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【発明の名称】 スペーサばねのばね力を調節する工具および方法
【発明者】 【氏名】ウィリアム・ベックウィズ・ゲイロード,ジュニア

【氏名】ウィリアム・カーター・ピーターズ

【氏名】デビッド・グレイ・スミス

【要約】 【課題】スペーサばねのばね力を調節する工具および方法。

【解決手段】調節工具はプローブ、ヘッド、アームおよびヘッドに取り付けたマイクロメータを有する。プローブをスペーサセル開口に挿入した状態で、マイクロメータハンドルを所定のセッティングまで回転してアームを枢動する。マイクロメータドライブヘッドとの係合からのアームの反対端がスペーサセルのばねに係合して変位させ、そのばね力を調節する。第一の形態では、アームがプローブ内に収容され、マイクロメータドライブヘッドがアームの末端を外向きに変位させ、これに応じてばねを外向きに変位させ、これによりばね力を軽減する。別の形態のスペーサ工具では、アームがプローブから離間していてその枢動接触面がばねにまたがる。マイクロメータハンドルを所定のセッティングに回転することによりドライブヘッドを移動し、これによりばねをスペーサセル開口の内向きに変位させ、スペーサばね力を増加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 核燃料バンドル用のスペーサのばね(40)のばね力を調節する装置において、工具ホルダ(14,61)、スペーサの開口に挿入されるプローブ(18,62)および可動なドライブヘッド(32,68)を含む工具(10,60)、前記工具により担持され、その両端の間で枢動されるアーム(44,70)を含み、前記アームは前記プローブにほぼ平行に延在し、その一端のドライブヘッド係合面(48,77)が工具ドライブヘッドの移動に応じて前記アームを枢動する作用をなし、その反対端に隣接したスペーサばね係合面(50,86)がばねを変位させ、それによりばねのばね力を調節する作用をなす、装置。
【請求項2】 前記工具はマイクロメータ(22,66)を含み、マイクロメータはスペーサばねに所定のばね力を確立するセッティングを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】 前記スペーサばね係合面(50)は、前記工具ドライブヘッドの移動に応じて前記プローブ(18)から外向き方向に移動するように装着されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】 前記スペーサばね係合面(86)は、前記工具ドライブヘッドの移動に応じて前記プローブ(62)に近づく方向に移動するように装着されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】 前記アームのスペーサばね係合面(86)は、前記アームの反対端に枢着され1対のばね接触面(86)を有する部材を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】 前記アーム(44,70)が前記プローブにより枢軸担持されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】 前記ホルダ(61)がヘッド(64)を含み、前記プローブ(62)が前記ホルダヘッドから突出し、前記アーム(70)が前記ヘッド(64)により枢軸担持されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】 前記ホルダ(14,61)は前記プローブ(18,62)の基部端に隣接して装着され開口(26)を有するヘッド(16,64)を含み、前記工具は前記ヘッド(16,64)により担持されたマイクロメータ(22,66)を含み、前記ドライブヘッド(32,68)が前記開口内に延び、前記ホルダヘッド(16,64)に設けられた第2開口は、前記アーム(44,70)の一部を受け入れるとともに、前記ホルダヘッド内での前記ドライブヘッド(32,68)と前記ドライブヘッド係合面(48,77)との整合を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】 核燃料バンドル用のスペーサのスペーサセル開口におけるばね(40)のばね力を調節する方法において、プローブ(18,62)および変位可能なアーム(44,70)を有するホルダ(14,61)を用意し、前記プローブをスペーサ開口に挿入し、前記アームを変位させてばねを変位させ、これによりスペーサばねのばね力を調節する方法。
【請求項10】 マイクロメータ(22,66)をホルダ(14,61)に固定し、ばねに所定のばね力を与えるためマイクロメータの所定のセッティングにしたがってアームを所定距離変位させる工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】 アームのばね係合面(50)が前記プローブ(18)から遠ざかる外向きに変位するようにアーム(44)を変位させる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】 アームのばね係合面(82)が前記プローブ(62)に向かって内向きに変位するようにアーム(70)を変位させる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】 マイクロメータ(22)をホルダ(14)に固定し、ばねに所定のばね力を与えるためマイクロメータの所定のセッティングにしたがってアーム(44)を所定距離変位させ、アームのばね係合部分(50)が前記プローブ(18)から遠ざかる外向きに変位するようにアーム(44)を変位させる工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】 マイクロメータ(66)をホルダ(61)に固定し、ばねに所定のばね力を与えるためマイクロメータの所定のセッティングにしたがってアーム(70)を所定距離変位させ、アームのばね係合面(86)が前記プローブ(62)に向かって内向きに変位するようにアーム(70)を変位させる工程を含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【技術分野】この発明は核燃料バンドル用のスペーサに関し、特にスペーサばねのばね力を調節する調節工具およびこの工具を用いてスペーサばねのばね力を調節する方法に関する。
【0002】
【背景技術】核燃料棒組立体用の核燃料棒スペーサは、代表的には、スペーサの各燃料棒セル内の各燃料棒に直角に予荷重力を発揮するばね機構をスペーサに組み込んだ設計となっている。ここで予荷重力とは、潜在的にばねに応力を与え、ばね力の低下を招く可能性がある照射その他の作用以前に最初に製造されたスペーサに加えられた力を意味する。代表的には、かかる予荷重力は各スペーサセルにつき約1〜3ポンドの範囲に特定されている。ばね力がこの特定範囲外であることはスペーサ全体の不合格の理由となる。既知の装置、たとえば米国特許第5,215,705号に記載の装置によりスペーサばねのばね力を測定することができる。しかし、この特許に開示された装置はスペーサばねのばね力を調節する装置ではない。したがって、最初のスペーサ製造後に、ばね予荷重力が所定の予荷重力範囲外である場合に、スペーサばねのばね力を調節する工具が必要とされている。
【0003】
【発明の概要】本発明の好適な実施態様によれば、スペーサばね寸法の校正した調節を行い、これにより製造されたスペーサ組立体におけるばね力を変更する1対の調節工具が提供される。製造されたスペーサにおけるばね力を、校正可能であり、しかもスペーサに許し難いダメージを与えないやり方で調節することが必要である。また、このような工具は、核燃料品位の材料から工具を製造すること、挿入または取りだし時にスペーサまたはばねにダメージを与えないこと、異物やゴミでスペーサを汚染しないことなど、核燃料製造についての標準的必要条件を満足しなければならない。ばね力の測定値に応じて、スペーサばねを外向きまたは内向きに変位させる2つの別個の工具を設ける。ばねを外向きに変位させてばね力を調節するための工具は、ヘッドを有するホルダと、ヘッドから垂下しスペーサの開口に挿入されるプローブと、ホルダに枢着されたアームとを含む。好ましくはマイクロメータがヘッドに固定され、枢着アームの一端に係合する変位可能なドライブヘッドを有する。枢着アームの一端を変位することにより、アームの反対端がばねに係合し、ばねをプローブおよびスペーサ開口に対して外向きに変位させ、ばね力を調節、すなわち軽減する。
【0004】ばねに開口に向かう内向き変位が必要な場合には、第2の工具は、プローブを有するホルダと、プローブの横方向外側の垂下枢着アームと、ヘッドに取り付けたマイクロメータとを含む。プローブおよび枢着アームはスペーサ内にばねにまたがるように配置される。枢着アームの一端に係合しているマイクロメータのドライブヘッドを変位させることにより、枢着アームの反対端がばねに係合し、ばねをプローブに向けて内向きに変位させ、これによりプローブを受け入れたセル内のスペーサばねのばね力を調節、すなわち増大する。両方の工具において、ばね力の変更は、マイクロメータのセッティングを、試験ばねに結果的に得られるばね力に対して校正することにより確立するか、たとえば前掲の米国特許第5,215,705号に記載されているようなばね力測定工具により測定した校正スペーサに基づいて、確立する。ばねを本発明の工具で種々の記録設定点まで曲げる前後にばね力を測定することにより集めた実験データから変形定数を求めると、直線的関係が得られる。この定数を求めたら、ばね力を任意の所定値に変更するのに必要なたわみ量は、この等式を用いることにより簡単に求めることができる。変形定数は等式:Δばね力=(変形定数)x(Δばねたわみ)で与えられる。
【0005】本発明の好適な実施態様では、核燃料バンドル用のスペーサのばねのばね力を調節する装置において、工具が工具ホルダ、スペーサの開口に挿入されるプローブおよび可動なドライブヘッドを含み、アームが前記工具により担持され、その両端の間で枢動され、前記アームは前記プローブにほぼ平行に延在し、その一端のドライブヘッド係合面が工具ドライブヘッドの移動に応じて前記アームを枢動する作用をなし、その反対端に隣接したスペーサばね係合面がばねを変位させ、それによりばねのばね力を調節する作用をなす、ばね力調節装置が提供される。
【0006】本発明の別の好適な実施態様では、核燃料バンドル用のスペーサのスペーサセル開口におけるばねのばね力を調節するにあたり、プローブおよび変位可能なアームを有するホルダを用意し、前記プローブをスペーサ開口に挿入し、前記アームを変位させてばねを変位させ、これによりスペーサばねのばね力を調節する工程を含むばね力調節方法が提供される。
【0007】
【好適な実施態様】図1はスペーサばねの一部とともに本発明の1実施態様による調節工具を示す側面図であり、図2は図1の2−2線断面図であり、図3は工具によるばねのばね力を調節する仕方を示す図1と同様の図である。
【0008】スペーサばね12のばね力を調節するための10で総称する第一の形態の調節工具は、そのばねが存在し、かつ使用時に核燃料棒(図示せず)が配置されるスペーサ開口に対してばねを外向きに変位させることによりばね力を調節する。工具10は工具ヘッド16およびプローブ18を有する工具ホルダ14を含む。ホルダ14はマイクロメータ22が固定されたブラケット20も含む。
【0009】ホルダヘッド16には、マイクロメータ22のヘッドを受け入れる横方向貫通開口24およびそれに直交する開口26が設けられている。ブラケット20は開口26と一致した円形開口28を有する直角ブラケットである。プローブ18は円形開口28に収容される。ホルダヘッド16はねじ30によりブラケット20に固定されている。図3に示すように、マイクロメータ22は端部に変位可能なドライブヘッド32を有し、ドライブヘッド32はマイクロメータハンドル34の回転運動に応じてマイクロメータに対して前後に変位可能である。
【0010】プローブ18の断面形状はスペーサセル開口内に挿入するのに適当な寸法となっている。代表的なスペーサセル36を図2に示す。なお、スペーサセルは、核燃料棒を受け入れるために多数のスペーサセルを直線配列、たとえば9x9または10x10セル配列に配列したうちの一つであり、核燃料バンドル(図示せず)の一部を形成する。本発明の工具とともに用いる代表的なスペーサセルの一例を示す具体的なスペーサが米国特許第5,186,891号に記載、図示されている。各セル36は上部バンドおよび下部バンド(下部バンド37のみを示す)を含み、各バンドは互いに直角に隣り合う側面に1対のストッパ38と、これらのストッパと向かい合うセルの側面に1対の内向きばね40とを有する。各ばね40は、上部バンドおよび下部バンド間に延在し、バンドの内側に突出し、スペーサセル内に延在する燃料棒と係合する中間ディンプル42を有する。図2に示すように、プローブ18の寸法はストッパ38およびばね40のディンプル42に係合するようになっている。
【0011】図1に戻って、アーム44は工具ホルダ14に、枢軸46のまわりに回転運動できるように枢動装着されている。アーム44は基部端に、マイクロメータドライブヘッド32と係合するドライブヘッド係合面48を有する。アーム44のヘッド係合面48とは反対側に、ばね49が配置されている。ばね49のばね力はソケットヘッドキャップねじ51により調節できる。アーム44は末端にばね係合面50を有する(図1)。
【0012】この工具10を使用するには、プローブ18をセル36に挿入してばねストッパ38およびばね40に係合させる。なお、プローブ18およびアーム44の寸法は、挿入時にアーム44のばね係合面50がばね40のディンプル42と係合する高さに来るようになっている。マイクロメータ22は予め、予荷重力に対応する所定のばね力範囲内の所望のばね力をばねに生成するようなマイクロメータセッティングに校正してある。プローブ18を挿入し、アーム44の表面50を(そのばね力を調節する予定の)ばねのディンプル42と位置合わせさせた後、マイクロメータを所定のセッティングに設定する。これにより、マイクロメータドライブヘッド32がアーム44のドライブヘッド係合面48に係合し、アーム44を枢軸46のまわりに回転する。この枢軸回転運動により、図3に示すように、スペーサばね係合面50がばねをスペーサセル36の外向き方向に変位させ、これによりばね力を調節する。ばね力を調節し終わったら、マイクロメータを元のセッティングに設定し直し、工具を引き抜き、必要ならあるいは所望に応じてスペーサセル内の第2のばねを調節するのに使用する。ばね49はアーム44の上端を偏圧し、マイクロメータヘッドに追従して係合させる。またねじ51はアーム44の行程範囲を限定してばね12へのダメージを防止する。なお、上記の結果として、ばね40の力が軽減され、これにより燃料バンドル組み立て時にセルに収容される燃料棒にかかるばね40の力が小さくなる。
【0013】つぎに、図4〜6に示す実施態様を説明する。60で総称する同様の工具が設けられる。しかし、この実施態様では、燃料棒を受け入れるスペーサ開口に向かう方向にばねを調節または変位させることによりばね力を調節、すなわち増加するように、工具が構成されている。この目的を達成するために、工具60は、工具ホルダ61、プローブ62、工具ヘッド64、横方向開口65、工具ヘッド64に固定されたマイクロメータ66を含み、マイクロメータは開口65に貫通するマイクロメータドライブヘッド68を有する。アーム70がヘッド64に固定されたピン72のまわりに枢着されている。アームの基部端または上端74はばね76とマイクロメータドライブヘッド68との間に配置され、ドライブヘッド係合面77を有する。アーム70の末端または下端80には、枢動部材82を枢軸84のまわりに枢動可能に設けてなるドライブヘッドが保持されている。枢動部材82は、枢動部材82の両端、すなわちばね係合または接触面86がばね40のディンプル42にまたがるように、ヘッドに対して所定の距離に位置する。またプローブ62には、アーム70に向かい合って延在する細長いスロット88も設けられている。スロット88の幅はばね40を受け入れるのに十分なものである。
【0014】図4〜6に示す工具60を使用するには、アーム70および枢動部材82がスペーサセルの外側に沿って延在する状態で、プローブ62をスペーサセル開口36に挿入する。すなわち、プローブ62とアーム70および枢動部材82とがばね40にまたがる。プローブを十分に挿入したところで、枢動部材82の両端がディンプル42にまたがる。図6に示すように、マイクロメータハンドル67を所定のセッティングに回転することにより、ドライブヘッド68を前方に移動し、アーム70を枢動させ、これにより枢動部材82によりばね40をセルの内側方向にばねスロット88内に変位させる。この変位により、スペーサが燃料バンドルと組み立て状態にあるときに燃料棒に働くばね40のばね力を増加する。ばね力を調節した後、マイクロメータの設定を元のセッティングに戻し、工具60をスペーサセルから引き抜く。必要ならまた所望に応じて、隣接するばねも同様に調節することができる。なお、複数のスペーサセルのばねのうち、一つはばね力を増加する必要があり、隣のばねはばね力を減少させる必要があることもある。したがって、特定のスペーサセルに両方の工具を使用することができる。
【0015】以上、この発明を、現在のところもっとも実用的かつ好適な実施例と考えられるものについて説明したが、本発明は、開示の実施例に限定されず、本発明の要旨に含まれる種々の変更例や均等な配置を包含する。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【代理人】 【識別番号】100093908
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 研一
【公開番号】 特開2002−90493(P2002−90493A)
【公開日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願番号】 特願2001−159775(P2001−159775)