| 【発明の名称】 |
シュラウド |
| 【発明者】 |
【氏名】武井 義文
【氏名】青木 一郎
【氏名】津戸 宏之
【氏名】塩貝 達也
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| 【要約】 |
【課題】長時間使用しても強度が低下しないシュラウドを提供すること。
【解決手段】チューブに炭化ホウ素ペレットを挿入してなる原子炉のシュラウド付き制御棒において、該シュラウドが、SiとSiC粉末またはSiC繊維とからなるSi−SiC複合材料からなることとしたシュラウド。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 チューブに炭化ホウ素ペレットを挿入してなるシュラウド付き制御棒において、該シュラウドが、SiとSiC粉末またはSiC繊維とからなるSi−SiC複合材料からなることを特徴とするシュラウド。 【請求項2】 複合材料が、SiC粉末またはSiC繊維に有機バインダーを添加し、混合し、成形した後、その成形体の少なくとも一つの表面にSiを接触させ、それを真空中またはアルゴン雰囲気中で1500〜1700℃の温度で加熱し溶融したSiを成形体中に浸透させて作製された複合材料であることを特徴とする請求項1記載のシュラウド。 【請求項3】 複合材料中のSiC粉末またはSiC繊維の含有率が、30〜70体積%であることを特徴とする請求項1または2記載のシュラウド。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、チューブに炭化ホウ素ペレットを挿入してなる原子炉用制御棒に関し、特にシュラウド付き制御棒におけるシュラウドに関する。 【0002】 【従来の技術】高速増殖炉を始めとする原子炉用制御棒としては、ステンレスからなるチューブに炭化ホウ素からなるペレットを挿入してなる制御棒が用いられている。 【0003】この制御棒は、中性子照射により高温となり、チューブが炭化ホウ素により浸炭され脆化し、破損する恐れがあること、また、炭化ホウ素が中性子を吸収することによりヘリウムを発生して膨張し、その発熱に伴う熱応力のため炭化ホウ素ペレットが割れ、その破片が移動してチューブとのギャップを埋め、この埋められた破片がさらに中性子の照射を受け続け炭化ホウ素とチューブとの間に応力が働き、この応力によりチューブが破損する恐れがあることなどの問題から、チューブが破損しないようチューブ内の炭化ホウ素ペレットをその全長にわたってステンレスからなる薄肉パイプ(シュラウドと称する)で被覆したシュラウド付き制御棒が用いられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このシュラウドでは、ステンレスからなっているので、長時間使用すると、炭化ホウ素からなるペレットと反応して、浸炭等により脆化して強度が大きく低下し、シュラウドとしての機能が低下するという問題があった。 【0005】本発明は、上述したシュラウドが有する課題に鑑みなされたものであって、その目的は、長時間使用しても強度が低下しないシュラウドを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、シュラウドにSiとSiC粉末またはSiC繊維とで作製されたSi−SiC複合材料を用いれば、長時間使用しても強度が低下しないシュラウドが得られるとの知見を得て本発明を完成するに至った。 【0007】即ち本発明は、(1)チューブに炭化ホウ素ペレットを挿入してなる原子炉のシュラウド付き制御棒において、該シュラウドが、SiとSiC粉末またはSiC繊維とからなるSi−SiC複合材料からなることを特徴とするシュラウド(請求項1)とし、(2)複合材料が、SiC粉末またはSiC繊維に有機バインダーを添加し、混合し、成形した後、その成形体の少なくとも一つの表面にSiを接触させ、それを真空中またはアルゴン雰囲気中で1500〜1700℃の温度で加熱し溶融したSiを成形体中に浸透させて作製された複合材料であることを特徴とする請求項1記載のシュラウド(請求項2)とし、(3)複合材料中のSiC粉末またはSiC繊維の含有率が、30〜70体積%であることを特徴とする請求項1または2記載のシュラウド(請求項3)とすることを要旨とする。以下さらに詳細に説明する。 【0008】上記で述べたように本発明のシュラウドとしては、SiとSiC粉末またはSiC繊維とからなるSi−SiC複合材料からなるシュラウドとした(請求項1)。このシュラウドは、耐熱性のよいSiとSiC粉末またはSiC繊維からなっているので、耐熱性に優れていることは勿論のこと、炭化ホウ素によって例え浸炭されるとしても、複合材料中のSiと反応してSiCとなるだけで、脆化することがなく、長時間使用しても強度が低下することがない。 【0009】その複合材料の作製方法としては、SiC粉末またはSiC繊維に有機バインダーを添加し、混合し、成形した後、その成形体の少なくとも一つの表面にSiを接触させ、それを真空中またはアルゴン雰囲気中で1500〜1700℃の温度で加熱し溶融したSiを成形体中に浸透させて作製する方法とした(請求項2)。 【0010】この作製方法は、溶融されたSiをSiC粉末またはSiC繊維からなる成形体中に真空中またはアルゴン雰囲気中で浸透させるもので、その浸透温度としては、1500〜1700℃が好ましく、1500℃より低いと緻密な複合材料が得られず、また1700℃より高くてはSiの蒸発によりやはり緻密な複合材料が得られない。 【0011】その複合材料中のSiC粉末またはSiC繊維の割合としては、含有率で30〜70体積%とした(請求項3)。SiC粉末またはSiC繊維の含有率が30体積%より低くなると複合材料の剛性が低下してシュラウドとして問題があり、70体積%より高くなると製造でき難くなる。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の作製方法をさらに詳しく述べると、先ずSiC粉末またはSiC繊維を用意し、これにフェノール樹脂等の有機バインダーを添加し混合して得られたスラリーを例えば石膏型等に流し込み、吸水し、脱型してシュラウドの成形体に成形した後、その成形体を所定温度で脱バインダーしてSiC粉末またはSiC繊維の成形体を得る。 【0013】得られた成形体の表面にSiのインゴットを接触させ、これを真空中またはアルゴン雰囲気中で1500〜1700℃の温度に加熱処理して所定時間保持し、溶融Siを成形体中に浸透させ、パイプ状の複合材料を作製する。得られた複合材料の内外面を必要があれば平面研削などの機械加工を施すことによりシュラウドを作製する。 【0014】以上の方法でシュラウドを作製すれば、長時間使用しても強度が低下しないシュラウドとすることができる。 【0015】 【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に挙げ、本発明をより詳細に説明する。 【0016】(実施例) (1)シュラウドの作製SiC粉末として信濃電気精錬社製のGC#800とGC#2000とを用い、それらを混合した100重量部に有機バインダーとしてフェノール樹脂(昭和高分子社製 BRE−174)を3重量部、交換水を20重量部加え、混合し、得られたスラリーを石膏型に流し込み、乾燥した後、それを200℃で脱バインダーすることにより、成形体を得た。 【0017】得られた成形体の上面にSiのインゴット(日本電工社製)を載せ、真空中で1600℃の温度で3時間保持することにより、溶融Siを成形体中に浸透させ、冷却し、SiC粉末の含有率が60体積%で厚さが5mmのSi−SiC複合材料からなるシュラウドを作製した。 【0018】(2)評価長時間使用すると強度が変化するかどうかを調べるため、上記とは別に上記と同じ複合材料からなる50×50×10mmのサンプルを作製し、そのサンプルから3×4×40mmの試験片を切り出し、得られたサンプルの常温曲げ強度と大気中で1400℃の温度で600時間保持した後冷却したサンプルの常温曲げ強度を測定した。その結果、常温では303MPaで、1400℃に加熱したものでは296MPaでほとんど変わらなかった。このことは、シュラウドとして本発明のSi−SiC複合材料からなるシュラウドとすれば、長時間使用しても強度の低下のないシュラウドとすることができることを示している。 【0019】 【発明の効果】以上の通り、本発明のシュラウドであれば、長時間使用しても強度の低下のないシュラウドとすることができるようになった。このことにより、原子炉制御棒用のシュラウドとして用いるのみならず、その耐熱性、強度性を生かして高温で使用される部材、例えば石油クラッキングにおける熱交換器等にも好適に使用することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000240 【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月19日(2000.12.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−181978(P2002−181978A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月26日(2002.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願2000−384884(P2000−384884) |
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