トップ :: G 物理学 :: G21 核物理;核工学




【発明の名称】 プラント保守システムおよびその方法
【発明者】 【氏名】加藤 潤悟

【氏名】田中 香織

【要約】 【課題】分析判定に係る信頼性の向上や、木目細かいメンテナンス情報を提供すること。

【解決手段】各現場1に設けられ、各現場1の原子炉用制御棒駆動機構の動作時に得られるデータを取得し、取得したデータを伝送路3を介して出力するデータ取得手段と、各データ取得手段から伝送路3を介して出力されるデータの出力先であって、各データ取得手段から出力されたデータについて分析作業を行い、この分析結果を伝送路3を介してデータ取得元の現場側1に返信する分析結果返信手段2と、各現場1に設けられ、分析結果返信手段2から返信される分析結果を受信する分析結果受信手段とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 各現場に設けられ、前記各現場の原子炉用制御棒駆動機構の動作時に得られるデータを取得し、取得したデータを伝送路を介して出力するデータ取得手段と、前記各データ取得手段から前記伝送路を介して出力されるデータの出力先であって、前記各データ取得手段から出力されたデータについて分析作業を行い、この分析結果を前記伝送路を介してデータ取得元の前記現場側に返信する分析結果返信手段と、前記各現場に設けられ、前記分析結果返信手段から返信される分析結果を受信する分析結果受信手段とを備えたことを特徴とするプラント保守システム。
【請求項2】 請求項1に記載のプラント保守システムにおいて、前記データ取得手段は、前記各現場に備えられたプラント機器の状態に関するデータや動作時に得られるデータを取得するようにしたことを特徴とするプラント保守システム。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のプラント保守システムにおいて、前記分析結果返信手段によって行われた分析作業の分析結果を、所定の判定基準と比較し、前記分析結果が前記判定基準を満足しない場合には、その内容を前記伝送路を介してデータ取得元の現場側に設けられた前記分析結果受信手段に出力する分析結果判定手段を備えたことを特徴とするプラント保守システム。
【請求項4】 請求項1または請求項2または請求項3に記載のプラント保守システムにおいて、前記伝送路をインターネットとしたことを特徴とするプラント保守システム。
【請求項5】 各現場で行われる原子炉用制御棒駆動機構の動作時に得られるデータを、前記各現場から伝送路を介して取得し、前記取得したデータについて分析作業を行い、この分析結果を前記伝送路を介してデータ取得元の前記現場側に返信するようにしたことを特徴とするプラント保守方法。
【請求項6】 請求項5に記載のプラント保守方法において、前記分析結果を、所定の判定基準と比較し、前記分析結果が前記判定基準を満足しない場合には、その内容を前記伝送路を介してデータ取得元の現場側に出力するようにしたことを特徴とするプラント保守方法。
【請求項7】 請求項5に記載のプラント保守方法において、前記分析結果に基づいて、前記原子炉用制御棒駆動機構のメンテナンス情報を前記データ取得元の前記現場側に送信するようにしたことを特徴とするプラント保守方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所において出力を制御するために用いられている制御棒を駆動する機構である原子炉用制御棒駆動機構の動作データを分析するプラント保守システムおよびその方法に係り、更に詳しくは、各現場で測定された動作データを、伝送路を介して各現場共通の分析装置に送信し、この分析装置において各現場から送信された動作データを分析して、その結果を送信元の各現場へ返すプラント保守システムおよびその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、軽水炉や高速増殖炉タイプの原子力発電所において出力を制御するために用いられている制御棒を駆動する機構である原子炉用制御棒駆動機構については、運転サイクル間に行われる定期点検時に各現場(サイト)で動作試験を行い、動作データを採取する。
【0003】そして、この動作データをフロッピー(登録商標)ディスク、MO、磁気テープなどの記憶媒体に記憶し、この記憶媒体を、分析施設から現場へ分析装置を運び込んで動作データを分析する。
【0004】動作データの分析においては、例えば、日本国特許第2511130号(平成8年4月16日登録)に開示されているような分析装置によって分析を行い、この分析の結果から、この原子炉用制御棒駆動機構が正常であるか異常であるかを判定している。分析した結果は、紙に印刷して冊子として提出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のプラント保守方法では、以下のような問題がある。
【0006】すなわち、動作データが記憶された記憶媒体を分析装置のある分析施設まで輸送するまでは分析作業に取り掛かれず、特に分析施設から遠く離れた現場の場合は記憶媒体の輸送による時間のロスが大きい。また、分析した結果を冊子としてデータ計測元の現場へ返送するための時間のロスも生じる。
【0007】あるいはこの対策として、分析装置を各現場がそれぞれ独立して所有することが考えられるが、この場合は、自己の現場で得られた分析データは蓄積されるが、他の現場で得られたデータを所有することはない。このため、例えば、経時的な効果として分析結果に現れるような現象の把握についても、自己の現場で蓄積された限られたデータの中で評価するしかないという問題がある。
【0008】また、動作データの分析精度や、効率の向上を図った分析装置の改良に際して、各現場の事情により導入が一斉に進まず、均一なサービスの提供やメンテナンスが困難となる場合がある。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、各現場共通の中央分析装置を設け、各現場で測定された動作データを、伝送路を介して中央分析装置に送信し、全ての現場からの動作データを同一の分析装置で分析し、その結果を一元管理し、さらに分析結果を伝送路を介してデータ測定元の現場へ電子データとして返送し、もって、これまでの記憶媒体や分析結果をまとめた冊子の輸送にかかる時間のロスを省き、メンテナンスの手間を増やすことなく各現場に対して常に最新の分析サービスを均等に提供し、更に各現場から得られた分析結果を統合した最新知見により分析判定の信頼性の向上や、木目細かいメンテナンス情報を提供することが可能なプラント保守システムおよびその方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0011】すなわち、請求項1の発明では、各現場に設けられ、各現場の原子炉用制御棒駆動機構の動作時に得られるデータを取得し、取得したデータを伝送路を介して出力するデータ取得手段と、各データ取得手段から伝送路を介して出力されるデータの出力先であって、各データ取得手段から出力されたデータについて分析作業を行い、この分析結果を伝送路を介してデータ取得元の現場側に返信する分析結果返信手段と、各現場に設けられ、分析結果返信手段から返信される分析結果を受信する分析結果受信手段とを備える。
【0012】請求項2の発明では、請求項1の発明のプラント保守システムにおいて、データ取得手段は、各現場に備えられたプラント機器の状態に関するデータや動作時に得られるデータを取得する。
【0013】請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明のプラント保守システムにおいて、分析結果返信手段によって行われた分析作業の分析結果を、所定の判定基準と比較し、分析結果が判定基準を満足しない場合には、その内容を伝送路を介してデータ取得元の現場側に設けられた分析結果受信手段に出力する分析結果判定手段を備える。
【0014】請求項4の発明では、請求項1または請求項2または請求項3の発明のプラント保守システムにおいて、伝送路をインターネットとする。
【0015】請求項5の発明では、各現場で行われる原子炉用制御棒駆動機構の動作時に得られるデータを、各現場から伝送路を介して取得し、取得したデータについて分析作業を行い、この分析結果を伝送路を介してデータ取得元の現場側に返信する。
【0016】請求項6の発明では、請求項5の発明のプラント保守方法において、分析結果を、所定の判定基準と比較し、分析結果が判定基準を満足しない場合には、その内容を伝送路を介してデータ取得元の現場側に出力する。
【0017】請求項7の発明では、請求項5の発明のプラント保守方法において、分析結果に基づいて、原子炉用制御棒駆動機構のメンテナンス情報をデータ取得元の現場側に送信する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】本発明の実施の形態を図1から図6を用いて説明する。
【0020】図1は、本発明の実施の形態に係るプラント保守方法を適用したプラント保守システムの一例を示す全体構成図である。
【0021】本実施の形態に係るプラント保守方法を適用したプラント保守システムは、各サイトに備えられたデータ採取装置1(#a)〜1(#n)と、中央分析装置2とを例えばインターネット3のような伝送路を介して接続している。
【0022】図2は、データ採取装置1の構成の一例を示す概念図であり、図の左方に示された原子炉用制御棒駆動装置(以下、「CRDM」と称する)11から採取される各種のデータを取り込むようにしている。
【0023】ここに示すCRDM11は、加圧水型原子力発電プラントに適用されている型式のものであるが、本実施の形態におけるデータ採取装置1は、加圧水型原子力発電プラントに限るものではなく、制御棒駆動機構を備えた原子力発電プラントであればその型式は問わず、たとえば、沸騰水型原子力発電プラントや高速増殖炉発電プラントにおいても適用できるものである。
【0024】図1の左方に示す加圧水型原子力発電プラント用のCRDM11は、実公昭57−35912号公報に開示されたような構成であり、ハウジング12内に収納された昇降用電磁コイル(LFコイル)13と、可動グリッパ用電磁コイル(MGコイル)14と、固定グリッパ用電磁コイル(SGコイル)15とを備えている。
【0025】これらのコイル13〜15の電流は、CRDM制御盤16に送られて再びCRDM制御盤16へ戻るようにしているため、更に、CRDM制御盤16のモニター用信号端子19a、19b、19cからそれぞれ等価な電圧信号を取り出すようにしている。
【0026】また、CRDM11のハウジング12には、加速度計21を設けており、CRDM11の作動音(SD)が、この加速度計(作動音の検知器)21により検知され、加速度計21に接続されたチャージアンプ22を介してこの検知信号を取り出すようにしている。
【0027】また、CRDM11の制御信号は、CRDM制御盤16の制御信号端子23より取り出すようにしている。
【0028】モニター用信号端子19a、19b、19cから取り出された電圧信号、制御信号端子23より取り出されたCRDM11の制御信号は、緩衝増幅器24によって絶縁された後に、データ採取装置1に入力されるようにしている。
【0029】データ採取装置1は、A/D変換器31と、パソコン32と、プリンタ33とを備えている。
【0030】A/D変換器31は、緩衝増幅器24によって絶縁された電圧信号や制御信号をディジタル化してパソコン32に入力する。なお、アナログデータレコーダ29は、A/D変換器31に入力される電圧信号や制御信号をアナログ情報のまま記録する。これは、バックアップ用として備えるものである。
【0031】図3は、パソコン32が備えている各機能を示す機能ブロック図である。
【0032】図3に示すように、パソコン32は、内部バス35を介して制御部36と、インタフェース37と、データ記憶部38と、表示画面39と、データ出力部40とを備えている。
【0033】制御部36は、パソコン32が備えている各部37〜40を制御する。
【0034】インタフェース37は、A/D変換器31から出力される動作データ、および制御信号のディジタルデータを取得する。また、制御部36によって抽出されたデータをインターネット3を介して中央分析装置2に出力する。更に、中央分析装置2側から出力される分析結果、分析判定結果、メンテナンス情報を受信する。
【0035】図4は、A/D変換器31からインタフェース37へと出力されるCRDM11の動作データであるLFコイル電流データ(LF)、MGコイル電流データ(MG)、SGコイル電流データ(SG)、作動音データ(SD)の典型的な時間依存トレンドを示す模式図である。
【0036】■は、可動グリッパの上昇動作に関する時間であり、LFコイル電流が立ち上がる時間LF1と、可動グリッパの上昇完了時に発する作動音SD3が検知される時間との差から求める。
【0037】■は、可動グリッパの下降動作に関する時間であり、LFコイル電流が下降を開始する時間LF2と、可動グリッパの下降完了時に発する作動音SD6が検知される時間との差から求める。
【0038】■は、可動グリッパの保持動作に関する時間であり、MGコイル電流が立ち上がる時間MG1と、可動グリッパの保持完了時に発する作動音SD1が検知される時間との差から求める。
【0039】■は、可動グリッパの開放動作に関する時間であり、MGコイル電流が下降を開始する時間MG2と、可動グリッパの開放完了時に発する作動音SD5が検知される時間との差から求める。
【0040】■は、固定グリッパの保持動作に関する時間であり、SGコイル電流が立ち上がる時間SG2と、固定グリッパの保持完了時に発する作動音SD4が検知される時間との差から求める。
【0041】■は、固定グリッパの開放動作に関する時間であり、SGコイルが下降を開始する時間SG1と、固定グリッパの開放完了時に発する作動音SD2が検知される時間との差から求める。
【0042】■は、可動グリッパ保持完了から固定グリッパ開放開始までの時間であり、可動グリッパの保持完了時に発する作動音SD1が検知される時間と、SGコイル電流が下降を開始する時間SG1との差から求める。
【0043】■は、固定グリッパ保持完了から可動グリッパの開放開始までの時間であり、固定グリッパの保持完了時に発する作動音SD4が検知される時間と、MGコイル電流が下降を開始する時間MG2との差から求める。
【0044】なお、これらの詳細については、日本国特許第2511130号(平成8年4月16日登録)、同第2810330号(平成10年7月31日登録)に開示されている。
【0045】図5に示すように、パソコン32のインタフェース37は、図4に示すような規則的パターンからなる各動作データ(LF:LFコイル電流、MG:MGコイル電流、SG:SGコイル電流、SD:作動音)を連続的に取得し、データ記憶部38に出力する。
【0046】データ記憶部38は、このようにインタフェース37から出力された各動作データを、データ種類情報やデータ取得時刻と関連付けて記憶する。
【0047】制御部36は更に、データ記憶部38に動作データを、インタフェース37を介して中央分析装置2側へ出力させる。
【0048】表示画面39は、制御部36によって抽出されたデータ、中央分析装置2側から出力された分析結果、分析判定結果、メンテナンス情報を、制御部36の指示に基づいて所定の形式で画面表示する。
【0049】データ出力部40は、制御部36によって抽出されたデータ、中央分析装置2側から出力された分析結果、分析判定結果、メンテナンス情報を、制御部36からの指示に基づいてプリンタ33に出力する。
【0050】図6は、中央分析装置2が備えている各機能を示す機能ブロック図である。
【0051】図6に示すように、中央分析装置2は、内部バス42を介してインタフェース43と、制御部44と、分析処理部45と、分析結果判定部46と、データ記憶部47と、表示画面48と、メンテナンス情報蓄積部49と、データ出力部50とを備えている。
【0052】インタフェース43は、インターネット3を介して各現場のデータ採取装置1から送信されるデータを受信する。また、制御部44からの送信指示に基づいて所定のデータをデータ取得元の現場のデータ採取装置1側へ返信する。
【0053】制御部44は、中央分析装置2の全体制御を行う部であり、分析処理の制御、分析結果情報等の現場側への送信を行う。分析処理の制御を行う場合には、インタフェース43を介して各現場のデータ採取装置1より送信されたデータを分析処理部45に転送し分析させる。分析結果情報等の現場側への送信を行う場合には、分析処理部45によってなされた分析結果、分析結果判定部46によってなされた分析判定結果、メンテナンス情報蓄積部49に蓄積されているメンテナンス情報を、インタフェース43を介して該当する現場のデータ採取装置1側に送信する。
【0054】分析処理部45は、制御部44によってインタフェース43から転送されたデータについて分析処理を行い、その分析結果をデータ記憶部47および分析結果判定部46に出力する。
【0055】分析結果判定部46は、分析処理部45から出力された分析結果を、所定の判定基準と比較することによって分析結果の判定を行い、その分析判定結果をデータ記憶部47に出力する。
【0056】データ記憶部47は、分析処理部45から出力された分析結果、分析結果判定部46から出力された分析判定結果を記憶する。
【0057】表示画面48は、制御部44からの指示に基づいて、データ記憶部47に記憶されている分析結果や分析判定結果を画面表示する。
【0058】メンテナンス情報蓄積部49は、分析判定結果に対応するメンテナンス情報を蓄積している。この分析判定結果に対応するメンテナンス情報とは、例えば、分析判定結果から推定される原因リストのことであり、これによって、各現場では、メンテナンスや交換の必要な部品を認識できるようにしている。
【0059】データ出力部50は、制御部44からの指示に基づいて、分析結果や分析判定結果を出力するプリンタまたはFDD、MO、CD−R、CD−RWなどの媒体書き込み装置である。
【0060】なお、本実施の形態に係るプラント保守方法を適用したプラント保守システムは、各現場のデータ採取装置1と中央分析装置2とが直接インターネット3に接続しているような構成に限るものではなく、LAN、あるいは公衆回線や専用回線を介して複数のLANが接続されるWAN等を介してインターネット3に接続している場合であっても良い。LANの場合には、必要に応じてルータを介した多数のサブネットから構成される。また、WANの場合には、公衆回線に接続するためのファイアウォール等を適宜備えているが、ここではその図示及び詳細説明を省略する。
【0061】次に、以上のように構成した本実施の形態に係るプラント保守方法を適用したプラント保守システムの作用について説明する。
【0062】CRDM11の動作時には、昇降用電磁コイル(LFコイル)13を流れるLFコイル電流(LF)が、可動グリッパ用電磁コイル(MGコイル)14を流れるMGコイル電流(MG)が、固定グリッパ用電磁コイル(SGコイル)15を流れるSGコイル電流(SG)がそれぞれCRDM制御盤16より送られて、再びCRDM制御盤16へ戻される。
【0063】これらコイル13〜15のからの電流は、更に、CRDM制御盤16のモニター用信号端子19a、19b、19cからそれぞれ等価な電圧信号として取り出され、緩衝増幅器24に送られる。
【0064】また、CRDM11のハウジング12に設けられた加速度計21によって、CRDM11の作動音が検知され、チャージアンプ22を介して検知信号として取り出され、緩衝増幅器24に送られる。
【0065】一方、CRDM11の制御信号は、CRDM制御盤16の制御信号端子23より取り出され、緩衝増幅器24に送られる。
【0066】このようにして緩衝増幅器24に送られた各信号は、ここで絶縁された後にデータ採取装置1のA/D変換器31に入力され、ここでA/D変換された後にパソコン32に入力される。
【0067】なお、このとき、緩衝増幅器24から出力された信号は、A/D変換器31に出力されるのと並行してアナログデータレコーダ29にも出力され、ここでバックアップデータとして記録される。
【0068】パソコン32に入力された各ディジタルデータは、制御部36による制御の元、以下に示す処理がなされる。
【0069】まず、パソコン32では、A/D変換器31から連続的に出力される周期的な各ディジタルデータは、データ項目毎にインタフェース37によって取得される。この取得した各動作データは、データ種類情報およびデータ取得時刻と関連付けてデータ記憶部38に出力される。
【0070】データ記憶部38によって記憶された動作データは、制御部36によって、インタフェース37からインターネット3を介して中央分析装置2側へ送信される。なお、このように抽出された動作データは、表示画面39から表示することも可能である。
【0071】このようにインターネット3を介して各現場から中央分析装置2側に送信されたデータは、中央分析装置2のインタフェース43において受信される。受信されたデータは、更に制御部44の指示に基づいて分析処理部45に転送され、そこで分析される。この分析結果は、分析処理部45から、データ記憶部47に出力されそこで記憶される。また、この分析結果は、分析結果判定部46にも出力される。
【0072】分析結果判定部46に出力された分析結果は、所定の判定基準との比較がなされ、その分析判定結果は、データ記憶部47に出力されそこで記憶される。
【0073】これによって、データ記憶部47には、各現場のデータ採取装置1によって採取されたデータ、およびそのデータの分析結果、その分析結果に基づく分析判定結果が一括して記憶される。したがって、これらのデータに基づいて判定基準の見直しを行い、判定基準の内容を改訂し、分析結果判定部46に反映することもできる。また、これらのデータから得られる新たな知見に基づいてメンテナンス情報の内容を追加し、メンテナンス情報蓄積部49に追加することもできる。
【0074】このようにしてデータ記憶部47に記憶された分析結果や分析判定結果は、制御部44からの指示に基づいて、表示画面48から適宜表示される。また、インタフェース43から、インターネット3を介してデータ採取元の現場側に返信される。
【0075】データ採取元に返信された分析結果や分析判定結果は、データ採取装置1のインタフェース37を介してパソコン32に取り込まれ、更にデータ記憶部38に記憶され、必要に応じて表示画面39から表示されたり、データ出力部40から出力される。
【0076】また、中央分析装置2では、分析判定結果に基づいて必要なメンテナンス情報がメンテナンス情報蓄積部49より抽出され、分析結果や分析判定結果と同様にデータ採取元の現場側へ送信される。
【0077】メンテナンス情報とは、分析判定結果に基づいて、現場側へ与える必要な対策内容が記載されたリストであり、例えば、分析判定結果から、異常があるものと推定される機器名のリストアップであったり、交換や補修が必要と思われる部品のリストアップであったり、異常回避ための対策である。これによって、各現場において、メンテナンスや交換の必要な部品が認識される。
【0078】上述したように、本実施の形態においては、各現場に共通の中央分析装置2を設け、この中央分析装置2と各現場とをインターネット3などのネットワークを介して接続することにより、従来各現場で個別に分析装置を設置することなく、短時間に分析結果を得ることができる。
【0079】しかも、各現場から中央分析装置2側へのデータの送信、あるいは、中央分析装置2側からの分析結果等の送信は、インターネット3等のネットワークを介してほぼリアルタイムで行うことができるので、中央分析装置2の設置場所を任意に選択することができる。
【0080】また、このように、1箇所の中央分析装置2において集中して分析作業を行うことにより、これまでの記憶媒体や分析結果をまとめた冊子の輸送にかかる時間のロスを省き、メンテナンスの手間を増やすことなく各現場に対して常に最新の分析サービスを均等に提供し、更に、各現場から得られた分析結果を統合した最新知見により分析判定の信頼性の向上や木目細かいメンテナンス情報を提供することが可能となる。
【0081】以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0082】たとえば、本発明の技術思想は、CRDM11用に限らず、原子力発電所の他の機器や、あるいは一般プラントに対しても適用することが可能であることは明らかである。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、各現場共通の分析装置を設け、各現場で測定された動作データを、伝送路を介して各現場共通の分析装置に送信し、この分析装置において各現場から送信された動作データを分析し、その結果を一元管理し、全ての現場のデータから得られた知見と共に、データ計測元の現場へ伝送路を介して返送することができる。
【0084】以上により、これまでの記憶媒体や分析結果をまとめた冊子の輸送にかかる時間のロスを省き、メンテナンスの手間を増やすことなく各現場に対して常に最新の分析サービスを均等に提供し、更に各現場から得られた分析結果を統合した最新知見により分析判定の信頼性の向上や、木目細かいメンテナンス情報を提供することが可能なプラント保守システムおよびその方法を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成12年11月14日(2000.11.14)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
【公開番号】 特開2002−148382(P2002−148382A)
【公開日】 平成14年5月22日(2002.5.22)
【出願番号】 特願2000−346917(P2000−346917)