トップ :: G 物理学 :: G21 核物理;核工学




【発明の名称】 原子炉制御棒の位置検出装置
【発明者】 【氏名】田室 勝

【要約】 【課題】原子炉格納容器内に設置されている原子炉制御棒の位置検出装置用信号処理盤の冷却構造の改善および設置空間の縮減化。

【解決手段】原子炉制御棒の位置を検出する検出器からの出力信号を処理する信号処理盤が、互いに独立して設けられたケーブル処理盤とデータキャビネット盤とで構成されているとともに、検出器と信号処理盤間に中間パネルを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原子炉格納容器内に設置された原子炉制御棒の位置検出装置であって、前記制御棒の位置を検出する検出器からの出力信号を処理する信号処理盤が、互いに独立して設けられたケーブル処理盤とデータキャビネット盤とで構成されるとともに、前記検出器と前記信号処理盤との間に中間パネルが備えられたことを特徴とする原子炉制御棒の位置検出装置。
【請求項2】 データキャビネット盤に冷却風口を有するとともに、盤内に設けられた複数のカードフレーム間に冷却風整流板を備えたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉制御棒の位置検出装置。
【請求項3】 ケーブル処理盤内に設けられた抵抗カードの基板が、H・H・R(ハイブリッド ヒート レジスタントレジン、三菱電機K・K商品名)で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の原子炉制御棒の位置検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原子力発電所の原子炉の出力制御を行う制御棒の位置を監視する制御棒位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来運転されている原子力発電所の格納容器内に設置された原子炉制御棒の位置検出装置を示す概念図である。図において1は圧力容器、2は原子炉制御棒の位置検出器であり、通常例えばA系、B系で呼称される2系統に分けられて配列された複数個のコイルより構成され、制御棒に設けられた強磁性体の位置による相互作用によりコイルに誘起される電流を抵抗で検出して制御棒の位置を検出している。3は位置検出器2と後述する信号処理盤60a、60bの間に設けられた中間パネルであり、位置検出器2〜信号処理盤60a、60bのケーブル4をこの中間パネル3内にて分離可能としている。5は空調室であり信号処理盤60a、60b内の多数の電子部品類を冷却し、安定した性能を発揮させる役目をはたしている。60a、60bは信号処理盤である。図6は図5に示した信号処理盤60a、60bの拡大図であり、図6の(a)はA系信号処理盤60aの正面図であり、(c)はB系信号処理盤60bの正面図、(b)はそれぞれの側面図である。信号処理盤60a、60bは前記した例えばA系、B系の2系統に分けられた位置検出器2に対応したデータキャビネット70a、70bと、ケーブル処理盤80a、80bとで一体化した構造で構成されている。なお、ケーブル処理盤80a、80b内には制御棒の位置を検出する発熱体である検出抵抗が設けられている。9は制御ラック、10は中央制御盤である。100は原子炉格納容器であり、前述した圧力容器1、検出器2、中間パネル3、空調室5、信号処理盤60a、60b等がその中に設置されている。なお、信号処理盤60a、60bを上記格納容器100の外部に設置する方法も当然考慮されてはいるが、検出器2からの信号を伝送するケーブル4が上記格納容器100を貫通する個所の放射線防護壁構造が複雑かつ高価なものであることから、従来から図5に示すような位置検出装置の配置を採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の制御棒位置検出装置では、制御棒の位置を検出するコイルに接続された発熱体である検出抵抗が、信号処理盤60a、60bを形成するデータキャビネット70a、70bの側面に設けられたケーブル処理盤80a、80b内に備えられているために、データキャビネット70a、70bの盤内温度上昇が大きくなり多数の電子部品の信頼性に悪影響を与えるおそれがあり、信号処理盤60a、60bの冷却用空調室3を必要としていた。また、ケーブル処理盤80a、80bがデータキャビネット70a、70bの側面に設けられているため、信号処理盤60a、60bの設置スペースが大きくなり、格納容器100内でのスペースの確保や、原子炉装置の定期検査時の保守、点検の作業性にも支障をきたすことがあった。つまり、空調室5を設置するということで余分な経費を必要とするばかりでなく、格納容器100内の限られた空間の有効利用を損なうという問題点を有していた。
【0004】この発明は係る課題を解決するためになされたもので、格納容器内の信号処理盤用の空調室を不要とし、設置空間を縮減し、保守、点検作業性を向上させた制御棒位置検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る原子炉制御棒の位置検出装置は、位置検出器からの出力信号を処理する信号処理盤が、互いに独立して設けられたデータキャビネット盤とケーブル処理盤とで構成されるとともに、検出器と信号処理盤間に中間パネルが備えられているものである。
【0006】また、データキャビネット盤に冷却風口を有するとともに、盤内の複数のカードフレーム間に冷却風整流板を備えたものである。
【0007】また、ケーブル処理盤内の抵抗カードの基板が、H・H・R(ハイブリッドヒート レジスタントレジン、三菱電機商品名)で構成されているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図1、図2に示す原子力発電所の格納容器内に設置された原子炉制御棒の位置検出装置について説明する。図1は前記検出装置の配置を示す概念図である。図中、1は圧力容器、2は制御棒の位置検出器であり、例えばA系、B系の2系統に分けて配列された複数のコイルで構成されている。3は中間パネル、6は信号処理盤であり、ケーブル4によって中間パネル3〜信号処理盤6間を接続している。以上の機器等が格納容器100内に設置され、この格納容器100外に設けられた制御室の制御ラック9を介して中央制御盤10で制御棒の位置監視、制御を行っている。図2に示すように信号処理盤6は、それぞれ単独に設けられたA系のデータキャビネット7aとB系のデータキャビネット7bと、それらと分離して設けられたケーブル処理盤8とで構成されている。データキャビネット盤7a、7bには複数の制御棒位置信号変換カード等の電子回路部品類が後述する複数のカードフレーム内に設置され、制御ラック9および中間パネル3間との信号伝送を行っている。ケーブル処理盤8にはA系、B系の複数の制御棒位置検出抵抗を備えた抵抗カードが設置してある。
【0009】図3は信号処理盤6を示す図で、図の(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。図4はデータキャビネット盤の7aまたは7bを示す断面図で図の(a)は正面断面図、(b)は側面断面図である。そして、図3(a)(c)に示すようにデータキャビネット盤7a、7bの前背面には冷却風口71が設けられるとともに、図4に示したように複数のカードフレーム11間に冷却風整流板12を備えている。なお71bは通風パネルである。このようにデータキャビネット盤7a、7bは図3に示したように冷却風口71から冷却風を導入して通風パネル71bを通り整流板12によって盤上部へと冷却風を送り出しているので整流板12による煙突効果が高めることができ、また、前面の冷却風口71から背面の冷却風口71と通風して盤内に昇温した空気を停滞させることなく煽り熱を低減させ、複数のカードフレーム11に設けられた電子回路部品類の冷却がほぼ一様に行われるので電子回路部品の信頼性が損なわれることがない。また、図3の(c)に示すようにケーブル処理盤8の背面にも冷却風口81が設けられており、このケーブル処理盤8内に設けられた図示省略した抵抗カードの基板がH・H・R(ハイブリッド ヒート レジスタントレジン 三菱電機K・K商品名)で構成されている。このような抵抗カード基板に耐熱性に優れた材料を採用することで、抵抗カードの温度上昇による基板の耐熱特性への信頼性が向上している。
【0010】このように、従来は例えば図6(a)に示した如く、信号処理盤60aがデータキャビネット盤70aとケーブル処理盤80aとが一体化して構成されていたために、ケーブル処理盤80a内に設けられた抵抗カードの発熱によるデータキャビネット盤70aの電子回路部品への悪影響を防止するために信号処理盤60a、60bを空調室5内に設置していたが、本実施の形態1においてはデータキャビネット盤7a、7bと、ケーブル処理盤8とをそれぞれ別個に設けてケーブル処理盤8内の抵抗カードの発熱がデータキャビネット盤7a、7bの電子回路部品に直接悪影響を及ぼさない構造とするとともに、データキャビネット盤7a、7bの前背面に冷却風口を設けるとともに、複数のカードフレーム11間に冷却風整流板12を備えているため電子回路部品の冷却がほぼ一様にかつ良好に行え従来必要としていた原子炉格納容器100内の空調室を不要としている。そして電子回路部品の安定な動作が得られるとともに、信頼性を向上させている。また、コンパクトな信号処理盤の構成であるので、格納容器内の据付スペースが少なくてすむ。さらには、格納容器100内に設置されている各種機器類は運転寿命に達した後は、いわゆる放射線汚染物質として厳重な管理下にて処理されているが、このような汚染物質の発生は可能なかぎり少ないことが望ましい。従って本実施の形態1ではそのような観点からしても空調室設備品を不要としているので、好ましいものである。またさらに格納容器100内に空調室を設けてない構成であるので、原子発電所の定期検査等の作業スペースが大きくとれ、検査作業性が向上するとともに、作業時間の短縮化がはかれ、検査員の放射線被曝量も低減可能となる。さらに、制御棒位置検出器2と信号処理盤6との間に中間パネル3が設けられているので、定期検査時にケーブル4を中間パネル3で切り離すことが可能であり、圧力容器1の上部を含む作業空間が大きく確保でき作業性が向上するという利点もある。
【0011】
【発明の効果】この発明は以上述べたように構成されているので、以下に示すような効果がある。
【0012】格納容器内に設置された信号処理盤が、互いに独立して設けられたケーブル処理盤とデータキャビネット盤とで構成されるとともに、制御棒位置検出器と信号処理盤との間に中間パネルが備えられているので、格納容器内に空調室を必要とせず、建設費や運転費の低減がはかれるとともに、かつ格納容器内の作業スペースが大きくとることができ、定期検査時の作業性が向上し、作業時間の短縮がはかれる。
【0013】さらにデータキャビネット盤に冷却風口と盤内のカードフレーム間に冷却風整流板とを備えているので、カードフレームに設けられた電子回路部品類の冷却がほぼ一様に行われるので電子回路部品の信頼性が損なわれない。
【0014】また、ケーブル処理盤内の抵抗カード基板に、H・H・R(ハイブリッド ヒート レジスタントレジン 三菱電機K・K商品名)を用いているので、耐熱性がより向上するという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年9月14日(2000.9.14)
【代理人】 【識別番号】100093562
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 俊英
【公開番号】 特開2002−90491(P2002−90491A)
【公開日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願番号】 特願2000−279726(P2000−279726)