| 【発明の名称】 |
靱性監視用再生試験片 |
| 【発明者】 |
【氏名】中西 幸紀
【氏名】田上 稔
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| 【要約】 |
【課題】正規の破断経路以外での割れを未然に防止することができる新規な靱性監視用再生試験片の提供。
【解決手段】靱性監視用試験片の再利用部分1を中心としてその両側に表面活性化接合によって類似のタブ材3a,3bを接合して再生された断面四角形状をした靱性監視用再生試験片において、上記再利用部分1に所定の大きさのノッチ4を形成すると共に、そのノッチ4近傍の接合部5,5の角部を面取り加工する。これによって、正規破断経路以外での割れを確実に防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 靱性監視用試験片の再利用部分を中心としてその両側に表面活性化接合によって類似のタブ材を接合して再生された断面四角形状をした靱性監視用再生試験片において、上記再利用部分に所定の大きさのノッチが形成されていると共に、そのノッチ近傍の接合部角部が面取り加工されていることを特徴とする靱性監視用再生試験片。 【請求項2】 上記靱性監視用試験片が、原子炉圧力容器内に装荷される試験片であることを特徴とする請求項1に記載の靱性監視用再生試験片。 【請求項3】 上記靱性監視用試験片が、JIS規格(JIS-Z-2202)によるシャルピー衝撃試験に用いられる4号Vノッチ型試験片であることを特徴とする請求項1又は2に記載の靱性監視用再生試験片。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原子力圧力容器の放射線照射や熱による金属材料の靱性脆化を評価するために用いられる靱性監視用再生試験片に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、原子力プラントの圧力容器(RPV)の内部には、放射線照射や熱による容器や内部機器等の脆化等を評価するために、これら容器や内部機器等を構成する金属材料と同じ材料からなる、いわゆる靱性監視用試験片が複数装荷されている。 【0003】この靱性監視用試験片は、例えば、図2に示すようにいわゆるJIS規格(JIS-Z-2202)によるシャルピー衝撃試験に用いされる4号Vノッチ型試験片(10mm×10mm×55mm)と称されるものが採用されており、その試験片本体aの両端を支持し、中央部に形成されたV型ノッチ(切込部)bの背面側からハンマーによる衝撃を加え、その破断に費やされたエネルギーを測定することで衝撃値の変化等を調べて放射線照射や熱による圧力容器等の靱性脆化を間接的に評価している。 【0004】そして、この靱性監視用試験片は、一般に原子力プラントの供用開始時にまとめて装荷され、供用期間中検査の際等に必要な分だけ圧力容器内から取り出されて、衝撃試験に供された後、放射性廃棄物として廃棄処分されることから、その装荷量は当初予定されている圧力容器の供用期間(約40年)に行う試験回数に見合った分の数となっている。 【0005】ところが、最近では既設の原子力プラントの供用期間の延長化が検討されてきており、これに伴って供用開始時にまとめて装荷しておいた試験片が不足するといった問題が発生してきている。 【0006】そのため、このような問題に対応すべく従来試験後にそのまま廃棄処分されていた使用済みの試験片を再生して再利用する必要性が生じてきているが、この再生方法として単なる溶接や圧接等の従来周知の方法を採用したのではその試験片の大きさ・性状等が初期の試験片と大きく異なってしまい、正確な評価が行えない。そこで、できるだけ本来の試験片に近い状態の試験片を再生する必要があり、この要求を満たす再生方法として、いわゆる表面活性化接合を用いた再生方法が有望視されている。 【0007】すなわち、この表面活性化接合による試験片の再生方法は、先ず、図3(1)に示すように、この試験片の再利用可能な部分(インサート材)1の一端をこれを貫通するようにサポート材2で保持した後、同図(2)に示すように、そのサポート材2で保持されたインサート材1の端部にこれと類似の材料からタブ材3aを押し当てた状態で加圧しながらタブ材3a側を高速で回転させてその接触面を活性化させて両者を接合する。次に、同図(3)に示すように、このインサート材1の余分な部分をサポート材2の単面から切り落とした後、同図(4),(5)に示すように、その端面に別のタブ材3bを押し当てた状態で同じく加圧しながらこのタブ材3b側を高速で回転させてその接触面を活性化させて両者を接合し、その後、そのサポート材2を除去すると共に、両タブ材3a,3bをインサート材1に合わせて切削加工した後、そのインサート材1にノッチ(切込部)4を形成することで、JIS規格に準じたいわゆる4号Vノッチ型靱性監視用再生試験片を形成するようにしたものである。 【0008】そして、この表面活性化接合による再生方法は、接合による熱影響部と試験部(再生部)とが干渉しないこと、及び試験部(再生部)の温度が極力上昇しないこと、すなわち、照射脆化が回復する温度に達しないことから再生技術として優れた方法であり、この再生方法を採用することによって、初期の靱性監視用試験片に近い再生試験片が容易に得られ、上述した原子力プラントの供用期間の延長化に伴う靱性監視用試験片の不足といった問題を効果的に回避することが可能となる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような表面活性化接合によって得られた再生試験片にあっては、中央の再生部分(インサート材1)とその両側のタブ材3a,3bとの接合部が急熱・急冷されるため、その接合部には、延性に乏しく硬さの非常に高い(例えば、Hv500以上)部分が生ずることがある。 【0010】そのため、図4に示すように衝撃試験を行った際にこの延性に乏しく硬さの非常に高い部分が試験片の変形を拘束し、図5に示すように応力が集中するノッチ4近傍の接合部5,5の角部に微細な割れ(亀裂)を生じさせることが明らかとなった。 【0011】そして、このような正規の破断経路以外での割れの発生は、それに必要とされるエネルギーが試験結果の衝撃エネルギー値に含まれるため、その試験結果が初期の試験片と比べて異なってしまい、正確な評価を行うことができないといった問題が生ずる。 【0012】そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、正規の破断経路以外での割れを未然に防止することができる新規な靱性監視用再生試験片を提供するものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、請求項1に示すように、靱性監視用試験片の再利用部分を中心としてその両側に表面活性化接合によって類似のタブ材を接合して再生された断面四角形状をした靱性監視用再生試験片において、上記再利用部分に所定の大きさのノッチが形成されていると共に、そのノッチ近傍の接合部角部が面取り加工されているものである。 【0014】すなわち、上述したように再生試験片を用いて衝撃試験を行った場合、その接合部に応力が集中し、ノッチ近傍の接合部角部を起点として微細な割れが発生していたが、本発明は予めその割れの起点となるノッチ近傍の接合部角部を面取り加工して除去するしたため、割れの起点がなくなって正規の破断経路以外での割れを未然に防止することができる。 【0015】そして、このような靱性監視用再生試験片を構成する靱性監視用試験片としては、具体的には、請求項2に示すように。原子炉圧力容器内に装荷される試験片であり、又は請求項3に示すように、JIS規格(JIS-Z-2202)によるシャルピー衝撃試験に用いられる4号Vノッチ型試験片である。 【0016】 【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。 【0017】図1は本発明に係る靱性監視用再生試験片の実施の一形態を示したものである。 【0018】図示するように、この靱性監視用再生試験片は、断面略正方形状の金属製棒状体となっており、中央部に位置するインサート材(再生部)1の両側にそれぞれそのインサート材1と類似の材料からなるタブ材3a,3bが前述した表面活性化接合によって一体的に接合されている。 【0019】また、このインサート材1の一辺には、その幅方向に延びる断面V字状のノッチ(切込部)4が形成されていると共に、そのノッチ(切込部)4近傍の両角部がその長さ方向に1Cの面取りが施されて除去された状態となっている。 【0020】そして、このような本発明の靱性監視用再生試験片にあっては、予めその割れの起点となるノッチ4近傍の接合部5,5角部を面取り加工することで接合部5,5角部への応力集中が大幅に低減されるため、割れの起点がなくなって正規の破断経路(ノッチ4部分)以外での割れを確実に防止することができる。実際に、このような面取りを施した再生試験片と、面取りを施さない再生試験片に対して数多くの衝撃試験を行ったところ、面取り加工を施さない再生試験片の場合は、約50%の割合で正規の破断経路以外の箇所、すなわち接合部5,5で割れが生じたのに対し、面取りを施した再生試験片の場合は正規の破断経路以外での割れは皆無であった。 【0021】この結果、本来の靱性監視用試験片と同様、あるいはそれに限りなく近い衝撃試験を実施することが可能となり、圧力容器等の放射線や熱による靱性脆化を正確に評価することができる。 【0022】尚、本発明のように角部を面取り加工することにより、その断面積がJISに規定する本来の試験片よりも減少するため、本来の試験片を用いた場合に比べてその試験結果が異なってくるが、その変動値は上述したように割れが生ずる場合に比べて極僅かであり、靱性脆化を評価する上での評価基準として十分採用するに値するものである。 【0023】また、本実施の形態では、ノッチ4近傍の両角部全体をその長さ方向に亘って面取り加工したが、上述したように割れの起点は殆どがその接合部5,5の角部であることから、その接合部5,5の角部付近のみを面取り加工するようにしても良く、また、面取り量は接合部4,4や脆化状態に応じて適宜、例えば0.5Cや1.5C等に増減するようにしても良い。 【0024】 【発明の効果】以上要するに本発明によれば、衝撃試験時に応力が集中して割れの起点となるおそれがある接合部角部に予め面取り加工を施したため、正規破断経路以外での割れを確実に防止することができる。この結果、本来の靱性監視用試験片と同様、あるいはそれに限りなく近い衝撃試験を実施することが可能となり、圧力容器等の放射線や熱による靱性脆化を正確に評価することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000099 【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年7月24日(2000.7.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068021 【弁理士】 【氏名又は名称】絹谷 信雄
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| 【公開番号】 |
特開2002−40185(P2002−40185A) |
| 【公開日】 |
平成14年2月6日(2002.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−227563(P2000−227563) |
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