配管3の外周に締結固定され、分割面の一端側がヒンジ5aで結合され、他端側が締結具6で着脱自在に締結するようにした2つ割のフランジにより構成される固定体5と、固定体5を反力受けとして閉鎖体4を押圧する押圧体7と、を備えていることを特徴とする閉鎖構造。 【請求項5】 閉鎖体4には空気抜き管8を貫通するための複数の貫通孔12が渦巻ライン上に所定ピッチで配設されている請求項4に記載の閉鎖構造。 【請求項6】 スリーブ2とそれを貫通する配管3の間隙にモルタルを充填する際に、スリーブ2の両端部と配管3の外周面の間を閉鎖体4で閉鎖して前記間隙に存在する空気を外部に抜き出すために使用する空気抜き管8であって、先端が閉鎖され、長手方向の側壁に所定間隔で複数の貫通孔19を設けた細長い管18からなることを特徴とする空気抜き管。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は原子力関係のプラントなどにおいて、放射線を遮蔽する必要がある壁等を貫通する配管のシール工法および閉鎖構造ならびにその空気抜き管に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に原子力発電所など、原子力関係のプラントでは放射線を遮蔽する壁、すなわち放射線遮蔽壁が各所に設けられる。一方、プラント内には多数の配管が敷設されるが、当然ながらこれらの配管は放射線遮蔽壁を貫通して敷設することも多い。従来の放射線遮蔽壁(以下単に壁という)に配管を貫通させる方法は、壁に設けた貫通孔にスリーブが固定され、そのスリーブ内に配管を挿通した後、配管外周面とスリーブ内周面との間隙に放射線遮蔽性のある鉛毛(鉛の繊維)を充填し、スリーブの両端位置でフランジ状鋼板を配管等に溶接固定する方法が多く採用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし鉛毛の放射線遮蔽性は充填密度や充填体積などによって変化するので、予め計算された充填量管理が必須であり、さらに施工も面倒でコスト高になるという問題がある。そこでこのような問題を抱えている鉛毛充填法に代えて、間隙にモルタルを充填する、いわゆるモルタル充填法を採用することも試みられている。モルタル充填法は充填量管理が不要で施工も簡単になり、コストも下げられるという利点がある。しかしスリーブと配管の狭い間隙にモルタルを充填する際に、モルタル中の空気が外部に排出されにくく、間隙中に空気が残留するという問題がある。このような残留空気はモルタルによる放射線遮蔽性を大きく損ない、それがモルタル充填法の採用を困難にしている要因になっている。 【0004】そこで本発明は、配管のシール工法におけるこのような問題を解決することを課題とし、そのための新しいモルタル充填法による配管のシール工法を提供することを目的とする。また本発明は、前記シール工法においてスリーブの両端部と配管の外周面の間を閉鎖するために好適に使用できる閉鎖構造を提供することを目的とする。さらに本発明は、前記シール工法に好適に使用できる空気抜き管を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明の配管のシール工法は、スリーブとそれを貫通する配管の間隙にモルタルを充填してシールする工法である。この工法は、スリーブの両端部と配管の外周面の間を閉鎖体で閉鎖し、少なくとも一方の閉鎖体を貫通して前記間隙上部に空気抜き管を挿入し、モルタル充填と共に間隙に存在する空気を空気抜き管から外部に強制的に排出することを特徴とする(請求項1)。 【0006】上記配管のシール工法において、空気抜き管に空気吸引装置を接続し、間隙に存在する空気を吸引して外部に排出することができる(請求項2)。上記いずれかの配管のシール工法において、閉鎖体4が2つ割のフランジにより構成され、その分割面の一端側がヒンジ4aで結合され、他端側が締結具4bで着脱自在に締結することができる(請求項3)。 【0007】また本発明の閉鎖構造は、スリーブとそれを貫通する配管の間隙にモルタルを充填する際に、スリーブの両端部と配管の外周面の間を閉鎖するための閉鎖構造である。そして、分割面の一端側がヒンジ4aで結合され、他端側が締結具4bで着脱自在に締結された2つ割のフランジにより構成される閉鎖体4と、その閉塞体4に隣接して、前記配管3の外周に締結固定され、分割面の一端側がヒンジ5aで結合され、他端側が締結具6で着脱自在に締結するようにした2つ割のフランジにより構成される固定体5と、固定体5を反力受けとして閉鎖体4を押圧する押圧体7と、を備えていることを特徴とする。(請求項4) 【0008】上記閉鎖構造において、閉鎖体に空気抜き管を貫通するための複数の貫通孔を渦巻状に所定ピッチで配設することができる(請求項5)。さらに本発明の空気抜き管は、スリーブとそれを貫通する配管の間隙にモルタルを充填する際に、スリーブの両端部と配管の外周面の間を閉鎖体で閉鎖して前記間隙に存在する空気を外部に抜き出すために使用される。そしてこの空気抜き管は先端が閉鎖され、長手方向の側壁に所定間隔で複数の貫通孔を設けた細長い管からなることを特徴とする(請求項6)。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明における配管のシール工法の一部破断説明図、図2(a)は図1のA−A矢視から見た閉鎖体の正面図(閉塞体のみ図示),(b)は閉鎖体の左側面図,(c)は閉鎖体の右側面図、図3(a)は図1のB−B矢視から見た固定体の正面図(固定体のみ図示),(b)は固定体の左側面図,(c)は固定体の右側面図、図4は図1における空気抜き管の正面図である。これらの図において、1は壁、2は壁1に貫通して埋設固定されたスリーブ、3はスリーブ内に挿通して図示しない支持体で壁面等に固定された配管、4は閉鎖体、5は固定体、6はボルトなどの締結具、7は押圧体、8、9は空気抜き管、10はモルタル配管、11はモルタル注入口、12は空気抜き管8を挿入する貫通孔、13は空気抜き管8を挿入するスリット、14は内ネジ付きのボルト孔、16、17は開口部、18は細長い管、19は貫通孔である。そして閉鎖体4および締結具4b並びに固定体5および締結具6により本発明の閉鎖構造15が構成される。 【0010】図2に示すように、閉鎖体4は外形が方形であって中心部に配管3に整合する円形の開口部16を有する2つ割のフランジにより構成され、フランジの分割面の一端側はヒンジ4aで開閉自在に連結され、他端側は締結具4bで着脱自在に締結できるようになっている。なお締結具4bは分割体の一方縁に固定した固定金具と他方側に穿設されたボルト孔とを有し、そのボルト孔にボルトが着脱自在に螺着されることにより構成される。その閉鎖体4には空気抜き管8を挿入する貫通孔12が複数個(この例では10個)設けられ、それらは開口部16を中心として渦巻のライン上に所定ピッチで配設されている。このようにすると、配管とスリーブとの相対関係により最適な貫通孔12を選択できる。なお、使用しない貫通孔は栓などで塞いでおく。 【0011】空気抜き管8,9の挿入可能位置は、スリーブ2内に挿入する配管3の上下方向位置の変化によってしばしば変化する。しかし上記のように貫通孔12の位置を渦巻状に配設することによって、間隙上部における空気抜き管8,9の挿入可能位置が変化しても、いずれかの貫通孔12を選択して配管3が邪魔にならない間隙上部に空気抜き管8を挿入できる。さらに閉鎖体4にはモルタル注入口11が設けられる。このモルタル注入口11は、閉塞体4の分割面に対して貫通孔12と反対側に間隔を置いて2つ配設され、モルタル配管10を接続し易いモルタル注入口11を選択できるようになっている。なお、使用しないモルタル注入口11は栓などで塞いでおく。 【0012】図3に示すように、固定体5は外形が方形であって中心部に配管3に整合する円形の開口部17を有する2つ割のフランジにより構成され、その分割面の一端側はヒンジ5aで開閉自在に連結され、他端側は締結具6で着脱自在に締結できるようになっている。なお締結具6は分割片の両縁部に設けた一対のブラケット5e,5fと、その一方のブラケット5eに一端が軸支されたボルト5bと、他方のブラケット5fに設けたスリットとを有し、そのスリットにボルト5bの他端が挿脱自在に挿入され、そのボルト5bの先端に螺着されたナット5cを介して一対の分割片が締結される。その締結力は、閉塞体4における締結力よりも強くすることが好ましい。 【0013】固定体5には所定ピッチでボルト孔14が周方向に2列配設される。2列配設する理由は、配管とスリーブとの隙間の大小に対応できるようにするためで、場合によっては1列であってもよい。さらに固定体5には空気抜き管8を挿通するための細長いスリット13が開口部17から半径方向に延長するようにして設けられる。なお図1には左右一対の閉鎖体4および固定体5が使用されているが、右側の固定体5にはスリット13を設けなくてもよい。上記のように閉鎖体4および固定体5をヒンジ結合により開閉可能な2つ割のフランジにより構成すると、配管3の敷設を完了した後に、それを配管3の外周から簡単に着脱することができる。 【0014】図1の左側から間隙内に挿入される空気抜き管8は、図4に示すように軸線が直線状で、その先端が閉鎖され、長手方向の側壁に所定間隔で複数の貫通孔19を設けた細長い管18により構成される。このような空気抜き管8の1例として、口径10mm程度の細い管の先端付近に直径3mm程度の貫通孔19を50mm程度のピッチで5箇所程度設けたものが使用できる。なおそのピッチは適宜変更することができると共に、その空気抜き管8の長さは壁1の厚さ変化に対応できるように長めに設計することが望ましい。 【0015】空気抜き管8は固定体5のスリット13、閉鎖体4の貫通孔12に順に挿通してからスリーブ2と配管3の間隙上部に挿入するようになっており、後端に空気吸引装置20の吸引部が接続される。空気吸引装置20は市販されている家庭用または業務用の電気掃除機などを使用でき、そのノズルと空気抜き管8との接続部の隙間を粘着テープ等で閉塞して用いる。一方、図1の右側に配置した空気抜き管9は、左側のそれより大径でその先端を右側の閉鎖体4の貫通孔12に挿通することによってスリーブ2と配管3の間隙上部に開口し、後端はそこから上方にエルボ状に折れ曲がって大気に開口(連通)する。 【0016】次に、本発明による配管のシール工法の手順を説明すると、スリーブ2が埋設された壁貫通部に配管3を挿入して位置決めして、次に壁貫通部の両側に接するようにして閉鎖体4を配管3に固定する。左側の閉鎖体4を固定する際には、スリーブ2と配管3の間隙上部と同じレベルに貫通孔12の1つが位置するように閉鎖体4を回転し、その状態で締結具4bを締め付けて配管3に固定する。次いで固定した左側の閉鎖体4に隣接して配管3に固定体5を固定するが、その際、固定体5に設けたスリット13が前記間隙上部に位置させた貫通孔12に一致するように回転し、その状態で締結具6を締め付けて配管3に確固に固定する。次に固定体5のボルト孔14にボルトなどの押圧体7を螺着し、その先端を閉鎖体4に圧着させる。それによって閉鎖体4は固定体5を反力受けとする押圧体7で押圧されて壁開口部の左側に密着する。 【0017】右側の閉鎖体4および固定体5も上記と同様にして配管3にそれぞれ固定し、その固定体5を反力受けとする押圧体7で閉鎖体4を壁開口部の右側に密着させる。ただし右側の空気抜き管9は固定体5には挿通されないので、右側においては固定体5を閉鎖体4と位置合わせする必要はない。次に左側の固定体5のスリット13および閉鎖体4の貫通孔12に空気抜き管8を挿通して、それを配管3とスリーブ2との間隙上部に挿入する。また右側の閉鎖体4の貫通孔12に空気抜き管9を挿通する。 【0018】次いで左側の閉鎖体4のモルタル注入口11にモルタル移送ポンプ(図示せず)に接続されたモルタル配管10を差し込み、モルタル移送ポンプを運転して左右の閉鎖体4で閉鎖されたスリーブ2と配管3の間隙内にモルタルを注入する。モルタルは間隙の左側下部から右側に徐々にせり上がるようにして充填されていくが、その際、空隙に存在している大部分の空気は一次的に右側の空気抜き管9から外部に排出される。そして右側の空気抜き管9からモルタルが溢れ出したらモルタル移送ポンプを停止し、モルタル注入を一旦中断する。 【0019】充填に際してモルタル中に巻き込まれた気泡やモルタル中に新たに生成する気泡は、モルタル中を上昇し間隙上部に徐々に蓄積し滞留空気となる。そこで空気抜き管8に接続した空気吸引装置20を運転し、蓄積する滞留空気を強制的に外部に排出する。さらにモルタル移送ポンプを再び運転して間隙上部に生じる空洞部分をモルタルで充填しつつ、空気抜き管8を引き抜く。それが完了したらモルタル移送ポンプおよび空気吸引装置20を停止する。 【0020】そしてモルタルが硬化したら押圧体7、固定体5および閉鎖体4を順に取り外す。なお、閉鎖体4や空気抜き管8,9のモルタル接触面は、モルタルの付着を防止するために、例えば予め離形剤などを塗布しておくことが望ましい。上記の実施形態では、貫通孔19を設けた空気抜き管8をスリーブ2の左側からのみ間隙に挿入しているが、左側に代えて右側から挿入することもでき、さらに左右両方から空気抜き管8を挿入するようにしてもよい。 【0021】 【発明の効果】以上のように本発明による配管のシール工法は、スリーブの両端部と配管の外周面の間を閉鎖体で閉鎖し、少なくとも一方の閉鎖体を貫通して前記間隙上部に空気抜き管を挿入し、モルタル充填と共に間隙に存在する空気を空気抜き管から外部に強制的に排出することを特徴とする。そのため従来の鉛毛充填法に比べて施工が簡単で且つ安価になり、間隙に充填したモルタル内に空気が残留しないので放射線遮蔽効果を低下させるおそれもない。 【0022】また本発明の閉鎖構造は、2つ割のフランジにより構成される閉塞体を有し、、その分割面の一端側をヒンジで連結し、他方を締結具で着脱自在に締結する。さらに2つ割のフランジにより構成される固定体を有し、その分割面の一端側をヒンジで連結し、他端側を締結具で着脱自在に締結する。そしてその固定体を反力受けとして閉鎖体を押圧する押圧体を備えていることを特徴とする。そのため配管の壁を貫通する位置において、その外周から簡単且つ着脱自在に固定することができる。 【0023】上記閉鎖構造において、閉鎖体に空気抜き管を貫通するための複数の貫通孔を渦巻状に所定ピッチで配設することができる。このようにすると、スリーブ内の配管位置の変化により、空気抜き管の挿入可能な位置が変化しても十分に対応することができる。さらに本発明の空気抜き管は、先端が閉鎖され、長手方向の側壁に所定間隔で複数の貫通孔を設けた細長い管からなることを特徴し、容易に間隙に滞留する空気を吸引して外部に排出することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390014568 【氏名又は名称】東芝プラント建設株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月8日(2000.12.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082843 【弁理士】 【氏名又は名称】窪田 卓美
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| 【公開番号】 |
特開2002−181981(P2002−181981A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−375120(P2000−375120) |
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