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【発明の名称】 原子炉及びこれを備える原子力プラント
【発明者】 【氏名】松村 哲夫

【要約】 【課題】使用済燃料の再処理を行うことなく核燃料資源を有効に利用する。

【解決手段】使用済燃料と、当該使用済燃料の使用による反応度の不足を補い核分裂連鎖反応を維持する補助金属燃料を炉心4に装荷し、冷却材5としてガスを用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使用済燃料と、当該使用済燃料の使用による反応度の不足を補い核分裂連鎖反応を維持する補助金属燃料を炉心に装荷し、冷却材としてガスを用いることを特徴とする原子炉。
【請求項2】 前記補助金属燃料として、劣化ウラン、回収ウラン、濃縮ウラン、天然ウラン又はプルトニウムを混合したウランのいずれかを用いることを特徴とする請求項1記載の原子炉。
【請求項3】 前記補助金属燃料として、前記使用済燃料の燃焼初期には濃縮ウラン又はプルトニウムを混合したウランを使用し、前記使用済燃料の燃焼によるプルトニウムの蓄積に応じて劣化ウラン又は回収ウランを用いることを特徴とする請求項1記載の原子炉。
【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の原子炉を備えることを特徴とする原子力プラント。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉及びこれを備える原子力プラントに関する。さらに詳しくは、本発明は、処理処分が困難であった使用済燃料、劣化ウラン、回収ウランを燃料として使用し、リサイクル燃料資源の活用に適した原子炉と、これを備える原子力プラントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、原子炉で使用した使用済燃料は、そのまま放射性廃棄物として廃棄処分されるか、または再処理を行ってプルトニウムやウラン(回収ウラン)を分離回収して核燃料に再加工していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、使用済燃料をそのまま廃棄する場合には、使用済燃料の中に大量に残っているウランやプルトニウムも廃棄されることになり、核燃料として有効に利用可能な資源が大量に無駄になる。また、本来ならば再利用可能な大量のウランやプルトニウムを廃棄するので、その分だけ放射性廃棄物が多く発生することになる。
【0004】また、使用済燃料を再処理する場合には、使用済燃料中に残存するウランやプルトニウムの有効利用が可能になるものの、再処理を行うことで別の問題、例えば再処理のための特別の設備や放射線管理が必要になると共に、再処理工程で新たな高レベル放射性廃棄物が発生する等の再処理に特有の問題が発生する。また、核燃料サイクルが実現されていない現状においては分離したウランやプルトニウムを長期にわたり保管しなければならず、核燃料サイクルとは別に早期に実現可能な方法でウランやプルトニウムの再利用を図る必要がある。
【0005】一方、天然ウランからウラン235を濃縮する際の副産物である劣化ウランを有効に利用したいとの要請もある。
【0006】本発明は、使用済燃料を再処理することなく核燃料資源を有効に利用することができる原子炉と、この原子炉を利用した原子力プラントを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために請求項1記載の原子炉は、使用済燃料と、当該使用済燃料の使用による反応度の不足を補い核分裂連鎖反応を維持する補助金属燃料を炉心に装荷し、冷却材としてガスを用いるものである。
【0008】例えば軽水炉の使用済燃料はウラン235の含有率が低下しており、また、毒物となる核分裂生成物質を含んでいるので、使用済燃料のみを炉心に装荷しても実効増倍率を1以上にすることができず反応度を0以上にするのは困難である。しかしながら、反応度の不足、即ち反応度を0又は0を越える値にするのに必要な反応度を補助金属燃料の装荷によって補うことができる。つまり、本発明の原子炉では、使用済燃料の他に補助金属燃料を装荷して核分裂連鎖反応を維持する。また、冷却材として液体金属や水に比べて中性子を減速させないガスを使用すると共に、酸化物燃料や窒化物燃料等に比べて中性子を減速させない金属燃料である補助金属燃料を使用しているので、使用済燃料に残存するウラン238のプルトニウムへの転換が効率よく行われる。そして、転換されたプルトニウムが核分裂連鎖反応の維持に寄与する。
【0009】また、請求項2記載の原子炉は、補助金属燃料として、劣化ウラン、回収ウラン、濃縮ウラン、天然ウラン又はプルトニウムを混合したウランのいずれかを用いるものである。補助金属燃料として、劣化ウラン、回収ウランを用いた場合は、ウラン235の濃縮の副産物である劣化ウランや、燃料再処理して回収された回収ウラン(減損ウラン)を有効利用することができる。また、補助金属燃料として、濃縮ウラン、天然ウラン、プルトニウムを混合したウランを用いた場合には、劣化ウランや回収ウランに比べて、使用済燃料の燃焼初期における核分裂連鎖反応の維持が容易である。
【0010】また、請求項3記載の原子炉は、補助金属燃料として、使用済燃料の燃焼初期には濃縮ウラン又はプルトニウムを混合したウランを使用し、使用済燃料の燃焼によるプルトニウムの蓄積に応じて劣化ウラン又は回収ウランを用いるものである。したがって、使用済燃料の燃焼初期における核分裂連鎖反応の維持が容易となり、しかも、劣化ウランや回収ウランを有効利用することができる。
【0011】さらに、請求項4記載の原子力プラントは、請求項1から3のいずれかに記載の原子炉を備えるものである。したがって、ウラン資源を有効利用する原子力プラントが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1に本発明を適用した原子炉を備える原子力プラントの実施形態の一例を、図2に使用済燃料の一例を、図3に補助金属燃料の一例をそれぞれ示す。原子炉1は、使用済燃料2と、当該使用済燃料2の使用による反応度の不足を補い核分裂連鎖反応を維持する補助金属燃料3を炉心4に装荷し、冷却材5としてガスを用いるものである。
【0014】この原子炉1で燃焼させることができる使用済燃料2は、例えば軽水炉、重水炉、高速炉、ガス炉等のいずれで発生したものでも良い。使用済燃料2は、燃料加工後に最初に新しい燃料として燃焼させた原子炉から取り出したものをそのまま利用することが可能である。即ち、燃料として最初に燃焼させた原子炉(以下、最初の原子炉という)から取り出した使用済みの燃料集合体を分解し、ばらばらになった燃料棒12をまとめて本発明の原子炉1用の燃料集合体6を構成する。ただし、最初の原子炉1から取り出した燃料集合体を本発明の原子炉1の燃料集合体6としてそのまま装荷するようにしても良い。
【0015】使用済燃料2の被覆管13は、最初の原子炉での使用時に中性子などの放射線照射を受けて多少脆くなっている。このため、本発明の原子炉1では、その出力密度を例えば軽水炉の約1/10以下、即ち例えば線出力密度で30W/cm以下にして被覆管の破損防止を図っている。また、例えば軽水炉で発生した使用済燃料2を用いる場合には、被覆管13の材料であるジルカロイの高温クリープ特性を考慮して原子炉容器7内の温度を例えば300℃程度以下とする。
【0016】補助金属燃料3は、例えば劣化ウラン、回収ウラン、ウラン235の濃縮ウラン、天然ウラン、プルトニウムを混合させたウラン等のウラン金属の使用が可能であり、これらは使用済燃料2に応じて選択される。例えば、使用済燃料2中に含まれるウラン235やプルトニウム239の割合が少なく使用済燃料2だけでは実効増倍率が1を大きく下回る場合には、補助金属燃料3としてウラン235の濃縮ウランやプルトニウムを混合させたウランを使用して実効増倍率を1又は1以上に増加させる。一方、使用済燃料2中に含まれるウラン235やプルトニウム239の割合が上述の場合よりも多くなり、補助金属燃料3として劣化ウランや回収ウランを使用しても実効増倍率を1又は1以上に増加させることができる場合には、補助金属燃料3として劣化ウランや回収ウランを使用する。また、補助金属燃料3として天然ウランを使用して実効増倍率を1以上に増加させることができる場合には、天然ウランを使用しても良い。
【0017】また、使用済燃料2や補助金属燃料3の中には燃焼によってプルトニウムが蓄積され反応度を変化させるので、使用済燃料2の燃焼に応じて使用する補助金属燃料3を変えても良い。例えば原子炉1の運転初期、即ち使用済燃料2の燃焼初期にはウラン235を約10%に濃縮したウランを使用し、使用済燃料2や補助金属燃料3中のプルトニウムの蓄積に伴い劣化ウランや回収ウランを使用するようにしても良い。
【0018】補助金属燃料3は、被覆管14内に充填され燃料棒15に加工されて使用される。例えば、補助金属燃料3を粒状に成形し、この粒状の燃料を被覆管14に多数充填した燃料棒15を炉心4に装荷する。燃料はスエリング等によって膨張するが、粒状の燃料の間には隙間があるので燃料の膨張を吸収することができる。被覆管14内には燃料と一緒に熱伝達媒体を充填しても良く、あるいは熱伝達媒体を充填せずに燃料で発生した熱を接触により被覆管14に直接伝えるようにしても良い。被覆管14内に充填する熱伝達媒体としては、冷却材5と同じ物質を使用することが好ましい。また、被覆管14の材料としては、ステンレス鋼の他、ジルカロイ等のジルコニウム合金、アルミニウム合金、マグノックス等のマグネシウム合金等の使用が可能である。
【0019】なお、ウラン燃料に、例えばZrを10%程度混合して燃料物性の安定化を図るようにしても良い。また、被覆管14内に充填する燃料の形状としては粒状に限るものではなく、例えば中心に孔を有する円筒形状等でも良い。円筒形状にすることで、中心の孔部分で燃料の膨張を吸収することができる。
【0020】炉心4には、使用済燃料2の燃料棒12で構成した燃料集合体6と、補助金属燃料3の燃料棒15で構成した燃料集合体8を装荷する。ただし、使用済燃料2の燃料棒と補助金属燃料3の燃料棒15とで1つの燃料集合体を構成し、この燃料集合体を炉心4に装荷するようにしても良い。
【0021】ガス冷却材5としては、例えばヘリウムガス、炭酸ガス等の使用が可能である。ガス冷却材5は、液体金属や軽水・重水の冷却材5に比べて中性子を減速させない。
【0022】このように構成された原子炉1を備えて原子力プラントを構成できる。原子力プラントは、例えば発電プラントであり、原子炉容器7内には、炉心4及び冷却材5の他に蒸気発生器9、制御機構10等が設置されている。蒸気発生器9で発生した蒸気は原子炉容器7の外に設置された発電用タービン11に供給される。
【0023】制御機構10は、例えば炉心4の外に中性子反射体を設置し、この中性子反射体を移動させることで核分裂連鎖反応に寄与する高速中性子の漏洩量を増減して反応度を制御するものである。ただし、制御機構10としてはこれに限るものではなく、例えばボロン、タンタル等の高速中性子吸収材を炉心4に近づけたり離したりすることで核分裂連鎖反応に寄与する高速中性子を増減して反応度を制御するようにしても良い。なお、本発明の原子炉1では反応度の剰余は少ないため、制御機構10は小型のもので足りる。
【0024】なお、図1には記載されていないが、原子炉容器7内には反射体、遮蔽材、緊急炉心停止装置、非常用炉心冷却装置等が設置されているのは勿論である。
【0025】炉心4に使用済燃料2の燃料棒12で構成した燃料集合体6と補助金属燃料3の燃料棒15で構成した燃料集合体8を装荷し、運転を開始すると、炉心4で発生した熱はガス冷却材5の自然対流によって蒸気発生器9に伝達される。つまり、ガス冷却材5は炉心4を下から上に向けて流れながら高温になり、原子炉容器7の天井を伝わって蒸気発生器9へと流れる。そして、蒸気発生器9で熱交換を行うことで冷却されながら下降し、炉心4に下から流入する。このように冷却材5を自然対流により循環させることも可能であり、この場合にはポンプ等を使用して冷却材5を強制循環させる場合のように動力を必要としない。尚、ポンプ等を使用して冷却材5を強制循環させて強制冷却することも可能である。
【0026】蒸気発生器9において冷却材5の熱によって生じた蒸気は発電用タービン11を回転させた後、水に戻り蒸気発生器9へと循環する。発電用タービン11を回転させることで、発電が行われる。なお、発電用タービン11を設ける代わりに熱の使用場所に蒸気を供給するようにし、原子炉1で発生した熱を暖房等の熱供給に利用することも可能である。
【0027】炉心4には核燃料としてそれ自体では実効増倍率が1未満となり反応度を0以上にすることができない使用済燃料2が装荷されるが、臨界又は臨界超過の状態に対して不足する反応度は補助金属燃料3によって補われる。このため、核分裂連鎖反応を維持することができる。
【0028】また、冷却材5として液体金属や水に比べて中性子を減速させないガスを使用すると共に、酸化物燃料や窒化物燃料等に比べて中性子を減速させない金属燃料である補助金属燃料3を使用しているので、高速中性子を利用して使用済燃料2や補助金属燃料3中のウラン238のプルトニウムへの転換が効率よく行われる。このようにして炉心4内で生産されたプルトニウムは核分裂連鎖反応に寄与する。
【0029】例えば、軽水炉で発生した使用済燃料2にはウラン238がウラン部分の例えば95%程度残っている。使用済燃料2の燃焼によりウラン238はプルトニウムに転換され、核分裂連鎖反応に寄与する。また、高速炉で発生した使用済燃料2にはウラン235が例えば75%程度、プルトニウムが例えば10%程度残っている。使用済燃料2中に残っているウラン235やプルトニウムと、新たに転換されたプルトニウムが核分裂連鎖反応に寄与する。
【0030】図4に、燃料の燃焼度と無限増倍率の関係を示す。使用済燃料2や補助金属燃料3が燃焼すると当該燃料2,3中にはプルトニウムが蓄積されるので無限増倍率が増加する。ここで、図中曲線aは劣化ウランを用いた補助金属燃料3と使用済燃料2を炉心に装荷した場合を、図中曲線bはウラン235を10%程度に濃縮した金属ウランを用いた補助金属燃料3と使用済燃料2を炉心に装荷した場合を示している。いずれの場合であっても無限増倍率を1以上にして核分裂連鎖反応を維持することができる。
【0031】ただし、曲線aの場合には、燃焼初期、例えば燃焼度が40GWd/t未満の部分には、炉心内でプルトニウムが十分に生産されていないために、核分裂連鎖反応を維持できず無限増倍率が1未満である。これに対し、曲線bの場合には、燃焼初期から無限増倍率を1以上にすることができる。一方、ウラン資源の有効利用、ウラン濃縮に必要なエネルギーやコストを削減する等の観点からは、補助金属燃料3として濃縮ウランを用いるよりも、劣化ウランや回収ウランを用いることが好ましい。このため、燃焼初期には曲線bの補助金属燃料3と使用済燃料2を燃焼させ、その後に曲線aの補助金属燃料3と使用済燃料2を燃焼させることが考えられる。即ち、補助金属燃料3として、燃焼初期には濃縮ウラン又はプルトニウムを混合したウランを使用し、使用済燃料2や補助金属燃料3の燃焼によるプルトニウムの蓄積に応じて劣化ウラン又は回収ウランを用いることで、反応度を常に0以上に維持して核分裂連鎖反応を維持すると共に、ウラン資源の有効利用を図ることができる。補助金属燃料3は、燃料交換時に一部ずつ順番に濃縮ウラン又はプルトニウムを混合したウランを使用したものから、劣化ウランや回収ウランを使用したものに交換する。
【0032】炉心4に装荷した使用済燃料2は、例えば250GWd/t程度の燃焼度になるまで燃焼される。そして、炉心4で燃焼された使用済燃料2は、例えば廃棄処分される。但し、炉心4で燃焼された使用済燃料2を再処理することも可能である。
【0033】このように、本発明の原子炉1では、使用済燃料2を炉心4に装荷して燃焼させることができるので、ウラン資源を有効に活用することができると共に、放射性廃棄物を減らすことができる。また、使用済燃料2の再処理を行う必要がなくなるので、再処理のための特別な設備や放射線管理を不要にできると共に、再処理によって新たな放射性廃棄物が発生することもなくなる。更に、軽水炉で発生した使用済燃料を再処理した場合のようにウランやプルトニウムを分離した状態で保管せずにすむ。また、従来、有効活用し難かった劣化ウランや回収ウランを燃焼させることができるので、ウラン資源をより一層有効活用することができる。
【0034】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、使用済燃料2を最初の原子炉から取り出してその燃料棒12をそのまま本発明の原子炉1で燃焼させるようにしていたが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、最初の原子炉から取り出した燃料棒12を高温例えば500℃程度で焼き鈍し処理をした後に本発明の原子炉1で燃焼させるようにしても良い。このようにすることで、最初の原子炉における放射線照射の影響を緩和することができ、本発明の原子炉1で使用している最中の破損防止を図ることができる。
【0035】また、図5に示すように、最初の原子炉から取り出した使用済燃料2の燃料棒12をオーバーパック16に封入して本発明の原子炉1に装荷するようにしても良い。このようにすることで、燃料棒12の被覆管13が破損した場合であっても燃料の漏れを防止することができる。オーバーパック16は、例えばステンレス管等である。使用によって燃料棒12は若干変形するので、オーバーパック16を燃料棒12のサイズよりも若干大きく形成しておくことが好ましい。また、オーバーパック16内には、Heガス等の熱伝達媒体17を封入しておくことが好ましい。
【0036】さらに、原子炉1に装荷する燃料の量を変化させても良い。例えば、原子炉1の運転初期には、使用済燃料2と補助金属燃料3の装荷量を少なくして小さい炉心4を構成し、燃料取り替え時に装荷量を徐々に増加させて炉心4を大きくするようにしても良い。このようにすることで、原子炉1の運転初期に必要とされる濃縮ウランの量を減らすことができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の原子炉では、使用済燃料と、当該使用済燃料の使用による反応度の不足を補い核分裂連鎖反応を維持する補助金属燃料を炉心に装荷し、冷却材としてガスを用いているので、使用済燃料を燃焼させながら核分裂連鎖反応を維持することができる。このため、燃料再処理を行わなくてもウラン資源の有効利用が可能になると共に、放射性廃棄物の発生を抑えることができる。また、使用済燃料の再処理を行う必要がなくなるため、再処理に必要な特別の設備や放射線管理が不要となると共に、新たな放射性廃棄物の発生を防止することもでき、さらには、分離したウランやプルトニウムを保管する必要もなくなる。また、使用済燃料を単に貯蔵・保管することなく有効に活用できることから、原子燃料サイクルの推進を図ることができる。
【0038】また、請求項2記載の原子炉では、補助金属燃料として、劣化ウラン、回収ウラン、濃縮ウラン、天然ウラン又はプルトニウムを混合したウランのいずれかを用いており、これらのうち、劣化ウラン又は回収ウランを用いる場合には、従来、利用し難かった劣化ウランや回収ウランを燃焼することができるので、ウラン資源のより一層の有効利用と原子燃料サイクルのより一層の推進を図ることができる。また、補助金属燃料として、濃縮ウラン、天然ウラン、プルトニウムを混合したウランを用いる場合には、劣化ウランや回収ウランを使用した場合に比べて、使用済燃料の燃焼初期においても核分裂連鎖反応の維持が容易である。
【0039】また、請求項3記載の原子炉では、補助金属燃料として、使用済燃料の燃焼初期には濃縮ウラン又はプルトニウムを混合したウランを使用し、使用済燃料の燃焼によるプルトニウムの蓄積に応じて劣化ウラン又は回収ウランを用いるので、使用済燃料の燃焼初期における核分裂連鎖反応の維持が容易となり、しかも、劣化ウランや回収ウランを有効利用することができる。
【0040】さらに、請求項4記載の原子炉では、請求項1から3のいずれかに記載の原子炉を備えているので、ウラン資源を有効利用できる原子力プラントを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000173809
【氏名又は名称】財団法人電力中央研究所
【出願日】 平成12年12月14日(2000.12.14)
【代理人】 【識別番号】100087468
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 一美
【公開番号】 特開2002−181976(P2002−181976A)
【公開日】 平成14年6月26日(2002.6.26)
【出願番号】 特願2000−380909(P2000−380909)