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【発明の名称】 ダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータ
【発明者】 【氏名】上村 泰介

【氏名】北 好夫

【氏名】柏 孝夫

【要約】 【課題】小型・軽量化を図りかつ機械的可動部をなくして卓上や壁掛けの形態で使用することが可能なダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータを提供すること。

【解決手段】板状のシンチレータ18と、板状のシンチレータに平行にかつ対面して配置された平面状集塵用電極114と、平面状集塵用電極が占める平面の延長平面上に配置された一方の側の平面状電離用電極113と、一方の側の平面状電離用電極と対向して配置された他方の側の電離用電極111とを有する。電離用電極111,113によって空気を電離しこれによりダストを帯電させ、帯電されたダストを集塵用電極に集める。電離用電極113、集塵用電極は平面状であり、同じ平面または平行する面に配置される。放射線の検出に、集塵用電極に平行に配置された板状のシンチレータを用いる。これらの電極、シンチレータはまとめても薄い形状に収めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板状のシンチレータと、前記板状のシンチレータに平行にかつ対面して配置された平面状集塵用電極と、前記平面状集塵用電極が占める平面の延長平面上に配置された一方の側の平面状電離用電極と、前記一方の側の平面状電離用電極と対向して配置された他方の側の電離用電極とを有することを特徴とするダスト放射線モニタ。
【請求項2】 請求項1記載のダスト放射線モニタにおいて、さらに、前記平面状集塵用電極および前記両者の電離用電極に電圧を供給する電圧源と、前記シンチレータにおいて発生する光を前記シンチレータ外に導くライトガイドと、前記導かれた光を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換された電気出力を信号処理する信号処理手段とを有し、前記光電変換手段および前記信号処理手段は、前記電圧源から流出または前記電圧源へ流入する電流経路と電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1記載のダスト放射線モニタ。
【請求項3】 請求項1記載のダスト放射線モニタにおいて、さらに、前記板状のシンチレータの側端面を取り囲んで設けられ前記シンチレータにおいて発生する光を取り込む波長シフト光ファイバと、前記取り込まれた光を前記波長シフト光ファイバに接続されて伝送する光ファイバと、前記伝送された光を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換された電気出力を信号処理する信号処理手段とを有することを特徴とする請求項1記載のダスト放射線モニタ。
【請求項4】 請求項1記載のダスト放射線モニタにおいて、前記他方の側の電離用電極は、環状に配置された複数の針状電極であることを特徴とする請求項1記載のダスト放射線モニタ。
【請求項5】 板状のシンチレータと、前記板状のシンチレータの側端面を取り囲んで設けられ前記シンチレータにおいて発生する光を取り込む波長シフト光ファイバと、前記取り込まれた光を前記波長シフト光ファイバに接続されて伝送する光ファイバと、前記伝送された光を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換された電気出力を信号処理する信号処理手段とを有することを特徴とする放射線サーベイメータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中の放射性ダストの放射線を測定しまたは放射線を探査・検出するダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータに係り、特に、卓上や壁掛けの形態で使用するのに適するダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のダスト放射線モニタについて図12を参照して説明する。同図は、従来のダスト放射線モニタの構成例を示す図である。同図に示すように、このダスト放射線モニタは、吸引ポンプ1を稼動することで大気をろ紙3の上に導入し、ろ紙3の表面にダスト4を集める。
【0003】このダスト4の放射線汚染度を検出器5により測定し、汚染がない場合(通常時)は一定時間ごとにろ紙巻き取り駆動部7を回転させ、ろ紙3を巻き取る。なお、符号6は、ろ紙3によるろ紙束であり、符号8は、検出器5の検出出力を導く増幅器である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成によるダスト放射線モニタでは、吸引ポンプや吸引する大気を導通する配管などがあるため、装置として大がかりとなり重量も大きい上、騒音も発生する。さらに、可動部が多いため機械的な故障を生じやすいというような改善すべき点がある。
【0005】本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、空気中の放射性ダストの放射線を測定しまたは放射線を探査・検出するダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータにおいて、小型・軽量化を図りかつ機械的可動部をなくして卓上や壁掛けの形態で使用することが可能なダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータを提供することを目的とする。
【0006】また、上記に加え、空気中の放射性ダストの放射線を測定しまたは放射線を探査・検出するダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータにおいて、耐ノイズ性の向上した放射線検出が可能なダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータを提供することを目的とする。
【0007】また、上記に加え、空気中の放射性ダストの放射線を測定しまたは放射線を探査・検出するダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータにおいて、放射線検出感度を向上することが可能なダスト放射線モニタ、および放射線サーベイメータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明に係るダスト放射線モニタは、板状のシンチレータと、前記板状のシンチレータに平行にかつ対面して配置された平面状集塵用電極と、前記平面状集塵用電極が占める平面の延長平面上に配置された一方の側の平面状電離用電極と、前記一方の側の平面状電離用電極と対向して配置された他方の側の電離用電極とを有することを特徴とする。
【0009】集塵のため電離用電極によって空気を電離しこれによりダストを帯電させる。帯電されたダストを集塵用電極に集める。ダストを帯電させて静電的に集めるので、ポンプを必要とせず小型軽量化に寄与する。電離用電極、集塵用電極は平面状であり、これらは、同じ平面または平行する面に配置される。また、ダストに含まれ集塵用電極に集められた放射性物質が発する放射線の検出に、集塵用電極に平行に配置された板状のシンチレータ(発光物質)を用いる。よって、これらの電極、シンチレータはまとめても薄い形状に収めることができる。
【0010】したがって、小型・軽量化を図りかつ機械的可動部をなくして卓上や壁掛けの形態で使用することが可能になる。
【0011】ここで、シンチレータには、ガラス製、プラスチック製いずれも使用することができる。その平面形状は、長方形、正方形、円形、楕円形などいずれも用いることができる。
【0012】集塵用電極、電離用電極には、例えば、アルミニウムが表面に蒸着されたマイラーシート(張力の大きいポリエステルのシート)を用いることができる。マイラーシートは、厚さ2〜3μm程度のものを使用することができ、アルミニウムが蒸着されている状態においてβ線、γ線等の放射線をよく透過させる。また、他方の側の電離用電極には、針形状のものを用いることができる。
【0013】また、さらに、前記平面状集塵用電極および前記両者の電離用電極に電圧を供給する電圧源と、前記シンチレータにおいて発生する光を前記ライトガイド外に導くライトガイドと、前記導かれた光を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換された電気出力を信号処理する信号処理手段とを有し、前記光電変換手段および前記信号処理手段は、前記電圧源から流出または前記電圧源へ流入する電流経路と電気的に絶縁されていることを特徴とする。
【0014】電離用電極間で生ずる放電による電磁的ノイズの影響を放射線検出側に与えないようにこれらを電気的に絶縁する。このための空間的配置としてライトガイドが機能する。これにより、耐ノイズ性の向上した放射線検出が可能になる。
【0015】ライトガイドは、複数設けることもできる。ライトガイドを複数設け、これに対応して光電変換手段も複数設けると、その出力の一致(コインシデンス)を見ることができる。一致したときだけ出力を送り出す処理(コインシデンス処理)を行えば、さらに、耐ノイズ性を向上できる。
【0016】また、さらに、前記板状のシンチレータの側端面を取り囲んで設けられ前記シンチレータにおいて発生する光を取り込む波長シフト光ファイバと、前記取り込まれた光を前記波長シフト光ファイバに接続されて伝送する光ファイバと、前記伝送された光を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換された電気出力を信号処理する信号処理手段とを有することを特徴とする。
【0017】シンチレーションを発生する側と測定結果を得るための処理を行う側とを空間的に分離する。このため、シンチレータを取り囲んで波長シフト光ファイバを設け、波長シフト光ファイバに接続して光ファイバを光伝送用として設ける。光伝送された光信号に対して光電変換、信号処理を行う。これにより、シンチレーションを発生する側をさらに小型・薄型に構成することができ、これを壁掛けの形態で使用することも可能になる。
【0018】ここで、波長シフト光ファイバは、その両端部ともに別々の光ファイバに接続する構成とすることもできる。別々の光ファイバを2つの光電変換手段に導き、その出力においてコインシデンス処理を行えば、耐ノイズ性、感度を向上することも可能になる。
【0019】また、前記他方の側の電離用電極は、環状に配置された複数の針状電極であることを特徴とする。
【0020】他方の側の電離用電極を環状に配置すると、装置の平面方向面積あたりの配置効率が向上する。したがって、電離効率が向上し集塵効率も高まるので、放射線検出感度を向上することが可能になる。
【0021】また、本発明に係る放射線サーベイメータは、板状のシンチレータと、前記板状のシンチレータの側端面を取り囲んで設けられ前記シンチレータにおいて発生する光を取り込む波長シフト光ファイバと、前記取り込まれた光を前記波長シフト光ファイバに接続されて伝送する光ファイバと、前記伝送された光を光電変換する光電変換手段と、前記光電変換された電気出力を信号処理する信号処理手段とを有することを特徴とする。
【0022】シンチレーションを発生する側と測定結果を得るための処理を行う側とを空間的に分離する。このため、シンチレータを取り囲んで波長シフト光ファイバを設け、波長シフト光ファイバに接続して光ファイバを光伝送用として設ける。光ファイバは光コネクタで波長シフト光ファイバに接続することができるので、光電変換および信号処理を行う側は、上記のダスト放射線モニタと共用することもできる。
【0023】その上に、小型・軽量化を図りかつ機械的可動部をなくして卓上や壁掛けの形態で使用することも可能な放射線サーベイメータが得られる。また、波長シフト光ファイバは、その両端部ともに別々の光ファイバに接続する構成とすることもできる。別々の光ファイバを2つの光電変換手段に導き、その出力においてコインシデンス処理を行えば、耐ノイズ性、感度を向上することも可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0025】図1は、本発明の実施形態であるダスト放射線モニタの構成を示す正面図(a)、内部を示す正面図(b)、側面図(c)、やや詳細な部分的側面図(d)である。
【0026】同図(a)に示すように、この装置の正面には、空気を取り入れる空気取り入れ部11、測定結果を表示する表示器12、電源スイッチ13がある。また、内部には、同図(b)、(c)に示すように、電磁シールド箱14に収納されて光電変換部16、信号処理部17、表示器12が設けられ、光電変換部16に接続してライドガイド15、ライトガイド15に接続して板状のシンチレータ18が配置される。
【0027】さらに、ライトガイド18に平行かつ対面して集塵用ペーパー19が設けられ、シンチレータ18の下部側には、これに対面して集塵用ペーパー19をはさんで電離用針状電極111が配置される。電離用針状電極111は、取り付け用ベース110に取り付けられ、高電圧電源112がその下に配置される。
【0028】電極の配置をさらに説明するに、図1(d)を参照し、シンチレータ18の下部側には、集塵用ペーパー19との間に電離用対向アルミマイラーシート電極113が配置され、電離用対向アルミマイラーシート電極113が占める平面の延長面には、集塵用アルミマイラーシート電極114が配置される。なお、集塵用ペーパー19をはさみ電離用対向アルミマイラーシート電極113と対向して電離用針状電極111が配置される。
【0029】電離用対向アルミマイラーシート電極113と電離用針状電極111との間は、電離用高電圧電源112a(高電圧電源112の一部)により高電圧が印加される。また、集塵用アルミマイラーシート電極114には、集塵用高電圧電源112b(高電圧電源112の一部)により高電圧が印加される。
【0030】シンチレータ18の集塵用アルミマイラーシート電極114側には、遮光用アルミマイラーシート115が配置され、遮光用アルミマイラーシート115が配置される部位以外は金属製遮光ケース116に収納される。
【0031】以上説明の配置により、ダスト放射線モニタたるこの装置は、特に、電極113、114およびシンチレータ18の構造に起因して薄型に構成することが可能になる。また、電離用電極111、113間で生ずる放電による電磁ノイズの影響を放射線検出側に与えないように、これらを、ライトガイド15を介して電気的に絶縁しかつその間を離間することができるので、これにより、耐ノイズ性の向上した放射線検出が可能になる。また、さらに、集塵用ペーパー19を取り換え可能とすることができるので、集塵部を除染することができる。
【0032】次に、この実施形態のダスト放射線モニタの動作について、図2をも参照して説明する。図2は、このダスト放射線モニタの機能ブロック図である。
【0033】図2の高電圧電源23、電離部21、集塵部22は、それぞれ、図1の高電圧電源112、電離用針状電極111と電離用対向アルミマイラーシート電極113、集塵用アルミマイラーシート電極114と集塵用ペーパー19に相当する。図2のシンチレータ部24、光検出器25、信号処理部26、報知部27は、それぞれ、図1のシンチレータ18、光電変換部16、信号処理部17、表示器12に相当する。
【0034】電離部21は、高電圧電源23より高電圧を印加され空気を電離することによりダストを帯電させる。集塵部22は、高電圧電源23により高電圧を印加され帯電されたダストを集め付着させる。
【0035】集塵部22に付着されたダストが発生する放射線は、シンチレータ部24に入射しこれによりシンチレータ18内部に光が発生する。この発生した光は、光検出器25により検出され電気信号に変換される。電気信号に変換された出力は、信号処理部26により所定の処理を施されて測定結果が算出され、算出された結果は報知部27に供給される。
【0036】このダスト放射線モニタが動作を開始すると電離用針状電極111と電離用対向アルミマイラーシート電極113との空間に放電が生じる。これにより、その空間の空気が電離しダストが帯電する。帯電したダストは、電離用対向アルミマイラーシート電極113または集塵用アルミマイラーシート電極114に引き寄せられ、集塵用ペーパー19に付着する。
【0037】集塵用ペーパー19は薄く放射線をよく透過し、また、電離用対向アルミマイラーシート電極113、集塵用アルミマイラーシート電極114、遮光用アルミマイラーシート115も放射線をよく透過する。よって、放射線は、シンチレータ18に達する。これにより、シンチレータ18内部に光が発生し、発生した光はライトガイド15を介し光電変換部16に導かれる。
【0038】光電変換部16で電気信号にされた出力は、信号処理部17における増幅、波高弁別、パルスカウントなどの信号処理に供され、その結果は、表示部12に表示される。なお、表示部12は、図2における報知部27に相当するが、単にパルスカウント値の表示のみならず、異常状態の報知(例えば、音声や点滅光による警報)機能を備えるようにしてもよい。
【0039】ここで、電離用対向アルミマイラーシート電極113、集塵用アルミマイラーシート電極114、遮光用アルミマイラーシート115、およびシンチレータ18の詳細について図3を参照して説明する。図3は、これらの配置を示す側面図であり、すでに説明した構成要素には同一番号を付してある。
【0040】すでに説明したようにシンチレータ18は、金属製遮光ケース116に収納され、電極側は遮光用アルミマイラーシート115が配置される。ここで、遮光用アルミマイラーシート115は金属製遮光ケース116に接着され、シンチレータ18の遮光がなされる。また、遮光用アルミマイラーシート115は、アルミ32側がシンチレータ18に向けられマイラーシート31側が外側に向けられる。
【0041】そして、マイラーシート31側に電離用対向アルミマイラーシート電極113、集塵用アルミマイラーシート電極114のマイラーシート35側、33側が取り付けられ、マイラーシート35、33に蒸着されたアルミ36、34が、電離用対向アルミマイラーシート電極113、集塵用アルミマイラーシート電極114の電極として機能する。
【0042】なお、これらのマイラーシートは、厚さ2〜3μm程度のものを使用することができる。
【0043】このような構造にすることにより、シンチレータ18の遮光が良好になされた上で電離と集塵のための電極はシート状に薄く構成でき、全体の構成として小型・軽量化を図り卓上の形態で使用することに寄与する。
【0044】次に、ここで、信号処理部26(信号処理部17)内の構成について図4を参照して説明する。図4は、信号処理部26の構成を示すブロック構成図であり、すでに説明した構成には同一番号を付してある。同図に示すように、信号処理部26は、信号増幅部41、信号弁別部42、計数回路43、記録部44、比較部45を有する。
【0045】信号増幅部41は、光検出器16(図2に図示)から供給された電気信号の波形整形、増幅などを行い、その出力を信号弁別部42に供給する。
【0046】信号弁別部42は、信号増幅部41の出力であるパルスのうちある波高の範囲のものだけを弁別し出力する。弁別されたパルス信号は計数回路43に供給される。
【0047】計数回路43は、信号弁別部42から供給された信号をパルス計数し計数率演算を実施する。計数率演算された結果は、報知部27に供給され表示される。また、計数率演算された結果は記録部44にも供給される。
【0048】記録部44には、通常の環境下における計数値を記録してあり、この値と上記の計数率演算された結果とが比較部45に供給される。
【0049】比較部45では、供給された通常の環境下における計数値と上記の計数率演算された結果とを比較し、その比較結果が所定の閾値を越える場合にその旨をアラーム47として報知部27に供給する。
【0050】信号処理部26(信号処理部17)内の構成として、特徴は、記録部44と比較部45とによりアラーム47を発生することであり、計数値の表示のみならずこのようなアラーム47を発することにより異常事態の迅速な報知が可能となる。
【0051】次に、図1に示した実施形態とは異なる本発明の実施形態であるダスト放射線モニタについて図5を参照して説明する。図5は、本発明の別の実施形態であるダスト放射線モニタの構成を示す正面図(a)、内部を示す正面図(b)、側面図(c)、やや詳細な部分的側面図(d)であり、すでに説明した構成要素には同一番号を付してある。
【0052】この実施形態の図1に示した実施形態との違いは、シンチレータ18で発生する光を2つのライトガイド52a、52bで並行に取り出し、それぞれこれを2つの光電変換部51a、51bに導くことである。
【0053】これにより、2系統の電気出力を得ることができるので、その一致処理(コインシデンス処理)を行うことができる。一致処理を行うと、ランダムに発生したノイズ分を抑圧することができ、したがって、図1に示した実施形態の効果に加えこの実施形態では放射線検出の耐ノイズ性をより向上することができる。
【0054】2つのライトガイド52a、52b、および2つの光電変換部51a、51bは、図5(b)、(c)に示すように配置される(図5(c)においては、52aと52bをまとめて52、また、51aと51bをまとめて51と表示してある。)。
【0055】ここで、この実施形態における信号処理部17、表示器12の構成について図6を参照して説明する。同図は、信号処理部17、表示器12の構成を示すブロック構成図であり、すでに説明した構成には同一番号を付してある。同図に示すように、信号処理部17は、信号増幅部61a、61b、コインシデンス部68、信号弁別部42、計数回路43、記録部44、比較部45を有する。また、表示器27に対応して報知部27を有する。
【0056】この処理の図4に示した処理との違いは、信号増幅部41に代えて2つの信号増幅部61a、61bを設けその出力をコインシデンス部68に導き、コインシデンス部68の出力を信号弁別部42に供給するようにしたことである。
【0057】信号増幅部61a、61bは、2つの光電変換部51a、51b(図5に図示)から供給された電気信号の波形整形、増幅などを行う。これらの出力は、コインシデンス部68に供給される。コインシデンス部68は、供給された2つの信号の一致を調べ、一致したときのみ出力を発して信号弁別部42に供給する。
【0058】このような処理により、放射線を検出したことによるパルスとノイズであるパルスとの一応の峻別をつけることができる。一方の系統で発生したノイズであればコインシデンス部68で除去されるからである。
【0059】したがって、この信号処理では放射線検出の耐ノイズ性をより向上することができる。なお、信号弁別部42以降の処理および報知については図4に示したものと同一であるので説明を省略する。
【0060】次に、図1、図5に示した実施形態とは異なる本発明の実施形態であるダスト放射線モニタについて図7を参照して説明する。図7は、本発明のさらに別の実施形態であるダスト放射線モニタの構成を示す正面図(a)、内部を示す正面図(b)、側面図(c)、やや詳細な部分的側面図(d)である。
【0061】この実施形態の、図1、図5に示した実施形態との違いは、光電変換以降の処理を、放射線検出のための部位と分離し、放射線検出部位をさらに軽量・小型化したことである。
【0062】このため、この実施形態では、放射線検出部位と光電変換処理以降とを光ファイバで接続し、シンチレータからの光の取出しには波長シフト光ファイバを用いる。
【0063】構成を説明するに、同図(a)に示すように、この装置の正面には、空気を取り入れる空気取り入れ部71、電源スイッチ73があり、それらが存在する部位から光ファイバ721を介して表示器72が存在する部位に接続がなされ得る。
【0064】また、内部には、同図(b)、(c)に示すように、板状で円形のシンチレータ78の側端面に波長シフト光ファイバ723が巻き付けられ、シンチレータ78の面中央付近と対向して円状の集塵用アルミマイラーシート電極714、集塵用アルミマイラーシート電極714の占める平面の延長平面には環状の電離用対向アルミマイラーシート電極713が設けられる。
【0065】また、集塵用アルミマイラーシート電極714、電離用対向アルミマイラーシート電極713のシンチレータ78と反対側には集塵用ペーパー79が設けられ、集塵用ペーパー79をはさんで電離用対向アルミマイラーシート電極713と対向して電離用針状電極711が環状に配置される。
【0066】また、集塵用アルミマイラーシート電極714、電離用対向アルミマイラーシート電極713、電離用針状電極711に電圧を供給する高電圧電源712が放射線検出部位の下部に設けられる。高電圧電源712は、電源コネクタ724により接続されて電源プラグ725からの商用電源を高電圧発生のため利用する。
【0067】波長シフト光ファイバ723は、端部が光コネクタ722に接続され、光ファイバ721を介して光電変換部76に導かれる。
【0068】光電変換部76に導かれた光は、光電変換のあと信号処理部77により処理されて表示器72に測定結果を表示する。測定結果は、図示のように、例えば、cps(毎秒カウント値)とすることができるが、毎分カウント値などとしてもよい。
【0069】電極付近の配置をさらに説明するに、図7(d)を参照し、シンチレータ78の環状周辺側には、集塵用ペーパー79との間に電離用対向アルミマイラーシート電極713が配置され、電離用対向アルミマイラーシート電極713が占める平面の延長面には、円形の集塵用アルミマイラーシート電極714が配置される。なお、集塵用ペーパー79をはさみ電離用対向アルミマイラーシート電極713と対向して環状の電離用針状電極711が配置される。
【0070】電離用対向アルミマイラーシート電極713と電離用針状電極711との間は、電離用高電圧電源712a(高電圧電源712の一部)により高電圧が印加される。また、集塵用アルミマイラーシート電極714には、集塵用高電圧電源712b(高電圧電源712の一部)により高電圧が印加される。
【0071】シンチレータ78の集塵用アルミマイラーシート電極714側には、遮光用アルミマイラーシート715が配置され、遮光用アルミマイラーシート715が配置される部位以外は金属製遮光ケース716に収納される。
【0072】以上説明の配置により、ダスト放射線モニタたるこの装置は、特に、光電変換以降の処理と放射線検出のための部位とを分離し、放射線検出部位をさらに軽量・小型化し、例えばその部位を壁掛けの形態で使用することができる。例えば、放射線検出部位は20mm程度の薄さにすることが可能である。
【0073】また、波長シフト光ファイバ723を用いることにより、シンチレータ78で発生する光(例えば紫色光)の波長をシフトし、より光伝送に適する波長の光(例えば緑色光)に変換することができる。
【0074】なお、光電変換部76以降の処理については、すでに説明した図4に示すような構成を用いることができる。
【0075】また、電離用針状電極711を環状に配置すると、装置の平面方向面積あたりの配置効率が向上する。したがって、電離効率が向上し集塵効率も高まるので、結果として、放射線検出感度を向上することが可能になる。
【0076】なお、この実施形態では、シンチレータ78として円形で板状のものを使用しているが、正方形、長方形、楕円形などのものでもよい。方形のものを使用すると波長シフト光ファイバ723の巻き付けはレーストラック形状となる。
【0077】次に、この実施形態のダスト放射線モニタの動作について、図8をも参照して説明する。図8は、このダスト放射線モニタの機能ブロック図である。
【0078】図8の高電圧電源83、電離部81、集塵部82は、それぞれ、図7の高電圧電源712、電離用針状電極711と電離用対向アルミマイラーシート電極713、集塵用アルミマイラーシート電極714と集塵用ペーパー79に相当する。図8のシンチレータ部84、波長シフト光ファイバ85、光検出器86、信号処理部87、報知部88、光ファイバ89は、それぞれ、図7のシンチレータ78、波長シフト光ファイバ723、光電変換部76、信号処理部77、表示器72、光ファイバ721に相当する。
【0079】高電圧電源83、電離部81、集塵部82、シンチレータ部84、波長シフト光ファイバ85は、放射線検出部位810の構成に当たり、光検出器86、信号処理部87、報知部88は、光電変換以降の処理部位811に当たる。
【0080】電離部71は、高電圧電源83より高電圧を印加され空気を電離することによりダストを帯電させる。集塵部82は、高電圧電源83により高電圧を印加され帯電されたダストを集め付着させる。
【0081】集塵部82に付着されたダストが発生する放射線は、シンチレータ部84に入射しこれによりシンチレータ内部に光が発生する。この発生した光は、波長シフト光ファイバ85に取り込まれて波長のより長い光に変換される。波長が変換された光は光ファイバ89により光伝送されて光検出器86に導かれる。
【0082】光検出器86に導かれた光は、光検出器86により光検出され電気信号に変換される。電気信号に変換された出力は、信号処理部87により所定の処理を施されて測定結果が算出され、算出された結果は報知部88に供給される。
【0083】このダスト放射線モニタの動作については、波長シフト光ファイバ85を用いること以外図2における説明と同様である。
【0084】次に、図1、図5、図7に示した実施形態とは異なる本発明の実施形態であるダスト放射線モニタについて図9を参照して説明する。図9は、本発明のさらに別の実施形態であるダスト放射線モニタの構成を示す正面図(a)、内部を示す正面図(b)、側面図(c)、やや詳細な部分的側面図(d)である。
【0085】この実施形態の、図7に示した実施形態との違いは、シンチレータ78で発生し波長シフト光ファイバ91に取り込まれる光を2本の光ファイバ93a、93bで光電変換部94に光伝送することである。
【0086】このため、波長シフト光ファイバ91の2つの端部は、光コネクタ92(92a、92b)に接続され得る。また、光電変換部94は、2つの検出部からなり並行に光検出を行う。また、信号処理部77としてはすでに説明した図6に示した処理を用いることができる。
【0087】すなわち、この実施形態によれば、2系統の電気出力を得ることができるので、その一致処理(コインシデンス処理)を行うことができる。一致処理を行うと、ランダムに発生したノイズ分を抑圧することができ、したがって、図7に示した実施形態の効果に加えこの実施形態では放射線検出の耐ノイズ性をより向上することができる。
【0088】次に、図1、図5、図7、図9に示した実施形態とは異なる本発明の実施形態である放射線サーベイメータについて図10を参照して説明する。図10は、本発明のさらに別の実施形態である放射線サーベイメータの構成を示す正面図(a)、および側面図(b)であり、すでに説明した構成要素には同一の番号を付してある。
【0089】この放射線サーベイメータでは、光ファイバ721と光電変換部76以降の部位とは、図7に示した実施例と同一のものを使用することができる。すなわち、放射線検出部位のみを取り換えることにより、放射線を探査・検出する放射線サーベイメータを簡易的に実現することを意図したものである。
【0090】構成を説明するに、円形で板状のシンチレータ151の側端部を波長シフト光ファイバ154で巻き付け、波長シフト光ファイバ154の端部を光コネクタ155に導く。また、シンチレータ151と波長シフト光ファイバ154とは、一方の面をアルミマイラーシート153で遮光されて金属製遮光ケース152に収められる。
【0091】光コネクタ155は、光コネクタ156に接続される。これによりシンチレータ152で発生した光は、光ファイバ721により光伝送され光電変換部76に導かれる。
【0092】この放射線サーベイメータの動作について説明する。
【0093】放射線が存在する環境下に放射線検出部位を置いた場合、アルミマイラーシート153を透過して放射線がシンチレータ151に入射する。放射線がシンチレータ151に入射するとシンチレーションによる発光が生ずる。この光を波長シフト光ファイバ154に取り込み光コネクタ155、156、光ファイバ721を介し光電変換部76に導く。以降の処理については、図4において説明した構成と同様のものを用いることができる。
【0094】この実施形態の放射線サーベイメータでは、シンチレーションを発生する側と測定結果を得るための処理を行う側とが空間的に分離されかつ光ファイバ721で接続可能に構成されるので、光電変換および信号処理を行う側は、上記のダスト放射線モニタと共用することもできる。
【0095】その上に、小型・軽量化を図りかつ機械的可動部をなくして卓上や壁掛けの形態で、あるいは機動的に使用することも可能な放射線サーベイメータが得られる。
【0096】次に、図1、図5、図7、図9に示した実施形態とは異なる本発明の実施形態である放射線サーベイメータについて図11を参照して説明する。図11は、本発明のさらに別の実施形態である放射線サーベイメータの構成を示す正面図(a)、および側面図(b)であり、すでに説明した構成要素には同一の番号を付してある。
【0097】この実施形態の、図10に示した実施形態との違いは、シンチレータ151で発生し波長シフト光ファイバ154に取り込まれる光を2本の光ファイバ157a、157bで光電変換部76a、76bに光伝送することである。
【0098】このため、波長シフト光ファイバの2つの端部154a、154bは、光コネクタ155a、155bに接続される。また、光コネクタ155a、155bは、光コネクタ156a、156bにそれぞれ接続可能である。光電変換部は、2つの検出部76a、76bからなり並行に光検出を行う。また、信号処理部77としてはすでに説明した図6に示した処理を用いることができる。
【0099】すなわち、この実施形態によれば、2系統の電気出力を得ることができるので、コインシデンス処理を行うことができる。この処理を行うと、ランダムに発生したノイズ分を抑圧することができ、したがって、図10に示した実施形態の効果に加えこの実施形態では放射線探査・検出の耐ノイズ性をより向上しその感度を向上することができる。
【0100】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、ダストを帯電させ静電的に集めるので、ポンプを必要とせず小型軽量化に寄与する。電離用電極、集塵用電極は平面状であり、また、ダストに含まれ集塵用電極に集められた放射性物質が発する放射線の検出に、集塵用電極に平行に配置された板状のシンチレータ(発光物質)を用いるので、これらの電極、シンチレータはまとめても薄い形状に収められ、したがって、小型・軽量化を図りかつ機械的可動部をなくして卓上や壁掛けの形態で使用することが可能になる。
【0101】また、電離用電極間で生ずる放電による電磁的ノイズの影響を放射線検出側に与えないようにできるので、耐ノイズ性の向上した放射線検出が可能になる。
【0102】また、光電変換手段も複数設け、その出力の一致処理を行うことで、さらに耐ノイズ性、検出感度を向上できる。
【0103】また、電離用電極を環状に配置すると、装置の平面方向面積あたりの配置効率が向上するので、電離効率が向上し集塵効率も高まるので、放射線検出感度を向上することが可能になる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成12年7月21日(2000.7.21)
【代理人】 【識別番号】100077849
【弁理士】
【氏名又は名称】須山 佐一
【公開番号】 特開2002−40187(P2002−40187A)
【公開日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【出願番号】 特願2000−220981(P2000−220981)